極限を目指すアルピニストたちに向けたノースフェイスの「サミットシリーズ」が今季一新!注目アイテムをいち早く紹介するファーストインプレコーナーの第4回は、そのサミットシリーズの中でも“極暖の鎧” とも言えるビレイパーカ「トリプルダッフルビレイパーカ」。極限で戦うやつら必見の、寒さに対する徹底した防御力を堪能せよ!
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The North Face「TRIPLEBAFFLE Belay Parka」
鉄壁の防御!「トリプルバッフル構造」
極限の寒さの中、じっと動かずにクライマーをサポートするビレイヤー。
そこには寒さに対する圧倒的な防御力が求められる。
中綿の温かさはもちろん、いかにコールドスポットを少なくして外部の冷気を入れずに内部の暖気を維持できるかが勝負。
そんな中、今季一新されたサミットシリーズで登場した“極暖の鎧”がこの「トリプルダッフルビレイパーカ」だ。
それではまず、アイテム名ともなっている最大の特徴「トリプルバッフル構造」から見ていこう。
とにかく驚きなのがこの中綿を封入している部分、一切縫製の跡が見られないのである。
本来はここが縫製で仕切られてて、結果その部分がコールドスポットとなって保温性を阻害して来た。それがまず無いのですよ。
じゃあ熱圧着されてるのか?って言えばそうじゃない。
実はここ、生地そのものを袋状に織った三重織りバッフル構造なのですよ!
って自分で言いながら、一体全体どうやったらそんなことができるのか全く想像がつかない。
要は三重に織られた1枚の生地の、中綿入る部分だけ袋状になってるの。分かる?
まさに完全な密室状態の中に中綿が封入されてるっていうミステリー。
これなら縫製の縫い目からの冷気の侵入は防げる。
「でも待ってよ?じゃあこの1cmくらいの薄い部分は中綿が入ってないから結果寒いじゃないか!」なーんて思うでしょう?
OK!じゃあまずガバッと開きますよ。
中を見てください。
外側と違ってよりバッフルの幅が狭くなってるのわかります?
実は内側のこの中綿が入ってる部分ってのが、外側の中綿が入ってない部分の保温性を補ってるんです!
外側のコールドスポットを裏から保温補助するこの無駄のないシステム!
言葉で言ってもわかりにくいだろうからイラストをお借りするとこんな感じね。
こりゃまさに冷気の入り込む隙間もない鉄壁の二重防御体制だ!
しかも外側と内側で違う保温材を使っている点にも注目。
外側はダウンとポリエステルをブレンドした濡れに強いプリマロフト InsulationDownBlend(ダウン54%、ポリエステル40%、その他の羽毛6%)を使用。
内側はヒートロスを防ぎながら保温力を向上させる光電子プロダウン(ダウン72%、ポリエチレン20%、その他の羽毛8%)を封入。
全てにおいて抜け目ナシ!
冷気の入り込む隙間は許さない!
前述したコールドスポットになりやすい部分以外にも、冷気はあらゆる隙間から内部に入ってくる(というか内部の暖気が逃げていく)。
ってことでここでも鉄壁の防御力を展開していくトリプルバッフルパーカ。
まずはお手元にご注目。
袖口はサムホール付きのランバージャック仕様。
この上からグローブを装着することが可能で、冷気が入りやすい袖口からの暖気の流出を限りなくシャットアウト。
そしてお次はフード部分にご注目。
このそのまんま頭の形に立ち上がっちゃう、モッフモフな感じがいかにも暖かそうなこと!
で、これを実際に被って絞り込むと、なんとここまで完璧に冷気の入り口をシャットアウト!
もはやダウンバラクラバといったレベルで、ゴーグルをつけた状態だともう宇宙服レベルの防御力。
ここまでやって「なんだか頭が寒いんだよね」なんて言う奴は存在しないだろう。
フードの調整具は生地内にあって、内側にドローコードが出てるタイプ。
若干慣れないと調整はしにくい印象があるが、あらかじめちょうどいいところに設定しておけばなんら問題はないだろう。
あとはフロントジッパーの内側には大きめのウィンドフラップも配置されてるし、
もちろん裾を絞り込む調整具も左右両サイドに配置。
もう内側の暖気さんからしたら「どっから脱出したらいいんだ!」という、もはや「着るアルカトラズ刑務所」状態。
冷気の侵入は許すまじ!
蓄えた暖気の脱獄も許すまじ!
実に恐ろしいビレイパーカである。
ジッパーとポケット
では次に細かい部分も見ていこう。
まずジッパーの第一印象は「とっても開け閉めがスムーズね!」って感じ。
ジッパーの持ち手部分も指への掛かりがとてもいい感じで、グローブしててもつかみやすい。
もちろんビレイパーカなので、ビレイ時にハーネスとの干渉を考慮したダブルジッパーになっておりますよ。
続いてはポケットたち。
まずフロント側にはオーソドックスで大きめなポケットが2つ。
内容量はこんな感じね。(白い破線部分が内部スペースです)
そして内側には大きめな容量のメッシュポケットが配備。
こんな感じでグローブ突っ込んでもいいし、
ゴーグルとかまですっぽり入ります。
ストレッチの効く素材で出来てるんで、結構いろんなもんが入りますよ。
あとは左胸内側には小さなポケットがあって、スマホとか入れとくのにちょうどいい。
実際はスマホよりも大きめのスペースあるんで、スマホだと結構余裕あります。
ちなみにサイズ感も書いておきますね。
ビレイパーカなんで、ハードシェルの上から着ることを想定すると大きめなサイズが理想。
173cm72キロのアツシオガワでLサイズを着用してちょうどいいってな感じです。
ちなみに黒はこんな感じ。
そして収納用のスタッフサック(縦34cm×横18㎝×マチ18cm)も付属していて、収納するとこんな感じです。
重量は815gであります。
これだけの嵩と暖かさがあるので、ダウンパンツ共に着たままねれば冬季用シュラフチョイスもワンランク下げられそうですね。
まとめ
さすがのサミットシリーズ。
ノースフェイスらしい抜け目のない作りと、やっぱ何と言ってもトリプルバッフル構造の保温性と防御力は秀逸。
極寒地で戦うアルピニストたちには大きな安心感を与えてくれそうです。
The North Face(ザ・ノース・フェイス)「TRIPLEBAFFLE Belay Parka(トリプルバッフルビレイパーカ)」
※画像クリックでメーカーサイトへ
っという感じのファーストインプレッションでした。
参考になりましたか?
僕も早くこんなサミットシリーズが似合う男になりたい…。
それではまたお会いしましょう。
ユーコンカワイでした。