予定は未定の気まま旅。流れ流れて磐梯山。街ブラ、自転車、キャンプに登山。久しぶりに晴れた秋の休日の記録。(文・コータロー)

郡山

久しぶりに晴れ予報の連休。

どこか遠くへ行きたいな。

最近SNSでよく見る安達太良山が頭に浮かぶ。

紅葉もピークだろうし、行ってみたい!!

サクッと準備をして仮眠。

早朝から車を走らせる。

今日は移動日。

下道でのんびり福島へ向かおう。

僕は土地の雰囲気をビシバシ感じる下道の旅が好きだ。

休憩で、便所に入って、紙はなし。

まぁ、ウォシュレットあったからさ。

まぁ、それ以上は聞かないで。

国道4号をひたすら走って郡山へ。

初めて来た街を散策するのは実に楽しい。

閑散とした郡山駅周辺だが、車社会の地方都市ではよく見る光景。

地方都市の一等地は駅前にあらず、国道沿いなり。

郡山市街で気になったのはおっぱっぴー広告の多さ。

おっぱっぴーは世界を平和にするが、争いも生む。

郡山は「その部分」を隠さない街なのだ。

表裏が無くて良い街なのかもしれない。

昼食を食べる為にふらりふらり。

どうやら「郡山ブラック」というご当地ラーメンがあるらしい。

その中でも本流と言われる店舗に入店。

女性店主がテキパキとテンポよくオーダーを捌いていた。

真っ黒なスープからは想像できない、風味豊かであっさりとしたラーメン。

ゴクゴク飲める感じのスープは飽きがこない、毎日食べれそうなラーメンだ。

キャンタマに白髪が生えたミドル世代にはピッタリの味付け。

スープを完飲し、気持ちよく店を後にした。

郡山CITY、いい街だな。

大手から個人店までいろいろあった

駅前は古着屋さんがチラホラあり、何店舗かパトロール。

その中の1店舗でとんでもないビンテージを見つける。

Kappaだ!!小学生の時、クラスのムロちゃんが愛用してたKappaだ!!

ベンチコートは現代版モッズコート。

17歳、ベンチコートを羽織り、タバコを咥えながらバイト先へ原チャリを走らせた。

向かい風でブーストされ、秒速で燃え尽きるラッキーストライク。

火傷する前にバイト先へ走れ!!

炎よりも速く!!

退屈だった田舎の日々が脳裏をフラッシュバック。

勇んでレジへ持って行くと

「へぇ、やるじゃない」

そんな顔をした店員さんとの世間話が始まった。

この街の者ではないこと、明日は安達太良山へ行くこと、キャンタマに白髪が生えていること。

僕は自分の全てを開示した。

「安達太良は人すげーっすよ」

混雑はある程度、覚悟していた。

だが、僕は店員さんの口調から

「やめとけ」

というエッセンスを感じ取った。

ご当地セブン

「ちなみに、オススメとかはあったりしますか…?」

僕はすかさず店員さんのレコメンドを聞いてみた。

店員さんは、ハッキリとした口調で

「磐梯山がいいですよ!」

と、僕に伝えた。

この旅の目的地が決まった瞬間である。

猪苗代湖

郡山市街を後にした私は、本日の宿泊地へ移動。

猪苗代湖の湖畔にある無料の野営場

「舟津公園キャンプ場」

へ向かう。

目の前に猪苗代湖と磐梯山が鎮座する、トンデモ絶景スポットである。

トイレと水場はもちろん、ゴミ捨て場まである。

福島の良心を凝縮したような場所だ。

こういう場所は絶対に無くしてはならない。

使う者にはその責任と義務が発生する。

来た時よりも美しく、有料キャンプ場よりもマナー良く。

夕暮れまでは湖畔の周囲を散策。

知らない土地と自転車の相性はバツグンだ。

徒歩と車の間を埋めてくれるのが自転車。

ちょうどいい速度域で観光客が訪れない場所を巡る。

バカデカい猪苗代湖はほぼ海。

透明度もなかなかだ

だんだんと日が暮れてきた。

ベンチコートを羽織り、夕陽で染まる湖畔を眺めながらコーヒーを飲み、色々な事を考えた。

ヘソ出し登山者どうした?

勢い弱くなってるぞ?

もっと来いよ!!

批判してる奴らは気にするな!!

山の新時代は君たちのものだ!!

色々な事を考えたが、SNSで呟いたら怒られそうなことばかりだ。

登山なんて、大なり小なり変わった奴しか楽しめない。

いつから清廉潔白な趣味になってしまったのだ。

SNSなんてやめろ!!ブログ書け!!

自由な世界はブログに残っているぞ!!

さぁ、そろそろテントを設営しよう。

だがしかし!!僕は設営地で目を疑った。

「カメムシめちゃくちゃいる…!!」

ほとんどの虫は無視できる。

だが、カメムシよ。

お前はダメだ。

何度かテントにつけて自宅にお持ち帰りしてしまい、大変な目にあった。

最近よく壊れる愛車

色々と考えたが、ダルいので車中泊に変更した。車中泊最高!

カメムシは全国で大量発生してるらしいですねー。

裏磐梯登山口

翌朝は4時に起床。

準備を整えて登山口へ向かう。

昨晩、自分なりに調べて「裏磐梯登山口」から周回ルートを歩く計画を立てた。

裏磐梯スキー場の駐車場へ向かうのだが、駐車場手前の100mがガッタガタ!!

舗装されていないのはもちろん、地面からデカい岩が露出している。

パンクしそうな緊張感の中、ゆっくりと進んだ。

車高の低い車は行かない方がいいです。

時刻は6時30分、駐車場には私を含めて2台しか停まっていなかった。

駐車場にはトイレと、携帯トイレの回収箱があった。

これは珍しいですよね。

つまり、磐梯山の登山道にはトイレが無いということだと思います。

確かになかったかも。

身支度を整え、スキー場のゲレンデを登り始める。

いきなりぐちゃぐちゃ!!

雨でも降ったのか、過激な朝露なのか、北側斜面の裏磐梯登山口はぬかるんでいた。

開始2分で靴下まで浸水。

帰ろうかと思った瞬間である。

顔を上げればちょうどモルゲンロートの時間。

紅葉はまずまず、久しぶりに感じるキリッとした空気の中を歩いて行く。

キンキンに冷えた足の先が徐々に温まってくる。

分岐があるので注意

今回は裏磐梯登山口から半時計回りに周回するルートを選んだ。

結論、コレが大正解。

時計回りだと強烈な急登が待っている。

半時計回りを全力でオススメしたい。

振り返ると、吾妻山と五色沼を覆う雲海。

このルートにして正解だった。

銅沼〜弘法清水

誰もいない登山道を一人歩いて行く。

朝露で濡れた植物達は、色が濃くなり実に鮮やか。

ほどなくして銅沼(あかぬま)という場所に到着。

そこには、思わず「すげぇ…」と、声が漏れてしまう絶景が広がっていた。

今まで色々な山に訪れたが、ここまで目を奪われる景色はそうそう無い。

しばらくその場から動けなかった。

標高を上げると、少しずつ紅葉が進んでいた。

途中から数人の登山者と出会う。

どうやら八方台というルートからやってきた人達のようだ。

あの感じだと一番人気のルートなんだと思う。

その後もワシワシ登って山頂直下の弘法清水小屋に到着。

平日でも営業していて、お土産や飲み物等が購入可能だ。

水場もあるので補給するのもいいだろう。

この日は半袖でいいくらいの暑さだった。

山頂

ここから山頂まではガツンと急登を登る。

2000m以下の山だが、身体はしっかりと追い込まれる。

汗だくで頂上へ到着すると、そこは360度の絶景。

猪苗代湖はもちろん、磐梯山周辺の山も湖も街も綺麗に見えた。

地元で愛されている山なのだろう。

こんな絶景が楽しめる山が近くにあるなんて、羨ましい限りである。

山頂がやや混み始めたので下山を始める。

土日の様子はわからないが、この時期は6時台から登れば混雑を避けれると思う。

黄金清水

もう一度、弘法清水小屋の前を通過して川上ルート方面へ。

こちらも草紅葉の絶景が広がっていた。

手前に広がる草原は黄金清水。

奥のピークは櫛ヶ峰である。

櫛ヶ峰はバリエーションルートらしい。

どこかの惑星に訪れたような迫力に足が止まる。

私は写真好きではないが、それでも何枚も写真を撮ってしまった。

ここはどの季節に来ても綺麗でしょうね。

その後は激下りの始まり。

とてもじゃないが、コレを登る気力は無い。

激坂を滑り落ちるように下って行く。

あっという間に麓まで降りてしまった。

一部不明瞭なルートがあるので地図アプリを確認しながら進むのがオススメ。

あーーーーーーっ!!

ち…!!ちんちん…!!

最近、SNSに溢れている安達太良山の投稿。

アレは全て福島県と広告代理店の陰謀である。

コイツを隠す為のカムフラージュなのである。

最後の最後で磐梯山の秘密を見つけた私は、大満足で下山した。

6時間ほどの山行だったが、まるでアルプスへ行ったような充実感である。

「俺百名山」なるものがあれば、磐梯山のページには熱量のあるコメントを書くだろう。

縁もゆかりも無い場所に、大好きな山ができた。

こんなに嬉しい事はない。

エピローグ

下山後は腹ごしらえをする為、周囲を舐め回すように検索。

少し離れた場所にやたら旨そうな定食屋を発見する。

その名も「舞木ドライブイン」。

福島周辺はドライブイン文化が根付いているようで

街道沿いにレベルの高そうなドライブインが点在する。

到着すると運良くスムーズに入店できた。

事前に調べておいた「特製焼肉定食」をオーダーする。

実はこのお店、某孤独なグルメおじさんのドラマにも出ていたらしい。

そこで取り上げられたのが「焼肉定食」だそうだ。

じゃあそれは食わねぇ!!

どうしても素直に生きられない私は、違うメニューをオーダーしたのである。

到着した特製焼肉は、焼肉と言うより極厚のトンテキ。

ズッシリ盛られたポテサラに、山盛りのキャベツ。

米は普通盛りで500g。

トドメは猪苗代湖もビックリな味噌汁湖だ。

ここに来るまでにコンビニのおにぎりを3個食べている私は焦った。

「やべぇ、食い切れるかな…」

結論、10分で完食した。

大変美味しゅうございました!!

爽やかな味でした

問題はその後だった。

超満腹による眠気に襲われたのはもちろん。

パワフルなメニューでスタミナが付きすぎたのか、謎に勃起するというハードコアドライブ。

充実した一日の帰りにハードラックと踊るわけにはいかない。

休みながら安全運転で帰宅した。

街、食、自然。

全て含めて、福島が大好きになった。

山はもちろん、いい渓流も見つけたので、来年は釣りでも来てみたい。

ここ行ってみろよ!

コレ食わないで福島語るなよ!!

そんな場所がありましたら是非教えて頂きたいです。

また近いうちにお邪魔します!!

押忍!!