数年前では選択の余地のほとんどなかった「パックラフト」も世間の認知とメーカーの「これ儲かるんじゃね?」精神で、さまざまなメーカーから販売されるようになりました。他の方たちもレビューしてくださっていますが、情報は多い方が良いと思うので自分なり(⇦大事)のレビューをあげてみたいと思います。文・味噌嫌いS)
対象:「
アルパカラフト」「NRS」「ココペリ」

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自己紹介

はじめまして、静岡在住の味噌嫌いSと申します。

もう5年くらい前にたまたま某ユーコンさんのブログを発見して、相方と「世の中にはこんな不運な人もいるんだな」とチェックしながら、私たちの中では《尊敬》の意味を込めて「マゾ夫(お)」とお呼びしていました。

使用例:「あのマゾ夫またやってるぜ、何であんなミラクル不幸なことが起こせるんだ?」「う~ん、マゾ夫さんだからじゃないかなぁ?」

それから何年か経ち、たまたまFacebookでユーコンさんを見つけてコンタクトを取ることができ、一緒に川下りをしたり飲んだりさせていただいております。

板取川で脚がつったユーコン氏

ちなみに私の名前も、愛知に来てまで猛烈に味噌をディスっている私の姿を見てユーコンさんに拝名頂きました。

あっ、ちなみにSはもちろん「ドS」のエスです。

属性的には彼の奥さんと同じだと思います。

フィールドレビュー

さて、自己紹介はこれくらいにして、そろそろ本題の『パックラフト フィールドレビュー』に入らさせていただきます。

先月まで私は合計5艇のパックラフトを所有していました。

さすがに「もう要らんだろう」と思っていたのですが、某電子オークションで「ココペリ ニルヴァーナ」が格安で出ているのを見つけて、「噂のセルフベイラーの力を知りたい!!」という欲求に勝てずに、めでたく6艇目を迎えることになってしまいました。

さて、買ってしまったものは仕方ないし、ちょうど知り合いのアウトドアショップ店員さんが「パックラフトを考えている」ということだったので「とりあえず、いろんなのに乗って試してみようよ」と言うことで、早速みんなでフィールドに出てみました。

場所は静岡県の中部にある興津川。
※パックラフトにはちょうどいい綺麗な川なのですが、6月から釣り師の方たちとの骨肉の争いが予想されるので注意が必要です。

《出艇ラフト》

  1. アルパカラフトM(赤 スプレースカート有り)
  2. アルパカフラトS(青 スプレースカート無し)
  3. NRS(緑)
  4. ココペリ ニルヴァーナ(黄)

4人で途中交代しながらの約3キロほどのダウンリバーを2本です。

結論的には全員ある程度の経験者なのでそんなに困ることもなく下ってこれてしまい、BBG的な「おもしろ残念レポート」とはなりませんでしたが、本題は「パックラフトの比較対象」なので、そこを重点的にまとめたいと思います。

ラフト比較対象

※あくまでも個人の感想です。

①アルパカラフトM(赤 スプレースカート有)

やはりアルパカ、軽さと安定性どちらも高いレベルにあります。

悩んだらこれにしておけば失敗は少ないと思います。

しかし、スプレースカートが必要かどうかに関しては疑問が残ります。

スカートが必要なフィールドを選べばきっと役に立つのでしょうが、自分はあまり激しいところには行かないのと、付けても結局水は入るので「乗り降りが不便なデメリットの方が大きいかなぁ」と思って、ここ2年くらいつけたことがありませんでした。

もっとしっかり覆うタイプ(ホワイトウォータースプレーデッキ)のアルパカも持っていますが、結局同じ理由でスカートは付けずに使っています。

②アルパカラフトS(青 スプレースカート無し)

基本的には①と同じ特徴ですが、サイズがSです。

たかがワンサイズですが乗り味はだいぶ変わります。

自分は身長167cm体重61kgなのですが、個人的には一番操りやすいです。

特に小回りが非常にしやすく、大河でない川下りで隠れ岩を避けたりするのはコレが一番楽だなと感じています。

自分の身長でMサイズでも全然操れますが、どうしてもワンテンポずれる感じがしています。

やはりサニーエモーションさん(アルパカラフト代理店)の仰るとおり、173cm以下の人にはSサイズが合っているのかなという気がします。

③NRS

ユーコンさんの愛艇でも名高いラフトですね。

4~5年くらい前に一番最初に買ったパックラフトでもあります。

ネットで見て思いつきで買い、そのまま地元の富士川(増水)に行き最初の1本で3回フリップしてメガネも携帯も流したことはいい思い出です。

他の方も書かれていますが、今となってはこのラフトの形状はかなり異端で、まるで救命ボートのような外見です。

構造上どうしても後ろに体重がかかり過ぎ、常にウィリーしているというかなりオラついたラフトです。

その代わりに旋回性能はすさまじく、なにかの必殺技のようにクルクルと回転することができます(しかし、本体は大きいので岩の間などで回ってもけっきょく先端なとがぶつかること多し)。

しかし、そのムダに広い前部スペースにも良いところがあって、自分は子どもをよく乗せています。

小学校低学年くらいまでならまったく問題なく乗れて、むしろ安定するくらいです。

2人と1匹もいけます
むしろ安定します

また、相方の女性はずっとこれに乗っていますが、私たちの中でもっとも「沈率」が低いのも彼女です。

果たして彼女の技術なのか、チキンガールのなせる技なのかは分かりませんが、おそらくは横に広く安定しているNRSの形状も理由の一つだと思っています。

あっ2気室なのも特徴です(アルパカは1気室)。

④ココペリ ニルヴァーナ

さて、今回自分が試したかった噂のセルフベイラー(自動排水)の力。

果たしてどうだったでしょうか・・・

 

結論・・・沈むものは沈む(当たり前)

確かに普通に下るには一定以上に水が入らないので快適です。

しかし、瀬などに捕まり抜ける以上の水が入ってくるとあっさり沈します。

どこまでいけるかと思い、何度か試してみましたが割と限界値は低い気がします。

そもそも、アルパカなどに比べて腰が高い(うまく言えずにゴメンナサイ)ような・・・

恐らくはマット自体にかなりの浮力があるからだと思うのですが、「フワフワしているなぁ」というのが自分のファーストインプレッションでした。

しかし、これは個人の好みなので空気を減らしたりマットを別のものに交換することで解決できる問題ではないでしょうか。

それでもセルフベイラーのお陰でいちいち水を抜かなくていいのはありがたいです。

他の人たちが風呂桶みたいになった船ををひっくり返しているのを、エディーなどから眺めて優越感に浸れます。

あと、船体の剛性はアルパカ、NRSより明らかに高いです。

これなら多少の障害物に当たっても大丈夫かなと思えるような(あくまで思うだけ)生地の強さだと思いました。

こちらも2気室です。

 

おまけ:アルパカラフト エクスプローラー42

アルパカから出ている2人乗りのパックラフトですが…

かなり面白いです。

けっこう危険です。

ぜんぜん曲がりません。

横からやられるとすぐ沈します。

とりあえず、手軽にスリルを求める人にはお勧めです。

 

2人がシートに座って漕ぐとパドルが頻繁に当たる(自分の身長で当たるので大きい人はもっと狭く感じるかもしれません)ので、前の人はマイペースに漕いでもらって自分は船体の後ろに座りパドルを長く使ってラダーマンになるような役割分担で使っています。



耐久性が心配なんだけど

あと、友人などからも「パンクはどう?」「すぐに穴が空かない?」って聞かれますが、結論的に「自分は今まで一度も水中でパンクしたことがありません」

相方が膨らまして移動している時に、枝か何かにひっかけてパンクしたのが一度、妹がどうしてかは分からないけど万井川でパンクさせた(共にNRS)のが一度だけです。

水上でパンクし始めた貴重な映像
※2気室なので沈むことなく流れていくことができました。妹は「寒い、助けろ!」と叫んでいますがガン無視(姪は救出w)

ドS属性という性格的にも割と荒々しい使い方をしていると思うのですが、実際のところ自身の経験ではパンクした経験は一度もありません。

パンク以外でも、最初に買ったNRSは5年近く経っていると思いますが、経年劣化的なものも感じず普通に今も使えております。

こんな感じでそれぞれの船の特徴を自分なりにまとめてみました。

偏った意見かも知れませんが、「これからパックラフトをはじめようかな」と思っている方の参考の一つになれば幸いです。

パックラフトに興味がある方へ

簡単に言ってしまえば「川で使う大人のおもちゃ」なのですが、想像以上に汎用性の広い道具だと個人的には思っています。

遊ぶフィールドのひろがり

「川遊びはハードルが高い」「川下りができる川が近くにない」。

こんな理由で川遊びをしてこなかった人は多いと思います(自分もそうでした)。

しかし、パックラフトの最大の魅力《軽さ》を活かすことで、近所の川で気軽に遊ぶことが可能になります。

カナディアンやダッキーでは行けなかったフィールドへ気軽にトライすることができます(その代わり情報が少ないので自分の足で探すことが必要になります)。

自分も大河だけではなく、渓谷や湖、近くの用水(これは臭い・浅い・危ないで失敗)でも遊んでいます。

誰もいない渓谷で
湖でも

家族でも楽しめる

フローティングベストを着る、下る川を選ぶなどの基本的なことを押さえれば決して危なくも、難しくもないスポーツだと思います。

安全にだけきちんと気を配って、子どもたちに本当の自然を体験させてあげられることも大きなメリットの一つかなと思います。

オチがつくような失敗レポートはユーコンさんにお任せをして、自分のフツーのインプレは終了いたします。

これだけ川が多い日本で川遊びをしないのはもったいない!!

ぜひフィールドでお会いしましょう。

ながながとご拝読いただき、ありがとうございました。

以上、味噌嫌いSがお送りしました!

押忍!