コロナ渦でも足元商戦目まぐるしい今日この頃、振り返ればいつの間にかJAPANへ進行を開始した奴(靴)がいる!!その名は「Topo Athletic / MTN RACER」(トポアスレチック マウンテンレーサー)!2021年は滑らない!躓かない!コケない!と、誓った漢が試してみました。(文:すけ)

[toc]

すけ2020

皆さーん、お元気でしたかーっ!!
ご無沙汰しておりますけです。

コロナ渦と半分連動したようなBBG休止期間中。
僕はこんな感じでした。

 

・長年連れ添った煙草と惜別(禁煙外来成功)⇒浮いたお金はギア代となり、体重7kg増。

・緊急事態宣言中は遠出控えて自宅付近の公園と多摩川をひたすら走る日々。

早起きして人生パイセン方のラジオ体操に混じることも

・バーチャル100マイルレース(米国主催)に参加し1カ月かけ完走したが最終日、河川敷でコケて左手親指ヒビ入る。

米国発のバーチャルランイベント。1カ月で100マイル(約160km)走る。完走証はバックル。CAPは全然違うデザインが届きましたw

・バーチャルUTMFに参加するも1週間以内完走の制限厳しく、最終日泣きながら走ってボロボロの完走。

1週間に160km走ったのなんて初めて。翌週は体調最悪。身の丈合わないことはするもんじゃないと学んだアラフォー

 

・多摩川河川敷周回ランイベント写真をSNSで投稿したら、本国メーカーアカウントがリポストしてくれたけど海外フォロワー2人しか増えず。

シンプルハイドレーションていう米国ボトルメーカーさんがリポストしてくれました。(左手に持ってるのがそれ)

・幼少時代を過ごした五島列島に30年振りGoto旅が緊急事態宣言期とモロ被り、涙のキャンセル。

・トレランイベント・レース軒並み中止の中、12月の伊豆トレイルジャーニーに出場。膝を痛めつつ制限時間40分前に何とか鈍足完走。

序盤ハイペースで突っ込み左膝が悲鳴を上げ、約66kmの工程約半分を歩きとおすというマサカ凹 ってこんな超痛い時の表情撮るカメラマンさん流石か。

と、コロナ渦でも安定の三枚目運航中です。

カメラ構えてるのに気付いて顔作ってますやん!笑

TOPOとの出会い

遡ること2019年冬、仕事帰りに寄ったトレランショップで発見。

・・・アルトラの新作ですか??トッポ?トポ???メガグリップなんすか?

聞けば、元Vibram社にいた人が立ち上げたんだとか。

 

当時TOPOの中でMEGAGRIP搭載モデルはこのMTN RACERのみ。

メガグリップ信者(滑り恐怖症)の私、

2020のロングレース(彩の国、ハセツネ)に向けた最有力候補に決定。

 

そんなある日、TOPOがアウトドア系イベントのウルトラギアマーケット2020へ出店との情報をキャッチ。

入り口前のTOPO代理店アルコインターナショナルさんのブースは大盛況。この日以降イベントもレースも中止が増えた。

イベント当日、MTN RACERは在庫無し。

後日、在庫復活を待ってMTN RACERを購入したのが2020年2月でした。

TOPO ATHLETICとは

42.195kmを革靴で走ったTOPO

BBGにも通ずる髭男dismトニーポスト氏

引用:topoathletic本国公式サイトより

2013年にトニーポストさん(以下トニさん)が創業。

※書いてて気づいたんですが、「ト」ニー「ポ」ストTOPOです!

 

このトニさん、経歴見てびっくり。

陸上競技出身で、アウトレットモールに大体ある元祖スニーカー的革靴メーカーROCKPORTで15年働いて副社長に。

高確率でadidasかReebokの横にありますね。

1990年、Dressportsって走れる革靴作って履いてニューヨークシティマラソンを完走。

己を実験台にする辺り、BBGと共通点を感じます。
(履きすぎて処分したけど持ってたよこの靴)

店頭ディスプレイのボードにトニさんの雄姿が

ロックポートを退社後、うちのゴ…と同じCEO職としてVibram USAに11年勤務。

その間あの5本指靴、Vibram five fingersの開発にも関わったゴイゴイスーなトニさん。

vibramの酸いも甘いも嚙み分けてきたのであろう漢トニさん

画像引用元:vibramUS HPより

その後

「この市場には大事な何かが欠けとる。

そう、わしが作りたいのはもっと自然に走れるランニングシューズなんや!!」

とTOPOを設立。

 

現在は米国中心に500店舗以上が取り扱い。

ヨーロッパアジア圏でも販売を拡大していこうとしています。

TOPOの家訓

そんなTOPOの掲げるスローガンは

「BEST RUNNNINNG SHOES IN THE WORLD」

 

現在、ロード・トレイル・リカバリーの3カテゴリーで製品展開。

 

どのモデルにも共通させているのは、

・ROOMY TOE BOX (ストレスのないワイドな足幅):前足部のワイドな足幅。甲周りの安定感と踵部のフィット感

・LOW DROP(自然な接地感を生むドロップ):0、3、5mmの3種類のドロップモデルをラインナップ

・LIGHT WEIGHIT(コンフォタブルな軽量性):使う素材や縫い目を最小限に抑えより長く走れる快適性

引用:公式パンフレット(2020 RUNNING SHOES BOOK)より。

うん、やっぱり自然な動き(ナチュラルムーブ)を追求したら前足部は広くなるもんなんですね。

TOPOの一族(ラインナップ)

3月1週目現在、日本国内では

ロード:6種類

トレイル:8種類

計14種類が展開されてます。

 

トレイルモデル8種を0㎜、3㎜、5㎜ドロップ別に分けてみました。

0mm(1種類):RUNVENTURE3

トレイル向けでは唯一のゼロドロップモデル。履いてみたい。

画像引用元:国内公式HP

3mm(2種類):MT-3・TERRAVENTURE2

上:MT-3 下:TERRAVENTURE2

画像引用元:国内公式HP

5mm(5種類):MTNRACER・ULTRAVENTURE3種(初代/2/PRO)・TRAIL VENTURE WP

上段左から時計回りにMTN RACER、ULTRAVENTURE3モデル(初代・PRO・2)。PROと2は先月に発売されたばかり。
HIKEモデルのTRAILVENTURE WP。e-ventを使用。

画像引用元:国内公式HP

MTN RACER 各部紹介

概要

MTN RACER、HP上での製品説明は以下。

「トレイルレースやスピードハイキング仕様。
アウトソールにはVibram社のメガグリップを使用し、最適なトラクション(牽引力)を発揮してくれる。
またシューズの内側と外側には水はけポートが施されており、水を素早く逃がし速乾性に富む素晴らしいシューズ。」
(公式HPより)

…赤い彗星か。

トニさんの解説動画

公式HPにある紹介動画。トニさん本人が説明してます。

 

記事読むよりコレ視るのが一番早いかも…

時間ない方は動画へ。

余裕ある方はここらで一息コーヒー入れてからどうぞ。

ココからが本文と思って下さい。

アツシオガワ

なげーからコンビニ行ってくるわ。

重量

・メーカー公表値:264g(US9)

⇒実測:279g(US8.5)

まぁ、アメリカですね笑

ソール

メガグリップアウトソール:メガグリ証明シール張られてます。

ラグの矢印⇄見ただけでもうグリップする気満々です。

ラグの間隔が適度にあいていて、泥が詰まりにくいです。

ロックプレートは入っていません。

 

因みにTOPOのトレイル向け各モデルのソールパターンはほぼ一緒。

完成度の高さ、自信の現れでしょう。

左上段からRUNVENTURE・MT-3・TERRAVENTURE2・MTN RACER 右上段からULTRAVENTURE初代・2・PRO、TRAILVENTURE WP

 

アツシオガワ

ソールパターンにうるさい私の経験では、アロー(矢印)パターンのソールは滑りにくいシューズが多いです。

ソールの赤い部分は安定させる役割らしく触ると固め。


スタックハイトは踵30㎜、つま先25㎜のドロップ5㎜。

ソールは高反発のEVA素材3種を組み合わせてます。

アッパー・ヒール

リップストップメッシュアッパー:伸縮性なし。通気性もほぼなし。


薄いシュータンは上部に紐穴が縫い付けられています。

この紐穴に通すとでマジでずれません。

カカトの穴:専用ゲイター用のアタッチメント。

ただ、悲しいかな国内でゲイターの取り扱いはありません。


こちらが純正ゲイター。

ゲイターについてるフックを踵の穴に引っ掛ける仕組み

これ、日本でも販売してくんねぇかなぁ。


引用:TOPO本国公式サイトより

ドレーンホール(排水溝):前足部外側。水が入ってもすぐに排水&通気性確保。らしいですが…。

実際にどうだったかは後ほど。

足型、覚えていますか

ご自身の足型はご存知ですか??

知らない貴方は是非こちらをお読みください。
 

足のサイズの測り方〜もう靴選びで失敗しないィッッッ!かも〜



BBGレビューの中でも根強いロングラン記事です。

コレ読んでから、履く前にインソール出して合わせるようになりました。

左2足がギリシャ・残り3足はエジプト・一番右は中間かな?

ギリシャ型、エジプト型で分けてもメーカーやモデルによって微妙な差があります

そう、靴選びは沼です(笑)

すけの足型は

少し前に話題になったZOZOMATで測ってみました。

結果は幅広のギリシャ型。

実寸は25.0cm。

足幅は幅広の3E。

 

所有している靴のサイズ例

ギリシャ型の靴:27cm~27.5cm(横幅を合わせる為足長は長くなります)

  • NIKE/テラカイガー5
  • スポルティバ / アカシャ

 

エジプト型の靴:26cm~26.5cm

  • TOPO / MTN RACER
  • ALTRA / OLYMPUS3.5
  • inov8 / TERRAULTRAG
実寸25.0cmギリシャ型の幅広。下に敷いたEVERNEWのMATは猫の爪とぎ跡だらけ凹

で、MTN RACERのインソールのせてみると…

改めて、足幅で選ぶならTOPO等のエジプト型がベストです。

アルトラと比較してみた

同じエジプト型のアルトラと比較してみました。

現在、ALTRAには、メガグリップ搭載モデルが2つあります。

 

・OLYMPUSシリーズ:長距離向けMAXクッションモデル。

・KingMTシリーズ:路面コンディションが悪くてもグリップしてくれるモデル。

 

今回は、OLYMPUS3.5と比較しました。

サイズは同じUS8.5(26.5cm)です。

左がALTRAオリンパス3.5

中敷きは両方とも典型的なエジプト型です。

踵をヒールカップに合わせて足を乗せたところ。

TOPOが5mm程余裕あり。

履いてみると印象がかなり違います。

OLYMPUSはソールが厚い(33mm、0ドロップ)

MTN RACERは標準(つま先25mm踵30mm、5mmドロップ)

 

今回はメガグリップ搭載モデルで比較しました。

でも、TOPOのMTN RACERに一番近いモデルは実はアルトラだとローンピークなんじゃねえか!?

 

そう思った私はフェアリー若旦那に協力を仰ぎ

若が所有しているローンピーク4.5の画像を送ってもらいました。

若、忙しい中ありがとう!!

中央がローンピーク4.5・ロンピのインソールは裏側に穴空いてないのね

3モデルの重さも比較。

オリンパス、ロンピは200km以上使っている状態の重量です。

参考公称重量 ローンピーク4.5:298g(US9.5)、オリンパス3.5:303g(US9.5)…。

やはりTOPOのMTN RACERと似たコンセプトのモデルは

ALTRAだとローンピークになるのでしょう。

履き比べテスト

ローンピークとの比較ではないので参考までに。

オリンパスと片足ずつ履いて裏山と多摩川土手で走り比べてみました。

坂道、ザレ場、階段、山に行かずとも多摩川周辺にはテスト環境が潤沢にあります。

アツシオガワ

なんかJOJOっぽい笑。スタンド名:スケッティ・フィンガーズ。能力:膝痛

比較テスト結果

①クッション:OLYMPUS‼️ソールの厚さが異なるから当たり前。

②フィット感:MTNRACER‼️シュータンにある紐穴のおかげ、ずれません。

③通気性:OLYMPUS‼️メッシュアッパー効果。

④素足感・操作性:MTNRACER‼️接地感覚を残しつつ、石や岩の斜面でも突き上げは少ないです。

⑤すべりにくさ:引き分け‼️もっと違いがあると思ったけど、そうでもなかった。両方ともしっかりグリップしました。

⑥安定性:引き分け‼️MTNRACERは踵の一体感と、ソールの安定感良し。OLYMPUS3.5は旧モデルより安定感が増してました。

⑦耐久性:MTNRACER‼️同じメガグリップですが、OLYMPUSの方がソール減ってます。(OLYMPUSは250km程使用)アッパーも結構ダメージが…。

比較結果

足が浮腫む様な長距離、ロングレースならオリンパスが有利。

50km程度ならフィット感と接地感覚に優れるMTNRACERが有利。

OLYMPUSはソール真ん中部分は柔らかいから減りとダメージが激しいっす。

どちらにも長所、短所があります。

最終的には自分の好みとシチュエーションで選択することになるかと。

TOPO履きこんでみた

シチュエーション

以下の環境で累計600km程度使用。
・30km~50kmのトレラン(高尾、武蔵五日市、奥多摩界隈)※半分悪天候時含む

・八ヶ岳1泊2日ファストパッキング

・丹沢ハイク

・レース(伊豆トレイルジャーニー・66km)

上段:八ヶ岳FP。 中段:丹沢ハイク。 下段左:武蔵五日市エリア。右:ITJでまだ膝痛くない時。 

良かったところ

耐久性が素晴らしい。(約600km使用)

下の写真が使用後の比較。

カカト内部に少し破けあり。ソールは7割残っています。

いっぱい走ったり歩いたりしました。

グリップが素晴らしい

乾いたコンディションはもちろん、土砂降りの中、鎖場の多い急坂を降り続ける状況では本当に命を救われました。

ただ、濡れた木段や凍った路面は普通に超すべります。

これはどんな靴でも同じかと。

踵の造り込みが素晴らしい。

踵部分が絶妙にカーブして履いた時にエエ感じに収まるんです。

キツすぎず緩すぎず違和感なく足の動きに付いてきてくれます。

ピタリとするけどズレない感じです。

アツシオガワ

僕も展示会で試着した瞬間に「かかと周辺のフィット感がゴイスー!」って感じました。

この曲線がね、キツすぎず緩すぎずjust fitしてくれるんです。

 10kg以内であればハイキングでも余裕。

薄すぎず分厚すぎすのクッションと、荷物ガッツリ背負っても地面を捉える矢尻型ラグのおかげで踏ん張れます。

イマイチだったところ

蒸れる&乾きにくい。

排水溝がありますが特別水捌けが良いとは感じませんでした。

通気性高いメッシュアッパーの靴と比べるとムレ感は感じやすいです。

排水溝以外に大きく換気出来る穴はなし。

アッパーは伸縮性がなく、丈夫さと引き換えに一度濡れると乾きにくいです。

 

前足部のソール部分浮いてきた。

600km使ってこの程度なら許容範囲かと思いますが…。

もうちょい走り込んだらベリッと剥がれるかもしれません。

長い距離走って判明!サイズミス…。

さて、ギア好きBBGユーザーの皆様は既にお気づきかもしれません。

そうです、靴紐の穴飛ばしてます。

走ってて30k超えると。。。。小指あたって痛かったんです凹。

今は改善

試着もしたし、TOPOはUS8.5(26.5cm)がマイサイズ!と、購入したのに何故。

思い当たる要因は、
アッパー素材がリップストップで伸縮しにくい素材の為、浮腫んだりするとその分当たる。

 

対策として、
インソールを薄いモノに変更。
靴紐の最下段を飛ばして前足部のあそびを確保。

以上でなんとか改善しました。

靴って難しい…。

総評

ここが良いね

  •  耐久性(ソール減りにくい、アッパーも丈夫)
  •  メガグリップの安心感
  •  踵のフィット感(強過ぎず緩すぎず絶妙
  •  安定感(グネりにくい)

ここがもうちょい

  •  通気性△(アッパー素材は通気性高いメッシュ素材でもいい)
  •  価格(税込23,100円。この価格なら他メーカー上位モデルも視野に入る)
  •  カラーバリエーション(1色しかないから敬遠する人いるかも)
  •  純正ゲイターを取り扱ってしてほしい

こんな人にオススメ!

  • 耐久性のあるトレランシューズを探してる人
  • 幅広甲高だけどアルトラ以外の選択肢を探してる人
  • 走ってて滑る&グネりやすい人
  • シャア推しの人

まとめ

まだまだ見かけること少ないメーカーですが

靴業界に長年いたトニさんの経験とこだわりをビンビンに感じる完成度です!

製品名 MTN RACER
スタックハイト 30mm(かかと)25mm(つま先)
ドロップ 5mm
重量 264g(M9) 218g(W7)
ソール ビブラム メガグリップ
価格 ¥23,100円(税込)
HP Topo Athletic 公式HP

あとがき

関東エリアでは4月に青梅高水やUTMF。

5月にはハセツネ30k、彩の国100km&100mile等レースが開催予定です。

各エリアの山小屋も営業再開の話が出てきていますね。

 

ニューノーマルな1年になりますが、何とか乗り越えていきましょう!!

きっと再開する、そん時の記事に使うんやとBBG手拭いもって走って(歩いて)本当によかった。

手洗いうがいBBG!!

押忍!!