HOVERLIGHT(ホバーライト)をご存知でしょうか?世界で最も軽い金属製カトラリーを作るために生まれたブランドです。リリースされたスポーク(先割れスプーン)の重量はなんと7g!!軽さだけではない魅力をレビューしました!!(文・コータロー)
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HOVERLIGHT
今回ご紹介するのはアウトドア用のカトラリー。
スプーンとフォークが一体化した、いわゆる
「先割れスプーン」や「スポーク」と呼ばれる物です。
どれを使っても同じでしょ?
私もそう思ってました。
ところが、私の目に飛び込んで来たのは真っ黒でスタイリッシュなスポーク。
そして説明文には7gの文字が。
ああ、プラスチックなんだ〜。
違いました。
アルミ製のスポークです!
実は金属製のスポークで10g以下の物は珍しいんです。
私が所有している物の中では
SEA TO SUMMIT / アルファライトスポークのみ。
(他に知ってたら教えて下さい!笑)
シートゥのスポークも超軽いけど、もっと軽いの!?
気になる…!!
そんなこんなで購入してみました!!
HOVERLIGHT(ホバーライト)
ブランド名はHOVERLIGHT(ホバーライト)と言います。
金属加工で知られる新潟県・燕市にある
有限会社アイデアセキカワさんが立ち上げたブランドです。
1971年にステンレス鋼材の販売会社としてスタートしたセキカワさんは
家庭用のキッチンツールからキャンプ用品等
自社開発はもちろん、OEM生産も請け負う金属加工会社。
そんな燕市の工場が、世界一の軽さを追求して誕生したのが
HOVERLIGHT / SPOKEなんです。
公式HPがスタイリッシュなので是非見てみて下さい!!
各部詳細
それでは各部を見て行きましょう。
まずはこのカッコいいパッケージを見て下さい。
アウトドア用品とは思えないですよね。
このままプレゼントとしても良さそう。
裏には説明文が書いてあるんだけど文字がマジで小さくて笑
何書いてあるのかわかりにくいのがちょっと残念。
HOVERLIGHTはスポーク単品とDCF製ケース付きが選べます。
私は迷わずDCF製ケース付きを購入。
公式HPでの価格はスポーク¥1,900円、ケース付き¥3,000円。(税込)
他のショップで買うとスポーク¥1,980円、ケース付き¥3,300円。(税込)
おや?笑
きっと大人の事情です。
見なかった事にしておきます笑
(2023.2月時点の価格)
サイズは全長165 ×幅 40 ×高さ 24 mm。
ありそうで無い、真っ黒なスポーク。
カラーは他にシルバーとグレーがあります
そして脅威の7g…!!
実測値もピッタリ。
持った瞬間に軽さが…!!
…正直、軽いは軽いんですけど実感が湧きませんでした笑
違いがハッキリ分かったのは他社のスポークを持った後!!
本当にビックリするぐらい軽いです…!!
遅ぇよ!!笑
指一本で持っても重さを感じません!!
遅ぇよ!!
ハンドル部分は湾曲していて持ちやすい。
手に馴染みます。
実はこの湾曲したハンドルにも理由があります。
それは後ほど。
ヘッド部分にもコダワリあり。
他社のスポークはヘッドが丸い物が多いのですが
HOVERLIGHTのヘッドは、先端がテーパードしてストレートになっています。
ジーンズの話ではありません笑
この部分です。
先端に向かうほど真っ直ぐ、細くなって行きます。
このおかげでフォークとしての使いやすさが向上。
ストレート部分はナイフのように食材を切る時にも便利です。
ヘッドが丸いと切る時に食材が逃げちゃうんですよね。
ハンドルの裏にはMADE IN JAPANの刻印。
穴が空いてるので細引きも通せます。
そして、ペラッペラのチープなケースが来るかと思いきや、しっかりしたDCF製のケースが付属します。
サイズは全長200 x 幅55mmの封筒型。
ロゴが入ってカッコいい!!
全力でケース付きをオススメします!!
大丈夫だと思いますが、DCFが破けると嫌なので
ハンドル部分から収納してます。
収まりが良い!!
もう一度言います。
ケース付きがオススメです!!
アルミはチタンより軽い
HOVERLIGHTはアルミ製です。
アウトドア製品ではチタンが高い評価を得ていますが、なぜアルミなんでしょう?
チタンの方が軽いんじゃないの?
実はチタンよりアルミの方が軽いんです。
私はチタンの方が素材として軽いと思ってました!!!!笑
すいませんでした!!!!笑
ざっくり言うと、チタンは薄く加工することができるので、結果的に軽くなるんだそうです。
チタンは素晴らしい素材ですが、加工が難しかったり、なかなかクセが強い素材。
錆びないのが最大のメリットなのかなぁー。
HOVERLIGHTは極薄のアルミで作られています。
ただ、それでは強度が足りない。
そこで、シェル構造(曲面板構造)
という仕組みを応用して強度を上げます。
シェル構造とは板を曲げて曲面板にすると、平らな板よりも強度が上がるという事なんですが、ちょっと意味がわかりません笑
では、シェル構造について学の無い私が説明します…!!笑
持っているのはペラペラのまな板。
「これで雪かきして!」と、パワハラ気味に頼まれたとします。
そう言われても…これではフニャフニャで無理です…。
そこで、まな板を湾曲させてスコップ状にして強度を上げました。
これなら大丈夫。
雪洞も掘れるはずです(無理)
シェル構造は板を湾曲させてビシッとさせる!(語彙力)
大体そんな感じだと理解しました笑
SPOKEの持ち手が湾曲していたのは、強度を上げるためでもあったのです。
シェル構造による画期的な設計は実用新案を取得しているそうです。
そして、その状態から
ハードアルマイト加工
を施します。
硬質アルマイトとも言います。
どんな加工なんでしょう?
わかりやすく言うと
何もしていないアルミを素っ裸の私だとします(は?)
その状態でジャンダルムに行きます。北鎌でもいいです。
そんな事したら体が傷だらけになりますよね笑
ですので、上からハードシェルを着て保護します。
普通のハードシェルじゃないです。
めちゃくちゃ強いハードシェル。
アークのアルファSVを三枚着た感じです笑
素っ裸の上にハードシェルを着て耐久性アップ。
それがハードアルマイト加工です。
冗談はさておき笑
HOVERLIGHTはアルミの上からハードアルマイト加工をして
強い「皮膜」で覆い
「外骨格」を作る事で強度と耐久性をアップさせました。
形状を変えて強度をアップ。
皮膜で覆う事で強度をアップ。
この2つの加工で軽量なアルミを実用強度まで引き上げました!
金属に詳しいユーザーさん、間違ってたら教えて下さい笑
管理人はけっこうバカです笑
悩みに悩んで出てきたのが素っ裸にハードシェルですからね笑
使ってみた
それでは実際に使ってみました。
1週間、家での食事(朝と夜)は全てHOVERLIGHTを使いました。
どうせならと、冒頭で紹介したSEA TO SUMMITのスポークと
持っている人も多いであろう、スノーピークの先割れスプーンの3種類で
食事中にとっかえひっかえしながら使い心地を比較しました。
スノーピークのスクーも似た商品ですが、16gあるのと、ちょっと形状が違うので比較対象から除外しましたー。
シートゥは冒頭で紹介した通り9g。軽い!
こちらもアルミ製です。
3種類の中では一番ヘッドが大きいです。
ハンドル部分は湾曲と言うか、隆起したような形状。
これもシェル構造なのかな?
ハードアナダイズド加工もされているのでHOVERLIGHTとバチバチのライバル!!
ちなみに価格は¥990円(税込)と圧勝してます笑
優勝か!?笑
スノーピークの先割れスプーンはチタン製で12g。
持ってみると他の2種類より明らかに重い。
いや、十分軽いんですが他の2種類が軽すぎ笑
ヘッドは全体的に丸みを帯びたデザイン。
価格は¥1,320円(税込)と、チタンなのに買いやすい価格。
3種類並べるとHOVERLIGHTだけ形状が違うのがわかります。
テーパードしているので、スリムに見えますね。
この2種類は似ていますが、シートゥの方がヘッドが大きいです。
注目はスノピのフォーク部分。
丸みを帯びています。
結果的に、この丸みのせいで
フォーク性能が少し弱いと感じました。
対して、HOVERLIGHTとシートゥのフォーク部分はエッジが立っています。
「ずぶっ」と押さえつけて刺さるスノピに対して
シートゥとHOVERLIGHTは「サクッ」と軽い力で刺さります。
結果
そんなこんなで総合的な使いやすさの結果はこうなりました。
- HOVERLIGHT
- SNOW PEAK
- SEA TO SUMMIT
まるでHOVERLIGHTの回し者のような結果ですが、リアルガチでこの結果なので仕方がありません笑
比較して感じたのは、HOVERLIGHTは全体のバランスが良かったです。
米、麺、肉、スープ、デザート。
何でもストレス無く食べれます。
特にフォークの性能が優れていました。
麺との相性はバツグン。
よく絡み、ゴソッと持ち上げられます。
HOVERLIGHTのテーパードしたスリムなヘッドは本当に食べやすいです。
大きく口を開けなくても、食べ物をスルッと口の中に運べます。
軽さを全力でアピールしているHOVERLIGHTに対して失礼かもしれませんが
重量よりもヘッドの形状が優れていると感じました。
アルミなので熱伝導率が良すぎて持ち手が熱くなるのでは?
自分はそう思っていました。
しかし、ハードアナダイズド加工のおかげなのか
食事中はもちろん、グツグツに沸騰した鍋に入ったパスタをしばらくかき混ぜても、ほんのり熱が伝わる程度。
不思議です笑
ここまでベタ褒めですが、もちろん気になった点もありました。
公式HPの説明文には「麺類を巻き付けやすいデザイン」と書いてありましたが、それはあまり感じませんでした。
もちろん、比較した中では一番巻きつけやすかったです。
麺を巻き付けやすくするには、もう少しフォーク部分が長くないと難しいのかな?
あくまでスポークの中では巻き付けやすい。
と、言う印象でした。
そもそも巻き付けなくても麺は綺麗に持ち上がるので全く問題ないです笑
もう一点はクッカーの底との相性です。
ここ最近、クッカーの底にピタリとフィットする形状のスプーンが増えてきていると思います。
スポークにそこまで求めるのは酷なのですが、やはり先端がストレートなのでクッカーの底との相性は悪かったです。
カレー等を食べると少し気になるかもしれません。
その点、優秀だったのはスノーピーク。
ロングセラーには理由があります。
比較したスポーク全てに言えますが、スタッキング性能はイマイチです。
これは仕方ないかな。
その為のケースですもんね。
メスティンには良いサイズ感。
ケースに入れた状態でもなんとか収まりましたー。
メスティンとの相性はバッチリです。
ラストはなんとも言えないイチャモンです。
軽すぎる笑
カップラーメンの蓋を押さえるのもままならない軽さです笑
ケースに入れてから乗せると何とかなるかも?笑
山頂で使う時は風に飛ばされないように気をつけましょう!!
この時期、外でカップラーメン食うならコジーが便利ですよ〜。
耐久性に関しては全く問題なし。
踏んだりすれば流石に変形すると思いますが
通常使用での耐久性は全く問題ないと思います。
スポークも色々ある
残念ながらHOVERLIGHTには敵いませんでしたが、残りの2つも素晴らしいスポークでした。
スノーピークはスプーンとしての機能が抜群です。
汁気の多い食べ物には間違いありません。
アイスにもいいぞ!笑
SEA TO SUMMITも十分優れていたのですが、他の2種類に比べると少し中途半端な使い心地でした。
可もなく不可もなく。
それでも軽さと価格のバランスはピカイチ。
とりあえずスポークを使ってみたい方はコレがオススメです!
まとめ
それではHOVERLIGHT/SPOKEをまとめます!
ここがイイね!!
- 軽すぎ!(7g)
- でも強度は全く心配なし
- 持ちやすいハンドル
- 食べやすいヘッドデザイン
- 麺との相性バツグン
- DCF製ケースの造りが良い
- HPを含めてトータルデザインが良い
ここがもうちょい!!
- 軽すぎて強風注意です笑
- 麺は巻きつけやすくはない
- 黒は無くしやすいかも?笑
- スタッキング性能はイマイチ
HOVERLIGHTの魅力は軽さと食べやすさ。
一本で色々な料理に対応するのもメリットです。
風に気をつけてガンガン使いましょう!!笑
評価したいのは心意気
カトラリーを7gのスポークに変えたからと言って、装備が劇的に軽くなるわけではありません。
ニッチな商品なので響かない人も多いかもしれません。
私が評価したいのは世界一軽いスポークを作ってやろう!
と、言うHOVERLIGHTの心意気です。
正直、アウトドア用のカトラリーなんてどれも変わらないと思っていた私。
他社からも沢山出ていますし、これ以上のアップデートは無いと思っていたのです。
反省しました笑
製品はもちろん、ケース、HP、パッケージ、トータルの世界観にも痺れました。
こんなにスタイリッシュなスポークがあったでしょうか?
たかがスポーク、されどスポーク。
気になった方には是非使ってみて頂きたい商品です!
プレゼントにも是非!
現在は公式HPと数店舗の取り扱いになります。
私はハイカーズデポさんで購入しました。
アウトドアの展示会にも出店していたそうなので、今後は取扱店も増えると思います。
お店で見かけた際には是非手に取ってみて下さい。
最後までお読み頂きましてありがとうございました!
押忍!!
HOVERLIGHT HP→コチラ