渓流釣り一年生の終業式!!禁漁期を目前に控えた9月下旬にラスト釣行に行ってきました!!場所は始まりの場所であり、試練の場でもある山梨県!!果たして今回の釣果はいかに!?先日、昭島で行われたイベント[URAGIN]の模様もお届けします!!(文・コータロー)

山梨と渓流釣り一年生

「山梨にオススメの場所はありますか…?」

私は渓流釣り一年生。

渓流釣りの先輩方、川で会った釣り人、漁協のおじさんに会う度、私はオススメスポットを聞いて回った。

もちろん、釣りはMTBと同じで秘匿性がある遊びだ。

関係性が浅い相手に、自分の大切な場所を教えないのは理解している。

だが、関係性の深さに関わらず、毎回、定型文のように同じ言葉が返ってくる。

「山梨は釣れない」

「山梨は初心者には難しいよ」

「山梨の魚はスレてるから」

もちろん釣れている人達も大勢いる。

これはつまり

「今の君には難しい場所だよ」

と、言う事だと理解した。

「高尾山に登ったから次は剱岳に行きたいんです!!」

そんな登山一年生がいたら、どんなに仲が良い間柄でも

「お…おう…」

と、なるはずだ。

初心者が山梨で釣れにくいのには理由がある。

東京からも近く、アクセスが良い山梨。

渓流を求めて大勢の釣り人が来る。

魚は賢い。

何度も騙され、釣られているうち

警戒心は研ぎ澄まされ、眼光は鋭くなり

ヤンキーのようにスレてしまったのだ。

環境がもたらす影響は、人も魚も羽賀研二も変えてしまう。

それでも自宅から1時間半で行けるアクセスの良さは私を惹きつけた。

先輩が通い詰めた川へ何度も通った。

だが、一度も釣れなかった。甘くない。

魚影さえ確認できない日もあった。

それでも通ったのは、先輩へのリスペクトと、清流の美しさに心が満たされたからである。

人生で勝った記憶がない、私の鋼鉄のメンタルも影響していると思う。

ある日「さぁ!!釣ろう!!」と、いう段階で

リールが激しく絡まっている事に気付き、1時間も格闘した事があった。

諦めて帰ろうかと思うレベルの絡まり具合。

釣りも登山も、事前準備が大事なのだ。

およそ考えられるトラブルの7割は山梨で経験した。

山梨の川は、私の学校だった。

ヘタクソな私を見かねた、魁!!オガワ塾から声が掛かり

門下生として出稽古に向かった。

優しく、時に厳しいアツシオガワは

私の金八先生であり、江田島平八だった。

アテンドしてもらった某県某所では、美しいヤマトイワナを釣る事ができた。

超絶ヘタな私でも釣れたのだ。

ピュアなイワナの優しさと、潤んだ瞳に私は泣いた。

渓流釣りはテクニックはもちろん、いかに場所選びが大事なのかを知った。

自分の背丈ほどある藪を漕いでいるとOMMを思い出す。

高巻き中、掴んでは抜ける木の根に北鎌沢右俣を思い出す。

今まで積み重ねた山での経験が、点から一本の線になるのを感じた。

そう、全ては繋がっていたのだ。

失礼ながら、優雅で気楽な遊びだと思っていた渓流釣り。

ハードな縦走登山こそ、アウトドアの頂点に君臨するのだ!!

若かりし頃、私は本気でそう思っていた。

井の中のなんとやら。

実際の渓流釣りは、積み重ねてきた経験が試される勝負の世界。

アウトドア界の総合格闘技だった。

参戦するライバル達も多彩なジャンルを経験した猛者ばかり。

ヨボヨボのお爺さんでも、竿を持つと眼光は侍のように鋭くなった。

餌釣り、テンカラ、ルアーにフライ。

手にする武器もなんでもアリの天下一武道会である。

今年、ついにそのリングに上がった私は、勝ち負けを繰り返しながらシーズンの終盤を迎えた。

最後の試合

渓流釣りには「禁漁期」と、言うものがある。

産卵の時期である秋から、稚魚が育つ春までの間(10月から2月まで)

ほとんどの場所が禁漁期に入る。

つまり、その間は一部を除いて、渓流で釣りをしてはいけないのだ。

そんなこんなで、今シーズン最後の釣行である!!

登山で言う「登り納め」と同じ。

場所は初めて渓流魚を釣った場所であり「学校」でもある山梨!!

始発の中央線に乗るために高尾駅へ。

ホームにある公衆電話には撤去の張り紙が。

夏の終わりと時代の終わり。

テレホンカードを握りしめ、公衆電話から伝えるアイラブユー。

そんな経験はございません。

偽造テレカってあったよね。

悪書追放の白ポストを見ると山梨に来たと実感。

インターネットという魔窟が寄り添う現代。

このポストも、いつかお役御免となるのだろうか。

濡れたエロ本を探し、仲間達と森の中を行ったり来たり。

あれこそアウトドアマンとしての原点だったのかもしれない。

はい!!

今回のバディは山梨と言えばのシムちゃん!!

毎日忙しそうですが、この日は休みを合わせてくれました。感謝。

山梨に魚がいるかは、山梨県民の彼にもわからないとのこと!!

そう、それが山梨なのである。

(山梨の皆さんホントすいません)

遊漁権はローソンのロッピーで買えました。

「小僧、遊漁権は買うたのか?密漁ではあるまいな!?」

釣行記事にはそんなコメントが来がちなんですが

あれはたぶん漁協の親父さんです。

漁協の親父さんもBBG読んでるんです。

準備して、いざ最終戦へ!!

ファイナルシーズン真っ只中、この日は他の釣り人も多かったです。

入ってなさそうなポイントを選び、いざ入渓。

山梨ルール(渓流編)

魁!!オガワ塾のおかげで、この日のキャスティングは最初からスムーズ。

シムちゃんにも「上手くなってる!!」と、お褒めの言葉を頂きました!!

押忍!!ごっつぁんです!!

だが、釣れる釣れないは別の話である。

うんともすんとも言わない水面を眺めながら

「これが山梨だ!!山梨最高!!」

と、強引にドM思考に持っていく。

(釣れてる人はいます、私がヘタなだけ)

と、そんな時にシムちゃんがヒット!!

小さい!!

と、思ったソコのアナタ!!!!

シムちゃん曰く

「山梨ではこのサイズが尺っす!!」

と、衝撃の事実をカミングアウト!!

これぞ山梨ルール!!

尺だ!コレは尺サイズなのだ!!

尺サイズを釣り上げた男は一仕事終えた顔でおにぎりをパクリ。

「次はコータローさんの番っす!!」

いささかプレッシャーを感じながら、水面にフライを浮かべる。

ちなみに我々がやっているのは

「フライフィッシング」

昆虫に似せた毛鉤を水面に浮かせて魚を釣ります。

(沈める釣り方もある、やったことないけど)

運が良ければ、水面にぬらりと浮上した魚が

毛鉤をパクッとする一部始終を見れるのです。

もう、そんなのを見たら脳汁ザバザバでダム決壊。

「ン、ギモヂィィィィィィ!!!!」

と、なって頭の中は釣りの事でいっぱいぱい。

あっという間に釣りメンヘラの出来上がりである。



しばらく竿を振っていると、素人フライマンの竿に何かがヒット!!

メダカかな?

ある意味、釣るのが難しそうなサイズを釣り上げる。

「でっかっ!!」

「えっぐ!!」

「しゃべー!!」

シャバ僧がゲラゲラ笑いながら動画を撮っている。

こんなに小さな魚は見た事が無いそうだ。

山梨の奇跡。

山梨の妖精。

ちなみに、尺メダカは網目の隙間から逃亡すると言う

「尺イリュージョン」も見せてくれた。

もっと写真撮りたかったなー笑

高巻きと橋本環奈

更なるマッチングを求めて場所を移動。

道中で出会った餌釣りの親父さんから

「あの滝を超えるのはキツイぞ」

「横の斜面もキツイ、高巻きしろ」

と、アドバイスを頂き、素直に高巻き。

コレが伝わらないけどなかなかの斜度。

滑るフェルトソールで、少しずつ標高を刻んで行く。

右下は急斜面

藪漕ぎ、トラバース、激下り。

あの親父さん、とんでもないルートを教えてくれたなぁ…。

やっと降りた場所には透明度バツグンの川が流れていた。

チラリと偵察して僕とシムちゃんは確信した。

「魚影がない」と。

「エグい疲れたっす」

「あのおっちゃんに騙されたんすよー」

そんなボヤキを聞きながら、僅かな可能性を求めて竿を振る。

いそうではある。

出そうではある。

ポコンポコンと毛鉤を飛ばす。

あと1m先に飛んだらいいのになぁ…。

スキルの無さに悔し涙ポロリ。

「釣れたっすー!!」

青天の霹靂。

シャバ僧の雄叫び。

何事かと後ろを振り向く。

そこには信じられないサイズの美しいイワナが…!!

「山梨でこのサイズは初めて見たっす!!」

「山梨捨てたもんじゃねー!!」

パッと見た感じは20cmクラスだが

山梨ルールで換算すると70cmクラスの怪物である。

かわいい!!ヤマトイワナかな?

丸く大きな瞳が印象的で超美形。

橋本環奈にそっくりである。

山梨では千年に一匹の逸材…!!

鮮やかなオレンジの衣装を身に纏った橋本環奈。

ありがとう環奈。

感動した環奈。

メダカ釣り師の悲劇

ベテラン感溢れるメダカ釣り師

PM15:30

巻けそうにない滝のプールへ打ち込み、私の一年目が終わった。

最後の釣行で尺メダカを釣るという素晴らしい一年目だった。

今年は9回の釣行で8匹の渓流魚を釣り上げた。

一年目は全く釣れなかったという先輩達の話も聞いていたので、ヘタクソながらも私は満足していた。

釣ったのだ!私はやったのだ!!

感動して泣いているのではない。

掴んだ枝が腐っていたのである。

写真手前の苔のすぐ下から、左手を置いている岩へ背中から転げ落ちたのである。

クソ痛かった

「モロでけー音がしたっす!!」

異音を聴いたシムちゃんが戻って来た。

しばらく息ができない。

バイクで事故った時より痛かったぞ。

BBGのお作法として、転んだまま写真を撮るべきだった。

そこだけが悔やまれる。

ココに左足が落ちた笑

ちなみに、この間のアツシオガワとの釣行では消波ブロックの穴に落ちた。

今回と同じポーズなのが熱い

そう、今年は厄年なのを忘れていた。

結局、肋骨にヒビが入り全治3〜4週間なり。

傷害保険に入っててよかったー笑

今はブラジャーを付けて生活しています。

フィールドテストができないので、もうBBGはおしまいです。

今までありがとうございました。

次回からは

「BEST B級 グルメ」略してBBGが始まります!!

初回は「CoCo壱をバカにする奴らを許さない」です!

お楽しみに!!

パイセンから引き継いだ大切な竿のケツがもげてしまった…。

大江さんすいません…!!

まぁ、自分で直せそうだし、竿が折れなかったからオールオッケー。

しかし背中が痛い笑

お次は竿が抜けなくて仕舞えないイベントが発生。

岩にぶつけてクソ痛い背筋を使ってフルパワーでぶっこ抜く。

最終的にシムちゃんと綱引きしてなんとか外れた。

こうして、一年目のラストは記録にも記憶にも残る釣行に。

山梨は最後の最後まで私の「学校」だった。

その後はリカバリーの為にBBGではお馴染みの

ほうとう屋さん「小作」へ。

前回来た時はコロナ禍だったのでかなり久しぶりである。

シムちゃんはモツ入りの辛味噌ほうとう。

小作は店舗限定メニューがあるのだが、コレもその一つ。

見た目よりも辛く無いので、気になった人はぜひ。

私は味噌ラーメンのようなチャーシューほうとうを注文。

こちらも店舗限定メニュー。

見た目通りの美味しさでした!!最高!!

小作は何食べてもハズレが無い!!

来年も一緒に行こうと約束し、シムちゃんと別れる。

来年は八ヶ岳辺りを攻め…いや、山梨を極めよう。

こうして私の渓流釣り一年目が終わりました。

釣りの楽しさを教えて頂いた皆さんと山梨県には心から感謝しています。

来年もまた色々な事を教えて下さい!!

春を待ちつつ、色々と買い物しておきたいと思います!!

ありがとうございました!!

押忍!!

URAGIN

はい!!まだありますよ!!

先日、東京・昭島で行われた山小屋救済イベント「URAGIN」の模様をお届けします!!

MONTKAGEはステージ脇のブースでした。

オフグリの時と同じく、マットを敷いてスタンバイ。

初日はめちゃくちゃ暑かったそうです。

キルトシュラフを販売するには最高のシチュエーションですね!!

人も多かったし、熱量が半端じゃなかったそうです。

オフグリ感あったもんなー。

特にRIDGEさんとSTATICさんはB品、サンプル品の販売をしていたので、とんでもない行列ができてたんだとか。

めちゃくちゃ安かったみたいですよ。

2日目は私も店番として参加。

適度な忙しさでじっくりと商品の説明ができました。

MONTKAGEの注目度も、少しずつですが、上がっていると実感しました。

決して安くない商品なのですが、予備知識も何もない人がフラッと寄ってサクッと買って行くパターンがそこそこ多くて震えました。

ドバイかな?

ありがとうございました。

jindaiji御一行様

そして、他ブランドやお店の人が見にきたり、買いに来てくれたのは嬉しかったです。

ありがとうございました。

チャリティイベントと言う大義名分はあるのですが

会場全体が山好き、ギア好きの巨大なオフ会のようになっていて心地良い一体感を感じました。

「仲間内で盛り上がっている」

まさにそんな雰囲気だったのですが、私はそういう場面に遭遇すると、どこか冷めた目で見てしまう所があります。

合唱コンクールで歌わないタイプ。最悪。

しかし、会場には好きな事で繋がり、好きな事で好きな場所を助ける人達が沢山。

URAGINで理想的な相互補助のループが機能しているのを見て

仲間内、小さなコミュニティの大切さを改めて考えさせられました。

これは当たり前じゃ無いですし、凄い事だと思います。

現場でそれを体験できたのが、私にとって一番の収穫だったと思います。

真面目か。

トークイベントもやっていました。

この日のスピーカーは、なんと服部文祥さん。

山小屋救済のイベントなのに

「山小屋は必要ないと思ってます」

と、衝撃の一言から始まる、らしさ全開のトークが聞けました。

私はバカなので全部は理解できなかったです笑

そして!!

沢山のBBG読者さんにもお声掛け頂きました。

差し入れも頂いたりと、本当にありがとうございました。

意外と多かったのが

「BBGを読んで山に登り始めたんです!!」

と、言う人達。

これには驚きましたし、感動を通り越して感無量でした。

「BBGを読んでパイパンにしました!!」

みたいな人しか来ないと思っていたので

BBGをキッカケに登山を始めてくれた人がいるなんて想像もしていませんでした。

パイパンにして良かったです。

フルタイムで働きながらBBGを継続する事は

パイパンメディアクリエイターでも簡単なことでは無いのですが

皆さんに激励の言葉を頂き、これからも頑張ろうとキャン玉が引き締まる思いでした。

改めてMONTKAGEブースに来て下さった皆様に感謝申し上げます。

URAGINの実行委員の皆様にも感謝致します。

この度は誠にありがとうございました!!

今後ともBBGとTME、そしてMONTKAGEをよろしくお願い致します!!

押忍でした!!