薄いサンダルは疲れる…。でも厚いサンダルは重くてイヤ…。なんとも悩ましいアウトドアサンダル。お客さん!いいの入りましたよ!!走る、登る、漕ぐ。何でもこなせて丁度いい。新定番のご紹介!!(文・コータロー)
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ちょうど良いサンダル
僕はサンダルが好きだ。
そもそも夏が好きな自分にとって
サンダルは必需品と言ってもいい。
今ままで色々なサンダルを使ってきた。
その中でもベアフット系と言われるサンダルにはズブズブにハマった。
路面状況をダイレクトに感じる刺激的なサンダルだった。
そして飽きた笑
あんなに好きだったのに、もうお腹いっぱいだ。
激しく愛し過ぎたんだと思う。
ペラペラのサンダルは楽しかったが、いささか刺激が強すぎる日もあった。
もう少し普通のサンダルが欲しくなったのだ。
そんな時に出会ったのがBEDROCK (ベッドロック)サンダル。
前々から存在は知っていたが、流通が悪くてなかなか手に入れられなかった。
数年前から手に入れやすい状況になってきたので購入。
手に入れたのは、ビブラム社のメガグリップソールを採用した
Carin PRO Ⅱ(ケルンプロツー)というモデル。
ベッドロックには数種類モデルがあり
形状も名前も似ていて非常にわかりにくい。
だが、メガグリップを採用したPRO Ⅱシリーズは全2種類。
どちらかを選べば間違いないはずだ。
そう、「メガグリップは間違いない」
これは私、CEO、そしてメガグリップを体験したBBGユーザーの共通認識だ。
CEOに至っては、靴を購入する際にメガグリップ採用モデルの中から選ぶ徹底ぶり。
メガグリップ採用した2モデルにはこんな違いがある。
出典:bedrock sandals HP
実質、最上位機種のCairn 3D Pro Ⅱ は(名前長すぎ笑)
- 解剖学に基づいた3Dフットベッド
- ソール圧16mm
- メーカー公表値580g(M9)
- ¥20,350円(税込)
出典:bedrock sandals HP
今回購入したCarin Pro Ⅱは
- 足形を選ばないフラットなフットベッド
- ソール厚14mm
- メーカー公表値509g(M9)
- ¥19,250円(税込)
2モデルの違いをまとめると…
- フットベッドの形状が違う
- ソールの厚みが2mm違う
- 重量が約70g違う
- 価格差は¥1,100円
後述するが、重量の実測はもっと軽い。約50gくらい軽い。
3D Pro Ⅱ は立体的なフットベッドが特徴。
だが、扁平足気味の人は避けた方が良いとの情報を得たので却下。
シンプルなフットベッドのPro Ⅱを購入した。
ストラップで足をしっかりホールド。
足裏感覚はあるけどペラペラすぎない適度なソール厚。
ソールはビブラムメガグリップ!!
これこれ!こんなの欲しかったんだよ!!
BEDROCK とは
そもそもBEDROCK って、どんなブランドなんだ?
ちょっと調べてみた。
スタートは2011年。二人でスタートしたベッドロック。
世の中は2009年に発売された本「BORN TO RUN」の影響で、ベアフットランニングブームが到来していた頃。
裸足に近いシューズやサンダルを履いて、人間本来の歩き方、走り方、感覚を取り戻そう。
そんなムーブメントだ。
こちらがニックさん。デザイナー。
ベッドロックサンダルの生みの親である。
ビジネスパートナーのダンさん。
プロダクトにアドバイスを出したり、主にマーケティングを担当しているらしい。
二人は元々、サーモンの産卵環境を整える為に、河川再生の仕事をしていたそう。
仕事場である川で、より快適に仕事が出来るように開発されたのがBEDROCK の始まりです。
2011年、それまで仕事仲間や友人達にサンダルを作るだけでしたが
このサンダルをビジネスにする事を考えます。
上は写真は当時のプロダクト。
当時まだ珍しかった、キックスターター(クラウドファンディング)で資金調達をスタート。
下はその時のプロモーションビデオ。
出典:KICKSTARTER
目標金額2500ドルに対して1ヶ月で集まったお金は、なんと4倍の10465ドル。
ベアフットブームの後押しもあったのかもしれません。
得た資金をベースに事業はスタート。
ロングトレイルを踏破した経験等を活かし
改良を重ね、現在に至ります。
日本では2013年頃から見るようになってきたと記憶してます。
オークションサイトで売ってる人がいたんだけど、サイズが小さくて買えなかった笑
出典:bedrock sandals HP
創業時のモデルをベースにしたサンダルは現在も「Classic」と言う名前でラインナップされています。
会社は何度か移転しながら、現在はロッキー山脈北部のモンタナ州ミズーラにあるそう。
ベアフットサンダルブームと言う時代の流れにタイミング良く乗った感もありますが
二人のサクセスストーリーのルーツには仕事場だった川でのフィールドワークが反映されているのです。
各部詳細
それでは各部を見ていきましょう!
まずは重量。
US10サイズ(28cm)ペアで実測472g。
ベアフット系のサンダルで比較すると、特別軽い部類では無いです。
鼻緒部分。
パラコードで指の隙間にスルッと入る。
抜けないか心配だが、触ってみるとまず抜けなそう。
ちなみに鼻緒でぶら下がりテストもしているみたいです笑
手に入れた感想としても、ベッドロックは造りがかなりしっかりしています。
フットベッドはGraniteGripと呼ばれるダイヤモンドパターンを採用。
水や汗が流れやすいように細かい溝になっています。
すぐ慣れますが、最初はザラザラした質感で落ち着かないかも。
ベッドロックの特徴はなんと言っても真ん中のOリングを中心とした3本のストラップ。
フィット感を細かく、簡単に調整可能なのがベッドロックの特徴。
足の内側にあるバックルでベースとなるフィット感を調整。
このバックルは金属製。まず壊れる事は無いでしょう。
足を入れたら下のストラップを引っ張ってフィット感を調整。
歩いたり走ったりしても緩むことは無いです。
また、引っ張ったストラップが余り過ぎる事も無いのでバタつきにくい。
国内と海外のパーツを使って米国内で組み立てています。との事。
バックルは踵にもあり。
好きなポジションで完全に固定できるので、途中でズレたり緩んだりして直すというストレスが無い。
土踏まずの辺りを包み込むようにホールドするパーツとストラップ。
フィット感に一役買います。
ちなみにストラップ類はミリタリーグレードだそうです。
ソールは泣く子も黙るメガグリップ!
珍しいソールパターンはベッドロックの為のオリジナル。
滑りにくいように考えて作られています。
悩ましいサイズ感は裸足の実寸で捨て寸ゼロをオススメします。
サイズが大きいと小石等が入りやすくなります。
ちなみに名古屋のサイクルショップCirclesさんで実寸大の画像をダウンロード可能です。
これは最高のシステムだと思います。
素晴らしい。
私は裸足の実寸が27.5cm。
ハーフサイズの展開はないので28cm(US10)を購入。
結果はバチバチのジャストサイズ!
ワンシーズン使いましたが、サイズは完璧。
これ以上、大きくても小さくてもダメ。
実寸大画像のダウンロードサービスは、色んなブランドでもっと普及するといいなぁ。
下の動画で履いてるのは3D。
サイズ感に注目!超ジャストで履いてます!
ワンシーズン使ってみた
さて、それではフィールドテストです。
実は、この記事の写真のほとんどは、BBG休止期間の2020年に準備していたもの。
山でのテスト画像も2020年に撮影したものになります。
BBG再開を諦めて無かったんだよなぁ…涙
山以外にも自転車や街歩きと
初夏から秋口までほぼ毎日履いた。
メガグリップはやはり大したもので
所有しているトレランシューズより明らかに滑らない笑
岩の上では「ネチャッ」とした粘りさえ感じるグリップ力。
グリップ力に不満は一切無かった。
下山後に川に入ってアイシングできるのもサンダルならでは。
これを一回経験すると病みつきになってしまう。
さて、履いて山を登っているとこんなトラブルがあった。
「なんかスースーすんな…」と、思ったら靴擦れならぬサンダル擦れ!
どうもこの頑丈なウェビングテープがヤスリのように肌を削っていたようだ。
使っているうちに馴染んでくるが、まずは街歩きで慣らすのがベター。
少し揉むと良いらしいです。
新品でいきなり山に行くとこうなる。反面教師です涙
他にも長期使用しているとベルト部分が臭う
と、いう噂を聞いたので嗅いでみた。
現時点では特に感じなかったです笑
ただ、臭い問題は違うサンダルで自分も経験済み。
小まめに洗うのが吉だと思います。
ダメージ具合
つーことで先日、来るシーズンの為に丸洗いしました。
そこで改めてワンシーズン使ったダメージを確認できたので記載します。
洗浄はフットベッドを中心にブラシでゴシゴシ。
ピカピカ!!
には、ならない!!笑
どうしてもフットベッドの溝に汚れが残ってしまう笑
もう、めんどくせーから無視。
ソールの減り具合をチェック。
さすがは「摩耗が早い」と言われるメガグリップ。
ワンシーズンでなかなかの減り具合を見せてくれた。
ただ、使用頻度もあるけど体重も関係ありそう…。
90kg近い巨漢をこのソールが身を削ってグリップしてくれた…。泣ける。
正直、デブはコスパが悪い。でも俺は食う。
これからも、そしていつまでも。
拇指球の辺りも少し摩耗があったが、それ以外はあまり減りを感じられなかった。
本国ではリソールサービスもやってるみたいなので日本でも出来るといいな。
次にテープ部分のダメージ具合。
正直、ダメージらしいダメージは無かったです。
Oリングに接する部分にクセが付いていた程度。
摩耗によるダメージはほぼ無し。
ミリタリーグレードと言うだけあってストラップはかなり頑丈。
ワンシーズンしっかり使ってダメージはほぼ想像通り、許容範囲な感じでした。
メガグリップの減りに関しては、グリップ力に対してトレードオフだと思ってます。
しゃーない。完璧な物は無い。
アツシオガワの場合
僕もワンシーズン使ってみての消耗具合を報告します。
コーターローと同じく、暑い時期(5月下旬〜9月下旬)はずーーっとベッドロック履いてました。
走ったりしてません。
低山には何度かテストで行きましたが、案の定大先輩の目にとまりご指導を賜ってしまったので、たぶん5−6回しか山では履いてません。
そんな使用頻度での消耗具合がコチラです。
まずソール
ぜんぜん減ってねーー😂
すごいぞメガグリップ!
ワンシーズン履き倒したのにほぼ減ってない。
コータローめっちゃ減ってたよね?笑
やっぱ体重と歩き方にも影響するんだろうな。
ミリタリーグレードのストラップもほぼ新品のまま。
この感じだと、3−4シーズンは余裕でもつと思う。
アイツとは違うなー🤔
アイツと比較
結局、アイツとどう違うの?って話だと思うんですよね。
そう、ルナサンダル。
比較したのは同じメガグリップ採用のOSO FLACOの2018年モデル。
翌年からモデルチェンジしたので参考程度に見て下さい。
ルナサンダルを全種類所有している自分からすると、違いはかなり感じます。
まず、パッと見て足型のパターンが違う。
ルナサンダルの方がボックス形で幅広に見えます。
ソールを合わせてみるとルナは5mmほど幅広でした。
土踏まずの辺りもルナの方が5mmほど幅広です。
ここは履いていても特に違いを感じられなかった。
ソール厚はほぼ同じ。どちらも実測約14mm。
同じメガグリップですが、ソールの硬さ、ハリコシは違います。
ベッドロックは硬めで弾力性があるのに対し
ルナは柔らかめでしなやか。
ルナは実測393g。
472gのベッドロックより79g軽いです。
ルナは¥13,750円、ベッドロックは¥19,250円。
その差は¥5,500円とルナの方が価格も軽いです。
さて、肝心のフィット感はというと…。
これがまた全然違う。
2本のストラップでサイドから包み込む様なフィット感のルナサンダル。
ただ、甲高の私はサイドのストラップが食い込むのが悩みだった。
幅広で甲高の私は履く物に30年は悩まされている笑
次に3本のストラップで上からグッと押さえつける感じのベッドロック。
甲高の自分でも非常に楽でフィット感も良い。
長時間履いていても楽だった。
自分の場合、幅が少しはみ出るのが難点。
サンダルなので気にしてないです笑
個人的には、ランはルナサンダルが走りやすかった。
柔らかくてしなやかなソールは足運びがとてもスムーズ。
軽さの恩恵もあるのかな?
ちなみにルナサンダルの現行モデルは「WING」と呼ばれるプラパーツが擦れるらしいんですよね。
タレコミが数件ございました。
現行モデルを買うならVenadoがいいかもしれません。脱線。
私は、何にでも使えるのがベッドロックの魅力だと思っています。
フィット感が良く、履いていてストレスが無いのでいつも履いてしまう。
実際、去年の夏はベッドロックばかり履いて他のサンダルを履かなかった。
気が付いたら履いている、用途を選ばないオールラウンダー。
それがベッドロック。
ベッドロックまとめ
はい、それではベッッドロックのまとめです。
ここが良い
- 優れたグリップ力
- 優れたフィット感
- ストラップの調整が簡単
- カラー&柄が豊富
- 用途を選ばずに使える
- まだ履いている人が少ない
ここが気になる
- メガグリップの耐久性
- PRO Ⅱシリーズは特別軽量ではない
- フットベッドの汚れが落ちにくい
- 足幅4E以上の人は狭いかも(私は4Eでギリ許容範囲)
- 価格
総評のようなもの
個人的なベッドロックの最初の印象は
「高ぇな!!でもかっこいい!!」
でした笑
悩んだけど、買ってよかった。
いや、実際そんなに悩まなかった笑
頑丈な造りだし、オリジナリティが溢れるデザインが好きだ。
そして何よりフィット感。
個人的に2020年のベストバイだと思っています。
もちろん、フィット感には好みもあるし、個人差がある。
それでもベッドロックは比較的多くの人の足にフィットするはず。
何より多くのアクテビティにフィットする。
夏はこれしか履かない。
そんな人も出てきそうな病みつきサンダルです。
2021年5月現在で各ショップすでに売り切れが出ています。
「サンダルなんて気が早い記事だな…」と思ったかもしれませんが、もう戦いは始まっているのです笑
いつもの流れだと次の入荷は来年。
気になった方はお早めに!!
TMEの在庫も残り僅かです!!
TME→Carin Pro Ⅱ
こちらも→Carin 3D Pro Ⅱ
あとがき
「UL装備は自然をよりダイレクトに感じられる」
そんなフレーズをよく目にするんですが、自分はそれをあまり感じた事がなくて笑
カリカリのUL装備にしたり、タープで寝たり、他にも色々やった。
けど、さほど自然のダイレクト感を感じなかった笑
そんな時に、私は短時間でもダイレクトに自然を感じる方法に出会いました。
それが、サンダルでの低山ハイクだったのです笑
もう、最上級に刺激と開放感があって病みつきになってしまった笑
そこから何年もサンダルで山に行ってるけど、幸い大きいケガも小さいケガも無し。これは運。
って思ってたんだけど、意外とそうでも無いのかな?と、思う自分もいる。
やっぱり登山靴より、足元への注意力と集中力が段違い。
それも楽しさの一因なんだと気が付いた。
山にサンダルで行くなんて危ない!!
これに関しては激しく正論だと思ってます笑
山村育ちのオカンには
「ハブに噛まれるよ!!山舐めんな!!少し痩せろ!!」
と、叱られた笑
確かに個人的にはオススメだけど、誰にでもってわけじゃない。
ただ、山遊びはリスクを冒して遊ぶと、危険と引き換えに新しい一面を見せてくれるのも確か。
そして新しい一面を見せてくれるのは山でもルートでも無く
今回紹介した様な「ギア」かもしれません。
今回も最後までお読み下さいましてありがとうございました!
押忍!!
2024年8月追記]
この記事を書いてから、ずいぶん時間が経ちました。
2020年に購入してから5シーズン目の2024年。
実はまだ履いてるんです。
とにかく頑丈…!!自分でも驚いています。
やはりソールはそれなりに減りましたが
まだもう数シーズンは一緒にいられそう。
ベルト部分はほぼノーダメージ。
私は登山や自転車はもちろん、仕事中も履いているので、使用頻度は高めだと思います。
それでもこの耐久性には脱帽しました。
全力で自信を持ってオススメできるサンダルです!!
押忍!!