2017年、BBGの二人がお小遣いを総動員して手に入れた4つの軽量レインウェア。梅雨入り前から初夏にかけて雨の中で着まくり、いよいよ総括決戦の時がやってきたのだ!今シーズンあなたにとって「ベストバイ」なレインウェアはどれなのか?いざ「BBG軽量レインウェア比較大戦2017」の決戦の火蓋が切って落とされるのである!

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軽量レインウェア比較大戦

開戦に向けて

時は戦国。

世は混沌にまみれ、ことに「レインウェア」という地域は数多の強豪がひしめく激戦地となった。

この事態を重く見た国連(BBG)は、以下のような選考基準を設けて事態の収拾を図った。

世に言う「レインウェアふるい落とし政策」である。

  • ファストパッキングを想定して軽量であること
  • 注目の素材(3レイヤーのもの)を使用していること
  • 話題性やプロダクトとしての鮮度があること
  • 試し甲斐があるちょっと攻めた商品であること

 

これによって群雄割拠の国家は、4カ国にまで絞り込まれることになった。

その厳しいBBGの選考基準を乗り越えてきた4強は「日本」「米国」「仏国」「英国」の4カ国。

それぞれの単体記事はすでに書いてきているが、今回はその結果も含めての比較決戦だ。

それでは開戦に向けて、各国の代表を紹介していこう。

 

日本代表 ティートンブロス「ブレスジャケット」

小国ながらもそのハートにSAMURAIの魂を宿す、日本が世界に誇るティートンブロス2017新作ジャケット。

素材はポーラテック社の「ネオシェル」

防水性は必要最低限なれど、透湿性や着心地、フィット感にこだわった攻めのレインウェア。

無駄を削りに削ったその機能性は、まさに研ぎ澄まされた日本刀の如し!

そのアイテム名同様、他の3国を一息で斬り捨ててしまうのか?

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アメリカ代表 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」

大国アメリカが送り込んできた、各方面で大絶賛の究極軽量レインジャケット。

素材は今話題のゴアテックス社「C-Knit(C-ニット)」

素材としての数値は非公開ながらも、適度な耐水圧と透湿性の良さは誰もが認める軍事力。

無駄を省きながらも抑えるとこはしっかり抑えた、「さすがはノース」と言える隙のなさ。

アメリカファーストの姿勢を貫き、他の3国を圧倒するのか?

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イギリス代表 OMM「イーサー スモック」

イギリスのストイック集団が作り上げた最強の軍事力。

素材はeVentの注目素材「eVent DVSTORM」

そして随所に散りばめられたこだわりの数々。

多雨多湿という日本と似た環境下で牙を研いできたOMM。

大英帝国の威信をかけ、見事他の3国を蹴散らすことができるか?

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フランス代表 ミレー「ティフォン50,000 ストレッチ ジャケット」

シャレオツ大国おフランスがが仕掛ける挑戦的レインジャケット。

素材はミレーオリジナルの「ドライエッジティフォン50,000」

その名の通り50,000g/㎡/24hという驚異的数値の透湿性と、パネぇレベルのストレッチ性能をひっさげてレインウェア界に殴り込む。

今最も勢いのあるミレーだからこそできた、レインウェア界に一石を投じるチャレンジ。

異端児でありながら、他の王道3国を食ってしまうのか?



比較対抗戦 いざ開戦!

今まさに、軽量レインウェア界の雌雄を決するべく4国が決戦場に集結した。

今回の戦いは、各局地戦(カテゴリー)における勝敗はもちろん、トータルのポイント数によって総合王者が決まるシステム。

各カテゴリーを10点満点で採点し、最終的にその合計ポイントで競う。

それによってBBGが選ぶ「2017ベスト・バイ・レインウェア」の行方が決まるのだ。

 

さあ、戦場に開戦を告げる法螺貝の音が響き渡る。

いざ、尋常に勝負!

 

第1戦 防水力(撥水力)対決

レインウェアの基本のキである防水性対決。

当たり前だが、基本的にこの4国は必要十分な防水性を持っていることは先に言っておこう。

その上で、まずは各素材別の「数字上の耐水圧」を先に見て行く。

メーカー ティートンブロス ノースフェイス ミレー OMM
アイテム名 ブレスジャケット クライムベリー ティフォン50,000 イーサースモック
素材 ネオシェル C-ニット ドライエッジ DVSTORM
耐水圧 10,000mm 未公表 20,000mm 10,000mm※

(2017.9.8追記 ※DVSTORMは日本では10万mmと情報が出回っているが、eVent本国サイトでは10M Water Columnになっているため実際は1万mmの間違いです。BBGもこの記事を書いた当初は10万mmで書いてましたが、代理店さんに確認が取れたため記事内容を修正してます。)

正直耐水圧なんざ10,000mmあれば十分で、よっぽどのことがない限り内部に雨が浸水してくることはない。

 

それを加味した上で、むしろ重要なのは「撥水性」の部分。

撥水性が弱いと生地上で水分が薄く膜を張ってしまって、ウェアの透湿性能が落ちてしまうからだ。

しかも中に水分が染みてこないとはいえ、気分的にべちゃっとした感じは良いもんじゃないし、表面に水を含んだウェアが肌に張り付けば少なからず体温も奪っていく。

そこらあたりを重視して、撥水剤処理をしてない同等の条件下で行ったテストの結果で順位をつけていこう。

 

第4位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:5点

ストレッチする独特の素材のせいなのか、わりかし早い段階で表面は滲んだような感じになった。

何度も言うように、だからと言って浸水は全くナッシングだがやはり気分的な部分と透湿性への影響が懸念される。

 

第3位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:6点

最初はちゃんと弾いてても、1時間ほど雨の中にいると次第にこんな感じで滲んだ風になってしまう。

浸水しないとはいえ、あまりいい気分ではない。

 

第2位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:6点

2位と3位はほぼ同列な感覚。

ただブレスジャケットの方が内側の肌触りがとてもいいから、ベタッとしてもそれほど不快感がないってのと、乾きの良さっていうプラス効果で2位にしました。

 

第1位 OMM「イーサースモック」:8点

他の3国が1時間も降られれば滲んで来ちゃうのに対し、DVSTORMは3時間以上も雨を綺麗に弾き続けた。

撥水性は十分優秀だ。

 

生地の撥水力は、ある程度撥水剤などの処理を加えれば大幅にアップする。

素材が持つ基本的な撥水力も大事だが、やはり透湿性も損なわないようにするには撥水剤で撥水力を常時強化しておくことが重要ですね。



第2戦 透湿性対決

レインウェアの比較において、もっとも重要な判断材料になって来るのがこの透湿性問題。

どんなに防水性が優れていようが、透湿性が悪かったら結果的に内部の水蒸気が外に出て行かずに体がベッチョリンコ…なーんてことになってしまう。

登山におけるレインウェアの本分は、「外的にも内的にもいかに体を濡らさないか」が重要なので、透湿性は非常に重要な要素なのです。

ではここもまずは素材別に「数字上の透湿性」ってのを見てみよう。※単位:g/㎡/24h

メーカー ティートンブロス ノースフェイス ミレー OMM
アイテム名 ブレスジャケット クライムベリー ティフォン50,000 イーサースモック
素材 ネオシェル C-ニット ドライエッジ DVSTORM
透湿性 20,000g 未公表 50,000g 31,000g

数字上はミレーのオリジナル素材ドライエッジティフォン50,000がダントツ。

透湿最強と言われるeVentに大差をつけているが、果たして体感はどうか?

そして相変わらずの徹底したステルス戦略で、耐水圧同様に未公表を貫くC-ニットの存在が不気味だ。

 

素材自体の機能も重要だが、オプション的に透湿を助けるベンチレーション(換気口)も加味して体感的な透湿性を検証。

BBGの二人がほぼほぼ同条件下で何度もテストした結果を見ていこう。

 

第4位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:6点

数字上は50,000gという数値だったが、正直体感的にはそこまでのものは感じなかった。

もちろん通常のレインウェアに比べると全然透湿性は高いんだが、内部にこもった熱がなかなか抜けて行かないから体温調節に少々苦労した。

常時アルプスの稜線上などの高地で使用するなら安心感はあるが、暑い時期の樹林帯ハイクはなかなか厳しいものがある。

左右のポケットがベンチレーションになってるけど、

浅くて物が落ちやすいから、できれば脇下にガッパリと開くベンチレーションがあればバランスが良かった。

 

第3位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:7点

それなりに抜けはいいんだが、物凄く良いってわけでもない。

ある程度熱はこもるし、ウェアから排出されて行かなかった熱が首元に集中してモワッとしてしまう。

ただベンチレーションが充実していて、左胸ポケット+脇下にあらかじめ空いた換気口があり、

なおかつダブルジッパーの下部を解放してやれば適度な体温調節が可能だ。

この独特な斜めジッパーは位置的にも開けやすくて実に良い感じ。

 

第2位 OMM「イーサースモック」:8点

数字的にも評判的にも、やはり素晴らしい抜けの良さを体感させてくれた。

抜けが良すぎて外気を寒く感じるようなこともなく、稜線上でも安心して使用できる。

「ずば抜けてスゲー!」ってわけではないが、「ほほう、こりゃなかなか快適だ」っていうちょうど良いライン。

ベンチレーションはフロントのダブルジッパーの開閉のみだが、特に困ることはない。

透湿王eVent、さすがです。

 

第1位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:9点

それはまさに驚嘆レベルの透湿性だった。

あえて耐水圧も透湿性も数値を公表していないC-ニット素材だが、なにやら「俺様の軍事力は数字で語れるもんじゃねえ!体で感じろ!」とでも言っているかのような素晴らしさ。

レインというより、もはやソフトシェルのような感覚だ。

ベンチレーションは一切無いが、透湿性が素晴らしいから正直必要性は感じない。

若干抜けが良すぎて外気を寒く感じてしまうような場面もあったが、そもそもレインは防寒性を求めるものでは無いんで十分アルプスでの使用に応えてくれることでしょう。

 

第3戦 着心地対決

激しく動く場面では、生地が突っ張ってしまうと大きなストレスになる。

ここは各国ストレッチを効かせてたり、立体裁断で体の動きを妨げないよう工夫を凝らしてあるところ。

ただこの辺りの「動きを妨げるかどうか」ってことに関していえば、どのウェアも「ストレスを感じたことがない」ってレベルに達してるので順位付けは難しい。

その上で裏生地の肌触りなども考慮して、全体的な着心地としての順位付けをしてみました。

 

第4位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:7点

スリムフィットって謳い文句だが、多少余裕のあるシルエットで袖も長すぎない。

裏地は通常のゴアテックスよりかは若干サラッとしているような感じはする。

ただ生地が薄いせいもあってか少し張り付くような感じがして、その分外気の冷たさも感じてやや不快(ややね)。

生地自体のストレッチ性はない。

 

第3位 OMM「イーサースモック」:7点

トレランやファストパッキング向けのアイテムなので、立体裁断が素晴らしく、激しい動きに対しても大したストレスはない。

ダボついた箇所がないため風の抵抗も受けにくく、かつ動きを阻害しない。

裏地に関してはノースよりか多少サラッとしている感じ。

生地自体のストレッチ性はない。

 

第2位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:8点

もともとマウンテンランニング用に作られているためタイトフィットだが、適度にストレッチする生地と効果的な立体裁断でストレスフリー。

生地自体がしなやかなので、レインウェアを着ているという感覚は薄い。

裏地も直肌でもある程度不快感の少ないサラリっぷり。

着心地はかなり快適だ。

 

第1位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:9点

とにかく生地のストレッチがハンパなく、どんなに激しい動きでもしっかり追従してきてくれる。

その上裏地がサラサラで、ハイクアップ時でなければ素肌で着ても大した不快感を感じない。

生地自体もシャカシャカせず、レインというよりソフトシェルを着ている感覚だ。

サイズが結構大きめに作ってあるので、1サイズか2サイズ下の適正サイズならかなり快適に過ごせるだろう。



第4戦 フード対決

風雨が強ければ嫌でも被らなきゃいけないフードさん。

雨の侵入を防ぐのはもちろん、被っていても突っ張らないなどのノンストレスを求められるという、意外と厳しい激戦地だ。

ここではフード単体はもちろん、前襟付近の快適さも考慮して順位づけしています。

 

第4位 OMM「イーサースモック」:5点

いろんな工夫を凝らした多機能フードだが、無駄に多機能すぎたのが逆効果となってしまった。

インターナルフェイスガスケットという顔を覆う内側の極薄ナイロンが顔にべたーっと張り付くのが気になり、なおかつ帽子を被ったままだとあまりその機能を発揮しない。

そして調整コードが顔周りで少々ウザったい。

ヘルメットは被れるが、ジッパーをフルクローズさせるのは厳しい。

 

第3位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:5点

ラン用に作られたウェアのため、タイト目に作られていてこの指の部分が若干短い。

なので顔デカ族は突っ張ってしまって、登りの時に上を見上げるような時に鬱陶しさを感じてしまう。

ヘルメットをかぶったり、もう少し余裕のあるフードが欲しい人は、同社のより山岳に適したモデル「ツルギライトジャケット」をチョイスすると良いだろう。

前襟に関しては4着の中でも1番高めに作られていて、実に良い感である。

 

第2位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:6点

ヘルメットにも対応し、全体的に余裕のある作り。

生地自体もストレッチ性があるので、比較的ストレスは少なめだ。

ただブレスジャケットほどではないが、こちらも顔横の部分が上下に突っ張ってしまって顔上げの時に若干鬱陶しい。

前襟も短めなので、襟が顎下に回り込んで鬱陶しい。

 

第1位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:7点

全体的に余裕があり、各調整も概ね良い感じでヘルメットにも対応。

顔横上下部分も調整可能になっていて、顔デカ族にも優しい仕様。

シルエットはあまりカッコいいってわけじゃないが、実用的でストレスが少ない。

惜しむらくは前襟が短いってところね。

 

第5戦 カフ(袖口)対決

さあ、いよいよここからは対決内容がどんどん地味になっていきます。

カフの出来不出来によっては、手を伝って袖口から雨が内部に浸水して不快な思いをします。

あとは腕時計がすぐに見やすいかどうかも、地味に重要な部分であります。

 

第4位 OMM「イーサースモック」:5点

特徴的なサムホールタイプだったが、生地が伸縮性ないから突っ張る感じが。

トレッキングポール使用時も頻繁にベルクロが外れることがあり、正直微妙な感じ。

 

第3位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:6点

特にこれといった特徴のない、通常のベルクロで留めるタイプ。

裏のゴムがあまり伸びないゴムなので、脱ぐ時や時計を見る際はいちいち外さなきゃいけないのがストレス。

ただしっかり閉まってる分、手を伝ってくる雨の侵入はほとんどない。

 

第2位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:6点

ベルクロはなく、シンプルにゴムが入ってるタイプ。

そのため当然手から伝ってくる雨が浸水しやすいが、一方で着るのも脱ぐのもとてもスムーズ。

全てがゴムじゃなく、上部は何も入ってないため、腕時計を見る際は引っかかりがないのもグッド。

 

第1位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:8点

手から伝う雨水をしっかり防ぐベルクロタイプでありながら、反対側のゴムの伸びがいいので腕時計見る時もスムーズ。

ノースらしい安定感あるカフの構造で、特に不満は感じない。

 

第6戦 裾絞り対決

風雨の激しい時に巻き上げやバタつきを抑えたり、内部の熱を外に逃がしたくない時などに便利な裾を絞る機能。

「どれも一緒じゃねえの?」って思いそうな部分だが、地味ながら各国特色を出して来ている部分である。

 

第4位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:5点

ドローコードをストッパーのボタンで調節するタイプ。

絞る分にはいいいんだが、緩ませる際に両手を使ってボタンを押しながらコードをズリズリ戻さなきゃいけないのがストレス。

脇腹をツりやすいユーコンは、その度にツってました。

 

第3位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:6点

ボタンなどもないとても簡易的なストッパー。

軽量シンプルで必要十分だが、やはり長時間経つと多少緩んで来てしまう。

 

第2位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:7点

王道的な仕様で、ストッパーを掴んでドローコードを調整するタイプ。

調整時のストレスは一切感じないが、絞った時にダラーンと出たコードは若干邪魔。

 

第1位 OMM「イーサースモック」:8点

「ああ、その手があったか」と唸ってしまう、この一部分だけ絞るタイプ。

全体の軽量化にも繋がるし、機能として必要十分。

他の4着に比べて、絞った箇所がずり上がってくることも少ないのもグッド。

 

第7戦 ポケット対決

最後は「別にそこまで比較しなくても…」っていうポケット部門だ。

正直レインジャケットでポケットを積極的に使用する人は少ないだろうけど、テン場でペグ袋とか一時的に入れといたり、スマホを入れたりすることもあるだろう。

あと、物を入れるだけじゃなく、ベンチレーションとしても機能する部分なので、そのあたりの全体の使い勝手を考慮して順位づけします。

 

第4位 ミレー「ティフォン50,000ストレッチジャケット」:5点

ポケットの深さが浅いため、前かがみになった際は中身が落ちがち。

中はベンチレーションになっているが、ベンチレーションとして積極的に使う場合は開けっ放しだと中に物を入れないほうが良かったりする。

位置的にもあまり使い勝手が良くない。

 

第3位 ノースフェイス「クライムベリーライトジャケット」:6点

ポケットが深くて物が多く入る。

ただこの形状だと開け閉めしにくかったり、ショルダーハーネスに収納機能のあるバックパックの場合、干渉することも。

ベンチレーションはない。

 

第2位 ティートンブロス「ブレスジャケット」:7点

ポケットはシンプルに胸に一箇所だけだが、正直これで必要十分。

位置的にも出し入れしやすく、スマホ程度のものを入れておく分にはとても使い勝手がいい。

なおかつ内部はベンチレーションになっている。

ジッパーの持ち手が短く硬いため、少々開け閉めがしにくいのが難点。

 

第1位 OMM「イーサースモック」:7点

レインウェアのポケットはこのくらい簡潔で十分。

利き手が右手の人はとても開けやすく、容量も必要十分。

ジッパーも持ち手が長いため開けやすい。

ベンチレーションにはなってないので、純粋なポケットとして安心して物を入れておける。


結果発表

さあ、7箇所にも及ぶ各局地戦での激闘が終了いたしました。

最後にその結果を表にまとめて、合計ポイントにて勝敗を決します。

ここでは今までの7戦にプラスして、「軽量比較」と「お値段比較」も項目として加算。

いざ、2017年、BBGが選ぶベストバイ軽量レインウェアの発表なのであります!

メーカー名 ティートンブロス ノースフェイス OMM ミレー
アイテム名 ブレスジャケット クライムベリーライトジャケット イーサースモック ティフォン50,000ストレッチジャケット
防水性 6 6 7 5
透湿性 7 9 8 6
着心地 8 7 7 9
フード 5 7 5 6
カフ 6 8 5 6
裾絞り 6 7 8 5
ポケット 7 6 7 5
軽量さ 8(210g) 7(250g) 9(194g) 6(302g)
お値段 6(35,000円) 5(37,000円) 4(39,000円) 9(26,000円)
合計点 59(3位) 62(1位) 60(2位) 57(4位)

 

ということで、2017年度、BBGが選ぶベストバイ軽量レインウェアは…

The North Face(ザ・ノース・フェイス)「Climb Very Light Jacket(クライムベリーライトジャケット)」であります!!

出典:The North Face ※画像クリックでメーカーサイトへ。

 

やはり何と言っても、C-ニットの抜群の透湿性が高評価でした。

その他細かい仕様も、軽量でありながら必要な部分は手を抜かないというノースらしい仕様もグッド。

見た目のインパクトこそないが、現場における機能性は高次元。

ソフトシェル的な使用もでき、1着持っていれば何かと便利なジャケットなのであります!

おめでとう!ナイスファイトでした!

 

一方、わずか1ポイント差で2位となってしまったOMM。

細かい仕様の部分と、その値段の高さが勝敗を分けました。

しかしレインウェアとしての総合力では、さすがの力を見せつけました。

OMM「AETHER SMOCK(イーサースモック)」

出典:ノマディクス ※画像クリックでメーカーサイトへ

そして3位にはなってしまったものの、全体的なバランスに優れていたティートンブロス。

透湿性という面で上位2着に及ばなかったが、生地が厚手で稜線上の使用でも安心感がある。

しなやかな着心地も特筆すべきものがあり、何よりもカッコいい!

Teton Bros.(ティートンブロス)「BREATH JACKET(ブレスジャケット)」

出典:Teton Bros. ※画像クリックでメーカーサイトへ

 

惜しくも4位になってしまったが、ミレーの挑戦はレインウェア界に大きな一石を投じた。

特にレインウェアとは思えないストレッチ性は、今後のレイン市場に大きな影響を与えるだろう。

今後数字通りの透湿性が体感レベルで感じられるようになれば、最強の座は約束されたようなもの。

何よりもこの高機能で他のウェアより1万円以上安いというのはかなり素晴らしい。

MILLET(ミレー)「TYPHON 50000 ST JKT(ティフォン 50000 ストレッチ ジャケット)」

出典:MILLET ※画像クリックでメーカーサイトへ

まとめ

こうして長きに渡るBBGが選ぶ軽量レインウェアの戦いは幕を閉じた。

正直「こいつらが全部合体したらいいのに」って思うくらい、どれもが一長一短。

OMMの撥水&機能性、ノースの透湿性、ミレーのストレッチ、ティートンのシンプルな格好良さが合体したら、まさにそれこそが最強の1着。

今回結果としてノースが1位になったが、まだまだ我々ユーザーは現状のレインウェアには満足していない。

強豪ひしめく群雄割拠のレインウェア界は、まだまだエンドレスな戦いを繰り返すことだろう。

 

天下統一までの道のは遠い。

BBGが堂々と「レインウェアの決定版!」と叫べるものが登場するまで、我々はどこまでも雨にまみれてテストをしていく所存。

レインウェア vs BBGの戦いも、まだまだ始まったばかりなのである!