冬のアクティブミッドレイヤーの完成系!?〜パタゴニア「ナノエア・ライト・ハイブリッド」レビュー〜

 その保温性と優しい着心地、そして快適な透湿性がウケて大ヒットをかましたパタゴニアの「ナノエア」シリーズ。その中で去年、行動中の保温ミッドレイヤーとしての機能を研ぎ澄まし、満を辞して発表されたのが「ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット」だった。
 暑くなって汗が出るハイクアップ時にも脱がずに居られる透湿性を維持しながら、肝となる体幹部分は最適な保温性がキープされるスグレモノ!そんな夢のような中間着を長年待ち焦がれていたユーコンカワイが「その実力やいかに?」とレッツ現場テストレビュー!今日から3回に渡ってお送りする「冬のパタゴニア特集」第1回目です!



patagonia「Nano Air Light Hybrid Jacket」

以前BBGで、“恋人目線”という画期的な視点でレビューお送りした「ナノエアシリーズ」。

この時、ナノエアフーディの快適性とともに浮き彫りになったのは、「ずっと着続けられるって謳い文句だったけど結局行動中は暑くて着てらんないよね。」って部分だった。

やさしさに包まれたなら〜patagonia ナノエア・フーディ〜

2017.04.08

実際に樹林帯などのハイクアップ時は、透湿が追いつかずにクソ暑くなって早々に脱いでベースレイヤーになっちゃう始末。

駐車場で寒さで震えてた男も、2合目ではすでに汗ダク状態。

そしてこのオーバーヒート問題に対してパタゴニアが出した答えは、ナノエアよりも保温性を33%下げて透湿性を75%アップさせた「ナノエア・ライト・フーディ」だった。

しかし僕の感覚だと、恐らくこれでもハイクアップ時は暑いように感じて手が出なかった。

かと言ってこの中間着の部分を同社の「R1」などの通気性抜群のフリースにすると、風に対して無防備になって僕の場合は汗冷えでお腹を冷やすこともしばしば。

じゃあ防風性をってことで上にハードシェルをまとえば、それはそれで内部に熱がこもって暑苦しい。

そこで渇望し続けていたのが、「体の前面だけナノエアライトで適度な防風&保温、体の後ろは透湿性バリバリ素材」という夢の中間着だったのだ。

 

で、そんなわがままな想いが通じたのか、そういう需要が多かったのか、見事にパタゴニアがその要望通りのものを発表してきた。

それが去年末に登場した、この「ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット」なのである。

これが出た時は「キター!これこれ、これが欲しかったのよ!」と小躍りしてしまったほど。

ではまず、そんなナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケットの仕様を簡単に見て行ってみよう。

 

仕様と特徴

このジャケットの一番の特徴が、名前の通り「ハイブリッド」な構造になっている点だ。

適度な防風・撥水・保温性が求められる前身頃が「ナノエア・ライト」で構成されていて…

背面・脇下・腕下部が、通気性と吸湿発散性に優れた「ワッフルニット」になっている。

このハイブリッド構造が、アクティブ時の保温中間着として「最適な動作温度を維持する」という特性を生んでいるのだ。

「ナノエア・ライト」と「ストレッチ・ワッフルニット」のハイブリッド。

前後の通気性の差に関しては、CFM(一分間に何立方フィートの体積の通気があるか)が、前身頃40CFMで後身頃130CFMと歴然の差。

前面「適度にあったかい&防風&撥水」+背面「ガンガンの通気&吸湿発散性」=アクティブ中間着の決定版!ってなイメージ。

しかも両素材ともにストレッチが効いていて、動きを妨げることもない。

 

そして袖口はサムホール付きで、手の甲をしっかり保護&保温。

伸縮性の縁取り部分(黒いとこ)は内部の熱を閉じ込めて逃がしにくくしている。

ハンドウォーマーポケットは、ジッパーが目立たないようになっていてスッキリとしてて良い感じ。

位置的にもハーネスやバックパックの邪魔にならない箇所に配置されている。

 

では雪山シーズンを前に、実際にここまでの秋冬で着てみた感想はどうだったか?

レッツレビュータイム!

 

使用感

行動時気温0℃〜8℃くらい、ハイクアップやアップダウンが多い樹林帯で何度か使用。

陽が出てないうす曇りで、肌寒い風が吹き続けるような状況下が多く、ベースレイヤーだけでは汗冷えして体温が低下して来るような場面が多かった。

寒さを感じてナノエアハイブリッドジャケットを羽織った瞬間、まずナノエア特有のフワッとした気持ちよさと温かさが冷えかけた体を包み込む。

この着心地と「やさしさに包まれた感」はさすがナノエア。

そしてここから運動量の多い登りが続いても、背面のワッフルパネルからどんどん蒸気が放出されてオーバーヒートすることがなかった。

今までのナノエアフーディだったら、とても暑くて着てられないような状況でも平気で着続けることができた。

しかも蒸気が放出されるからって体温が奪われていくわけではなく、前身頃の保温性が安定しているから「ちょうど良い運動体温」を長く維持できるのだ。

フロントジッパーを開ければさらに広範囲に体温調節が可能だ。

今まで風による肌寒さや汗冷えを何となーく我慢してハイクアップしてたけど、それが無くなって行動し続けられたのは想像以上に快適だと知った。

風を完全にシャットアウトしてしまうハードシェルより、適度に通気性がありつつ適所で通気性が違うこのハイブリッド構造の方が冬場は安定して着続けることができるんですね。

 

樹林帯を抜けてより風が吹くようなシチュエーションでも、動き続けている限り涼しさと温かさが絶妙な位置でキープされるというちょうど良さ。

当然これが厳冬期の森林限界以上だったりしたらそこからハードシェルの出番となって来るわけだが、それ以外はかなり広範囲にこいつだけでどうにかなってしまう気がする。

一方、上にシェルを羽織ってこいつをインナーインサレーションとして使った場合、これまた行動中に蒸れてオーバーヒートすることはなかった(シェルの透湿性にもよるけど)。

寒い雨を1日中浴びて低体温症の危険があった中でもしっかり体幹を保温してくれた。

背面のワッフルの吸湿拡散性が高いからか、何と無くベースレイヤーの乾きも良かった気がする。

特に、保熱しすぎず速乾性の高いハイブリッドベースレイヤーとの相性は抜群だと感じた。

ベースレイヤー比較対決2017!〜メリノウール+化繊ハイブリッドタイプ5種〜

2017.11.26

 

ただ、このジャケットは「保温着ではなくあくまでも行動着」という考え方をした方がいい。

当たり前だけど、休憩時やテント設営時などやっぱどうしても背中がスースーで寒いのです。

この辺はもうフリース中間着と同じ領域で、停滞時は別で上にインサレーションジャケットを羽織った方がいい感じ。

その場合、今度は逆に前後の保温差を感じて「何だか背中が寒ぃなあ…」と感じることもあった。

でも、そこはもう「行動着に特化したナノエアだからしょうがない」と割り切るべきポイント。

それが嫌なら、オールラウンダーのナノエア・ライト・フーディの方を選ぶべき(そうすると行動中はそう長く着続けられないけどね)。

どっちを選ぶかは、その人のスタイル次第ってとこですね。

 

他に感じた部分では、前後の両素材ともにストレッチが効いていて、動きを妨げられずにスムーズに行動ができた点。

全体のシルエット的にも従来の“ぼってり”としたナノエアと違い、シュッとなって見た目も良いっすね。

173cm72キロ。Mサイズ着用。

まとめ

やっぱり目論見通り、これはハイクアップ中に汗冷えしやすい人間にとっては「寒い時期の行動中における最適な中間着」だった。

今までフリースの中間着で、肌寒さやお腹の冷えを感じていた人にはもってこいのミッドレイヤーだ。

これで僕も、もう「前面防風腹巻」で恥ずかしい思いしながらお腹冷えを予防しなくてもいいのである!

この姿で歩いてた。「Function is beauty!」と言い張ってたあの頃の俺にグッバイ。

ただ一方で、アツシオガワ(基礎体温が高く特にお腹冷えない人)は、「背面だけ違う素材でスースーするのが居心地悪くて逆に寒さを感じる」という感想を持つこともあるようだ。

そういう人は、普通にR1などのフリース系を中間着として使用した方が快適かもしれないね。

 

兎にも角にも、パタゴニアが「需要あり!」と判断して踏み切ったアクティブ系ナノエア。

「保温着ではなくあくまで中間着」と理解した上で、その需要にズバリハマる僕のような人には是非試してほしい一品でありました!

 

パタゴニア(patagonia)「ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット(Nano Air Light Hybrid Jacket)」

※横にスクロールして見てね。

アイテム名 メンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット メンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・ベスト ウィメンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット ウィメンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・ベスト
アイテム画像
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画像出典:patagonia  ※画像クリックでメーカーサイトへ

 

それではまた、雪の樹林帯でお会いしましょう。

今年は快適な運動温度をキープして楽しい冬のハイクアップを!

腹冷やしゲリ夫こと、ユーコンカワイがお送りしました。

 

8 件のコメント

    • ミズノさん、コメントありがとうございます!
      僕は初代のナノエアフーディから使ってますが、確かに初代のものは早々に毛玉が出来ました。
      ショルダー部分はそれほどでもなかったんですが、チェストバッグによる擦れで腹部あたりに結構毛玉が出来ましたね。(その時の記事はこちらを参照)
      http://bbg-mountain.com/2017/04/08/patagonia-nanoair/

      今回のナノエアライトハイブリッドも、現時点では腹部あたりに微細な毛玉がなんとなーくあるようなないようなって感じです。
      なんとなく初代のものよりはマシになってる感覚はありますが、ここはちょっと確証ないです。
      個人的な感覚ですが、一番良くない原因はチェストバックですね。(パーゴワークスのフォーカス使ってますが、あれ背面がメッシュになっててそれが毛玉メーカーになってる感じ)
      肩部分は今の所一切毛玉の気配ないです。
      チェストバッグ使ってなければそうそう毛玉に悩まされることはないかと思います。

      とはいえ、やっぱりこのナノエアシリーズは多少なりとも毛玉は覚悟しなきゃいけないんでしょうね。
      透湿性を取るか毛玉を取るか。
      パタゴニア的にも「そこは割り切ってね、えへへ」ってな感じなんでしょうね。

      • 返答ありがとうございます!。参考にします。
        これからも程よくふざけながら商品のレビューお願いします!

        • こちらこそありがとうございます!
          今後も疑問・質問・要望・苦情までお気軽にコメントしてください!
          時折脱線して悪ふざけが過ぎる時もありますが、これからもよろしくお願いします!

  • いつも楽しく読ませてもらってます。
    私もナノエアからの付き合いですが、ユーコンさんとほぼ同じ、汗かきハイクになってました。
    先日たまたま好日山荘に行ったら、同じ赤のナノエアライトハイブリッドが、こんな値段で!
    という金額で売ってまして、買っちゃいました。
    まだ着てませんが、今から楽しみっす。
    ところで宇多田の第二弾はパロらないんですか?待ってるんですけど。

    • タカシさん、初めまして!いつもありがとうございます!
      通常のナノエアはほんと、ハイクアップでは着てらんないんですよね。
      ぜひ新調したナノエアライトハイブリッドを体感してみてください。
      以前のナノエアより全然広範囲に着続けられますよ!
      晴れて風がない急登時はさすがに汗ばむかもですが。僕は基本晴れないんで…。
      宇多田の第2弾って奥大山のやつっすよね?
      あれ、南アの時に使ってなかったドローンを多投してるんで超難関なんですよね…。また大山が遠いこと。
      いずれ予算に余裕が出てきたら挑戦したいと思います!

  • まいどです。一連のパタゴニアインサレーション特集を読ませてもらいました。

    3シーズン登山の自分にとっても化繊インサレーションの中で大本命だった
    ナノエアライトハイブリッドなのですが、ナノエアベスト(ハイブリッドでない)
    やアトムLTベストなどのベスト型化繊インサレーションを知ってから、
    ひょっとして今持っているTNFの軽量ソフトシェルにこれらを組み合わせたほうが
    汎用性が高いかななんて思い始めてしまい迷っています。
    ともあれ、ハイブリッドはナノエアシリーズの中で一番スマートなデザインですね。
    ベストよりは僕ら中年おじさんをカッコよく見せてくれそうだなと思います!

    • ticktakkさん、毎度です!
      こういう透湿系飲茶レーションで体幹の保温メインに考えるとベストって選択はやっぱありですよねえ。
      でも貧乏性なのか怖がりなのか腕も寒がりなんで、毎度ベスト買おうと思いながらついついジャケットタイプ買っちゃうんですよねえ。
      なので僕はベスト系を着た事がないんでなんとも言えないですが、ベストであればナノエアライトハイブリッドじゃなくてナノエアライトベストがちょうど良さそうっすね。
      そして何気にいまだにソフトシェルの優位性を見出せず(使ってもないのに)そこも使った事がないという。
      ソフトシェルじゃ体温調節幅狭いんじゃないかなー&ベースだけじゃ寒いよなーってところにナノエアライトハイブリッドがドンピシャできたわけですね。
      モコモコした感じもないしとても気に入っております!
      休憩時が寒いのはご愛嬌で!ダウンジャケット羽織ればいい話なんで。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ユーコンカワイ

    低体温・低血圧・低収入というギアレビューにもってこいの人体サンプル。いつも顔色は土色だったり汗冷えのスペシャリストだったりするが、今日も持ち前のマゾん気を武器に山に川にと出没する。 素材がどうとかの専門的な事より、フィーリングやロマン重視のあまり役に立たないギアレビューを得意とする男である。