真教寺尾根から赤岳へ登り、今度は県界尾根を使って野辺山駅へ!!赤岳への難ルートとして名高いツートップを堪能する日帰り周回コース!!後編です!!(文・コータロー)
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県界尾根へ
前回、清里駅をスタートし
真教寺尾根を登って赤岳へ登頂した私。
山頂で1時間ほど撮影や休憩をし、下山を始めた。
今回、下山で使うのは「県界尾根」だ。
真教寺尾根と双璧をなす難ルートと聞いている。
正直、真教寺尾根でお腹いっぱいだ笑
どんなおかわりが待っているのだろう?
県界尾根へ向かう道には、こんな恐ろしい看板が…。
「単独行、装備不足者 下山禁止」
看板が真っ二つに割れているのはもちろん、最後にはドクロマークまで付いている。
全力で脅しにかかる看板に不安が募る。
事故も起きているようなので慎重に行かなければ…。
のっけからなかなかの急斜面。
写真だと高度感が伝わらない。
なんなら、登りの風景に見えるから不思議である笑
序盤からとにかく鎖場のオンパレード。
山頂直下が傾斜のキツイ鎖場なのは真教寺尾根と同じようだ。
大きく違うのはゴツゴツと大きな岩が多い真教寺尾根に対して
県界尾根は岩の起伏があまり無く、ややザレている。
下りながら小石がカラカラと落ちやすい。
先行者がいる時や、複数人で行動する際は落石に注意した方が良さそうだ。
全然高度感が無いんですが、実際はなかなか。
メガグリップ推奨です笑
笑ってんのは激しく転んだから笑
ケツを岩に強打し、痛すぎて笑うしかなかった笑
ケツにもう一つ穴が空いたかと思った。
枝に頭ぶつけたりするからヘルメットも被っててよかった。
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長く不安定なハシゴを下りる箇所もありました。
必殺コマンド「下を見ない」を発動させましたが
ぐわんぐわん揺れるハシゴにキャンタマが引き締まる。
下山中に山の景色はどんどんミスティに。
映画「ミスト」思い出してしまい、この頃にはキャンタマも恐怖でどこかに消失。
なおも鎖場は続く。
この写真の岩のように、掴みやすい場所があまり無いのが県界尾根の特徴。
登りと下り、どちらで使うかは難しい所。
真教寺尾根よりは高度感が少ないので、どちらかと言うと下山向きかもしれません。
とは言え、ぬかるんでいる所があったりと、気が抜けない。
赤岳の東側に伸びる県界尾根は南向きの真教寺尾根よりも日当たりが悪いようです。
遅い時期まで残雪が残りやすいなんて情報もありました。
人一人入れそうな空洞を発見。
想像力が豊かな私は熊の寝床を連想してしまいキャンタマが…笑
樹林帯が見えて来た。
そろそろ岩場も終わりかな?
真教寺尾根に比べると鎖場の区間は短い印象だった。
そんな事を思っていると、最後の最後でいやらしい鎖場が出現!
卑猥!!
写真だと全く伝わらないのですが、ここはなかなかでした…。
岩場を横にトラバースしてから下るのだが、体がデカい私は何とも言えない窮屈な体勢で進みにくい…!!
長めの鎖の処理にも難儀しました。
通過して見上げたところ。
結構怖かったなー。
クライミングとかは一生やらないと心に誓いました。
県界尾根にも現在地を教えてくれる看板があるのですが、古くてイマイチ読めない物が多かった。
今回のシューズはスポルティバのTX GUIDE。
グリップしすぎて逆に危ないんじゃない?
と、感じるほどの凄い靴。
幅が狭めなので正直、足には合っていません笑
今回もバッチリ爪が死にました。
富山のOUNCEさんで購入したTHRUPACKのウエストバック。
この日はサコッシュ代わりに使用。
本当に使いやすいです。
X-PACモデルも欲しいいので、それだけの為に富山に行きたいくらい笑
今回、初投入したのはアークのGAMMA SL HOODY。
ウインドシェルみたいですが、薄手のソフトシェルです。
大好物のプルオーバータイプがあったので脊髄反射で購入してしまいました。
ウインドシェルよりは重いですが、着心地と蒸れにくさは段違い。
適度に風も通すので、動き続けるような状況ではすこぶる快適。
無雪期はあまり人気が無いソフトシェルですが、薄いソフトシェルは使えます。
オススメなんですが、どこも在庫切れみたいです。
最近、アークのウェアは在庫がすぐに無くなってしまいますね。
鎖場が終わり、やっと進みやすい樹林帯の中に入る。
今日中に帰らなければいけないので、サクサクと進んで行く。
サクサク行きたいのに、何故か座っています…。
また転んだのです笑
苔むした倒木は本当に滑りやすい。
BBGを始めてから転んでも写真を撮るまで立たないクセが付いてしまいました。
職業病。
この日はとにかく人に会いませんでした。
県界尾根で下山中に会ったのは休憩していたおじさん一人のみ。
休日はさすがにこうは行かないでしょうが
それでも美濃戸方面よりは確実に人が少ないと思われます。
ここで分岐に差し掛かる。
清里方面に行くと、美し森方面のルートに合流。
それではつまらないので、帰りは野辺山駅方面へ下山する事にしました。
この道がさらに穴場だと思われるコース。
トレイルも踏み固められた感じが少なく、フワフワしています。
ある程度は予想していましたが、やはり野辺山方面も熊笹地獄のようです笑
何だか道も不明瞭。
時折、ガサガサ聞こえて不安…。
熊鈴は鳴らしてるけど…不安…。
ゴソッと崩落している箇所もありました。
麓が見えてきましたー!!
野辺山駅までは、まだかなり距離がありそう。
小海線は本数が少ないので、なるべく早く下山しなくては。
ちょっと…!!
もはや道が見えない笑
熊笹を掻き分けながら進むが、足元が全く見えない…!!
ヘビとかいないか不安…!!
結局、今回は熊笹に始まり、熊笹に終わる山行でした…笑
もちろんクモの巣も笑
こんなに開けている場所でもクモの巣が凄まじく、気が狂いそうでした。
木の枝から垂れてたみたいなんですよね笑
ウソみたいだろ…?
こんなに開けててもクモの巣がまとわり付いてくるんだぜ…。
ここで発狂してしまった私は、木の枝をプロペラ機のようにグルグルと回しながら進んだ。
脳からおかしな物質が出てたんだと思います笑
やっとこさ下山…!!
長かったー!!
今回は体力以上にメンタルを削られた山行でした…。
ええ、熊笹とクモの巣のせいです笑
下山しても野辺山駅まではまだまだ!!
駅までは約6kmの道のり。
18時の電車を逃すと次は20時まで電車が来ないので急がなければ…!!
なぁに、軽く走ればギリギリ間に合うだろう。
獣よけのフェンスを開けて、やっと人間界に戻ってきた感じがした。
どんどん進もう。
林道を進んでいると展望台が出現。
まだ新しいのかな?
電車の時間が迫っているものの、せっかくなので登ってみる事にした!
こんな所、なかなか来る機会が無いですからねー。
山頂からの景色に比べると見劣りしますが、夕刻の南アルプスを楽しめました。
そして、野辺山駅の位置が何となくわかる。
あそこかな…?
遠いな…。
間に合うかな…?笑
若干焦り始めた私は、小走りで移動開始。
この林道が長いのよ…。
歩く分には苦痛だけど、グラベルバイクには最高の場所だろうなー。
時刻は17時20分。
だいぶ日が暮れて来た。
街灯も無い林道なので、ヘッドランプをザックから取り出しておく。
やっと長い砂利区間を抜けると広大なレタス畑に出た。
海外製のバカでかいトラクターを発見して思わず撮影してしまった。
車輪があるものは全て尊い。
動いてる所を見てみたいなー!
待て待て!
写真撮影なんてやってる暇は無いのである…!!
電車の時間がマジでヤバい…!!
野辺山は街灯がほとんど無い。
真っ暗な歩道をヘッドランプを装着した大男がドシドシと走る。
すれ違う車のドライバー達はさぞ驚いただろう。
この時のペースはキロ8分くらいだったでしょうか…?
もう、お腹が空いて力が出ない…!!
ちょっ…!!
ちょ、待てよ…!!!!!
無情にも走り去った小海線。
あと少しだったのに…!!
展望台での記念撮影、トラクターの記念撮影、コーラ2本ガブ飲み。
この3つが無ければ確実に間に合っていただろう。
特にコーラのガブ飲みが効いた。
腹がたぷんたぷんで走れんかった笑
駅に到着したタイミングで2時間待ちが確定。
こんな事ならもう少しゆっくり歩いて来ればよかった。
そんなこんなで此処はJRで一番標高が高い場所。
コレを写真に収めるために電車を一本スルーしたと思う事に…。
でも1345mって凄いよな…。
スカイツリーを2つ重ねても届かない場所を走ってるんですよ。
時間を持て余した私はいつもの場所へ…。
光に吸い寄せられる虫のようにセブンに向かう。
もはやこのブログでも定番となって来たご当地セブンを探そうではないか…!!
山梨限定の稲荷寿司を発見!!
待てよ…?
ここは長野じゃないのか?笑
地図で確認するが、やはりこのセブン南牧野辺山店は長野県である。
大手でも県境付近は意外とテキトーなんだな…笑
と、思いつつ秒で完食。
疲れた足をサンダルに履き替えてホッとする。
マジでサンダル持って来ててよかった。
店先のベンチでしばし休憩。
休憩していると自転車で来た若者3人組に
「こんばんは!!」
と、元気に挨拶される。
まさか挨拶されると思わなかったのでワンテンポ遅れて「こんばんは!」と返す。
どうやら海外からの留学生?実習生?のようである。
周辺の農園で働いているのだろうか。
そんなニュースも見た事がある。
会った人には挨拶するように言われているのかな?
よくわからないけど、きっと色々な事情があるんだろうな…。
仕事のメールを返したり、SNSを見たり
スマホをいじってたら2時間なんてあっという間。
時間が来たので野辺山駅へ向かいます。
駅の待合が綺麗だったので思わず撮影してしまった笑
これは覗くと万華鏡みたいになってました。
子供が喜びそうな仕掛けなので、行った方は是非。
塚本和也さんと言う、鉄道研究家・写真家の功績を讃えるパネルがありました。
こちらの塚本さん、SL好きの間では知らぬ人はいないレジェンドなんだそうです。
ちょっと言い方が悪いですが、小海線を走っていたC56と言う機関車の超マニア。
国内のC56はもちろん。
戦前、東南アジアに提供されたC56を追いかけて運用記録を調べたりしていたんだそうです。
さらにはタイにあったC56を日本に里帰りさせたりと、C56への愛が半端じゃない。
世の中には色々なマニアがいますが、こうして称えられるレベルの方はそういません。凄い。
高原で働く海外の若者や、SL界のレジェンドの事も知れて、なかなか興味深い2時間でした。
野辺山駅のホームにはこんな標識も。
野辺山駅をゴールにしてよかった。
そんなこんなで電車を乗り継いで帰宅。
高尾に到着したのは23時、家に到着したのは日付が変わる少し前。
何やかんやと20時間近く行動し続けたので流石に疲れた笑
今回の周回ルートは少しピリッとした体力勝負の男塾ルートでした。
万人にはオススメできないですが、鎖場が好きな方は是非行ってみてください。
日帰りでもなかなか痺れる体験ができると思います。
個人的にはリフトを使う事を激しくオススメします笑
前後編とお付き合い頂きましてありがとうございました!!
押忍!!