今では桃太郎の相棒といえば「浦ちゃん・金ちゃん・鬼ちゃん」という認識がすっかり一般的となってしまった。しかしもう一度思い出してほしい!本来の冒険のお供は「犬・猿・キジ」であったはずだ!今こそそんな光の当たらない旅のお供(行動食)に注目してほしいと、今回は行動食界の犬・猿・キジと呼ばれる注目の3食をBBGがピックアップしてご紹介なのである!
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桃から生まれたマゾ太郎
むかーし、むかし。
上高地に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは屏風岩にクラミングに、おばあさんは梓川へパックラフトしに行きました。
おばあさんが川原でビールを飲んでいると、上流からドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ」と、おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました。
そして、桃を食べようとおじいさんがピッケルで桃を割ると、なんと中から顔色の悪い中年が飛び出してきました。
「これはきっと、神さまの嫌がらせにちがいない」
子どもが欲しかったおじいさんとおばあさんは、がっかりです。
それでもあまりに気の毒そうなその姿を見て、おじいさんとおばあさんはそいつをマゾ太郎と名付けて養子にしました。
マゾ太郎は気を使いながらもヘロヘロと育って、やがて逞しい登山野郎になりました。
そしてある日、マゾ太郎が言いました。
「ぼく、鬼ヶ岳へ行って、わるい鬼嫁を退治してくるよ!」
マゾ太郎はおばあさんにきび団子を作ってもらうと、鬼ヶ岳へと出かけて行きました。
犬編:Trail Butter(トレイルバター)
旅の途中で、犬に出会いました。
オレゴン州のポートランドから来たというその犬は「トレイルバター」という名のバターな犬でした。
犬「マゾ太郎さん、どこへ行くのですか?」
マ「鬼ヶ島へ、鬼嫁退治に行くんだ。」
犬「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ。」
そしてトレイルバターはきびだんご欲しさに自己アピールを開始しました。
犬「まずあっしは他のエナジーフードと違って、糖質ではなく脂質がメインでできているんでさぁ!」
マ「ほほう、でも糖質が低いとガツンと元気が出ないんじゃないかい?」
犬「確かにそうなんだけど、そこは考えようでさぁマゾ太郎さん。糖質メインだと瞬発的にガツンと元気は出るけど長持ちしねえし、血糖値が上がるからちょっとだるくなることもあるでしょ?でもあっしは違うぜ。即効性はないけど時間をかけてじわじわとエネルギーに変換されていくんでぃ!」
マ「なるほど。低山1DAYとかではなく、かなりロングな縦走だったり長距離レースの時はだいぶ重宝しそうだね。」
犬「しかもですぜ兄貴。この164g(内容量128g)のボディで、なんと760キロカロリーという高いエネルギー補給が可能なんでさぁ!」
マ「ほほう!この中におにぎり約4個分以上のカロリーが詰まってるっていうのかい。こいつぁすげえや。」
犬「それだけじゃないぜ。従来のもんみたいに“いかにもアメリカ!”っていうような不健康そうな感じもないしよ、原料に加工品を使用していないからそりゃあナチュラルってなもんよ。おまけにグルテンフリーよ!」
マ「グルテンフリーってなによ?」
犬「だからあんたはいつまでたっても痩せないし不健康なんだ!さっきもうどん食ってたしよ。良いかい、グルテンってのはパンやパスタとか作るときの小麦粉に含まれる粘り気のあるたんぱく質のことよ。こいつがまあ体にいろんな悪さして登山のパフォーマンスにも影響してくるのよ。」
マ「へえ。でもなんだか低糖でグルテンフリーとか聞くと、どうせ味には期待できないんでしょ?」
犬「よくぞ聞いてくれた。テレビショッピングみたいな流れが最高だぜ兄貴。まあまずは黙って食ってみてくれよ。」
マ「こ…これは!ビジュアル的に放送しても大丈夫なのかい?」
犬「そういう目で見たらそういうもんに見えちゃうからやめてくれよ!いいから食えって。」
マ「おお!普通にうまい!丁度いい甘さの中に適度にアーモンドとかの歯ごたえがあり、しかも塩味が効いて甘辛い絶妙なライン!しかも湿り気もあるから喉も乾きにくい!」
犬「いいぜえ、いい食レポだぁ。しかも単体で味わうのもいいがパンにつけて食うのもいいし、調味料としても使えちまうんだ。そしてお味は全部で3種類!ロングな旅にはあっしを連れて行って損はないですぜ!」
こうしてマゾ太郎は犬をお供にして旅を続けました。
そして実際にマゾ太郎は、八ヶ岳の赤岳から硫黄岳までを日帰りでの長時間ハイクに出かけました。
その時トレイルバターの力を図るため、あえて朝飯抜きの状態で挑み(正しくは朝飯を買い忘れた)、このトレイルバターだけで昼飯までの6時間を耐え抜きました。
ただマゾ太郎が不満に思ったのが、一口目は脂分が液体状に入り口付近にいるからやたら脂っぽいってのと、1回の山行で使い切るには量が多いんで小分けにしてもらえるとありがたいって点。※追記:一口目脂っぽいのを防ぐために、最初はひたすらモミモミしましょう。
あと最後の最後をひねり出すのが大変、というか不可能で、最終的には切り取り線からカットして中身を箸でまさぐり出さねばならない点だ。
しかしエネルギー不足やシャリバテに陥ることもなく、しっかりと行動食としての役目を果たしたトレイルバター。
なかなか食欲の出ないテン泊早朝の朝飯にも最適。
ジェルみたいにベタつかないし、歯ごたえもあるし飽きも来ない。
こうしてマゾ太郎はこの犬を連れ、再び鬼ヶ岳に向かってその旅を続けて行ったのであった。
猿編:CHIMPANZEE(チンパンジーバー)
旅の途中で、今度は猿に出会いました。
はるばるチェコから来たというその猿は、正式には猿ではなく「チンパンジー」でした。
猿「マゾ太郎さん、どこへ行くのですか?」
マ「鬼ヶ島へ、鬼嫁退治に行くんだ。」
猿「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ。」
そしてチンパンジーは、きびだんご欲しさに自己アピールを開始しました。
猿「ワイは猿や!オールナチュラルフーズ猿や!人工甘味料・調味料、遺伝子組み換え食品は一切入ってないんやで!おまんの健康に旗包みや!」
マ「よくわかりませんが、とにかく体に優しい行動食なんですね?」
猿「そうや!おまん、ベジタリアンよりシビアな食生活送っとるビーガンって人らのこと知ってるか?そういう人たちでも食べられるハイパーナチュラルフードがワイっちゅう話や!もちろんさっき犬ん時話に出てたグルテンフリーよ。山で運動しようっちゅう奴が、なんでんかんでん口ん中入れとったらアカンでほんまに!」
マ「健康食品なのはわかったけど、じゃあ実際に山でエネルギーとして機能してくれるのかい?」
猿「よう聞いてくれはりました!まず山で体を動かすためのエネルギーになるもんの3大要素ちゅうたら何やと思う?」
マ「男気・ロマン・マゾ魂。」
猿「違うがな!糖質・たんぱく質・脂肪でんがな!ワイはそこの脂質メインの犬はんと違ごうて、即効性も持続性もバランスよう配分されとるんや。速くエネルギーになる単糖類(サトウキビ糖、糖蜜、フルーツ)と、おなかを満たしてゆっくりエネルギーになる多糖類(穀物由来の糖分)がバシーっと最適に配合されとるんや!」
マ「ほほう、なるほど。」
猿「しかもあんさん、ローフードって言葉を知ってまっか?」
マ「なんでもないようなことが幸せだったと思います。」
猿「それロードや!怒るでしかし!ええか、ローフードっちゅうのはな、Raw(生の)Food(食べ物)ちゅう意味でな、熱を加えないでこさえとるから素材の味・風味・栄養価が最大限に活かされたままっちゅうわけや!どや!」
マ「なんだかとことんこだわってるんですねえ。女優さんとか喜びそうだ。」
猿「そうやねん!最近めっきりトレイルランナーになった梅宮アンナはんも、何気にワイをレースで食うてはったんやで。美容と健康にチンパンジー!これで決まりや!いよっ、誠意大将軍!ほら、あんさんもいっぺん食うてみぃ。」
マ「いやあ、普通にうまい!ネチャネチャ感もないし、それでいてしっとり感もあってサクッとした歯ごたえも!食いでもあって腹持ちも良い!チョコ感すごいのに、全然溶けてないのも良いいぃぃ!」
猿「ナイス食レポや!ほら、グミちゃんもあるで!食うてみぃ!」
マ「わ!グミの模様がチンパンジーになってるぅ、カーワーイーイー!そんでもってものすごい濃密なベリー感!疲れてる時にはたまんない!袋から直接スルスル口に持っていけて手もべとつかない!普通に美味しくって止まんない!もー、カーワーイーイー!」
猿「そうやろう!しかもバーの方は味の種類も豊富なんや。そんで持って耳かっぽじいてよく聞いてや。なんとご親切にそれぞれ素材によってベストな食うタイミングっちゅうのがちゃーんと明記してあったりするんや!」
マ「いったいどこまで細かい猿なんだ!」
猿「チェコ猿なめたらいかんで!Warm Up時・Activity時・Regeneration(再生)時の適切なタイミングで食えば、そりゃあもうあんたえらいこっちゃで!せやからぜひワイを旅のお供に連れてってぇな!」
※横スクロールで全て表示可能です。
APPLE & GINGER | APRICOT | RAISIN & WALNUT | DATES & CHOCOLATE | LEMON | CASHEW CARAMEL | BEET ROOT & CARROT | FOREST FRUIT |
Warm Up時、Activity時、Regeneration(再生)時 | Warm Up時、Activity時、Regeneration(再生)時 | Warm Up時、Activity時 | Warm Up時 | Warm Up時、Activity時 | Warm Up時、Activity時 | Warm Up時、Regeneration(再生)時 | Activity時、Regeneration(再生)時 |
229kcal/1本あたり55g | 215kcal/1本あたり55g | 223kcal/1本あたり55g | 230kcal/1本あたり55g | 229kcal/1本あたり55g | 230kcal/1本あたり55g | 219kcal/1本あたり55g | 100kcal/1袋あたり30g |
リンゴと生姜の組み合わせが絶妙の美味しさ | フルーツ成分30%配合・高食物繊維と高たんぱく質 | 高食物繊維と高たんぱく質・消化に優れている | ベルギー産チョコレート使用・高食物繊維と高たんぱく質 | 高食物繊維と高たんぱく質・優れた消化性 ・グルテンフリー | 高食物繊維と高たんぱく質・優れた消化性・10gのたんぱく質・グルテンフリー | 高食物繊維と高たんぱく質・新鮮な野菜80gに相当・グルテンフリー | ビタミン豊富で、行動中にも摂取しやすく、アクティブに行動する人をサポート |
こうしてマゾ太郎は新たに健康オタクの猿をお供に加え、旅を続けることになりました。
そして実際に白峰三山登山の際、朝一のWarm Up時にDATES & CHOCOLATEバーを、グハグハのActivity時にFOREST FRUITグミを食べて元気に白い稜線へと駆け上がって行ったのです。
あの辛かった大門沢の最後の長い登りを、この2匹の猿で見事に乗り切ったマゾ太郎。
梅宮アンナのような美ボディを手に入れ、鬼ヶ岳に向けてさらに旅は続くのでありました。
キジ編:RED FARM(レッドファーム)
旅の途中で、今度はキジに出会いました。
犬と猿は外国の奴らでしたが、地元日本の八ヶ岳山麓からやってきたキジの名は「レッドファーム」といいました。
雉「マゾ太郎さん、どこへ行くのですか?」
マ「鬼ヶ島へ、鬼嫁退治に行くんだ。」
雉「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ。」
そしてそのキジは、きびだんご欲しさに自己アピールを開始しました。
雉「お早うごいす!おまんこっちんこうし!ちょっくらおらの話を聞いてくれろし。」
マ「うわー、すげえ甲州弁。ブサイクだなあ。」
雉「言葉に気をつけろしね。とりあえずこぴっと話聞けしね。」
マ「死ね死ね言わんといてくださいよ。」
雉「しねは死ねじゃなく甲州弁でしてねって意味ずら。おらが作られてる工場は富士山や八ヶ岳の絶景を見渡すことができる甲州の高台にあってさ、澄んだ空気と美味しい水で毎日丹精込めてグラノーラ作ってるんでごいすよ。」
マ「ほほう、今度はグラノーラで来ましたか。最近の行動食はほんと健康志向ですな。」
雉「ただのグラノーラじゃないちゃ。オラは全て手作りで、酸化せんよう低温でじっくり焼いて作った愛情たっぷりグラノーラじゃんね。しかも実は市販のグラノーラによく入っていがちの白砂糖・精製した小麦粉・人工甘味料・着色料・乳化剤・保存料は一切使用しておらんのずら!」
マ「くはー!こりゃまたアンナどころかローラとか紗栄子とか喜んでブログに書きそうだ。」
雉「グラノーラに含まれるナッツやドライフルーツは、またミネラルも豊富で抗酸化作用も高いから、おまんのような老化の激しい奴にも持ってこいずら。」
マ「余計なお世話でごいす。てっ!甲州弁が移って来たっちゃ。」
雉「ほうけ。何よりだなし。最近は登山でナルゲンボトルとかにグラノーラ入れて持ち歩くグラノーラーもいて、腹持ちもいいし食べ応えあるから行動食にもってこいずら。ほれ、いっぺん食べてみりょう!」
マ「てっ!こりゃあリアルに美味い!アーモンドスライスやかぼちゃの種が見事な食感を演出し、歯ごたえあってボリボリ行けるのになぜか大して喉が乾かない!しかも適度な塩っ気もあって、ああ、もうやめられない、止まらないぃぃ!」
雉「てっ!照れるっちゃ!だっちもねぇこんいっちょし!わにわにしちょし!(しょうもないこと言って!ふざけないでよ!)」
マ「いやほんと美味しい。犬・猿・雉の中で一番美味しいよ。」
雉「ありがとうごいす!ちょうど今おまんが食べてるのが、レッドビーツっちゅうやつじゃんね!自社農園で無農薬・無化学肥料で栽培した赤ビーツを使用して2日かけて作る一押しグラノーラちゃー!知ってっか?赤ビーツ?スーパーフードやら飲む血液とか言われとってさ、血管はぶわ〜広がるし、血流はどわ〜流れてくしで、アスリートの人たちも愛好者が多いんでごいす!」
マ「他にもいろんな味があるんでごいすか?」
雉「メインは6種類のフレーバーで、シナモンアップル、ピンクペッパー、カフェインインフュージョン、キャラメルバナナ、ナッツナッツ、そしてレッドビーツ。たまに数量限定で他の味も出てるでごいすよ!」
マ「すごいでごいすね!」
雉「ってことはお供に加えてもらえるっつーこんずら!行動食にも最高だし、ガールへのライトなプレゼントとしても最適だなし!はんでめためたごっちょでごいす!」
こうしてマゾ太郎は犬、猿に続いてキジも仲間に入れました。
やたらと腹が減るような沢遊びの時や、
激しい運動消費量を誇る「宇多田ごっこ」の時にも、サイコーに美味しくサポートされました。
こうしてサラサラの血液を手に入れたマゾ太郎。
3つのお供(行動食)を従え、いよいよ鬼ヶ岳へとやって来たのです。
鬼ヶ岳
鬼ヶ岳では、鬼嫁が近くの村からぬすんだ宝物やごちそうをならべて、酒盛りの真っ最中です。
「みんな、ぬかるなよ。それ、かかれ!」
しかし鬼嫁は「ケツに綿棒100本突き刺すよ、このブタ野郎!(これ実際に言われた言葉)」と大迫力。
これに恐れおののいたお供たちは速攻で裏切りました。
犬はマゾ太郎のおしりにかみつき、サルはマゾ太郎のせなかをひっかき、キジはくちばしでマゾ太郎の目をつつきました。
とうとうマゾ太郎は、「まいったぁ、まいったぁ。こうさんだ、助けてくれぇ」と、土下座をしてあやまりました。
こうしてマゾ太郎の大冒険は幕を閉じました。
マゾ太郎はそのまま一人真っ白な稜線へと消えていき、厄介払いができたおじいさんおばあさんも大喜びです。
犬と猿とキジも鬼嫁の下僕として幸せに暮らしましたとさ。
おしまいおしまい。
まとめ
いかがでしたでしょうか、画期的な昔話スタイルでお送りしましたこの行動食特集。
何が一番大変だったかというと甲州弁を調べる作業が一番大変でした。
ってことでまとめるとこんな感じでごいす。
- 長い距離を時間をかけてスルーハイクする人・・・トレイルバター
- 健康志向で状況に応じていろんな味を食べ分けたい人・・・チンパンジー
- グラノーラ好きで歯ごたえあるのが好きな人・・・レッドファーム
皆さんも健康のこと考えた上で、美味しい行動食をお供にしてみてはいかがでしょうか?
では僕はそろそろ鬼嫁のところに帰ります。
またお会いしましょう。
綿棒カワイでした。