動的保温、行動着兼保温着、脱いだり着たりの回数が激減…等の言葉を目に耳にする事が多くなってきた化繊インサレーションウェア。各メーカーから様々な特徴の物が発売されている中、個人的に惹かれたティートンブロスのコクーンジャケットを購入し、お試ししてきました。
(文/ルマンド・フジタ)
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はじめまして
BEST BUY GEARをご覧の皆様、お初にお目にかかります。ルマンド・フジタと申します。
今まで登場した方たちと同様、アツシオガワ&ユーコンカワイ両氏にありがたいお名前をいただき、少し浮かれております。
アウトドアウェア・ギアが大好きですが、色々偏りがあるちょっと面倒で残念なタイプです。
40代男性の詳細な自己紹介を長々と見るのも苦痛でしょうから、早速レビューに移りますね。
どれもいいのはわかっちゃいるけれど
インサレーションジャケットの購入に際し求めた条件は以下の通り。
- フード無しのジャケットタイプ。
- 出来ればPolartec Alpha使用で腕部分あたりに異素材を使用したもの。
- 異素材使用でなければ(厳冬期登山は少な目の為)薄手のもの。
インターネットや雑誌、店頭で色々見ていると幾つかの候補が挙がる。
BBGでもレビューされていたパタゴニアの「ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット」。
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こちらもBBGでレビューされていたアークテリクスの「プロトンシリーズ」。
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もしくはアトムLT。
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Rabの「パラドックスプルオン」やMarmotの「リデュースプルオーバー」など、こんなにも候補があって迷ってしまう…。
さてどうしたものかと考え始め
- 情報量が少ないので試してみたい
- 他にはあまり見当たらない際立った特徴を持つ部分がある
- デザインの良さ
- 黒色かどうか
- このタイミングで30%OFF見掛けちゃうのは運命だよね~♪
等々のギアウェア好きにはよくある購入理由の寄せ集めを高い基準で満たしたティートンブロスの「Cocoon Jacket」を購入することに決定!
とココまで書いておいて言うのも気が引けるが、正直なところ見た目に猛烈に惹かれた事とTeton Bros.が好きだった為、さほど悩むことなく決定したのであった。
ただBBGに書く以上はフェアな目線でいくのでお許しいただきたい。
素材や特徴
主に体幹部にPolartec Alpha(ポーラテック アルファ)とPertex Microlight(パーテックス マイクロライト)を使用して保温性と耐風性を確保。
動きの多い腕の部分はストレッチ性と耐久性を兼ね備えたPolartec Power Stretch Pro Hard Face(ポーラテック パワーストレッチプロ ハードフェイス/以下パワーストレッチ)が使用されている。
表面にはPolartecオリジナルのシリコンハードフェイス加工が施されている。
ハードフェイス加工によって通常のパワーストレッチよりも耐摩耗性、耐風性がアップしている。
また、表面が滑らかなためシェルなど上にもう一枚着る際に摩擦を低減させる効果もあり、ストレスフリー。
動的保温を意識した薄手の生地厚を使用しており、湿気のこもり易い背面上部にもパワーストレッチを使用し、ハイクアップやクライミング等、運動時の通気性を高めた仕様になっている。
Mサイズの実測重量は381g(メーカー公称値は390g)で、収納時のサイズ感はこれくらい。
ベンチレーションを兼ねた大型のチェストポケットが左右に配置。フロントジッパーと併せて換気機能調整の幅が広い。
袖部分はサムホール付き。肌当たりが良いのに頑丈な点がこのブランドの良さ。
そして後の着用テストでも触れるが、このハイカラー。
手芸のえっちゃんや月影一平太も驚きの高さである。
先輩!全くわかんねっす!
着て歩く
サイズ感他
177cm/63kg、やや貧相な痩せ型の自分はMサイズを購入。
ジャストサイズが苦手な為、ちょうど良い。
ちなみに同社のウェアを数着保有しているが、厚手のフリースの上に着る事を想定して購入のWind River Hoodie以外は全てMサイズを着用。
店頭で試着の機会に恵まれないどなたかの参考になれば。
まず一番に目がいくのがこのハイカラー(高い襟)。
高さの設定は勿論だが、張りのある素材のため首に纏わりつき過ぎず離れ過ぎずで絶妙。
そしてフード無しのジャケットにありがちな首後ろの寒さや寂しさを感じないのはとても良い。
ジッパーを結構降ろした状態でも立ったままで、中途半端に倒れかけて鬱陶しくなったりという事は無い。
暑ければジッパーを更に降ろし襟を曲げることも出来る。
次にポケット。
自分はベンチレーション的な使用がメイン。
かなり大きく開き、体温調整が素早く出来て快適。暑がりの方や序盤の激しいハイクアップが分かりきっている際は、最初からある程度開けておくといいと思う。
もちろんバックパックのベルトに干渉するような事はほぼ無い(ウエストベルトの位置によっては最下部までジッパーが降りないかも。ほんの数センチの話だが)。
そして腕部分からサムホール。
素材の伸縮性に加え裁断が素晴らしく、色々動いてみてもどこかが突っ張る等のストレスは皆無。
元々滑りの良い素材なので気にならないとは思うが、サムホールは上に何か重ねて着る時も楽。
最後にジッパープル。
細かい点ではあるが、Teton Bros.のこのパーツは個人的に凄いと思うので、取り上げさせていただく。
五角形状(によって味気なくなりがちな所にブランドロゴ)で、カタログやパッと見では分かりづらいが中央部が凹んでいる。それに加え丁度良い紐の長さも相まって、素手でもグローブ着用時でも非常に操作がしやすい。
こういった細かな箇所への配慮も、快適で信頼度の高い製品を産みだしている理由だと思う。
四十男のスマホの代替機にピンクのディズ〇ーモバイルを普通に出してきたショップの店員も見習ってほしい。
歩いてきました
この手のウェアは本人の体質で感じ方が大きく変わってくると思うので、まずは参考までに自分の体質を。
真夏の高山テント場で周囲の人に比べ、結構早い段階でダウンジャケットを出すくらいの寒がり。
発汗量は人並以下。参考になるか不明だが、平熱はお高めの36.6℃超といったところ。
テストしたのは3℃~14℃、晴れたり曇ったりを繰り返し、風速10mを超える時間帯や無風の樹林帯があった低山等で数度着用。
ベースレイヤーは化繊とメリノウール100%の両方。残念ながら風雪にまみれるような山には行けず。
同行者が化繊ベースレイヤーの上にウインドシェルやパタゴニアのナノパフを着たり脱いだりする状況の中、自分は終始これ1枚で快適に過ごせた。
ベンチレーションの使用頻度がかなり少なく済んだ事にも驚いた。
日が照り温度が上がる時間帯の低山で何度もハイクアップを繰り返してみたが、着ていられないほど暑くはならず。
部分的とはいえPolartec Alphaを使用したウェアを着るのは初めての経験だったが、暖かいが暑くはならないという不思議な感覚。
そして中綿部分に肌で感じるほどの湿り気を帯びる事は無かった。
手を使うような箇所を通過する際、手首や肘、脇や肩部分が変に突っ張ったりしない事も改めて実感。
上手く使えば1枚でかなりのシチュエーションをカバー出来ると思う。
ただ当然ながら、この手の作りのウェアは汗ばむハイクアップの後にバックパックを降ろすような休憩時、強風が吹くと背中や腕の部分がわずかに冷える感じは有ったりする…
が、汗抜け重視のグリッド状の素材を使用した物と比べると防風性と保温性がある為、寒がりな自分は暖かく快適。
もちろん長めにとられた背面腰上あたりまでのPolartec AlphaとPertex Microlightを使用した部分の恩恵も充分に感じた。
現時点で気になったのはこれに限らず裏地にメッシュを使用したウェア全般に言えるが、運悪く何かの拍子に引っ掛けたり、家で脱いで置いておいた際に猫に襲い掛かられて破ったりしないか少しだけ気を使うという事くらい。
品名 | Teton Bros. Cocoon Jacket ティートンブロス コクーンジャケット | ||
画像 | |||
重量 | 390g (size M) | ||
サイズ | S/M/L | ||
カラー | 3colors (Black,Uguisu,Wine Red) | ||
価格 | ¥26,000+tax | ||
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まとめ
この手のウェアに興味はあるけれど、腕や肩の部分が寒すぎたりしないかな…なお方、フード自体の存在感や重ねて何か着る時に渋滞が気になるケド、首元冷えるのはちょっとねえ~、というお方、そして垂直方向の登山を愛するお方に特にお勧め。
盛夏の低山を除き、幅広く活躍してくれると思う。
先鋭的なウェアの部類に属するが、それを感じさせ過ぎない見た目も実に良い。
黒色を買ったワタシやアナタ、堂上商業高校や園都成高校の前を通る際は襟を寝かせましょう。
先輩!みんなキョトンっす!
最後までお付き合いいただき、本当に有難うございました。
以上、ブルボン大好きルマンド・フジタがお送りしました!
押忍!