後編!!最高の朝から始まった二日目!!目指すは南アルプスの隠れキャラ、小太郎山!!チョロい山だと思っていたら大間違い!!今年の夏は密を避けれる小太郎山で決まり!!笑 [2021.10月の山行です](文・コータロー)

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AM4:00

おはようございます。

寝袋が優秀すぎて爆睡でございました。

さあ、朝日を拝みに山頂へ向かいましょう。

おい!靴下破けてるぞ…!!

今日も素敵な1日になりそうである。

早朝の気温は4℃。

キリッとした空気の中を進んでいきます。

肩の小屋から北岳山頂までは約30分。

寝起きで頭がボーッとする中、ゆらゆらと進みます。

ちょっと見えにくいんですが、道標に両俣小屋の案内が。

そうか、ここから行けるのか…。

両俣小屋はいつか行ってみたい小屋の一つなんです。

おお…!!

富士山が見えている…!!

 

ちなみに前にいるおっちゃん達は道迷い中。

左の岩を登ろうとしていたんですが、正解は右に回り込む感じで道があります。

 

「たぶん、こっちっすよ〜」

と声を掛けてからお先に失礼致します。

AM5:05

山頂に到着。

泥棒か夜逃げにしか見えません。

 

視界の先には美しいグラデーションが広がっていました。

iPhone綺麗だなー笑

すごい宇宙感…!!

普段、あまり宇宙を身近に感じる事はないと思います。

でも、山にいると宇宙を強く意識する景色に出会いますよね。

 

そんな圧倒的非日常の景色に、我々は心を揺さぶられるのではないでしょうか。

 

自分は日本人である前に地球人なんだ、宇宙人なんだと思うのです。

昔、お付き合いしていた女性がスピリチュアル寄りのヨガ的な何かにズブズブにハマった事がありました。

そして彼女は覚醒。

 

「私、気が付いたの!私が地球なんだよ!!」

 

私は震えました。

「コイツ…!!ついにスピードの向こう側にイッちまった…」

ええ、全力で距離を置かせて頂きました。

 

ですが今なら彼女の気持ちがわかります。

 

一人一人が地球なんです。

木も花も動物も虫も。

そう、君も。

 

みんな地球なんだ。

 

全てが地球を構成する細胞の一部であり、我々は奇跡のバランスで「地球」として成り立っているのです。

知らねぇよ…!!!!

どんな理論だよ…!!

 

あれからずいぶん時が流れていますが、彼女の言っていた意味が0.1%もわかりません。

現世で私は答えが見つからないまま死んでゆくのでしょう。

俺は俺だよ!!

激しく脱線しましたが、最高の朝日と共に山頂に立てて大満足です!!

本当に来て良かった!!

朝日に照らされた甲斐駒ヶ岳は今日もカッコイイ!!

今日目指す小太郎山も見えている!!

凄い場所で写真を撮っている方がいました。

雲海を見ながら肩の小屋に戻ります。

今日も良い天気になりそう!!

ちなみにアタックザックがわりにしていたのは

TICKET TO THE MOON/エコマーケットバッグ

雑誌が余裕で入る大きさのシンプルなショルダーバックです。

頑丈なパラシュート生地でパッカブル仕様。

収納すればゴルフボール程度のサイズになります。

重量は約70g。オススメです。

 

肩の小屋に戻りテントを撤収。

小太郎山に向かって歩き出しました。

いやー、最高の朝日だった!!

小太郎山へ

分岐に到着。

ここから小太郎山までは約90分。

北岳の山頂から見た感じだとそこまで遠くなさそう。

サクッと登って下山して、甲府で美味しい物でも食べよう。

振り返ると北岳。

あんな所まで登れるんだから人間は凄いよなぁ。

なんだ、もう山頂見えてるじゃん。

あっという間に着きそう。

縦走にしてはお手軽すぎかもしれないな。

そう、私は舐めていた。

コータローが小太郎山に登る!!

そんな、クソくだらねぇ事実が欲しいだけで安易に選んだ山だった。

正直、少し前から気が付いていたのだ。

想像以上に路面がザレザレ。

場所によっては滑り落ちるように下る場所があった。

そもそもあまり人が来ている気配が無い。

そしてマーキングはコレだ。

なぜか定番の赤ではなく、弱々しい青なのだ。

(赤もあります笑)

 

そしてやたらと岩に付いている苔。

それはこの場所にあまり人が来ていない事を証明していた。

さあ、パーティは始まった。

モリモリに育ったハイマツが道を塞ぐ。

ここに突っ込んで行かないといけないのだ…!!

身長178cmの私でもハイマツはこの高さ。

小柄な女性ならハイマツのトンネルに埋もれてしまうだろう。

幹は太く、何度か押し戻されそうになりながら進んだ。

何これ…全然楽しくないんすけど…!!

やがて、どこが道なのかもわからなくなってきた。

最低限のマーキングを頼りにハイマツを掻き分けながら進む。

サクサク進めないので地味に疲れる…!!

山頂が見えてきた…!!

正直、写真で見返してもどこが登山道なのかわかりにくい。

そのくらいハイマツが成長しているのだ。

 

掻き分けながら進んでいると、突然引っ掛かるクモの巣にもメンタルを削られた。

もう嫌だ…!!

小太郎山ってイージーな山じゃねぇのかよ…!!

この辺りから写真も減っている。

疲弊してきたのはもちろんだが、そもそもどこを写してもハイマツだらけ。

写真を撮っても意味がない気がしたのだ。

小太郎山は肉体も精神も蝕む…!!

前半の美しい稜線はどこに行ったんだ…!?

いつの間にかジャングルの中を進んでいる。

少しだけ道が開けて景色も見えてきた。

紅葉に目を奪われるが一瞬で現実に引き戻される。

ロープを掴んでよじ登る…!!

美しい稜線歩きはどうしたんだ…!?

こんな泥臭い稜線歩きは嫌だ…!!

見えた!山頂だ!!

こんな地獄もあと少しで終わりだ!!

平泳ぎをするようにハイマツをかき分けて進む。

到着!!

あれ…!?

なんとニセピーク…!!

稜線から見えていたのは山頂ではなかったのだ…!!

偽ピークにふさわしいショボめの看板が泣かせます。

 

山頂にはもう一人、うなだれたおっちゃんがいた。

 

OCN「いやー参ったね…もう疲れちゃったよ…引き返そうかな…」

 

KTR「ホントですよね…こんなにハードだと思ってなかったです…」

視線の先には小太郎山の真の山頂が…。

またしてもモリモリのハイマツの海を泳いで行くのか…!!

めんどくせぇ…!!!!

 

ちなみにおっちゃんは引き返してしまった笑

牙を剥く小太郎

さぁ行くぞ!!

行くしかねぇんだ!!

 

足元はハイマツの木の根が張り巡らされていて最高に歩きにくい。

ここに来て進みにくさがエスカレートしている!!

 

メンヘラガールに「行かないで!!」と足を掴まれた記憶がフラッシュバックする!!

やめてぇぇぇぇぇぇ!!

もう俺に依存しないでぇぇぇぇぇ!!

 

そんなトラウマレベルの足元を確認しようにもハイマツが邪魔をして見えないのだ!!

その時…!!

いってぇ!!!!

木の根に足が挟まり転倒…!!

このポジションは完全に足を折りに来ている…!!

 

そう小太郎山は足関節技のスペシャリスト。

ここまで進みにくいと、もはや苦笑いしかできない。

もう疲れちまったよ…。

全力で距離を置きたい…!!

負けるな!!

山頂はもうすぐだ!!

心を無にして進むのだ…!!

 

思い出せ!!

同棲を解消した時のような事務的な冷酷さを思い出せ!!

ああ…。

やっと…。

やっと終わる…!!

 

最後の会話は

「ゴミ捨てや手続きは全て私がやりますから必要な物だけ持って1日でも早く出て行って頂けますか?」

 

鬼!!

あの時の私には鬼が憑いていた…!!

山頂…!!

ってケルンだけで何もないんかい!!

 

仕事から帰ったらリビングに置いてあった二つのゴミ袋かい!!

 

プレゼントした財布が捨ててあって震えた!!

拾ってヤフオクで売った!!

サステナブル!!

いや…!!

ある!!!!

あそこにあるぞ!!!!

小太郎山(2725m)登頂…!!

 

すいません…!!

舐めてました…!!

安易に同棲なんてするんじゃなかった…!!

はい、そんなこんなで無事登頂しました。

コータローと小太郎山のコラボ写真を撮れました。

 

どうでもいいわ笑

もう二度と来ることは無いでしょう笑

シャツには松ヤニと思われるベタベタした謎の液体が付いていた。

ちなみにこれは何度洗っても取れない笑

今現在もシミとなって残っている涙

ポールは中間のグリップ部分が破けてしまった。

さっき転んだ時なのか、ハイマツを進んでいる時なのかはわからない。

もうやめてくれ…!!

 

俺の体はどうなっても良い…!!

だが、自分のギアが壊れるのは耐えられない…!!

新しいの買いたくなっちゃうじゃないか…!!笑

小太郎山に来てから文句しか言っていないが、山頂からの景色は素晴らしかった。

周辺の山を眺められる超一級の展望台である。

甲斐駒ヶ岳の背後には八ヶ岳も見える。

今年の夏は八ヶ岳南北縦走いかがでしょうか?

八ヶ岳直進行軍男塾 前編

仙丈ヶ岳も綺麗に見えました。

北岳は圧巻です。

稜線の延長線上にある北岳を堪能できます。

最高の景色を独り占めできて満足です。

ちなみにこの日すれ違ったのは3人だけ笑

密を避けるなら小太郎山です笑

なんでも無いようなところで

さぁ、帰りましょう…。

ダルい…。

来た道を戻るのがここまでダルいとは…!!

小太郎山の帰り道は一枚も写真を撮っていませんでした笑

一秒でも早く帰りたかったんだと思います。

嫌いな言葉は「ハイマツ」です笑

前日、大谷くんとデッドヒートをした草すべり。

そう、この日も事件は起きた。

 

岩につまずいた私はヘッドスライディングするような姿勢で崖に向かって倒れたのである…!!

良い感じに汚れた

とっさに地面の草を掴んでブレーキをかける!!

なんとか止まれたが、荷物が重かったら止まらなかっただろう…!!

 

「あぶねー!!!」

「マジでヤバかったー!!」

 

思わず一人で叫んでしまった。

 

今までも多少は危険なルートを歩いてきたが

「終わった」

と思ったのは今回が初めて笑

コケた場所

危険箇所でもなんでもない場所が今までで一番死にそうな場所だった。

山の事故は突然で一瞬なんだと再認識。

 

ちなみに遺書は用意していませんが

俺が死んだらパソコンは絶対に見るな!!

粉々になるまで破壊してから燃やしてくれ!!

と、弟に頼んであります笑

草すべりでマジでスベってテンションガタ落ち。

ションボリしながら白駒御池に到着。

かわいそうな自分を慰める為にコーラをドーピング。

一口で400ml飲んだのは旅の疲れか、デブの日常か。

男女四人組の素敵なハイカー達とすれ違う。

「来世はあちら側」と心で呟きつつ

来世もソロを好むであろうとも思ふ。

なぜ山を登り始めたのか?

そう、一人でできる趣味を探していたからではないか。

理屈っぽい私は考え事をしながら歩くのが好きだ。

静かな南アルプスは脳内の整理には贅沢すぎる場所であった。

はい!到着!!

お疲れ様でした!!

二日間とも快晴で大満足の山行でした。

tetonbros./RUN PANTS 履き心地良し

帰りは足を伸ばせそうな座席を確保して帰宅しましたとさ笑

急登がキツかったけど行動時間はそこまで長くない北岳。

日帰りする人も多いみたいですが、肩の小屋のテント場はロケーションが良いので泊まりで是非!

 

小太郎山?

何ですかそれ?笑

 

前後編ありがとうございました!!

今年の夏は皆さんどこに行くんでしょう?

押忍!!