前回「サコッシュとはなんぞや?」を散々ぶちまけてスッキリしたところで、やっと今回から本題に入って各アイテムをチェックしていきます。今回はライト目なハイク時における取り出しやすさを優先した「ジッパーなしタイプ」7種類+1をご紹介。この気軽なスタイルはある種サコッシュの原点的なものばかりで、シンプル好きにはたまらんラインナップでございます!
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ハイランドデザインズ(Highland Designs)「Hiker Sacoche “BB style”」
まずはやはり、選手宣誓してくれたレジェンドサコッシュの流れでこいつから紹介せざるを得ないでしょう。
初代サコッシュの形状からコンセプトをまんま踏襲しつつ、ハイカーズデポが一般販売向けに素材などを見直した「元祖サコッシュ」。
「ハイカーサコッシュ“BBスタイル”」だ!
高さ調整機能すらない、この気持ちいいまでのシンプルさ!
しかしそれでいて、使用されている素材はヨットの帆にも使われてるセイルクロス(スピンネイカークロス2.0oz/yd)。
これがまた、撮影時も置いといたら風で飛んで行きそうになったほどの軽さで、薄くて滑りが良くて多少撥水してなおかつ耐久力もある素材。
ただ、この素材、やたらと「ガサガサパリパリ」と陽気な音を奏でるんで、そこは気になる人もいるかもね。(使用するほどにある程度馴染んでいきます。)
そして軽量素材+シンプルが故に実測重量はわずか「37g」で、今特集の中でも第2位の軽量さ。
それでいてサイズ感に関しては幅25cm×高30cm×肩ひも92cmと大きめサイズ。
前回の記事で書いた「最大でも入れる物はこんなもんだろうセット(※以後こんなもんセットと書きます)」が、全部すっぽり入るほどの余裕だ。
元々が「飛行機の中で雑誌読みてえから」って理由で作られたのが最初だから、ちゃんと中に雑誌(PEAKSとかのサイズね)がすっぽり入るサイズ設定。
正直山ではここまで大きくなくていいかなーって思うけど、サイズに余裕がある分乱雑に物を入れたり出したりできるのは楽ちんだ。
メッシュポケットの方は山と高原地図がいい感じですっぽり収まって、出し入れの際にも大した引っかかりもない。
メッシュポケット自体も深いので、安全なトレイル上ではここにコンデジとか入れてもいいだろう。
ショルダー部分は4.2cm幅と広めなので、こんなもんセット(約670g)を入れててもそこまで負担に感じることはなかった。
ただ前述の通りサイズ調整はできないし、袋自体も縦に長いので、登りが続くような場面だと正直邪魔に感じることはある。
このショルダーの長さに関しては、結んでしまえば一応調整はできるし、あらかじめ購入時に言えば無償で長さ調節はしてくれるようだ。
ちなみにこの袋の下部には両サイドにそれぞれこのようなカラビナループがついていて、
ここにカラビナ通して、こんな感じでバックパックのハーネスに引っ掛けてやれば、
ばたつきが防止されるだけでなく、足上げ時にもそこまで袋が干渉してくることはなくなるのです!
この小さな工夫のおかげで、山でも積極的に使用できるサコッシュになるわけね。
ただこのサコッシュに関しては、やはりアメリカのロングハイクで使われてただけあって縦移動よりも「長い横移動」に最適だと思う。
起伏の少ないトレイルを長くスルーハイクする時や、そのまま街をプラついたりと「旅的な使用」が向いていると感じた。
公共交通機関の移動が多い人なんかは、帰りがけに雑誌買っても邪魔にならないのも嬉しいところ。
そして何よりサコッシュの原点であり、シンプルでULらしさ満点ってのは一つの所有欲を満たしてくれる。
「最近のごちゃついたガンダムより、やっぱファーストガンダムが好きなんでぃ!」ってのと同じ感覚だ。…なのか?
Highland Designs「Hiker Sacoche “BB style”」
〜こんな人にオススメ〜
- 低山ロングハイクが好き
- シンプルが好き
- ULさしさを感じたい
- たくさん物を入れたい
- 移動時をメインとして便利に使いたい
重量 | 37g(実測値) |
サイズ | 幅25cm×高30cm×肩ひも92cm |
素材 | スピンネイカークロス 2.0oz/yd |
カラー | HG(緑)、GG(灰)、VN(紺) |
税別価格 | 3,450円 |
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トレイルバム(Trail Bum)「タートル(Turtle)」
続いてはこちらもハイカーズデポの流れで、トレイルバムの「タートル」を見ていこう。
さっき紹介したBBスタイルが「シンプルここに極まれり!」ってサコッシュだったのに対し、こちらはもう一歩利便性にこだわって作られた感がある。
って言ってもこれもまた随分とシンプルな作りで、入口を垂らして蓋をするだけっていうある意味サコッシュのスタンダードな形。
素材自体はシンプルなポリエステルリップストップで、他に比べて撥水性や強度に劣るけど、このなんとも「テロン」とした肌触りと柔らかさがとても使いやすく感じる。
あんま激しい場所や雨の時はバックパックにしまえばいいやって考えね。
BBスタイルや他のサコッシュにも使われるスピンネイカークロスだと小さくしてバックパックの中に入れる時クシャクシャにできないが、これはもう乱雑に丸めて放り込むこともできていい。音もパリパリ言わずに無音だし。
ただ軽量素材じゃない分、重量は「実測49.5g」と14種類中8位とジッパーなしタイプとしては少しだけ重い。(大した差じゃないけど)
サイズは幅28cm×高40cm(メッシュまで26cm)×ショルダー長112cm(最長時)で、使用時は大きすぎず小さすぎずなちょうどいいライン。
こんなもんセットがちょうどな感じで収まる感じ。
そしてこのタートルの一番の特徴が、この入り口がビューって「巾着状に絞れる」ってこと。
これが超地味な仕様ながら思った以上に便利だった。
垂れ蓋だけだと荷物の落下が気になるような場面でも、たったこれだけのアクションで随分な安心感を与えてくれるのだ。
開閉の動作はジッパーありよりも断然簡単でスピーディー。
しかもこの仕様なら、普通に“ショルダー紐つきスタッフサック”としても使うことができ、例えば「テン場まではスタッフサック、そっからはサコッシュとして」みたいな使い方もできる。
メッシュ部分は丈夫で滑りのいい素材が使われており、地図の出し入れはスムーズ。
少々のことでは破れそうにないので、安全な場所なら安心して「角」のあるような素材を入れたり出したりが可能だ。
そしてショルダー部分は2cm幅とやや細め。
本体が足上げの際に邪魔になることはあるから、起伏が激しい場所に行く場合はあらかじめ短めに設定してやるといいだろう。
ただ長さ調整は可能なんだが、行動中に状況に応じて簡単に調整できるタイプのものではない。
頻繁に簡単調整できた方が山サコッシュとしては便利だけど、この辺りも起伏の少ないロングトレイル用に作られてるため「これでええじゃないか」という割り切りポイントだ。
元々がPCTを走破する時用に作られたものが原点なので、これもやはりロングハイク用として便利な要素が詰まってると感じた。
「これぞ肩がけ便利袋!」って感じで、必要最低限のいい仕事をこなしてくれるニクい奴だ。
正直個人的にも「これ、ありだなぁ」と結構好きになっちゃった使い勝手の良さ。
デザインも落ち着いてておっさんでも抵抗なく使用できるのもグッドだ。
Trail Bum「タートル」
〜こんな人にオススメ〜
- ロングハイクが好きだけど登山もするよ
- 気軽に取り扱えるものがいい
- パリパリしたやつより柔らかい素材が好き
- 出し入れスムーズなのがいいけどやっぱ入り口は閉じたい
- フタッフサックにもなる汎用性に惚れた
重量 | 49.5g(実測値) |
サイズ | 幅28cm×高40cm(メッシュまで26cm)×ショルダー長112cm(最長時) |
素材 | ポリエステル リップストップ |
カラー | カーキグリーン、ネイビー、バーガンディー、シルト |
税別価格 | 3,200円 |
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山と道「山と道サコッシュ」
さあ、それでは次はこいつですね。
今の若い人たちは、「サコッシュ」って言ったら真っ先にこの「山と道サコッシュ」を思い浮かべるんじゃないでしょうか?
このなんともシュッとした感じが、見事に従来のズタ袋からのイメージを脱却して「サコッシュ」と化しております。
これの登場でサコッシュっていうものがもう一段階普及するきっかけになった気がするし、例のサコッシュ=オサレっていう路線を確立したのもこいつからってな印象が僕なんかは持っている。
この写真のサコッシュの素材はBBスタイル同様スピンネーカーだが(厳密にはまったく一緒じゃない。こっちのが若干薄手でなめらか)、他にもX-Pac VX07 SoftやDyneema X Gridstopなど、よりタフな素材のものもラインナップしている。
そしてカラバリも豊富なので、自分好みのカラーリングをチョイスすることも可能だ。(写真のものは春夏カラー)
スピンネーカー仕様の重量は、実測わずか「38g」で14個中4位。(他の素材だと公称56g)
容量的にはミニ三脚とサングラス除いたこんなもんセットが適量。(無理すれば入るけど使いづらい)
サイズは幅27cm×高18cm(フロントポケットは高15cm)。
正直サコッシュってこの程度が入ればいいと個人的には思ってて、ちょっとしたやつだけ忍ばせるのにちょうどいいサイズ感。
「横型」になってることで入口の間口が広くて出し入れしやすいし、物が左右にばらけるから、「縦型袋タイプ」よりも中身の確認がしやすくて欲しいものがすぐ見つかる。
開閉自体も、このチョロッと出たヒモに指引っ掛けてつまんで引っ張るだけ。
外側のポケットも大きめで、これも山と高原地図が折った状態ですっぽり入る。
横型で間口も大きいからなんとなーく荷物が落ちそうだなあって感じるけど、中身パンパンにしなければそうそう落ちるもんでもないなってのが実際に使ってみた印象だ。
また、本体とフロント合わせて合計9cmものマチがあり、見た目以上に物は入る。
そしてこの9cmのマチのおかげで、なんと自立するのである!
これ何がいいって、テントの中とかでヘッデンやらスマホやら財布やらの小物をまとめてここに整理しておけるのよね。
狭いテント内で場所も取らないから、枕元に立てとくと良いでしょう。
ショルダー部分は3.7cmほどの幅で、裏生地には肌触りのいいメッシュ素材。
長さ調整は簡単で、調整具が本体側にくっついてるからかなりやりやすい。
おかげでこまめに調整ができるので、前かがみになるような場面はサッと絞り込んで体に密着させれば足上げもスムーズで邪魔にならない。
ちなみに調整具下部にはカラビナホールもあり、コンパスとかちょっとしたもんもぶら下げとけます。
っという感じで、サイズ感や利便性、そして軽さやサイズ調整のしやすさなど、そのどれを取ってもやはり多くの人に支持されるだけの理由があると感じた山と道サコッシュ。
しかもオシャレでスタイリッシュ。
唯一難があるとすれば、それはオシャレすぎるあまり、爽やかさと8万光年かけ離れたおっさんとしては合わせるのが難しいってところか…。
まあそんな場合は、黒くてかっこいいDyneema X Gridstop素材の方を選べば問題なく合わせられるだろう。
パリパリ音もないし堅牢度もアップするから、山使用っていう意味ではそっちの方を個人的にはおすすめしたい(+1,900円upだけどね)。
もちろんカラーリングを楽しみたい人は、通常のスピンネーカー素材の方でオシャレに決めようぜ!
山と道「山と道サコッシュ」
〜こんな人にオススメ〜
- ロングハイクも登山も好きだ
- スタイリッシュなデザインが好き
- 色も自分の好みで選びたい
- オシャレなだけじゃなくちゃんと機能的なものが欲しい
- こまめに長さ調整がしたい
重量 | 38g(実測値・スピンネーカー素材) |
サイズ | 幅27cm×高18cm(フロントポケットは高15cm)×マチ9cm |
素材 | Fibermax 64(Spinnakers) or X-Pac VX07 Soft or Dyneema X Gridstop |
カラー | 豊富!サイトで確認してみてね |
税別価格 | 4,600円(Dyneema X Gridstop Jet Blackのみ¥6,500) |
BUY NOW | 山と道 |
フリーライト(FREELIGHT)「スピンサコッシュ(Spinn Sacoche)」
続きましては、こちらもサコッシュ創世記から名を馳せ続けるフリーライトのスピンサコッシュ。
そいつがつい最近仕様が変更され、新生「スピンサコッシュ」にアップグレードしました!
元々はBBスタイルに近かった形状だったのが、入り口垂らし蓋スタイル(っていうのか?)に変更され、いよいよ僕がSHH(四国八十八ヶ所)で使ってたズタ袋の形状に近づいた上でスタイリッシュになっちゃってるってな感じに。
素材はこちらもスピンネーカーだが、BBスタイルよりは0.5oz薄手の1.5ozで、山と道のものより少しパリッとして堅牢度高めな印象。
同じスピンネーカー素材って言っても生地メーカーによって千差万別で、素材選びの眼力に定評のあるフリーライトだけに「薄くてタフなもの」をしっかりチョイスしてきている感がある。
なぜなら蓋まで広げた全体容量はBBスタイルよりもでっかいのに、
14個中、第1位の軽さとなる実測「36g」!
だからって素材自体に全くやわさは感じず、この辺りの強度と軽さのバランスの取れ具合はさすがって感じ。
容量的には、さっきの広げた状態見て分かる通り、こんなもんセットが余裕のよっちゃんで入りまくり。
幅25cm×高最小21cm×D2.5cmで、最大で高さ38cmまで拡張可能!
実際はサコッシュなんでそんなにバカスカ物が入れられてもってところはあるが、例えば一時的に軽くてかさばるようなウィンドシェルとかを無造作に入れといたりする時には有効だ。
ただ荷物の出し入れに関しては、この長〜い垂らし蓋部分があるんで若干「クイズ!箱の中身はなんだろな?」的になってスムーズではなかったりはする。
このサコッシュを使う場合、ある程度中を見なくても手探りで分かるようなものを入れるのがいいだろう。
もしくはストラップの長さ調整がかなりスムーズなので、荷物出す時だけ位置を下げてやれば出し入れは容易だ。
むしろこの長い垂らし蓋部分は逆に落下防止に大いに役立ってくれるから、ファスナータイプじゃないこととこの軽量さってのを考慮すると、ある種山では合理的なスタイルである。
一方、ほんとこまめに出撃するようなアイテムや地図などは、フロントのポリメッシュポケットに入れてやるといい。
ショルダー部分は2.5cmのナイロンテープで、ストラップ側に調整具が付いている。
これがなんだか、何が違うのかわかんないけど全14種のサコッシュの中で一番調整がスムーズだった。
だから「荷物出す時いちいち調整すんのめんどくさくない?」って思ってただろうけど、これがスムーズだから全然苦じゃないのよね。
容易に調整可能ってことは、イコール前かがみになる場面でも足上げを妨げないように状況に応じて即調整できるってこと。
まさに山向き。
デザイン的にもシュッとしてカッコよくて、男的にも合わせやすくて良い感じ。
さらにこのサコッシュには、特徴として面白いギミックが隠されている。
調整コードの先っちょと、本体内側にある輪っかを連結すると…
高さ38cmの運搬用ショルダーバックにトランスフォーム!
これ、例えば水筒とかカメラとかレインウェアとか、そこそこの荷物持ってアタックする時には結構便利。
あとはテン場から山小屋まで距離がある所の場合、「2Lの水を汲んだついでに3本のビールを買って帰る」なーんてシチュエーションの時とかかなり助かる機能。
もう両手にビールとボトル抱えて危なっかしくテン場に帰らないでいいぞ!
こういうプラスαなギミック、大好物です。
FREELIGHT「スピンサコッシュ」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山で使いたい
- そんな頻繁に出し入れはしない
- 地図の確認とかがメイン使用
- とにかく軽くて強いものがいい
- 運搬ショルダーバッグのギミックに惚れた
重量 | 36g(実測値) |
サイズ | 幅25cm×高最小21cm(最大38cm)×D2.5cm |
素材 | 1.5ozスピンネーカーファブリック+ポリエステルメッシュ |
カラー | ブラック、至極色 |
税別価格 | 4,200円 |
BUY NOW | フリーライト |
なお、垂らし蓋のない「スピンサコッシュ2」も販売されている。
出典:FREELIGHT
BBスタイルのような王道サコッシュタイプを維持しながら、足上げを邪魔しないちょうど良いサイズ感を目指した山向きサコッシュ。
こちらも公称39gと超軽量で、荷物へのアクセスを重視する場合はこちらの選択肢もありだろう。
重量 | 39g(公称値) |
サイズ | 幅23cm×高最小22cm(最大38cm)×D2.5cm |
素材 | 1.5ozスピンネーカーファブリック+ポリエステルメッシュ |
カラー | ブラック |
税別価格 | 3,600円 |
BUY NOW | フリーライト |
マーモット(Marmot)「サコッシュ(Sacoche)」
続きましては可愛らしいデザインのものが多いマーモットさん。
そんな中で、あのアウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんプロデュースで作られたのが、このどストレートな商品名のズバリ「サコッシュ」だ。
この柔らかでふわっとした感じがなんとも可愛らしい。
とはいえ一応男女問わず使用できる想定で、カラーもブラックがあったりと男性でも問題なく使用できる。
「ユーコンカワイ×四角友里」という違和感ありまくりのコラボに申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、頑張ってモデルしてみました。
もちろん今回BBGで取り上げたのは、ただ可愛らしいからではなく、ちゃんと山で使える機能性を感じたからだ。
素材はCordura Ripが使用されており耐摩耗性と耐久性に優れていて、肌触りとしては「テロンテロン」ってな感じで柔らかい。
重量的にも「実測40g」と、14個中で第5位の軽さ(5位って言っても1位と4gしか違わない)。
この軽さでありながら、物を細かく小分けできるポケットが豊富な点がこのサコッシュの特徴。
サイズは幅27.5cm×高最小23cm(最大31cm)。
フロント側には山と高原地図がすっぽりジャストサイズで入る小ポケットと、コンデジとかもスポッと入る大きめなポケットがあって、
そして背面側には等分割のメッシュポケットが配置。
嵩張らない物なら両面に入れてもいいと思うが、実質は好みに合わせてどっちかをフロントにして使用するのがいいだろう。
で、このフロント側の豊富なポケットのおかげで荷物を分散させることができるから、メイン室の方には頻度の少ないものだけを入れておけるわけ。
なので全体的にこんなもんセットを過不足なく入れることができ、また荷物が分散されることでバランスが取れてサコッシュの形も綺麗に保たれる。
いかにも女性目線で作られたサコッシュって感じで、何かと細かいもの(リップや日焼け止めクリームとか)を入れようと思ってる人には非常に便利。
こんな感じでキーフックなんかもついてるから、ここに鍵だったり財布だったりも固定しておける。
ショルダーストラップに関しては、本体と同素材で3.6cm幅のもの。
肩への負担は感じないが、柔らかい素材なため、たまにグネッてたり折れて二重になっちゃってたりするんで、そうなった時は負荷を感じがちだった。
基本的に長さ調整具は片方にしかないので、左掛けオンリーとなる(メッシュ側をフロントにする場合は右掛けになる)。
長さ調整は結構スムーズで、急登の際は絞ってやれば足上げに影響はない。
そしてBBスタイル同様、本体下部にはカラビナループが設置されていて、
超急登の時とかはこんな感じでバックパックに引っかければ、
こーんなに前屈んでもサコッシュがだりーんってなることはない!
素材感、利便性など含め、全体的にちゃんと山仕様として無駄なく作り込んでる感がある。
可愛いだけじゃない、さすがマーモット×四角友里!
これ身につけてる時、その可愛さに見とれてたのか鹿にもガン見されました。
Marmot「サコッシュ」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山でも街でも使いたい
- ふわっとした柔らかいやつがいい
- 可愛らしいのがいい
- 小物を頻繁に出し入れする
- 物を小分けして入れたい
重量 | 40g(実測値) | |||
サイズ | 幅27.5cm×高最小23cm(最大31cm) | |||
素材 |
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カラー |
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税別価格 | 5,500円 | |||
BUY NOW | マーモット |
アライテント「マップサコシュ」
続いては、そろそろこいつを紹介しないわけにはいきません。
高価なサコッシュだと1万円もするやつもある中で、驚異の「税別1,100円」というスーパー価格を実現したアライテントの「マップサコシュ」です!
思わず「そうだよ!肩がけ便利袋ってこれでいいんだよ!」って唸ってしまったほどの必要最低限かつ十分な仕様。
日本の老舗テントメーカーが「サコッシュが流行ってるって聞いたんで…テントの端材と自在で作ってみました…えへへ…どうすかね?」的なノリが最高にクール。
サコッシュではなく、あえて「サコシュ」と言ってるあたりも可愛くてしょうがない。
素材もズバリ、エアライズのボトム素材と同じ40dnナイロンタフタ。
だから当然強度も防水性もあるし、UL素材には醸し出せない「味」がある。
その分シンプルなのにやっぱちょっと重くて、実測「47g」と14個中7位。
しかしその分堅牢度は優れてるし、安さも手伝ってラフに扱える安心感がグッド。
容量的にもほんと必要十分なものが入れられる程度で、こんなもんセットで言えばサングラスを入れずにちょうどいいレベルだ。
サイズは幅25cm×高最小20cm(最大31cm)で、出し入れはスーパースムーズ。
フロントには「マップサコシュ」というだけあって山と高原地図が横にすっぽり入るサイズのメッシュポケット。
そしてここのメッシュ部分が結構強度があり、安心して角のあるものを入れることが可能。
そしてショルダーストラップ部分だが、ここはもう男らしく割り切って「紐」である。
14種類中「紐のみ」で勝負をかけてきたのはこいつだけだったが、本音を言えば「特にこれで問題ないじゃん…」なんて思ってしまった。
もちろん重いもの入れて長時間ってなると負担にはなってくるだろうが、ちょっとしたもの程度ならこれでいい気がしちゃったよ。
そしてストラップの長さ調整が、これまた他と一線を画す「自在」での調整だ。
もうテント屋感丸出しなこの感じが、通常登山から入ったものにとってはたまらなく愛おしくてしょうがない。
当然他のものに比べたら調整しにくいわけだけど、慣れてしまえばなんてことはない。
これもマーモット同様片方にしかないから、基本右掛けオンリーとなる。
足上げに関してはサイズ的にもそんな高さないし、紐を調整すればなんらストレスはない。
一個難点といえば、紐が両サイドにくくりつけてあるだけだから、形がグシャッとなるってことくらいかな。
あまり物を入れすぎると、本体が膨らんで体に沿うような感覚にならないから、あまり嵩張らない小物入れって感じの使用がベストでしょう。
デザイン的にも控えめで主張しないから、おっさんの僕にも違和感なくマッチする。
何と言ってもこの価格なんで、気兼ねなくラフに取り扱えるのが実に山向きで実用的。
個人的には14種のサコッシュの中で、割と上位に来るレベルで気に入っている。
とりあえずサコッシュってどんなもんだ?って思ってる人は、まず一度この「サコシュ」でデビューしてみてはどうでしょうか?
アライテント「マップサコシュ」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山で使いたい
- とりあえず安いのがいい
- 地図の確認とかがメイン使用
- ラフに取り扱えるものがいい
- スタイリッシュなものが似合わない
重量 | 47g(実測値) | ||
サイズ | 幅25cm×高最小20cm(最大31cm) | ||
素材 | 40dnナイロンタフタ | ||
カラー | グレー | ||
税別価格 | 1,100円 | ||
BUY NOW |
ワンダーピークス(WONDER PEAKS)「フィットポケット(Fitpocket)」
続いてはちょっと異色なストレッチサコッシュを。
「取り外せるポケット」というコンセプトで作られた「フィットポケット」であります。
これの特徴は、まず何と言っても通常の肩がけスタイルのみならず、
腰巻スタイルでも行けちゃうその拡張性!
むしろどっちかというと、腰巻スタイルの方がその真価を発揮する。
ストレッチナイロン素材が使われており、生地は柔らかくビヨーンと伸びる素材だからスムーズに体にフィット。
入れる物によってサイズも可変するから、余計な膨らみもない。
ただ素材自体に撥水性はないから、汗っかきの人は汗の匂いがついちゃうのが難点だけど。
重量はストレッチナイロン素材を使用してることもあり、ジッパーなしタイプの中では一番重い実測「80.5g」で14種中11位。
他のものとはコンセプト自体が違うから重さうんぬんでは語れないが、実際取り付けてみるとさほどこれ自体の重さが気になることはなかった。
容量自体はそこまで多くのものは入らず、あくまでも「追加で大きめなポケットができた」ってな感じ。
こんなもんセットで言えば、サングラスと三脚以外でいっぱいって感じのサイズ感。
特筆すべきは「取り出しやすさ」と、ジッパーなしなのに「物が落ちない」ってのの両立さ。
物を取り出す時はストレッチで伸びるから容易で、閉じるときも体に沿ってフィットするから離すだけで自然と蓋は閉じる。
内部の方はというと、ただの袋ではなくて中に簡易ナイロン構造の内ポケットがあって2層構造になっている。
ここがちょうどスマホを入れる用のスペースになってて、簡易的な防水ポケットの役目も果たしている。
表面生地自体が撥水力のあるものじゃないので、これなら多少の雨なら安心して入れておけるね。
ストラップ部分は1.5cmのベルトで、バックルが外せるようになってるから肩がけにも腰巻にもすぐ変えることができる。
長さ調整に関しては、少し固く感じてスムーズさには欠ける。
しかし本体のストレッチ素材のおかげで体へのフィット感は半端ないから、そこまで長さを調整する必要には迫られない。
肩がけ時の工夫もされていて、ストラップの片方だけがD環になってるから、
ここでストラップが柔軟に曲がり、本体は水平がキープされて荷物が取り出しやすいのだ。
個人的に肩がけ時に「ああ、いいなー」って思ったのが、この素材、あったかいし防風効果もあるからお腹が冷えないんだよね。
実は今まで腹巻きしたりしてたけど、これなら「ポケット&防風保温」っていう一石二鳥さ。
厳冬期なんて、この中にホッカイロでも入れて上からハードシェル着れば結構いいんじゃないか…なーんて思ったりするわけですよ。
ちょっと拡張したポケットが欲しいってな人。
そして腰巻タイプがいいなって人にはもってこいのサコッシュでありました!
ちなみにこのフィットポケットは、この特集後に改めてアツシオガワが個別レビューします!
WONDER PEAKS「フィットポケット」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山で使いたい
- 邪魔にならないサコッシュが欲しい
- 拡張ポケット程度の感覚のものがいい
- フィット感に優れてるやつ
- 肩がけでも腰巻でもいけるのがいい
重量 | 36g(実測値) |
サイズ | 幅23cm〜30cm×高18cm |
素材 | ダークターコイズ、ブラック、コチニールレッド、パープル、紺色 |
カラー | ブラック、至極色 |
税別価格 | 4,200円 |
BUY NOW | ワンダーピークス |
って感じで現物テストできた「ジッパーなしタイプ」7種のご紹介でした。
あとは現物が手に入らなかったけど、注目されているアイテムを一つだけ追記しておきます。
オガワンド(OGAWAND)「ラップサック(WRAP SACK)」
出典:OGAWAND ※画像クリックでメーカーサイトへ
先ほどのフィットポケット同様、ストレッチ素材の元祖腰巻サコッシュ。
以前僕が個人的にサコッシュ購入を検討した際、最後までカンパラパックにしようかこれにしようかと迷った一品。
やはり人気があり、手作業生産につき購入には少々時間がかかる。
実際に使ってないから何も語れないが、気になる方は是非オガワンドさんのサイトをチェックしてみよう!
さあ!やっと前半の7種+1を紹介し終えました!
長かったですねえ。
これ、ちゃんと最後まで読みきった人いる!?
でもまだまだ続きますよ!
次回はよりハードな使用にも耐えられそうな「ジッパーありタイプ7種+3」。
もうここまできたら、このサコッシュ特集3部作を決定保存版にする勢いで書いていきます!
もっと細かい仕様知りたい人は、コメント欄にどんどん質問入れてね。
では後半、乞うご期待!