デイハイク~小屋泊で雰囲気的に重くならず、下山後や旅先でも履けるコンパクトで速乾性のあるパンツを探していたところ目に留まった、ホグロフスのL.I.M SERIES FUSE PANT。飛びついて買った後に数か月クローゼットで寝かすという一風変わった習性を持つフジタが履いて歩いてみました。(文・ルマンド・フジタ)

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暖かくなってきましたね

こんにちは。

「いきなり!ステーキ」と初めて耳にした時、穏やかに寝ている人の無防備な顔面にアイマスクの如く焼きたてアッツアツの赤身肉をそっと乗せる荒事をイメージしました。お店のお名前だったんですね。

申し遅れました、ルマンド・フジタといいます。2度目のレビューを書かせていただく事となりました。

初見のお方、覚えている方いない方いらっしゃるとは思いますが、宜しくお願いします。

アツシオガワ

挨拶がシュール…。

購入に至るまで

パンツは見るのも履くのも黒が良い

と四十オトコが唐突に真顔で言うと、眉を顰めるどころか手元の麩菓子やサラミで引っぱたこうと身構える方も居ると思うが、どうか一旦落ち着いて欲しい。

特に巨大なサラミは迫る追手を食い止めるドアの閂代わりにもなる…というのを昔映画で見たので粗末にしてはならない。というか食べ物を粗末にするのは良くないし、女性下着を指していうパンティのお話しではない。

話を戻そう。

アツシオガワ

戻せ!戻せ!

厳冬期以外、ソフトシェル生地のトレッキングパンツで大体事足りる寒がりな自分の手持ちは黒の似たデザインの物ばかり。

なので冒頭にも書いたように、たまには見た目や気分も、できれば下山後や旅先での荷物として持つ際も軽やかに…と思い色々探していたところ、トレッキングパンツではあまり見かけないデザインのこのパンツに出会い即座に購入。

ちなみにL.I.Mとは「Less is More(より少ないことはより豊かなこと)」という思想を反映した、無駄を極力省き、必要最小限な機能性を追求したプロダクト。

そしてこのパンツ、発売当初は「ample fuse pant」という何やら恐ろしげな商品名。

まあクローズラインフロムヘルという技のネーミングに比べたら然程大した問題ではないか…と思っていたら今シーズンからfuse pantとなっていた。

アツシオガワ

ググルのめんどい…

仕様等

パンツの重量を気に掛ける方は少ないと思うが、Mサイズの実測値は175グラム。

haglofs L.I.M FUSE PANT

スウェットパンツライクな裾がリブになったデザイン。

これをトレッキングパンツに持ってくるところにグッと来た。

女性にもお勧めしたいデザインだが、レディースのシルエットがメンズと結構違うので注意していただきたい。

体型と好みによっては男性XSでもいいと思うので、気になる方は是非お試ししてほしい。

haglofs L.I.M FUSE PANT
こちらはTARN BLUE

カラーは2種類。デニムっぽく履けるTARN BLUEとチノパンっぽく履けるLITE BELUGA。

黒色がないあたり「カジュアルに履いてね」的な意思を感じる。

断られるとは思うが久我重明氏にも一応お薦めしたい。

アツシオガワ

いちいちググルのめんどくせー!

素材は撥水加工された二重織りFlexable™ソフトシェル。

軽量かつ斜め4方向に伸びる生地で防風性も有する。

ありきたりな表現で申し訳ないが、表側は張りがあってサラッとした手触り。

haglofs L.I.M FUSE PANT

裏側は細かいグリッド状になっている。

ポケット(灰色部分)は柔らかいメッシュで両方とも肌当たりがとても良く快適。

haglofs L.I.M FUSE PANT

ウエストはボタンで留める方式でベルトループや紐は無し。

前側一部を除き、かなり薄手で伸縮性と速乾性のある素材が使われている。

haglofs L.I.M FUSE PANT
ベルトどころかループすら苦手なお方には嬉しい

ウエストポケットの付け方が特徴的。手が入れやすく物は落ちにくい。

物を入れた際、外観に響きにくいのも素敵。

haglofs L.I.M FUSE PANT
布にゆとりが持たせてあり、見た目も使用感も個人的にとても好み

腿部分はジッパー付きでやや大きく深め。

haglofs L.I.M FUSE PANT
お財布~登山地図くらいが入るサイズ

バックポケットは無し。

デザインのアクセントも兼ねたハンギングループが付いている。

干す際はうまく使って空間を作る感じにすると乾く速度が全然違う。

haglofs L.I.M FUSE PANT
腰回りからお尻は本当に見た目がすっきりとしている

履いて歩いてみました

177cm/63kg、やや貧相な痩せ型の自分はMサイズを購入。

haglofs L.I.M FUSE PANT
マネキン感というか案山子感
ヨコから
後ろから
haglofs L.I.M FUSE PANT
足元

正直、初めて生地に触れた際ストレッチ性に若干の不安があったが、実際履くと思ったよりストレッチ性があるうえに股部、膝部と裁断が良く、脚の動きに主張無く追従する感じでストレスは極めて少ない。

haglofs L.I.M FUSE PANT
ストレッチ性、結構あります
haglofs L.I.M FUSE PANT
ハイクアップ時に裁断の良さを実感

日中は25℃を超え多少汗をかくも、肌触りはさらついた感じで不快感は無し。

ただ、発汗量多めの方は真夏だと多少張りつく感じが出るかも、な印象。

反対に少し冷えるくらいの状況では薄手の割に防風性、保温性があると感じた。

保温性はグリッド状の裏地が良い働きをしていると思う。

haglofs L.I.M FUSE PANT
撮影兼休憩で冷え易そうな場所を選んで滞在してみるも快適

今時どのメーカーの物でも大抵備わる撥水加工も及第点。

haglofs L.I.M FUSE PANT
水滴を数分放置するも染み込まず

[aside type=”normal”]オフィシャルサイトでの商品説明の中に【防風性と撥水性に優れたトレッキングレインパンツ】とあった為、明らかに違うと思うがメーカーはそういう解釈なのかと思い、一応問い合わせてみた。返答は誤植との事で今は修正されている。ただ、ECサイトでは発売当初の説明文を引用したままの所がほとんどだと思うので、雨具と認識して買わないよう注意してほしい。[/aside]

気になったところ

サイズ問題

ウエストが大き目のサイズを選んでしまうと見た目が残念になるのに加え、歩行中に下がってきて膝の位置がずれるので、特に登りでは太腿部と臀部のあたりが突っ張る感じになると思う。

当然下がる→上げるを繰り返すことはかなりのストレスになる。

かといって小さ目を選ぶと臀部の作りがややタイトな為、シルエットが出まくるうえ屈んだ際にストレッチはするが若干の窮屈さを感じる事になりそう。

サイズ選択はハーディー・ボーイズとラダーマッチで対峙する時くらい慎重になることをお勧めしたい。

アツシオガワ

ググルのめんどくせーってば!

耐久性等

これはL.I.Mシリーズが軽量と引き換えにある程度の丈夫さ等を犠牲にしているのは重々承知の上であえて言うなら、になってしまうが…

  • 藪漕ぎ程度では全く問題ないが、鋭めの岩場で膝やお尻を擦るような事が多くあるような登山での使用はやや躊躇う生地の薄さ。
  • 洗濯を繰り返した際のウエスト部分と裾部分の素材の耐久性に少々不安あり。

実際2度の洗濯(常温の水、部屋干し)でウエスト部分が少しだけ波打つような状態になった。伸びてサイズが大きくなってしまう感じではないが、この先どうなるか。裾部分は面積が狭いこともあり、今のところ全く変化なし。

  • ウエストをボタンで留める方式は山中で割れたり糸が痛んで切れたりするとちょっと厳しい。スナップボタンやフックの方がいいかな…とは思うが、リペアのし易さや僅かにサイズ調整は出来るかも、というメリットは有る。

前述の下がってきた際のストレス問題と合わせて、紐が付いていれば…と心底思ってしまった。

まとめ

品名 Haglofs L.I.M SERIES FUSE PANT MEN
画像  
サイズ XS/S/M/L
カラー 2colors (TARN BLUE,LITE BELUGA)
価格 ¥12,960 (税込)
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※画像クリックでメーカーサイトへ

品名 Haglofs L.I.M SERIES FUSE PANT WOMEN
画像  
サイズ 32/34/36
カラー 2colors (TARN BLUE,LITE BELUGA)
価格 ¥11,880 (税込)
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※画像クリックでメーカーサイトへ

機能性は勿論、街履きにも十二分に耐えうる好デザインに加え、価格も良心的。

何よりこのコンパクトさは下山着や旅先での着替えとして持って出かける事も全く苦にならない良いパンツだと思う。

haglofs L.I.M FUSE PANT
たまたま手元にあったカップとサイズ比較

「軽めのハイクに物々しくザ・トレッキングパンツ的なの毎回履くのもね~」、な公共交通機関利用多めのお方や、下山後の温泉や食事、観光も時間たっぷりとって満喫しちゃうお方のお供に。

はたまた「夏山は白いタンクトップからの生足タイト目ハーフパンツ+ロングゲイターに限るぜ!」というHUNTER×HUNTERに登場するウボォーギン寄りの漢気スタイルなお方のイメージチェンジ等々、是非一度お試し下さい。きっとどなたにも似合うと思いますよ。

アツシオガワ

スーン

あ、そうそう言い忘れました。今話題のこのTシャツとはとっても相性よろしいかと。ホントに。

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最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

住みたいところは鶴岡市、ルマンド・フジタがお送りしました。

押忍!