スター選手の陰に隠れてコツコツと出番が来るのを待つ。そしてお声がかかれば地味に良い仕事をこなす。そう、それが「いぶし銀」と呼ばれる男達。今回BBGは、焚き火界の「八重樫・土橋・杉浦」と呼ばれているとかいないとかの3つのいぶし銀アイテムを試してきた。この「80年代ヤクルトいぶし銀三銃士」を沢や川で起用するかしないかは、監督であるあなた次第だ!

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UST「Saver Cut Saw(セイバーカットソー)」

沢における焚き火での第一の仕事は、「焚き木を集める」こと。

それは野球でいうならば「とりあえず塁上にランナーを溜める」ってことであり、これがなきゃ得点(焚き火)のチャンスはやってこない。

塁上にランナーが溜まったら、次なる第二のお仕事として「長すぎる木をカットしてやる」という地味な作業が待っている。

そこで「いぶし銀代打・八重樫」ことUST(Ultimate Survival Technologies)「セイバーカットソー」の登場だ。

この男心をくすぐるなんとも言えない「ギア感」がたまらない。

僕が中学生の頃とか、やたらとこういうのをポケットに忍ばせてるヤンキーがいたものだ。

ただこいつは別に気に入らない新入生を脅すための道具ではなく、ザックリ一言で言ってしまうと「軽くてかさばらないノコギリ」である。

 

実は僕は今までの長い焚き火人生、ノコギリは「まああればあったで便利だけど持っていくの邪魔」という理由で大して使ってこなかった。

しかし八重樫はスマホよりちょっと大きい程度のコンパクトさ。(実際の八重樫は全然コンパクトじゃないけど)

重量もケース込みで「151.5g」と、持っていってもさほど気にはならないレベル。

これなら焚き火時の貴重な右の代打として1軍の試合に帯同させることが可能だ。

 

それでは早速、そんなコンパクト八重樫の実力を見てみよう。

まずこのように木の下にチェーンを潜り込ませ、

八重樫ばりの極端なオープンスタンスの構えから、

レッツ、ギコギコギコギコギコッッッ!!

割と力のいる作業だが、焚き木カットのついでに僧帽筋と上腕二頭筋が鍛えられてしまうという一石二鳥さ。

ノコギリに比べたら当然切れはかなり悪いが、正直ある程度まで切り込みを入れられれば後は足で折るだけなんで十分っちゃ十分。

ノコギリの「スパッ」とした断面より、このくらい荒々しい切り口の方がロマン度がアップするってなもんだ。

とりあえず、ちょうど良い所に人相の悪いヤンキーがヤンキー座りしてたんでこの八重樫を与えてみた。

ヤンキーも大満足の荒々しさ。

ただはっきり言って普通のノコギリよりスピード的に決して効率がいいわけじゃない。

しかもずっと八重樫オープンスタンスなので腰も結構痛かったりする。

しかしそんな事はこの際どうでも良い。

この八重樫幸雄は、なんと言うか、使ってて「己のワイルド感に酔える」アイテムなのだ!

 

効率原理主義の今の世の中だからこそ、そのロマン要素は重要だとBBGは訴えたい。

切ってる途中でガコッとチェーンが食い込んで思わず「Shit!」と叫んでしまうこともあるが、それでも「あ、なんか今の俺、ワイルドっぽかったんじゃね?」と思える余裕が必要なのである。

「普通のノコギリじゃ絵にならねえ!黒光りするチェーンを使い倒してこそ男だぜ!」

そう言い張ってやまない奴らに、ぜひオススメしたい一品なのである。

 

UST「Saber Cut Saw(セイバーカットソー)」

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SOL「Fire Lite(ファイヤーライト)」

八重樫が見事なチャンスメークをしてくれた後は、そのチャンスをさらに拡大させる必要がある。

それが「着火作業」。

そこで登場するのが、つなぎ役の名プレーヤー「土橋勝征」ことSOLの「ファイヤーライト」なのである。

まあ要するに火口・着火剤ですね。

 

ブンブン丸池山や韋駄天飯田の陰に隠れて、地味ながらもバットを短く持ってコツコツとヤクルト黄金期を支えた土橋勝征。

正直火口なんてなくても焚き火はできるからノコギリ同様絶対必要ってわけじゃないけど、間違いなく「持ってりゃありがたい」という存在だ。

 

土橋の使い方は、このようにほぐしてその部分に付属のライターで着火してから打席に立たせる。

これ一つで約2分ほど地味に燃え続けてくれる。

ワセリンとコットンボールで火口自作(やり方はここ)とかめんどくさいってな人には、もってこいのつなぎ役だ。

 

と、所詮ただの火口なんでこれで話が終わってしまうわけだが、BBGが土橋に注目してほしいのにはもう一つ理由がある。

それがこの付属でついている「超小型ライター」。

前回のいぶし銀コーナーでOPTIMUSの着火器「スパーキー」について触れたが(スパーキーの記事)、これはさらに小さくて軽量な着火器。

その重量わずか7gで、正直今回はこいつが欲しいからこの土橋を買ったってのが本当の理由だったりする。

川原で使ってたら、多分気づいた時には無くしてる可能性大ってくらいのミニ土橋。

地味なアイテムの中に、さらに付属品としてひっそり隠れているこのミニ土橋こそ、今BBGがアツく推したい「いぶし銀」なのである。

火口への着火はもちろん、アルコールストーブへの点火や、火打ち部分が壊れてしまったガスバーナー用として。

これ一つで5,000回程度火花を飛ばすことが可能で、今後数年に渡ってあなたの着火ライフを地味に支え続けてくれること請け合いです!

 

SOL「Fire Lite(ファイヤーライト)」

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TOAKS(トークス)「BP Wood Burning Stove(BPウッドバーニングストーブ)」

八重樫と土橋の活躍で、もうすでに焚き火は完成して得点を上げることができた。

しかし沢や川で、昼も夜も毎度焚き火して飯を作ってたんじゃ時間がいくらあっても足りない。

そんな時に代打の切り札として登場させたいのが、「杉浦享」ことトークス「BPウッドバーニングストーブ」なのである。

スター選手だらけだった1992年の日本シリーズで、引退宣言してたのにまさかまさかの劇的な代打サヨナラ満塁ホームランをかっ飛ばした「ここぞ!」な時のいぶし銀、杉浦享。

沢登りや源流釣行中の昼飯の時、焚き火のサブ調理台が欲しい時、火を熾すのが面倒な朝など、「代打!杉浦!」と叫べば颯爽と登場して淡々と役目をこなす。

打席に立つ前はこのようにぴっちりとスタッキングされており、

チタンなんでその重量はわずか219g。

バラけさすとこんな感じで、

これを「ガシーン!シャキーン!スポーン!」ってやると、

ズッシャーン!と杉浦享の出来上がりだ!

このロボ感と工業感とロビンマスク感がまたしても男心をくすぐってやまない!

さすがはヤクルト一筋23年の貫禄だ。

 

で、その構造は煙突効果を利用して燃焼効率をアップさせる感じで、要所に空気の取り込み穴が設置されている。

こんな感じね。

以前紹介したバーゴのウッドストーブ(こちら)とは構造自体が大幅に違うウッドストーブ。

出だしの着火はバーゴのがやりやすいが、一度火が着けば燃焼効率も良いし火力調整がしやすくなっている。

 

最初は燃えやすい小枝突っ込んで、さっきの土橋のような火口で着火。

で、徐々に火を安定させていき、

上にクッカーを乗せたら、横の大きめな穴からどんどこ木を投入。

ちなみにこんな感じで、ベルモントの深型480シェラカップがスーパーフィットでさらに熱効率アップ!

木が乾いていればお湯沸かす程度ならかなり早くできる。しかも燃料費タダ。

そんでもってちゃんと焚き火する時は、直投入だと火力調整の難しい炊飯とかやる際のサブ調理台としても重宝する。

最初は強火で行ってから、入れていく木を少なくして徐々に火力を落としていくなどの調整して行けば炊飯は失敗知らず!

焚き火の直火ダイレクト炊飯もロマンがあって大好きなんだが、焦げ焦げにしてバリボリと黒い米を食った経験が何度もある身としては実にありがたい。

焚き火炊飯初心者の人にもオススメだ。

ただ胴長の煙突状だから最初は着火がしにくく、木が濡れてる時とか火吹き棒とかで下から風を送り込めないのが難点と言えば難点。

下側サイドに開閉可能な送風口とかあればもっと完璧だった。

しかしこれはこれで、僕が愛してやまないバーゴのウッドストーブとは一線を画してて非常に面白いウッドストーブ。

2015年にはドイツで華々しくインダストリーアワードを受賞した名品。

1992年の日本シリーズの感動が残ってる人には、ぜひ起用して欲しいいぶし銀代打なのである。

 

TORKS(トークス)「BP Wood Burning Stove(BPウッドバーニングストーブ)」

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ちなみにもっと小さて軽量な151gのソロ用杉浦享もいるんですよ。

TORKS(トークス)「Solo BP Wood Burning Stove(ソロBPウッドバーニングストーブ)」

※画像クリックで代理店サイトへ

 

ってな感じでサクッとご紹介しました、焚き火界の八重樫・土橋・杉浦のヤクルトいぶし銀三銃士。いかがでしたでしょうか?

ヤクルトの黄金期も、焚き火の黄金タイムも、このようないぶし銀たちがひっそりと支えているからこそ輝くのであります。

 

今後もBBGはこのようないぶし銀たちにスポットライトを当てて現場テストしていきます!

次に登場するのは井端・種田・音なのか?

取り上げて欲しいいぶし銀なアイテムあればリクエストくださいませ!

 

それではまたお会いしましょう。

ユーコンカワイでした。