2017年10月14-15日、愛知県民の森にて、注目のアウトドアブランドが一堂に会す「HangOut(ハングアウト)」が開催された。このようなビッグイベントが関東圏以外で開催されるのは珍しく、地方のモノ好きたちがこぞって来場!もちろん田舎者のBBGの二人もヨダレを垂らしながら突撃取材を敢行し、注目ブランドのイチオシアイテムをスッパ抜いて行くのである!

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HangOut(ハングアウト)2017 前編

BBG御一行様会場入り

今回で第2回目の開催となるHangOut。

去年の第1回目は、燦々と陽光が降り注ぐピースフルな状況だったらしい。

しかし今年、世紀の悪天候男ユーコンカワイが初上陸をかましてしまったことにより、見事な「雨開催」になってしまったのである。

会場入りするなり正装のレインウェアに身を包むユーコンカワイ。

「みなさんにご迷惑かけてしまった」という激しい罪悪感に包まれてしまったが、ここまで来たからには取材しないわけにはいかない!

っと鼻息荒く会場入りし、開始5分で迷子になるBBG御一行様。

早くも遭難して「誰もいねーぞ…」と呟くユーコンカワイ。

このままでは、いつも通り悪天候の中でおじさんが徘徊するだけの記事になってしまう。

大慌てでスタート地点に戻ると、「ぬかるみスタック救出作戦」に巻き込まれて一向に前進できないBBG御一行様。

責任を痛感して全力で車を押すユーコンカワイ。

ただの取材なのに、結局いつも通りにスペクタクルなウォーミングマゾアップに勤しんでしまった。

さあ、体もあったまったところで大会運営の方にご挨拶だ。

 

HangOutってなんぞや?

HangOutとは「近所の遊び場、仲間が集う場所」ってな意味。

どんなイベントかってのは、先週モリオが呟いてるからそっち見てね。

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で、このイベントを作った想いってのを、大会運営の石田さんに聞いてみた。

真田広之似なので、思わず「JACに入ったきっかけを教えてください」と聞いてしまいそうになるアツシオガワ。

石田さんは「このエリアの人たちにいろんなものを見て体験してもらいたかったんです。僕自身こういうイベントがこのエリアでないのが寂しかったってのもありましたしね。当然街中でやったほうが交通の便もいいし人もいっぱい来るでしょうけど、やっぱりフィールドで実際に試してもらいたいからこの場所を選びました。」と熱く語る。

今回石田さんをはじめ運営側にはこの地方を代表するアウトドアショップの方が多く関わってるんだが、おおっぴらに自店の宣伝はしていない。

各ショップがお店の垣根を取っ払って協力しあい、利益のためではなく、単純にこのエリアの人にアウトドアに親しむきっかけを作ってあげることや、繋がりが広がる事を望んで自発的に動いてるってな姿勢が胸を打つ。

そんな熱意の甲斐もあり、前年は多くのブランドの協力やトレランレース「ダモンデトレイル」との共催ってこともあってイベントは大成功。

今回も前年を上回る80以上のブランドが参加したりと、HangOutは益々盛り上がっていってる感じだ!

 

そんなHangOut 2017。

当然全部は紹介しきれないんで、BBGのアンテナにビビビッと来た注目アイテムたちをピックアップしてザザザッとご紹介していこう!

 

mikikurota(ミキクロタ)

今回我々が最もときめきメモリアルしてしまったのは、完全にノーマークだったブランド「mikikurota」

ぱっと見で思わず「ミッキーローク…?」て読んでしまったほど、全く知らなかったブランド。

それもそのはずで、まだシェルター販売を始めてわずか半年程度の出来立てブランドだったからだ。

 

mikikurota(ミキクロタ)とは、経営者である夫婦二人の苗字(片方は旧姓)を合わせたもの。

驚きなのが、mikikurotaはアウトドアメーカーではなく、何と「建築設計事務所」!

そしてその「建築設計的視点」&「俺が欲しいものを作るんだ欲」から生み出されたのが、NASAの特殊装置的なこのシェルター。

テントコーナーで一際異彩を放ちまくり、まさにミッキーロークの猫パンチ以来の衝撃度。

実はBBGの二人は「理想のシェルター論」をよく語り合うんだが、「俺たちならこう作るなー」ってのがまさに目の前に形として展開してた(サイズは大きいけど)のである!

ツインポール+軽量ポールの組み合わせで、とてつもない居住性を維持しながら超軽量キューベン素材。

頑張って8人が向かい合って宴会できる広さで、驚異の650g!!!(赤いポールは+300gだが、ここもトレッキングポールで代用可能)

あまりの快適さに、思わず猪木みたいになるユーコンカワイ。

商品名もずばり「New Order Banquet(宴会)」で、酒好きの三木さんが「山で大勢で宴会しながら移動するのも1つのアクティビティだ!」と作ったもの。

BBGが選ぶ「MSP(最も酒臭かったで賞)」を朝一の段階で獲得した三木さん(右)。

さらに、ソロでの山行時のシェルターがまた凄かった。

“人の動きにフィットするもの”をコンセプトに、「山好きの建築士が本気で作るとこうなるぜ!」ってのがこの6角形テント「Elemental1」である。

こちらもキューベン素材で、幕体約300g、インナー約300gという軽さ。

天頂部からガイラインが伸びてポールをがっちりと固定し、6角形なのに幕体自体は円錐形みたいになってて、風のはらみも少なく耐風性は非常に高そう。

美しき円錐形。渡辺篤史もびっくりの美と機能性の同居感!

建築設計士らしく多くの模型を作り、ひたすら試行錯誤を繰り返して辿り着いた形状だ。

寝る・座る・物を取るという動作への“フィット感”を意識した広い内部!
かじかんだ手でも留める・外すが容易なマグネット式!これも良い!
ベンチレーションはファスナーを開けてチタン製のバーを立ち上げる。テント内部から操作可能!

他にも随所にこだわりが満載。

今回は細かく全てを紹介できないが、これはいずれBBGでも是非使用レビューしてみたい逸品だ。

 

さらに面白いアイテムで言えば、三木さん夫婦用に考案された「外部空間と居住性の面白さ」を追求して作っちゃったこちらとか、

ちょうど良い距離感とオープンにした時の前部空間が秀逸。喧嘩した時も気まづくない!(非売品)

僕らが思わず「クール!」唸ってしまった、みかん用・りんご用・メロン用・スイカ用(!)のフルーツサックとか!

アツシオガワも思わずりんご入れを購入。普通にスタッフサックとしても面白い。

大手メーカーや一般のテントメーカーではなかなか発想できない面白さ。

まだシェルター制作を始めて間も無く、正式販売はまさにこの日からという生まれたてブランド。

あくまで本業は建築設計事務所だし、1個1個の少数生産制なので多くは出回らないだろうが、今後この世界に大きな一石を投じる注目ブランドとなっていくことは間違い無いだろう。

BBGは今後もmikikurotaの独創的なアイテムを追跡していきます!

 

「mikikurota」サイトはこちら

 

SCARPA(スカルパ)&OSPREY(オスプレー)

HangOutはダモンデトレイルとの同時開催ということもあり、トレラン系のシューズやバックパックブランドが多く出展している。

そんな中、シューズで注目したのはスカルパの「SPIN」(左)と、2018SS発表の「SPIN RS8」(右)。

ソールはBBGが大好きなビブラムメガグリップ。

SPINは軽さ(250g/片足)とフィット感を追求して登りに特化したエキスパートモデルで、SPIN SR8(265g/片足)はヒールクッションを強化してダウンヒル性能を高めた長距離モデルだ。

で、それをわかりやすく伝えるのが、南斗水鳥拳のレイに「シャウッ!」ってやられちゃったみたいなこの分割シューズ。

SPIN(左)の方は見て分かるとおり前の方にシャンクが入っていて、登りと下り時にしっかり前側でサポートされる分、ある程度脚力ないと長距離は抑えが効かなくなって来るっていうまさにエキスパート向きモデル。

一方SPIN SR8(右)の方は全体的にシャンクが入っていて適度な反発もあるんで、50〜100Kmの長距離向き。

長距離ランナーの人は来春要チェックだ!

「スカルパ」トレランシューズサイトはこちら

 

トレランパック系で言えば、バックパックの王道ブランド「オスプレー」が本格的にこの分野に力を入れてきた。

軽量でありつつオスプレーならではのフィット感ってのを追求しまくったアイテムが多く、もちろんフィット感以外の部分でも随所に「らしい」こだわりが垣間見られる。

フロントボトルの横揺れがかなり抑えられた仕様。
チェストストラップの着脱のしやすさや、パックを下さない時の荷物の取り出しやすさなど細かい点まで抜け目がない。

日本からの意見も積極的に取り入れ、試作とテストを繰り返して隙のない状態で市場に送り出すオスプレーらしさが詰まったトレランパックの数々。

オスプレーのトレランパック進出への「本気」がいよいよ始まった感があるぞ!

「オスプレー」トレランパックサイトはこちら

 

EVERNEW(エバニュー)&MONTANE(モンテイン)

続いてはBBGの大好物エバニューさんのブース。

おなじみのクッカー系はもちろんのこと、やはりトレランのオーバーナイトレースで活躍しそうな「FPmat」が推しアイテムだ。

FPmatの売れ行きの良さに笑いが止まらず、必死でほっぺたの緩みをこらえる担当者さん。

以前BBGでも「侍のマット」として紹介させてもらったが、やはり各方面でも評価が高くてたちまちヒットアイテムに。

薄くて硬いが故に得られる畳ごろ寝のような寝心地と石の突き上げに対する安心感は、ランレースからロングハイクに至るまで活躍間違いなしの逸品だ。

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「エバニュー」マットサイトはこちら

 

一方、ウェア系の推しは、目下BBGもテスト中のモンテインのベースレイヤー「プリミノ」シリーズ!

プリミノは、メリノウールの強み(防臭性、しなやかさ、保温性)と化学繊維の強み(速乾性、耐久性、通気性)を最適な混紡比率で組み合わせた画期的なアンダーウェアとして今最も注目されている素材。

何気にこの日も直肌にベースレイヤーとして着用して行ったんだが、不快感ゼロで着心地もいい。

嫁から「歩く腐敗臭」とディスられるユーコンカワイのオイニーもシャットアウツ!

このプリミノに関しては、がっつりテストして来月後半くらいには詳細レビューアップします!

「モンテイン」プリミノ特設サイトはこちら

 

NATURE THING(ネイチャーシング)

続いて行動食系で気になったのは、新鋭のエナジーバーブランド「ネイチャーシング」さん。

エナジーバー専門で日本発のブランドが出てきたこと、しかもそれが高いレベルで作られてることに「日本のアウトドア市場もここまで来たかぁ!」と少し感慨深い気持ちになった。

ブランドを立ち上げた脇さんは長い海外滞在経験がある人で、その中で皆が運動時だけじゃなく日常的にもエナジーバーを食べてる習慣に感銘を受け、自身のエナジーバー好きという一面もあって「日本にもこういう習慣欲しい!でもコレっていうの作ってるところがねえ。じゃ、俺やるか!」と昨年末にネイチャーシングを立ち上げたのだ。

 

エナジーバー自体は砂糖や甘味料を一切使わず、自然素材だけ使用した無添加のもの。

それでいてハイカーやトレイルランナーに必要なミネラルも的確に摂取できる配合になっており、足を攣りやすい人や発汗の多い人には嬉しい仕様になっている。

そんでもってもちろん大事なのは、「うめえ!」ってことね。

ブースの人の目を盗んで盗み食いしてるみたいに見えるけど、ちゃんと試食用食ってます。

現在はハードアクティビティでの使用を想定した「for AVENTURE」(タンパク質、ミネラル多め)と、日本人に不足しがちな栄養素(食物繊維、鉄、亜鉛など)を日常的に補給できる「for EVERYDAY LIFE」の2種を展開。

細かい内容はメーカーサイトで確認してもらうとして、一番の説得力は、この脇さんがもはや「エナジーバーオタク」と言って良いほど世界中のエナジーバーを食い尽くし、この世界を愛しすぎちゃってるところにある。

エナジーバーだけで100日間語り続けられそうなほどの知識量。ぜひ「マツコの知らない世界」に出て欲しい。

自身も名刺に「エナジーバー研究家」と書いてしまうほどで、そんな人が「自分が食べて安心でなおかつちゃんとエネルギー補給ができるもの」って観点で本意気で作ったんだから説得力が違う。

アウトドア道具全般にも言えることだが、まず作ってる本人が「どれだけそれを愛し、自分が欲しいと思えるものを形にしてるか」ってのは一番大切な要素だ。

自作の「エナジーバーの世界地図」。こだわりと愛情が半端ない。
当日はオリジナルエナジー団子作りの体験会も実施。

ガッと飲んでガッと血糖値を上げるジェルではなく、あえて硬めのバーでずっと胃を動かし続けて(噛まないと胃は動かない)少しづつ必要要素を浸透させていくネイチャーシングのエナジーバー。

運動前や運動中はもちろん、皆さんも日常から体のことを考えて導入してみてはいかがでしょう?

 

「ネイチャーシング」サイトはこちら

アイテム名 for AVENTURE for EVERYDAY LIFE
アイテム画像
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RawLawMountainWorks(ロウロウマウンテンワークス)

続きましては、会場内でもひときわ多くの若い層からの人気を博していた(特に女性!)ロウロウマウンテンワークスさん。

華やかな雰囲気の中でアツシオガワの不審者感がすごい。

ブース内にはつい最近サコッシュ特集で扱った「タビチビトートX-PAC edition」を始め、ロウロウさんらしい機能的かつオシャレなアイテムがずらり。

子供用のチビチビトートがカワイイったらもう。でもって何気にバイク用のミニバッグにも使える!

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そんなロウロウさんのアイテムの中でこれから注目なのが、このデイハイクから小屋泊、頑張ってUL泊の人まで対応する43Lのバックパックだ。

相変わらずのオリジナリティと格好良さ!

「40Lクラス」という激戦区に、ロウロウマウンテンワークスが満を辞してぶち込んできた意欲作。

ショルダー部分のパットも厚めでしっかりした背負い心地、そしてクラシカルでシンプルなデザインの中にポケット系の使い勝手の良さもキラリと光る。

こだわったのはポケットを含めた絶妙な容量感。

10月中には販売店に登場する予定らしく、ビビビッと来た人はお近くの販売店に問い合わせてレッツゴーだ!

「ロウロウマウンテンワークス」サイトはこちら

 

SixmoonDesigns(シックスムーンデザインズ)

再び舞台はテントゾーンへ。

あまりショップでは見かけない色んなメーカーのテントが、実際にフィールド上で見て体験できるのが実に嬉しい。

オープンエアーのODイベントでは、ある種花形のコーナーとも言える。

そんな中、国内外のULハイカー達から絶大な支持を集める「シックスムーンデザインズ」のコーナーへ。

個人的にも同社の「スカイスケイプトレッカー」愛用者で、以前BBGでも“建物探訪スタイル”で取り上げたことは記憶に新しい。

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そして今回現物を見るのが一番楽しみだった「ヘイブンタープ&ヘイブンネットテント」がこちら。

二人用の広さを持つダブルウォールテントにして「1kgを切る(合計900gちょっと)」軽量さ。

ソロ仕様のスカイスケイプトレッカーや人気のルナーソロより、「二人行動が多い」「一人でも多少重くなってもいいから(と言っても軽い)超快適に過ごしてえ!」って人には最高の組み合わせだ。

居住性はもちろん、耐風性もあって全室も広くて、しかも両サイドに入り口がある!

シックスムーンデザインズのテント&シェルターは、どれも物欲刺激しまくって来るから困っちゃう…。

他にもバグネット付きタープシェルターの「デュシュッツ プラスタープ」とかも気になるところ。

わずか450gながら、こちらも頑張って二人寝れるだけの広さがあって、ソロ仕様だとかなり快適に過ごせるだろう。

ヘイブンタープ&ヘイブンネットテントもそうだが、シックスムーンデザインズのものは設営も超簡単ってのがまたいい。

うーむ、どっちも現場で試してみたい!

「シックスムーンデザインズ」サイトはこちら

 

ちょっとブレイク

それでは後編に向けてちょっとブレイク。

HangOutは土日の二日間開催され、この日の翌日は「DA MONDE TRAIL(ダモンデトレイル)」の会場にもなる。

開放的な雰囲気が気持ちE。HangOut自体を楽しむなら土曜日の方が混み合わない。

会場内はメーカーブースはもちろん、ちょっとした飲食ブースなどもあってほんわかとのんびり楽しめる雰囲気だ。

濃〜いコーヒーが猛烈に美味かった名古屋のブチョーコーヒーさん。

そんな家族づれでも楽しめる野外イベントだけあって、子連れの方も多かった。

岡崎から子連れで来たBBG読者の海賊Iさんは、「天気が悪いからユーコンさん来てると思って来てみました。どんよりした方向に向かってったらほんとにそこにいて驚きましたよ。」と喜んで(?)くれた。

そして別の場所では感動の再会も。

若い頃アラスカを旅してる時に偶然出会った旅人島田さんと、今この場でお互いおっさんとなって十数年ぶりに再会を果たしたのである。

僕が行ったことで当時アラスカは記録的な雨が降って彼も被害者に。それにしても顔のデカさがずいぶん違う…。

島田さんはダモンデトレイルのスタッフとして、そして県の観光課職員としてもこのイベントを支えていた。

アラスカの原野を何日も自転車で旅をし、そのまま北極海まで到達して泳いで来たという変態だった彼も、今ではしっかりと奥三河の魅力を伝える立派なお仕事についている。

もう一方の変態は、今でも精力的に各地で悪天候の魅力を伝えている。

「星空の聖地」として注目されている奥三河に、ぜひ皆さんも足を運んでみてはいかがだろうか?

ただ行かれる方は、奥三河にユーコンカワイが来てないか確認してから行くことをお勧めします。

「奥三河星空観察案内」サイトはこちら

 

ってな感じの、まさにHanOut(仲間が集う場所)な状態になってるのんびり会場。

次回後編も引き続き、注目のアイテム情報お伝えしていきます!

お楽しみに!