富士山!!初めての富士登山に選んだのは御殿場ルート!!想像より遥かにキツかった日帰り登山!!富士山、舐めたらいかんぜよ。(文・コータロー)

富士山、登った事ある?

登山が趣味と言うと、そう聞かれる事が多かった。

実は、一度も登った事が無かった。

富士山は人が多いし、登山道も単調でつまらないイメージがある。

毎年メディアで取り上げられるネガティブなニュースにも辟易していた。

そんな富士山より、アルプスに行きたい。

そんな山好きは多いはず。

だが、登山を始めて十数年。

富士山に登っていない事が、自分の中で引っ掛かっていた。

ならば行こうとリサーチ開始。

すると

「御殿場ルート」

という登山口から山頂までが最も長い体力勝負ルートを発見した。

それゆえ、登山者も一番少ないらしい。

この時点で御殿場ルートに決定!!

地図をチェックすると、私の脚力ならスタートから10時間程度でピストンできそうだ。

朝5時にスタートし、休憩含め16時までに下山という計画を立て、当日へ備えた。

2025年の新ルール

今年から富士山に登るには入山料が必要である。

金額は¥4,000円。

徴収や金額に対する是非はあると思うが、個人的には賛成だ。

事前にアプリをダウンロードし、個人情報、スケジュールやルートを登録。

その後、外部サイトに移動して決済という流れだった。

面白かったのは富士登山のマナーやルールの小テストがあること。

全問正解しないと入山ができないのだ。

トドメはPM14:00〜AM3:00は入山禁止!!

近年、インバウンドの影響もあり、登山者に対するネガティブな報道が多い富士登山。

完璧ではないが、行政側も少なからず対策はしていると感じた。

当日はAM4:00頃に駐車場に到着。

お盆後の平日で、駐車場は7割埋まっていた。

予定ではここで高度順応の為、1時間ほどゆっくりするつもりだった。

が、準備や朝食を食べて30分ほど経過したので出発。

じっとしてるのが苦手で…。

(ちゃんと高度順応した方がいいです)

展望台があり、写真を撮っている人達がいた。

どうやら駐車場の車の一部は展望台が目当てだったようだ。

登山口では係の人へQRコードを提示。

リストバンドを巻いてもらう。

ここは関所の役割もあると思うので、変な格好の人は注意されるだろう。

結論として、TVで特集されるようなヤバい格好の人には出会わなかった。

杖はマジで必須です
杖を買うと各山小屋で焼き印が押せる(有料)
大石茶屋の脇から登山はスタート

それよりも驚いたのは御殿場ルートの人の少なさ。

テレビで特集されるのは基本的に吉田ルート。

お盆休み後の平日という事を加味しても、人の少なさには本当に驚いた。

御殿場ルート

登山スタート。

今まで行ったどの山にも似ていない風景に驚いた。

宇宙モノのSFを撮影するなら最適なロケーション。

さらに驚いたのは路面状況。

火山礫という細かい砂利のような路面で、一歩進むごとにズブズブと足が沈むのだ。

まぁ、きっと一定区間だけだろう。

そう思っていた。

実際は

行程の半分がこの路面なのである…!!

冗談抜きに三歩進んで二歩下がるのだ。

私の90kg近い巨体も沈む原因だろう。

スタートしてすぐに雲海見れるのすごい

なかなか進まない九十九折りの登山道に体力はもちろん、メンタルもガリガリと削られていった。

私はこの時点で確信したのだ。

御殿場ルートは完全なる男塾ルートだと…!!

だが、登山道からの眺望は最高。

遮る物がない独立峰の稜線から見る雲海は感動した。

「富士山なんか行かなくていい」

そんな事を言っていた自称登山上級者もいた。

アイツは嘘つきだったのである。

次郎坊と言う場所に到着。

すでに全身汗でびしょびしょ。

日差しも強いので日焼け対策は必須である。

私は舐めていた。

心のどこかで富士山を舐めていた。

キツい…。

めちゃくちゃキツいぞ…!!

傾斜がキツくなり、一歩進むごとにズリズリと下がる。

まるでトレッドミルである。

進まない。

とにかく進まない…!!

バチバチに体力を削られながら、なんとか半蔵坊の山小屋に到着。

御殿場ルートは山小屋が少ないと言われている。

だが、アルプス等に行った事がある登山経験者なら十分な多さだと思った。

まだ元気だったので休憩しないで通過。

山頂は見えている。

だが、なかなか進まない。

宇宙を感じる青い空が泣かせます。

ズブズブ…。

ズブズブ…。

まるで蟻地獄である。

先日行った白馬大雪渓よりも全然キツい。

それでも、振り返ると超絶景が見れるのは良かった。

今回、美しい雲海には何度も助けられた。

六合目の看板。

まだ…まだ六合目なの…!?

御殿場ルート、登山初心者は絶対にオススメしないです。

午前9時頃になると山梨側から雲が上がって来た。

そう、あれは中学の頃。

「私は雲を眺めるのが好きなので気象予報士になりたいです!」

と、夢を語っていたKさんが僕は好きだった。

Kさんなら本当になれるって、僕は信じてた。

だが、高校生になるとKさんはスロット大好きなヤンキーと付き合い

自身もゴリゴリのギャルに変わっていった。

そして高校を中退し、愛車のスーパーDioに乗り

青空が見えない夜の街に消えていった。

いつの間にか七合目

Kさん、今、どこにいるの…?

富士山、登りなよ。

空、青いよ。

雲、白いよ。

そんな事を考えていると、ウンコ抹殺看板が!!

チップ制のバイオトイレだ。

富士山は絶対に野グソができない。

100%人に見られる。

トイレには確実に、早めに行っておこう。

七合目から少し登った場所にある「わらじ館」に到着。

ここのテラスで休憩することにした。

汗をかき過ぎたので水分補給。

キリンレモン久しぶりに飲んだな。

1928年から売ってんの凄いよね。

もうすぐ100年ですよ。

アーーーーーーーッ!!!!!!!!

我々はやはり監視されている…!!!!

白馬に続き、まさかの出会いに震える。

白馬以降、色々な人に

「実は私も見た事があって…」

と、カミングアウトされています。

休憩も済んだので先を急ぐ。

この辺りから風が強くなって来たので

中東スタイルで帽子を固定。

MOKUタオルは本当に便利ですね…。

後ろからものすごいスピードで登ってきた健脚海外青年。

IKEAのバッグをザックがわりに使う超ULスタイル。

日本の自称ULハイカーもこのくらいブチかましてほしいです。

いつの間にかULは金がかかる遊びになってるもんなぁ。

3000mオーバーの世界

さっきの山小屋の時点で標高3000mを超えている。

さすがに空気が薄くなってきた。

ワンデイで3000mまで来ると、高山病と言うほどではないが、違和感は感じた。

気圧の変化に弱い人は、対策をしないと高山病になる確率は高いと思う。

地面が赤くなってくると、路面状況も良くなって歩きやすい。

ただ、すげー喉が痛かったんですよね。

砂埃を吸ったから?この後、ずーっとイガイガしてました。

相変わらず雲海と雲はヤバいです。

こんな景色は富士山じゃないと見れないんじゃないかな?

登山道も単調に見えるけど、それなりに変化があって面白い。

八合目近くの「赤岩八合館」に到着。

疲れてて小屋撮るの忘れた。

ここからは美しい御来光が見えるそうですよ。

先を急ぐのでスルー。

8合目からは富士山本宮浅間神社の奥宮の境内になる。

富士山は霊峰と言われるだけあり、山岳信仰の名残りが強い。

UFOもいるので富士山は最強のミステリースポットなのである。

そんなバチ当たりな事を考えていたからか、どうも体の調子が悪い。

いつものペースで登れないのだ。

3000mオーバーの気圧と空気の薄さもあったのかもしれない。

登っては止まりを繰り返し、喉の痛みと乾きで水はどんどん減っていく。

あー、これはヤバいかもな…。

まさか足が止まるとは思っていなかった。

だが、そこは経験豊富なベテラン登山者。

根性と闘魂とエロい妄想で自分を奮い立たせる。

今田美桜…!!

少しずつ前に進み、ついに山頂直下までやって来た。

サラッと書いてるけどマジでキツかったです。

富士山を舐めてた自分をシバキたい。

山頂

富士山の噴火口は大迫力!!

これを見る為にも登る価値はあると思う。

底まで丸見えなので、ぜひ自分の目でご覧下さい。

こちらが富士浅間神社奥宮、記念撮影してる人でごった返してました。

海外の人も多かったですね。

山頂には売店もあり、多くの人で賑わっていた。

入り口に「瀬尾亮平」のグラフィティが…。

誰なんだろう…?と、モヤモヤしながら入店。

オリジナルのMOKUが売っていたので思わず購入。

ご当地の売店でけっこう売ってるんですよね。

MOKUはナンボあってもいいですから。

映えスポットもあったので撮影しておいた。

新卒一年目、先輩に呼び出された私はこう言われた

「お前がいると空気が悪くなるんだよね」

その時は思い切り舌打ちをして口論になったが、今ならわかる。

鈴木先輩、アンタは正しかった。

最高峰の石碑が立つ剣ヶ峰はダルかったのでスルー。

ここまで登ったらもうええて。

早く帰りたいので下山開始。

山頂にいたのは10分程度だったと思う。

大砂走り

下山中は空に吸い込まれるような体験ができる。

景色が本当に美しい。

あんなに苦しかった登山道をサクサクと下って行く。

そして御殿場ルートのハイライト

「大砂走り」が始まる。

事前情報で砂浜のような路面をスピーディーに下山できると聞いていた。

実際は思っていたより足が「ドボン」と沈むし、序盤は岩がゴロゴロしていて危なっかしい。

火山礫の川をザブンザブンと掻き分けるように進んだ。

その時、後ろからテンションが上がって駆け降りてくるカップルがいた。

だが、大砂走りはめちゃくちゃ長いのである。

元気なのは最初だけ。

ちょけてられるのは最初だけ。

カップルは途中から疲労で座り込んでしまった。

セックスばかりしてるからそんな事になるんだ!!

山を舐めるな!!

そんな老害の妄想をしながらカップルの脇を駆け抜けた。

その数秒後、私は転倒した…。

人の悪口を言えば自分に返ってくる。

人に冷たくすれば自分に返ってくる。

最近、「因果応報」と思える出来事に何度か遭遇した。

人の悪口や自分勝手な行動をしている奴らはみんなバチが当たっている。

俺もか、そうだ、俺もだよな…。

足から滲み出る血を眺めながら、僕は思った。

自主規制

「アイツらさえいなければ!!こんな事にならなかったのに…!!」

他責マンはみんなに嫌われるのでやめましょう。

結局、大下りはゴールまで続いていた。

終盤は足が沈みにくくなるものの、それでも時折バランスを崩しやすい。

もう疲れた…。

本当に疲れた…。

キツかった日帰り登山、個人ランキング3位以内には確実に入る。

もう来ない。

絶対に来ない…!!

疲れを通り越し、もはや怒りで足を動かしていた。

なんとか予定の時刻にゴール。

足はぐちゃぐちゃになっていた。

靴も足も火山礫まみれ。

耐久性バツグンのHIKER TRASHには穴が空いていた。

ここは完全に上級者ルートだ。

トレラン界隈のトレーニングにも使われていると聞いて、なるほどと思った。

確かにココに来れば強くなるのは間違いない。

辛かったのは間違いないが、とんでもない絶景も見れた。

この記事を書いている時、何故かもう一度行きたい気持ちも芽生えて来た。

キツかったが、やはり魅力的なルートだったのだ。

御殿場ルート、来年はアナタもチャレンジしてみませんか。

富士山!良い山でした!!

押忍!!