男はいつだって強くてタフなヤツに憧れるもの。アウトドア界のクリスチャン・ベールこと「crux(クラックス)」からシンプル&タフなバックパック「RK40」をご紹介。山・川・雪でハードにテストしてきた英国タフボーイは、水も滴るいい男でした。
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Cruxとは
2002年に設立された比較的新しいイギリスのブランドです。
クライマー向けの商品を開発・展開しているメーカーなのですが、フィロソフィー(哲学)とエンバイロメント(環境に対する思い)が素晴らしいので紹介させていただきます。
<PHILOSOPHY>
- クライミングと登山における経験と知識からモノづくり行う。
- 機能的で頑丈、しかも軽量なギアを開発することでクライマーをサポートする。
- ギアは丈夫で長く使える様に開発する。さらに、交換部品を用意し修理対応をする。
- 素晴らしいギアは、実践のフィードバックから学ぶことで生まれる。どんな声にも耳を傾けながら経験の総合値をギアに結実させる。
- “確かな”モノを初めから開発する。よって、アップデートは少しずつ徐々に行うのみ。決して次のシーズンに別モノを売るようなことはしない。
- 物事に忠実で、大げさなことはしない。
<ENVIRONMENT>
- 機能的で丈夫なギアを作る事。
- 出来る限り修理をして長く使えるようにする。
- リサイクルをできるだけ行う。不良品は直して販売するか、提供して使っていただく。
- 無駄なものは削ぎ。必要以上のものは買わず、使わない。
今回記事にさせていただくにあたって、代理店の「スタティックブルーム」さんに修理について質問させていただいた際も「出来るだけ修理をし、
万が一壊れても、修理対応を快く引き受けてもらえるだけで安心して使い倒せますよね。
重量・サイズ感
重量は実測975g(メーカー公表値995g)と、見た目の割には軽量。
40Lという設定だが、シンプルな一気室タイプからなのか他メーカーの50Lぐらいの容量がありそうな印象でよく荷物が入る。
FPハイブリッドが40L(外ポケットを入れて)の設定だが、メインコンパートメントの容量は明らかにRK40の方が大きい。
荷物をパンパンに詰め込んでパッキングするのには、生地が全くストレッチしないのでちょっぴり大変だったりする。
ワンサイズ展開のため女性には背面が少し大きすぎるかもしれないが、女性がcrux背負ってたらかっちょええなー。
素材
高強度素材のケブラー(ケブラー40% ナイロン60%)が使用されている。
ケブラーとは防弾ベストなどにも使われることが多い「高強度・耐切創性・軽量・耐熱性」に優れた素材でナイロンの約7倍もの強度を持つ。
ドウェイン・ジョンソンを背負っていると思っていただければピンとくると思う。
「X-Pac」よりもタフな印象で、アイゼンやピッケルを外付けしても全く気にならない。
沢登りの際も、岩に擦れたり、枝に引っかかったり、川の上からぶん投げたりしたが、ノーダメージ!
TOM CATもビックリのTOUGH BOY(タッポイ)である。
特徴
裏地にコーティングを施し、生地の合わせ目は縫いではなく、圧着加工することによって耐水圧10,000mmという完全防水を実現している。
バリ?ゴワ?っとした素材で、生地にハリがあるので開口部がくた〜っとならず、パッキングがとてもしやすい。
開口部のマジックテープが少々クセものである。
毛玉らしきものがくっついているのがお分かりいただけると思うが、オス側のマジックテープにウール系のウェアや手袋が引っかかり、ダメージ(毛羽立つ)を受けてしまう。
ついつい冬場はウール系の手袋がトラップに引っかかり、モケモケになってしまうから注意が必要だ。
また、少々強力なマジックテープが使われているので、開閉時に「バリバリバリ」とまーまーデカイ音がする。
日中は全く気にならないが、夜更けや夜明け前にザックを開閉するには周りに少し気を使う。
外側に止水ジッパーのアクセサリーポケットがあり、鍵や財布などを入れておくのに便利である。
ただし、このポケット部分は完全防水ではないため、多少の雨であれば問題ないが、沢登りなどの「がっつり水遊び」の際は、濡れて困るものは入れないほうが懸命だ。
背負い心地
背面がしなやかなので、背中全体を使って重量を上手く分散させて背負うことができる。
最低限のウエストベルトしか付いていないにも関わらず、肩だけに負担がかかることがない。
15kg前後の荷物を背負って登った黒戸尾根(甲斐駒ケ岳)も肩が痛くなることはなかった。
背面にはしっかりクッションパッドも設けられているので、背負心地は上々。
背中の曲線にフィットするよう、クッションパッドも高低差が付けられているこだわりよう。
こういった防水パックって背面にクッションパッドがなかったり、あってもペラペラだったりで背負い心地が犠牲になってる商品が多い中、RK40はシンプルでありながらも快適な背負い心地なのは素晴らしい。
フィールドテスト
去年の前鬼川で沢登り用のバックパックとしてデビューさせた訳だが、新品だったにもかかわらず水が浸水してきた(少しだけね)という、何とも「チーン」なデビュー戦を飾り、いきなりテンションを下げられたこともあった。
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そんなはずはない!と思い、家の風呂で浸水箇所を探したが見つからず、雨の日に使用しても中がぬれることはなかった。
完全犯罪?のトリックが見破れないまま迷宮入りかと諦めかけていたところ、コナン君とかいう小さな男の子が話しかけてきた。
「ねーねーおじさん。さっきから圧着部分からの浸水を疑ってるけど、おおきな穴が上の方に空いてるじゃない?」
「馬鹿なことを言うんじゃないよ、そんな穴は空いてない….はっ!!!」
「まままさか、ロールトップの開口部から浸水したというのか!?」
ピューン ブスッ。
ガク
「ちょっと待ってください、目暮警部。」
「浸水事件の謎が解けました。」
「これはごくごく単純ことが原因で中に水が入ってしまうことが分かりました。」
設定が面倒になってきたので、普通に話を進めます笑
ロールトップを上で止める形のRK40は、生地の厚みもあってロール部分が完全に密封されず、僅かな隙間を伝って水が中に侵入してしまうことが分かりました。
このように水が溜まりやすい(受けてしまう)ため、開口部から水が侵入しやすくなってしまいます。
ユーコン愛用のHMGのように両サイドにロールダウンできると、開口部に水がたまらないので侵水も防げるはず…。
要望
両サイドのコンプレッションコードの下に受け(ポケット)をつけてほしい。
トレッキングポールなどをサイドコンプレッションを使って取り付けると、下に受けがないためすっぽ抜けてしまいそうになる。
完全防水ザックのため、ハイドレーションのホースを出す穴も当然ないため、飲み物をバックパックの中に入れるしかなく、大好きなポカリをがぶ飲みしたいときもいちいちロールトップを開け閉めして取り出さなくてはいけないため、とてもめんどくさい。
両サイドにボトルポケットを設けてもらえれば、ドリンクも入れられるし、ポールなどを取り付ける際も落下防止になるのでいいと思う。
そして、浸水を防ぐため、両サイドへロールダウンできるようにしてほしい。
まとめ
浸水面での問題は多少あるものの、いかにもタフでシンプルなデザインは個人的に大好物。
クライミングやケービング(沢登り)、雪山登山などハードなシチュエーションが似合うバックパックです。
取扱店舗が少ないので、なかなか現物を見る機会がないかもしれませんが、見かけたら是非背負ってみて下さい。
思ってる以上に背負い心地いいっすよ!
以上、アツシオガワがお送りしました。
押忍!
[aside type=”normal”]2018年4月8日時点で楽天、Amazon、YahooのECサイトで取扱いがありませんでした。代理店の「スタティックブルーム」さんに確認したところ再入荷し始めているそうなので、興味のある方は問い合わせて見て下さい。【スタティックブルームHP】[/aside]