やさしさに包まれたなら〜patagonia ナノエア・フーディ〜

NanoAir,伊吹山

2014年。「そう!そう!こーゆーの待ってたんだ!」ってなウェアが誕生した。
今ではインサレーション(化繊)ウェアの代表格として不動の地位を確立している、パタゴニアの「ナノエア」さんである。
以来、僕はこのナノエアさんを2年ほどかなりヘビーに使い込んでやった。それはもう馬車馬のように使い倒してやった。
四六時中一緒にいるから、それはもう恋人同士のような関係性だ。
しかし付き合い始めこそ興奮しているから相手の良い所しか見えないが、ここまで一緒にいると気にくわない部分も見えてくる。
ってことで、今回はひたすら使い込んだ今だからこそ書ける、ナノエアさんのあんなことやそんなことを恋人目線で語り尽くすのである。

 

第1章 出会い

まずは「元カノ」の話から始めなければならない。

その元カノの名は「名野パフ子」という。(ナノパフのことね)

ナノエアの登場までは、インサレーションウェアのトップに君臨していたパタゴニア出身のお嬢様だ。

 

下の写真は私がパフ子と付き合ってる時、一緒に3億円を強奪しに行った時の思い出の写真である。

そもそもなぜこんな写真しかないかというと、実は私はあまりパフ子とソリが合わずに数回しかデートしてないからである。

使い勝手の良い女として評判だったから口説き落としてみたのは良いが、行動着としては暑苦しいし防寒着としては寒いしでどうにも上手に乗りこなすことができなかったからだ。

お肌もやたらシャカシャカしてるし、裾は短いくせに袖は長いってな感じで「体の相性」もよろしくなかった。

私はそんなパフ子が不満だったのだ。

そんな時、あれは2014年の秋頃だったか、突然彼女に妹がいたことが発表された。

それが名野家の次女「名野エア子」なのである。

私はエア子のプロフィールを見るなり、瞬く間に彼女に心を奪われた。

そこには「彼女を身にまとえば家を出てから山頂まで、そして下山後の温泉まで一度も脱ぐことなく快適に過ごせるでしょう」という素晴らしい内容が書かれていた。

寂しがりやの私にはもってこいだ。

登山時においてもウェアの脱ぎ着ほど面倒で気を使うことはないから、これが本当ならば最高である。

 

やがて私はエア子の性格(スペック)を知るにつれ、夜も寝られないほどに彼女のことが頭から離れなくなった。

そして「パフ子の妹だ…いけない…いけないぞ!」と己を律してはいたが、気付いた時にはとうとう手を出してしまっていた。

それほどまでにエア子は私の理想の女性だったのである。

 

第2章 やさしい性格

まず彼女の特徴を一言で言うならば「やさしさ」だ。

姉のパフ子はシャカシャカしてていかにもアウトドアウェアって感じの冷たい女だったが、エア子の肌はやさしさに満ち溢れている。

彼女に抱かれた瞬間、ふわっとした心地よさが体を包み込み、そして同時に田舎のおばあちゃんちのコタツ布団に包まれた時のようなノスタルジックなフィーリングに支配される。

とにかくエア子の肌は、誰もが思わず「うちの田舎の座布団とかに使われてる素材と一緒なのか?」って錯覚してしまうような肌触りと懐かしさと安心感を提供してくるのだ。

 

そしてパフ子の方は外部からの風をシャットアウトして、僕の「あのぅ…暑いんですけど…」という意見に全く聞く耳を持ってくれなかった。

しかしエア子のやさしさは外部からの風を程よく通して、暖かいくせにウェア内を蒸れさせないという絶妙な気配りを見せてくれた。

以下の写真のようにハイクアップで汗をかくけど冷たい風が吹きっ晒すような場所でも、いつでもエア子はやさしい微笑みを絶やすことなく僕に快適な時間を提供してくれたのだ。

ほんのりと風を通して体温の上昇を抑え、かつ体内の汗を外に拡散し、残った汗に対しても持ち前の保温力で汗冷えをさせず、さらにはウェアが濡れても保温力が落ちない化繊綿。

これを人間で例えるならば、「いつでも黙って愚痴を聞いてくれ、かつ僕の自尊心を傷つけない感じでストレスを拡散してくれ、残った寂しさに対しても持ち前の包容力でやさしく包み込み、さらには自分の頬を涙で濡らすことがあっても「大丈夫、私負けないんだから!」とニコッと笑って気丈に振る舞う」って言う感じの甲斐甲斐しさ。

誰だってこんな女がいれば抱きしめたくなるはずだ。

 

さらにパフ子の性格には柔軟性がなかったが、エア子の性格は非常にストレッチが効いていて常に僕の激しい動きに文句を言わずに追従してきてくれる。

しかもただ伸びるだけでなく、腕や背中など激しく動く部分はより伸縮性があり、脇腹周辺のあまり伸びる必要のない箇所は中綿がずれないようにキルト状に封じ込めて保温に集中しているという行き過ぎたまでのやさしさが。

このような細かい押しの一手に男はめっぽう弱い。

こっちが「簡単なもので良いからね」って言ってるのに、サクッと肉じゃがとか作っちゃった上に「こんなものしかできないけど…」なんてハニ噛んでる可愛らしさよ。

私は即座にその場でパフ子に電話で別れを告げ、肉じゃがの置かれたテーブルをどけて力一杯エア子を抱きしめた。

そして「もうお前を離さない」と、共に生きる宣言をしたのである。

 

第3章 愛の育み

正式にエア子と付き合いだしてからというもの、山に限らず街だろうと僕らは常に一緒に行動をした。

例えば「外は寒いのに電車の中はクソ暑い」というような状況でもウェア内はムンムンにならないから脱ぎ着する必要がなかったし、寒い時期の自転車なんてほんと良い感じに風を通して蒸れないのに暖かい。

山で言えば、行動中に限らず、雪面にテントを張るような「停滞してるけど汗をかく」場面でもほんとちょうど良い状態をキープしてくれる。

こういう時インナーウェアだけだと汗冷えしてしまうし、ダウンジャケットだと暑すぎる。

しかもエア子は濡れても保温力が落ちないし、例え濡れたとしても驚くほど乾くのが早いのだ。

いつまでもウジウジと泣いて萎れて冷たい態度になるダウンと違い、エア子は怒って泣いてもすぐにカラッと笑顔になって「ごめんね、私もちょっと言いすぎたとこあるよね」と再びやさしさ保温が復活する。

 

しかも表面には耐久性撥水加工が施されているので、少々の小雨ならそのままでいられる。

なので僕のような「度々雪の上に倒れこんで死んでしまう男」にとっても、安心して雪上で死ぬ事ができるのである。

 

これは付き合いたての頃、鈴鹿の御池岳で死んだ時の思ひでツーショット写真だ。

で、これは風邪引いて発熱中のくせに、遊び欲を抑えられずに登ってしまった栂池での死亡写真。

そしてつい先日の伊吹山でも2回ほど死んだけど、エア子の甲斐甲斐しい介護のおかげで生還できた。

二人で育んだ、胸に蘇る数々の思い出たち。

ほんとこの2年、いっぱい一緒にニャンニャンしたね。

例えばインナーに「パフ子」、アウターに「エア子」をはべらしたハイパービッチ姉妹丼スタイルで一晩を明かしたこともあったっけ。

こういう場合はダウン1枚着れば済む話だが、やはりW浅野世代の一人として、一度はW名野で無駄に化繊まみれになってみたかったのである。

これはこれで、お姉さんが風をシャットアウトしてくれるからわりかし快適だった。

あとはそんなお姉さんみたいに、猛吹雪の中では「中間着」としてもしっかり僕を支えてくれたよね。

エア子を中間着にして、防風素材のシェルを羽織ればまあ大概の吹雪には耐えられる。

そしてこの、のびーるフーディーのおかげでネックウォーマー持ってけばバラクラバいらずだ。

で、そのスタイルで伊吹銀行に強盗に入った時の写真がこれね。

この日本武尊っていう受付嬢も、僕らの迫力に対してすっかり固まっちゃっててウケたよね〜。

そうそう、山だけじゃなくて川下りの時のキャンプも一緒に行ったね。

グデグデに酔っ払って、現BBG社長のヒゲガールにマッサージしてもらった時があったじゃない。

で、そん時に焚き火から飛んできた火花で君は溶けたよね〜。

この時は一気に酔いが覚めて泣いたなあ。号泣したなあ。

まだ付き合い始めて3ヶ月くらいだったしね。

で、大事なエア子を傷物にしてしまった責任もあって、一旦二人は距離を置いたんだ。

僕は君を鎌倉にある実家(パタゴニア修理工場)に返して、数ヶ月間離れ離れになる道を選んだ。

でも君は鎌倉でしっかりと皮膚の移植手術を成功させ、僕の元に帰ってきてくれたね。

この距離を置いた期間があったおかげで、二人の恋は前にも増して燃え上がった。

それからというもの、夏以外の時期には常に二人はラブラブだった。

 

しかしそんなニャンニャン期が永遠に続かないのが男女の悲しい運命。

やがてこの二人の元にも、どんなカップルにも襲いかかる試練の時期が到来するのである。

NanoAir,伊吹山

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ABOUTこの記事をかいた人

ユーコンカワイ

低体温・低血圧・低収入というギアレビューにもってこいの人体サンプル。いつも顔色は土色だったり汗冷えのスペシャリストだったりするが、今日も持ち前のマゾん気を武器に山に川にと出没する。 素材がどうとかの専門的な事より、フィーリングやロマン重視のあまり役に立たないギアレビューを得意とする男である。