伊藤新道・後編!!最終日は裏銀座〜ブナ立尾根を経由して下山するルートを計画!コースタイム約11時間の長丁場!絶景あり、出会いあり、悶絶ありの大満足ルートでした!!(文・コータロー)

久しぶりの雨

夜、やはり予報通りに雨が降ってきた。

明日は裏銀座縦走の長丁場なのに…!!

雨音がうるさくて眠れない…!!

そんな時は!!

みーみーせーんー!!(ドラえもんの声で)

これさえあれば俺はどこでも寝れるんだ!!

……ロー。

…タロー。

…コータロー…。

!!!!!!!!!!!!1

雨でぐちゃぐちゃ

AM5:30

CEOの声で飛び起きた…!!

寝坊である…!!!!

仕事では寝坊なんてしないのに…!!

バシャ降りの雨の中、爆睡である笑

急いで身支度を整える。

目の前に見えていた鷲羽岳が消えてるー!!

今日のスケジュールは裏銀座を縦走してブナ立尾根から下山。

昔、烏帽子岳方面から縦走した時も雨で何も見えなかった…。

またか…!!

裏銀座と俺の相性悪すぎるだろ…!!

出発すると、雨は弱まり霧雨に。

気温は低く、手袋がないと寒かったー。

秋山のウェアチョイスは本当に難しい。

黒部源流

何度も登っている鷲羽岳はパスし、黒部源流方面の巻道へ!!

こうする事でコースタイムも1時間近く短縮できる。

この天気では鷲羽岳に登ってもどうせ何も見えないからね…。

前日に三俣山荘のスタッフさんから黒部源流方面の紅葉が綺麗だと聞いていた。

確かに見事な紅葉…!!

雨に濡れ、色濃くなった紅葉を堪能できた。

意外とこっち側に来た事ない人多いんじゃないでしょうか?

あれ!?西側の空は晴れてない…!?

この調子で雨止んでくれ…!!

黒部川水源地標に到着!

ここまでは下り、ここからまた登り返します。

そうこうしているうちに、雨が止んだ…!!

今日は一日雨だと思っていたので、テンションが上がる…!!

ありがとー!!

祖父岳、雲ノ平方面の急登。

紅葉が本当に美しい!!

推しの子も嬉しそう!!

無表情!!

このルート、人が全くいないです。

紅葉綺麗だし、混んでる涸沢より

こっちの方がオススメかもしれません笑

振り返っても見事な景色。

奥の山は笠ヶ岳かな。

ワリモ北分岐まで徐々に高度を上げていく。

この日は風が強かった。

登りで暑くなったと思ったら、風で冷えての繰り返しでした。

ワリモ分岐

ワリモ北分岐に到着。

鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平への道が交差する場所。

稜線に出たので、さらに強くなった風が身に染みる。

天気はギリギリ。

低い雲がちぎれて雨が降っている場所も見える。

こっち来んなよ…!!笑

次の目的地は水晶小屋!!

強い風を左半身に受けながら稜線を歩く。

遠くに日本海が見える。

TJARの選手はあそこからとんでもないスピードで進むんでしょ…?

信じられないよホントに…。

風がバンバン吹いているので

二人ともフードを被って防寒。

個人的に山で一番怖いのは風だと思ってます。

BUFFみたいなネックウォーマーが一枚あるだけでも

体感温度が全然違いますね。

激しい登りじゃないけど、ジリジリと体力を削る稜線。

前回は見れなかった景色を堪能。

これが裏銀座の景色か…!!!!

と、感動している管理人。

よかったよかった笑

伊藤圭さん

ほどなくして、水晶小屋に到着!!

実はここで三俣山荘と水晶小屋の主人

伊藤圭さんにご挨拶する事になっていた。

小屋閉め真っ最中の水晶小屋。

中からはトンカンと大工仕事の音が聞こえる。

小屋主の伊藤圭さん。

小屋閉めでお忙しい中、お話を聞く事ができました。

「小屋閉めは引っ越しみたいなもんなんです」

その位、物を移動したり片付けたりするそうです。

引っ越しは一度やると「もうやりたくない!!」って思いますもんね笑

それを毎シーズンやっているわけです。

テンと言う小動物は数cmの隙間があれば入り込んでしまうらしく

その対策もしなければならない。と、言っていました。

コーヒーご馳走様でした

湯俣や伊藤新道の話も伺いましたが

とにかく多くの人に訪れて欲しいと言っていました。

麓の大町を含めた一大プロジェクト。

湯俣エリアは、これからもっと面白くなるはずです。

前編でも書いたけど、この手ぬぐいは伊藤さんデザイン

現在行っている伊藤新道の避難小屋のクラウドファンディングの話も伺いましたが

登山者の利用はもちろん、伊藤新道の整備・補修の為の拠点としても重要な施設なんだそうです。

確かに湯俣山荘や三俣山荘から行くよりは

途中の避難小屋をベースにした方が作業効率が高いですよね。

避難小屋にはバイオトイレも設置予定らしいので、トイレが近い私も安心です笑

伊藤新道の復活にあたり、今ままで接点の無かった

アウトドアブランドやショップの人達と関われた事も良かったと話していました。

山小屋、アウトドアブランド、ショップ、メディア。

少しずつ世代交代が進んでいる気がします。

次は我々世代のターンなのかもしれません。

皆で新しい登山文化を築いていければ良いなと思いました。

伊藤さんお忙しい中ありがとうございました!!

出会いと悶絶

水晶小屋から先へ進む。

天候は相変わらずだ。

雨は時折パラッと降るが、すぐに止む。

晴れ間も見えているが、北アルプス全域が厚い雲に覆われていた。

でも、曇っていても眺めは良い!!

やはり槍ヶ岳は特別な存在感を感じますね。

東沢乗越に到着!!

ここから野口五郎岳方面へ。

ここで、先行していた爽やかなお二人がBBG読者であることが発覚…!!

山賊と記念撮影して頂きました。

お声掛け頂きありがとうございました!!

次のポイントは竹村新道との分岐がある真砂分岐へ。

岩場をポンポンと進んで行く。

浮き石が多かったので通行注意。

岩場を抜けると気持ちの良い稜線に出る。

真砂岳、野口五郎岳の辺りは天気さえ良ければ最高の稜線だろう。

アーーーーーーッ!!!!

美しい稜線に響き渡る汚い悲鳴!!

滑った勢いでケツを強打してしまった。

不幸な事にケツ穴にピンポイントで岩が刺さった。

そこだけは…。

そこだけはアカン…。

せっかく…治りかけてたのに…。

股ズレ、ケツズレ、痔。

股間三重苦を抱えるのがこの男。

あまりの衝撃にしばし悶絶。

家帰ってケツ見たら青アザできてたよね笑

真砂分岐と登山スタイル

真砂分岐に到着!!

ここから竹村新道を経由して湯俣に下山可能。

なかなか険しい道らしく、地図には「健脚向き」の記載あり。

我々は烏帽子岳からブナ立尾根で下山するので

先へ進む。

この稜線、めちゃくちゃ風が強かった…!!

実は「黒部の山賊」の序盤に書いてあったが

当時から猟師たちの間では

水晶岳〜黒部五郎岳の区間が北アルプスで最も風が強いと言われていたらしい。

風速70メートルはザラだと書いてあった。

「本で読んだ通りだな…!!」なんて思いながら歩いていたが

横殴りの強風を受けながらの登山はストレスでしかない。

さあ、気合を入れて野口五郎岳の頂上へ!!

行かない!!笑

我々は山頂をスルーして小屋へまっしぐらだ!!笑

実は今回の裏銀座縦走には一つのコンセプトがあった!!

目標と言ってもいいだろう!!

それは、どこでも出来るわけではない。

だが、ここならできるんだ…!!!!

山頂はすぐそこ笑

「ノーピーク登山」

…お気付きだろうか。

伊藤新道を出発した我々は!!

まだ一度も山頂を踏んでいない事を…!!!!

誰もが目指す山頂。

アルピニズムの象徴である頂きを踏む行為。

誰もがそこに憧れ、そこを目指す…。

そこをあえてスルー!!!!笑

これが我々の「スルーハイキング」である!!

身体にも心にも山頂にも優しい登山スタイルなのだ!!!!

(疲れてて山頂に行くのがダルかっただけです笑)

黒部五郎と烏帽子小屋

お、黒部五郎小屋が見えた!!

この数日前に小屋閉めが終わっていたのは知っていた。

人がいる気配は無い。

裏銀座の丁度真ん中あたりに建つ小屋。

烏帽子岳方面から歩いてきて、疲れた頃に現れるホッとスポット。

小屋に着いてからも風が強い強い。

私は飲み掛けのボトルが倒れて、水が半分になってしまった笑

長居は無用。

軽く休憩をしてから、烏帽子岳に向かって歩き出す。

正直、この頃になると「絶景慣れ」してしまい

景色を見ても、さほど感動しなくなっていた笑

常念山脈の縦走でも感じたが、人間はどんな状況にも慣れてしまう生き物である笑

風も強い、行動時間も長い。

もはや一秒でも早く帰りたかったのはここだけの話である笑

標高の高い場所から徐々に紅葉が下がって来ている。

美しいグラデーション。

三ツ岳の手前の分岐。

響きが優しいお花畑コースを選択。

どこまでも心と身体を優先したライン取り!笑

砂れき地帯で歩きやすい。

疲れた体に優しい。

好き。

これが三ツ岳なのか…?

標識もないのでわからない。

スルーハイキングは続く笑

烏帽子岳に向かう稜線は素晴らしかった。

個人的にこの旅の中でも記憶に残る風景。

ここまで来れば烏帽子小屋はもう少し。

池がある烏帽子小屋のテン場。

夏は蚊がすごいので池の近くには張らないのがベター!!

青い屋根の烏帽子小屋に到着!!

小屋は絶賛小屋閉め中。

裏銀座は10月初旬には小屋閉めする所が多いみたい。

ここも、もうすぐ雪に覆われるんだろう。

ブナ立尾根

少し休憩してから、北アルプス三大急登の一つ

ブナ立尾根を使って高瀬ダムへ下山する。

途中には番号が書いてある札があり、12番まで行けばゴール。

ただ、ここから高瀬ダムまではコースタイムで3時間半以上…!!

まだまだ長い戦いが待っている笑

ここから先は写真がほとんど無い。

相当疲れてたんだと思う笑

前日の雨で湿った登山道で転倒…!!

写真撮るまで立ち上がらないのがBBGマナー。

足の踏ん張りが効きませぬ…!!

北ア三大急登の称号は伊達じゃない。

なんか、垂直に下山してる感じだったな笑

湿って緑が濃くなったブナ立尾根の森。

綺麗だったけど疲れててそれどころじゃや無かった笑

ブナ立尾根は基本的に狭い登山道。

広い場所はそんなにないので、積極的に休憩しましょう。

最後の最後で転倒したアツシオガワ…!!

やはり足にきているのだろうか!?

本人曰く「まだウォーミングアップも終わって無い」との事でした笑

まだスタートもしていなかったとは笑

九十九折りの登山道を下って下って下って…。

ついに12番!!

下山しました!!疲れたー!!

ここからは高瀬ダム方面に向かって歩く。

工事中の重機の音が響いていた。

最後の最後で丸太橋…!!!!

正直、吊り橋より怖かったよ…!!

前はこんなの無かったよね?

今は使われていない濁沢キャンプ場に到着!!

私が初めて裏銀座を歩いた時は使用禁止では無かったと思う。

前泊のポイントとしてはなかなか良い場所なんですよね。

大きな重機で何やら工事をしていた。

帰りのタクシーの運転手さん曰く

高瀬ダムに流入した土砂をトラックで下流に運んでいるんだとか。

何年もずーーーーーーっとやってるらしい。

このトンネルを潜れば高瀬ダムに到着!!

最後がトンネルなんて渋いラストです。

高瀬ダム到着!!

お疲れ様でしたー!!!!

長かった!!

ここから公衆電話でタクシーを呼ぶんですが

先行していた健脚のお父さんと相乗りさせて頂きました。

公衆電話は10円しか使えないのですが、緊急用の小銭入れがありました。

下山後は温泉に入って大町のテンホウにピットイン!!

テンホウ久しぶりだわ〜!!

肉揚げ付きの野菜炒めをチョイス。

安定の美味しさでございました…!!

この日は餃子半額デー!!

以上、2泊3日の伊藤新道と裏銀座を両方楽しめる

ノーピーク周回コースでした!!笑

来年の参考になれば幸いです!!

で、当初予定していたギアログが間に合いませんでした!!笑

秋は色々とイベント事も多くてですね…。

(ギアループに来て頂いた皆さんありがとうございました!!)

別記事にして書き終わり次第公開します!!

前後編とお読み頂きありがとうございました!!

押忍!!