山と写真を愛するみなさんこんにちは!山岳フォトグラファータイスケです!押忍!山に登ったら誰でも自然と写真を撮ると思います。でも心の底から感動したあの景色…写真で見返すとなんかしょぼく感じたりした事ありませんか?そんな山の写真、できればあの心が震えた感動シーンを再現できるような手法を、機材、撮影方法、後処理など含めてお話ししていきたいと思います。タイトルに反してまあまあガチ目な内容ですがなんとかお付き合いください。 (文・タイスケ)
[toc]
自己紹介
ご挨拶が遅れました。
僕は山岳フィールドを主な被写体として写真を撮っている風景フォトグラファーです。
これををご覧いただいているということは、あなたも登山を含めたガチめアクティビティ大好きマン、、、いやもうかなりこじらせてる系?の人なはずですね?
そんな皆さん、苦労して辿り着いたアルプスの稜線で、素晴らしい日の出を迎え、その感動をカメラに収めようとシャッターを切りますよね?
ところがです、見返してみると雲の一部が真っ白に飛んでたり、地上景が真っ黒に潰れてしまっていたり、なんかちょっとずつブレてたりで、グスン、、ってなったりしてませんか?
もしくは失敗写真って訳でもないんだけど、「なんかパッとしないんだよなぁ」とか「記念写真だなぁ」とか「まずまず綺麗なんだけどなんか違うんだよなぁ」みたいなコレジャナイ感ありませんか?
昔、冬の赤岳鉱泉にステーキ食う気満々で行ったのに、サンマの塩焼きだったときは「コレジャナイ感」ハイパーでした。(サンマはとっても美味しかったです)
ここぞ!という瞬間の写真を後で見返して自分のイメージと違ってたら本当にがっかりしますよね。
そして、写真はまあいいや、どうせ上手く撮れないし、、、みたいになってるみなさん、ご安心ください。
ここでは「どうすれば女子にチヤホヤされるか、、、ゴホンゴホン、、山でカッコいい写真が撮れるか?」を僕なりにお伝えしていきたいと思っています。またデジタル写真は撮影だけではなく後処理(レタッチや現像などと言ったりします)も同じくらい大事ですので、その辺りにも触れていきたいなと。
あ、言いそびれましたがタイスケ写真塾は、デジタルカメラでRAW(ロウ)記録したデータをRAW現像するという前提のレッスンです。RAWって何?美味しい?って方や、写真はスマホのオートでしか撮ってないYO!という方も是非一度ご覧いただいて、ぜひRAW現像の沼にお越しください。写真が劇的に変わると思います。
ちなみにググればすぐに分かると思いますので、ここではRAWってなんぞや?みたいな説明はしませんからね。しっかりついてくるんだぜ!!
さて、それでは早速「どうすれば手っ取り早くカッコいい写真が撮れるか!」ですが、その前に「カッコいい写真」がどんな写真なのかを理解しておく必要ありますよね?
初回はとても大事なその部分からはじめたいと思います。登山口からいきなり核心部だけどみんないいよな?カラダあったまってるよな??
わたくしめポートフォリオです。お時間あれば覗いてやってください!時間なくても何とかして見ろォォォ!(懇願
Taisuke Goto ポートフォリオ https://taisukegt.com/1601f40f2194f6
Nikonさんの公式コンテンツ #Zcreators で少しばかりの作品と山で写真を撮ることについてのインタビューを掲載いただきました。こちらもお時間あるときに是非!
https://www.nikon-image.com/sp/zcreators/2105/
さらっとツイッターとインスタも貼っとくのでいい子のみんな!フォローするんだぜ??
Twitter https://twitter.com/taisukegt15
Instagram https://www.instagram.com/taisukegt/?hl=ja
カッコいい写真とは?
ズバリ!カッコいい写真てどんな写真なんでしょう?
これすごく大事な核心ポイントでありつつ、されどなかなか答えが出ない難しいお題です。かっこいいの定義ってすごく個人差ありますからね、ムズカシイ。
ただこれハッキリさせておかないと、仮に「お!?いんじゃねこれ?」って写真が撮れたとしても、どうしてカッコいいと感じるのかが分からず、再現できない状態になってしまいます。こりゃよくない。大事なのはまぐれ当たりのホームランではないはずです。
本当に大事なのは、めったに行けない場所で、そして心から感動する景色を眼の前にして、その感動をその場にいなかった人たちとでも共有できるような写真をそれなりの頻度で撮ることだと思います。アベレージが欲しいんです。その為にはカッコいい!と感じる理由を理解しておくことが必要なんですよね。
ではここでは僕が考えている、カッコいい写真てこんな写真じゃない!?っていうのをお伝えしていきます。
いいですか?目的は手っ取り早くカッコいい写真を撮って女子にチヤホヤされ、、、、ゲフンゲフン、、カッコいい写真を撮ることですからね。ここはブラさずにいきますよ!
チヤホヤ…
さて、僕が考えている「カッコいい写真」は以下の3点が適正にコントロールされた写真です。
1、構図 2、明るさと色彩 3、テクスチャ
ちょっとかみ砕きます。
1.スッと目に入ってくるバランスのいい構図であり 2.明るさと色の調和が美しく 3.その場にいるかのような臨場感のある質感を伴っている
!?!?!?!?
…うんうん、そう思っちゃうのわかります。なんかこむずかしい気する。
でもね、さっきも言いましたが「なんとなくかっこいい」ではなくて、ハッキリと「こうなってるからカッコいい!」みたいに自分でその理由を理解しておくことは、それを再現する為には必須。だからこれはもう覚えちゃっいましょう!!
1.【構図】 スッと目に入ってくるバランスのいい構図であり
2.【明るさと色彩】 明るさと色の調和が美しく
3.【テクスチャ】 その場にいるかのような臨場感のある質感を伴っている
これが僕が考える「カッコいい写真」の定義です。
聞いてます?CEO?
ちょっとコンビニでアイス買ってくるわ
これを覚えたらあとは、それぞれを「いつ?」「どうやって?」写真に落とし込んでいくのか、より具体的な手法の部分に移っていきますね。
Mt Hotaka#Zcreators #東京カメラ部 pic.twitter.com/NSoBUny3jd
— Taisuke Goto|後藤 太介 (@taisukegt15) June 13, 2021
Twitterに投稿した焼岳から見た穂高の写真。たくさんの方に見ていただけてとても嬉しいです。この写真なんかも上の3つの条件を満たしてるなと思います。
いつやんの?
1、構図 2、明るさと色彩 3、テクスチャ
さて、多少強引ですが「カッコいい写真」の定義が決まったので、それぞれいつやってんの?かを説明しますね。
この3つの中で撮影中に行うのは1の構図だけです。
ん!?2と3は??
そうですね、2と3はなんと後処理(レタッチ)で補うことが出来てしまうのです。世の中便利ィィィ!!
たしかに現場で1、2、3、全てを追い込んで撮影できればそれに越したことはないのかもしれません。
でもそれってすごく時間がかかりそうだし、体力気力が無限に必要になります。
そう、僕らの撮影フィールドは登山なのです。
できるだけ省エネで撮影していかないとぶっ倒れます(経験談)し、少し極端に言うと、気象条件が目まぐるしく変わる山岳地帯ではじっくり腰を据えて各設定を追い込んでいくのはミスマッチだと僕は考えているのです。だから現地では構図しか作り込みません。その他のことは帰ってじっくりやればいいのです。
もしかしたらちゃんとした写真界隈方面からは怒られてしまうかもしれませんが、こう考えておく事で撮影フィールドで慌てたりする事も少なくなって被写体に集中できます。(暴論
1、構図 → 撮影時に行う
2、明るさと色彩 → 後処理
3、テクスチャ → 後処理
いつやるのかをまとめるとこうなります。
少し極端ですが、撮影現場では構図にだけ集中しておけばいい、ということですね。
構図を制するものは写真を制すって事っすね。
どうやってやんの?
ハイ。かっこいい写真の定義を(強引に)理解して、それぞれをいつやるのかも分かりましたよね?
ではそれらをどうやってやるのかです。ここが核心部!
ついてこいYO!!!
構図
構図は撮影時に決めますから、後からやり直しができません。
当たり前です。
逆に言うとこれ撮影現場でちゃんとやっておかないと、冒頭で書いた「そこそこ綺麗なんだけどなんかパッとしない写真」を量産することになります。
いわゆる「記録」的な写真です。
どうして記録写真になってしまうんでしょう?
「構図」はWikipedia先生にはこう書かれています。
構図(こうず)は、ビジュアルアートにおいて、対象とは異なり、芸術作品におけるビジュアル要素または「成分」の構成または配置。 それはまた、芸術の原則に従って芸術要素の構造としてとらえることができる。
、、、お、おう、よくわかんねえwwwwww
まあ定義は置いといて、「スッと目に入ってくるバランスのいい構図」を作る為のタイスケ式構図の極意を答えから言っちゃうゼ!
耳かっぽじって聞くんだZ!!
アルプスで耳ほじほじするのが大好きです。綿棒必須装備。
「主題を決めて適切な位置に配置する。」
これです。
!?
ん!?極意これだけ??
そう、これだけ。
特に重要なのは「主題を決める」という部分。
なぜなら記録写真になってしまう原因の多くは、主題がハッキリしてないから、なのです。
主題???
主題とはその写真で何を伝えたいのか、何が言いたいのか、何に感動したのか、などの撮り手の意図を示すその写真の中枢です。この主題が明確でないと、きれいなんだけどいまいちパッとしない記録写真になってしまいがちなんですね。だから主題、言い換えると「その写真で伝えたいこと」をハッキリさせる必要があるのです。
冒頭に載せた写真がいい例です。もう一度貼りますね。
この写真の主題って分かります?
いや、ロケーションはほんと最高でしょ。三国境あたりから撮った雪倉岳方面。青空と雲海。峰々の連なり。現地にいたらため息が出る最高の景色です。
でもね。
何が言いたいのかぜんっっっっぜん伝わってこなくないですか???意図分からなさすぎません???(オマエが撮ったんやろw)
うーーーーーーーん、、百歩譲って真ん中あたりの山が連なる稜線部分が主題だと言えなくもないかもしれません。
ただこれを主題とするには構図として弱すぎます。なにも考えずにただシャッターを押しただけに見える。
こうして主題がハッキリしない記録写真が誕生し、そしてこれこそが記録写真になっちゃう理由なんです。
そんじゃ主題をちゃんと決めてハッキリさせればいいってこと???
…ハイそうなんですが、
さて、聡明なみなさんはもうお気づきだと思います。
その主題を決めるのって簡単なようで実は結構ムズカシイってこと。どこを向いても絶景が広がる山岳フィールドでは特にです。
あまりに絶景すぎて興奮状態になると、脳は深く考えることを拒否します。そりゃそうですよね?そうしてせっかくの絶景を興奮に流されるがまま何となく適当にパシャパシャ撮りまくってしまうんですね。そうなった結果あとで見返すと↑みたいな写真ばっかりが再生フォルダに並んでで、、、OMG、、ってなるんです。これ僕も何度も何度も経験してその度に、次こそは!って誓うんですが、また同じことやってしまうんですよ。ほんとムズカシイ。
…ではどうやって主題をハッキリ決めるかヒント言いますね。
みなさん少し目をつむって山での撮影風景を思い出してみて下さい。
…
…
…
…
……Zzzz
!?
むにゃむにゃ。。。そんなに食べられないよ〜。
ゴ、、CEO!!寝ないでwwwwww
やれやれやり直しですw
みなさんシャッターを切るとき何を考えてます?
もっと言うとどうしてシャッターを切るんですか?
シャッター押さないと写真が撮れないから。
…は、はい、、たしかに、、、でもじゃあどうして写真撮るんですか?
景色がキレイだから!
それです!
景色がきれいだと感じた。だから写真を撮ろうと思った。これすごく自然な心の動きですよね。
ただここまではまあ当たり前のことなのでもう少し掘りますよ。
きれいだと思った景色が目の前にある。ではその眼に映るどんな景色をきれいだと思ったのか。
「いや、周りぜんぶ絶景なのよ!そんなの考えてる暇ないの!!」
wwww分かります分かります。でもちょっと待って。これじゃまた記録写真になっちゃいますYO!
さあよく考えてみて。今あなたはよく晴れたアルプスの稜線で360度絶景の中にいる。
ヤバい!どっちを向いても美しい景色が広がっている。
ヤバすぎる!テンション爆上げ!!ヤバいこれヤバい!!さっきからヤバいしか言ってねえ!!語彙力崩壊!!おしっこ漏れそう←伝われ
はい!ここ!
そんな状況ならサンロクマル最高に美しいに決まってるんですが、ここで深呼吸して落ち着いてください。
そしてよく観察してください。
観察して何に心惹かれているのかを自分に問いかけるんです。
オレ、ナニニココロヒカレテルンダ?
雲海の先に沈む逆光の太陽に惹かれたのか。
登山道に咲くお花を美しいと感じたのか。
空に浮かぶ焼けた雲がきれいだと思ったのか。
西日が当たって輝く稜線に心打たれたのか。
目に見えるものだけとは限りません。光の入り方だったり、その場所の空気みたいなものに感動している場合もあります。
とにかく何に惹かれているのかを自分に聞いてください。
自分が何に感動しているのかを突き止めて、そのひとつひとつを主題にするんです。
風景写真における構図とは、主題をハッキリ決めることからはじまり、そしてその主題をフレーム内にどう配置すれば最も引き立つのか、を考える作業なのです。
そしてこの構図を考えることは、カッコいい写真のための3つの定義の中でいちばん重要です。
なぜなら写真を見る人は、色や質感などは基本二の次で、そこに何が写っているのか?に最も興味があるからです。
2の明るさと色彩や3のテクスチャは、あくまでも1の構図で決めた主題を引き立てるためのスパイスにすぎません。
…とはいえ万人が賞賛するような決定的な瞬間は、いかに山岳フィールドであってもそうそう出会えません。
決定的瞬間を100点とした場合、50点〜60点の構図しか撮れないことがほとんどです。
その50〜60点の構図を80~90点の作品にするために、2と3はとても重要なのでもちろん軽視できないんですが。
さて、頭の中を撮影現場に戻してください!
主題はハッキリしましたか??そうしたらいよいよそれをフレームの中に配置します。
いいですか? ついてきてますか???
むにゃむにゃ。。。さわやかのハンバーグ美味しいにゃぁ。。。
ここで重要なのはどこに配置するかです。
「主題を決めて適切な位置に配置する。」
極意の通り適切な位置に配置しなければいけません。
適切な位置??
はい、これもズバリ答え言います。僕の写真のほとんどはこうやって主題の配置を決めています。
三分割線の交点付近 or ど真ん中 のいずれかです。
こんな感じですね。
赤4つ青1つ、○が計5つあります。そしてこの5つある○のどこに主題を置けば最も効果的で、見る人に意図が伝わり易いのかを、その「主題の周りにあるもの」で決めていきます。
そこで登場するのがリーディングラインとビジュアルウエイト。
それぞれ簡単に言うと、
リーディングライン → 主題へと視線をアシストする線
ビジュアルウエイト → 視覚的な重み(重い方が目に留まりやすい)
(遠い目・・・)
…んー。ちょっと簡単に言うのムズカシイので作例で説明しますね。
使用機材 カメラ:Nikon Z 7 レンズ:Nikkor Z 24-70mm f/4 S
設定 焦点距離24mm 絞りf/16 シャッタースピード1/100s iso64
この日は2020年の10月18日で北アルプスで初雪を観測した翌日でした。もう少し標高を下げればまだまだ紅葉真っ盛りの時期です。そこで初雪観測の報を聞いた僕が狙ったのは、穂高の三段紅葉でした。
どこで撮るのかを天気予報とにらめっこしながら焼岳に決めると、そそくさとパッキングして現地に向かいます。AM1:00頃に登山口に着くと少しだけ仮眠をとりました。…そして案の定寝坊。やってもうた。OMG。
本気で帰ろうかとも考えましたが奮い立たせて何とか登りだしました。日の出は間に合いそうにないですが、予報通り天気は良さそうで日の出後1時間以内には山頂に着けそうです。そして全力で駆け上がってこの光景が目に飛び込んできたときは、やっぱり震えました。
まだ緑が残る山肌から穂高がまとった初雪の白。そのグラデーションの美しさ。ため息が出ました。
こういう背景で撮った写真です。
上の方でも紹介したこの写真ですが、主題は何と言っても初雪をまとった穂高連峰です。それ以外ないよね?
その穂高連峰を三分割線の交点付近に配置しています。
なぜ穂高をここに配置しているのか?
もちろん理由があります。
まず初雪の穂高を主題にすると決めました。
ここでその周りにあるもの、つまりリーディングラインとビジュアルウエイトを考えるんです。
まず穂高に繋がる「線」を探します。これがリーディングラインです。
線は物理的な線でも色でもコントラストでも何でもOKです。
この写真の場合は、焼岳から西穂高に繋がる稜線がちょうどリーディングラインになりました。(山の稜線は物理的な線としてスーパー効果的で、多くの場合リーディングラインとして大活躍してくれます)
さあ主題とリーディングラインが決まりました。
とすると主題の配置場所として三分割交点の下側の2つがまず消えるの分かります?
主題の穂高を下の方に置いちゃうと、ほぼ空しか写ってなくてリーディングラインにするつもりの稜線もフレームアウトしちゃって、、みたいなチグハグな写真になるからですね。
では日の丸構図のど真ん中はどうですか?
んんー。そこまで悪くはなさそうですがいまいちアンバランスな気がしますね。
なぜでしょう?
答えはリーディングラインの起点が無いからです。多くの場合、リーティングラインちゃんは起点となるオブジェクトをくっつけてやると、より活き活きと活躍します。
けっこう他力本願でデリケートなやつなんですよね。この時は起点として雪がのった岩を配置しました。前景とも言います。
答えもうひとつはビジュアルウエイト。
主題を真ん中に配置すると、下半分が山で上半分が空になります。
焼けた雲が広がっている等のよっぽどなタイミングでもない限り、空のビジュアルウエイトは山より軽いので、下が重くて上が軽いというアンバランスを生み出してしまうのです。
となると、もう上側の三分割交点に穂高を配置するしかなくなりました。
あとは縦か横かの選択がありますが、ここまできたらどっちの構図も撮っておくのがいいと思います。その時気付かなかったことに後で気付くことも多いですし、そうなった時にどっちも撮ってあると保険が効きます。
で、どっちも撮ってあった中で今回は縦構図をセレクトしたんですね。
縦をチョイスした理由は、前述した通りリーディングラインの稜線をより活かすには起点(前景とか掴み)が必要だったからです。
起点にした岩はかなり大きくて、さらに自分の目線の一番近くにあって目につきやすい、つまりビジュアルウエイトが重いんですが、まずここに注目させる。
そして起点からだんだんと目線はリーディングラインを経て主題である穂高に行き着く。
こういう視線の動きを意識しました。この視線アシストには、横よりも縦構図がより効果的だったという訳です。
さて、こういった諸々の理由を経て、この作例はこの構図になっているということが分かっていただけたでしょうか?
でもこの初雪の穂高連峰を作品にするには1の構図だけではどうにもならない部分もあって、2と3の後処理でさらにその構図が持つ効果を高める必要があります。だいぶ前に言った50〜60点の構図を80〜90点にするアレです。
参考にこのカットの撮って出し貼っときますね。
このままだとやっぱり60点、、でもこれを「2.明るさと色彩」「3.テクスチャ」を使って80〜90点にして作品に仕上げていきますYO!!
CEO起きてますか??
むにゃむにゃ。。。シューアイスって無限に食えるにゃぁ。。。
あ、ビジュアルウエイトについてはもう少し補足します。
見ている人に落ち着いて写真を見てもらう、ゆっくり時間をかけて見てもらうには、バランスが良い構図が必須だと考えています。その写真全体のバランスを考えるのにビジュアルウエイトはとても有効なんですね。
例えばこんな風に。
背景が明るい色の場合、暗い色のビジュアルウエイトは重くなり、明るい色のそれは軽くなります。
逆に背景が暗い場合はその反対。
大きいオブジェクトは重く、小さいものは軽い。
縦のオブジェクトは重く、横は軽い。
人はとてもとても重い。特に顔が写ってたりすると特に顕著で顔以外はほぼ見られなくなる。
フレーム内のある地点に重めのオブジェクトがある場合、反対の対角線上にも同じくらいの重さのオブジェクトがあるとバランスがよく感じる。
など。
これらはほんの一部でビジュアルウエイトを決める要素はまだまだ他にも沢山あります。ここには書ききれませんが、ビジュアルウエイトを正しく理解することは、前述したバランスのいい構図、しいてはカッコいい写真を撮るのに必要だと思っているので、みなさんぜひもっと掘り下げて調べてみてください。
友人であり敬愛するグレイトフォトグラファーsaizouさんもカメラクラスタのバイブル、ログカメラでビジュアルウエイトについて書いてくれています。みんな絶対読むんだZ!!
https://logcamera.com/weit/
上の最終的な作品と少し時間が違うけどだいたいこんな感じの撮影風景。
さて、では次の「明るさと色彩」…
に進もうと思いましたが、構図で時間使いすぎたので今までの復習もかねて一旦休憩しましょう!
こむずかしく聞こえたかもですが、タイスケ式構図をまとめるとこの2点だけですからね。
・主題決める
・リーディングラインとビジュアルウエイトを考えながら主題置く場所決める
ほんと僕、構図に関してはこれしかやってません。
奇をてらったとか攻めた構図とかも実はあんまりやりません。
さっきも言った通り、一枚の写真をじっくりゆっくり見てもらうには居心地の良さが重要だと考えているからです。
逆に言うとバランスが悪い構図は居心地が悪く感じて、あまり長い時間見ていようと思わないんですね。
組写真とか何点も展示するとかになるとそういうのもあって然りだと思いますが。
ただ、もちろんこうしなきゃダメ!みたいなことは全くないですからね。あくまで僕の撮り方なだけです。
こんなプロセスじゃなくても素晴らしい風景作品を撮られている方は何人もいます!
すみません、ほんと長くなりましたのでここで一旦休憩にします。
分かりにくかったこと、疑問に思ったこと、記事と関係ないことでもOKです、ご質問あればぜひコメントしてやってください。(訳:女子からチヤホヤされる方法教えてください)
次回からは後処理のパートです。まずは2の「明るさと色彩」についてやるZ!!
しょうもない長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。
タイスケでした!押忍!