登山やハイクの必須装備である『ヘッドランプ』。いざ買おうと思ってHPや店頭でパッケージを見ても実際の明るさや見やすさ、照射時間など分からないから迷いますよね。そんな迷える子羊ちゃん達に送る最新ヘッドランプ11機種をガチンコ照射比較テストしました!みんな!ルーメン数だけに踊らされるな!!(文・アツシオガワ)

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11機種紹介

まずは簡単に今回の比較テストに選出した各党の候補者を紹介する。

ペツル

左上から「TACTIKKA+」「TACTIKKA」「ACTICK CORE」「ZIPKA」

二大政党のウチのひとつペツルからは4機種をピックアップ。

その中でも大本命と言っても過言でないのが『アクティック コア』だ。

最大照射力450ルーメンは、11機種中No.1スペック!

ただ、カタログスペックに踊らされないことで有名なBBGは450ルーメンだろうが、たとえ1000ルーメンだろうがフィールドテストを行うまでは静観する。

続いては『タクティカ+』『タクティカ』

『ティカ』と迷ったが、照射時間の長さがペツルの中でTOPだったのと、ただ単純に見た目が『ティカ』よりカッコいいという理由で選出した笑

『ジプカ』は、ヘッドランプの性能というより「巻き取りリール式」が使ってみたかったのが理由。

ブラックダイヤモンド

左:SPOT325 右:STORM375

ペツルと並んで二大政党のひとつブラックダイヤモンドからは2機種。

本命と目されている『アクティック コア』の対抗馬になり得るであろうのが『STORM 375』『SPOT 325』だ。

『SPOT 325』については、以前コータローが詳細にレビューをしてくれたのも記憶に新しい。

ベランダに置かれた洗濯機に涙した日のことが思い出される。

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ペツルと並んで人気のBD、その実力やいかに!?

マイルストーン

左上「MS-G2」左下「MS-B6」右「MS-B7」

今回個人的に楽しみにしているのが初めてガッツリ使用するマイルストーン。

性能的にほぼ同じ『MS-B6』『MS-B7』

実際どっちがいいのか?

「電球色が見やすい」という声を耳にするが実際フィールドでの見やすさがとても気になる。

また、サブランプとして注目している『MS-G2』の実力も気になるところである。

レッドレンザー

コチラも以前ファーストインプレッションした『MH5』をピックアップ。

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単3電池一本での照射力と照射時間がいかなるものか注目したい。

SILVA

写真が上下逆でスミマセン笑

国内の代理店さんが『本気を出して作りました!』と言っていたSILVAのヘッドランプ。

その中でも一番HIKEに適していそうな『SCOUT XT』をチョイス。

見やすさにこだわったとの事なので、フィールドでの使用感に期待したい。

各機種の細かい操作方法や特徴などについては、活字にするととんでもなく長くなってしまいそうだったので、今回は「すけってぃ」と一緒に動画で解説させていただきました。

よろしければ、そちらも合わせてご覧ください。

[aside type=”normal”]動画の中でペツルの「ARCTIC CORE」にはロック機能がナイと説明していますが、新しくなった「ARCTIC CORE」「ARCTIC」にはロック機能が付きました!大変申し訳ございません!!いずれも四秒長押しでロック、ロック解除です。[/aside]

各機種スペック比較表

スペック表をクリックすると別ウィンドで拡大します。

ルーメン数や照射時間&距離に関してはあくまで参考値として見るとして…。

それ以外の数値で目に止まる点をいくつかピックアップすると、まず防水性能で1機種だけ飛び抜けているのがBDの『STORM375』。

見よ!この物々しい電池パックの開閉システムを!

最高水準の防水・防塵性能である『IP67』は納得だ。

そして、このSTORM375だけ唯一単4電池が4本必要なため、バッテリー込みの重量が約120gと他と比べて重くなっている。

さすがに4本使用はヘッドがズッシリ重たく感じる。

価格面でいうと、『①ACTICK CORE』が8,000円+税とやたら高くなっているが、本来別売りであるバッテリーのCORE(3,600円+税)がコミコミの値段なので、本体だけでいえば実質4,400円+税となる。

保証期間で目を引くのがレッドレンザーMH5の『7年』。

た・だ・し!

この7年保証にはカラクリが!!

どんな精密機械も説明書を見ない男「アツシオガワ」は、すけってぃに指摘されて初めて気がついた。

なんと、ユーザー登録をして初めて7年保証になるのだ。

ユーザー登録をしなければ5年。

正確には5+2=7年!

まあ、5年でもゴイスーなんですけどね笑

フィールドテスト

450ルーメンだろうが、1000ルーメンだろうがスペックなんて俺は信じない!笑

グラビアアイドルのスリーサイズと同じぐらい俺は信じない!

最大照射力がウソだとは思っていないが、最大瞬間出力は現場で何の意味も持たないので、パッケージやHPの数字に踊らされないため、また迷える子羊ちゃん達のため、私は生ぬるい風が吹く真夜中の山中で約5時間フィールドテストを行った。

暗闇の中から時折聞こえる獣のガサガサ音…一回だけすんごい近くで枝を「バキバキ」って踏む音が聞こえて泣きそうになったYo!

と言うわけで、「0分」「60分」「120分」の計3回、カメラを三脚で固定し、肉眼に近い明るさに写るようマニュアル設定し撮影した。

もちろん電池はアルカリ電池の新品、もしくはバッテリー満充電の状態でテスト。

それではBBG恒例『ガチンコ照射比較テスト』の結果をどうぞ!

画像をクリックすると別ウィンドで拡大します。

0分

『①ACTICK CORE』のみCORE使用。他はアルカリ電池使用。

『⑩MH5』は付属の専用充電池使用。

0分時の感想。

ビーム(遠距離用)とワイド(近距離用)のミックスで照射される機種が遠近両方明るいため見やすく&歩きやすかった。

特に『①ACTICK CORE』『②TACTIKKA+』『⑤STORM 375』『⑥SPOT 325』『⑪SCOUT XT』の5機種はミックス照射のため歩きやすかった。

マイルストーンの⑦⑧の電球色に関しては、出力が他より弱かった事もあり特別「見やすい!」とは感じなかった。

⑨G2は近距離(1〜2m)はとても明るいが、照射距離不足でミックス照射機種達に比べると歩きにくかった。

⑩レッドレンザーMH5は、他の機種とは異なる輪郭クッキリ照射で「おお!」となるが、実際に歩いてみると照らしている部分は確かに見やすいが、照射範囲以外(足元)が真っ暗なので意外と歩きにくかった。

ぼんやりとでも足元が明るい方が歩きやすい。

MH5のレーザービームは単3電池一本で照射されているとは思えないほどの照射距離で度肝を抜かれる。

60分

はーい、みなさん。

ビックリするでしょ?笑

たった一時間でこんなにも暗くなってしまうんですよー。

これがリアル(現実)なんですねー。

点灯した時は「俺のヘッデン明るいぜ!」ってドヤるんですけど、ちょっと経つと「あれ?なんか暗くない?」ってあるあるですよね。

まあ、これは各社共通して言えることなので、ヘッドランプとはこういうものだということで認識しましょう。

さて、60分経って頑張ってたのは『①ACTICK CORE』と『⑥SPOT 325』

特に『⑥SPOT 325』のビーム砲が思いのほか元気で明るく感じた。

マイルストーンの2機種も60分経過時点ではペツル&BD勢に食らいついていた。

電球色は確かに目に優しい感じはしたが、特別見やすい&歩きやすいということはなかった。

B6よりもB7の方がやや明るく感じた。

G2はだいぶ暗い。

MH5、SCOUT XTともガツンと光量が落ちてしまった。

120分

120分経って一番明るく感じたのは『①ACTICK CORE』

ここに来て『②TACTIKKA+』がBDの二機種よりも明るく感じた。

ルーメンスペックでは上位の『⑤STORM375』が『①ACTICK CORE』の最有力馬と考えていたが、今回のテストでは芳しくなかった。

『⑥ SPOT325』は、ビーム砲は2時間経っても相変わらず素晴らしいが、ワイド照射の元気が少しなくなってしまい近距離が暗く感じてしまったのが残念。

『⑨MS-G2』はバッテリーが切れてしまった。

『⑩MH5』と『⑪SCOUT XT』には大きな変化は見られなかった。

全体的に言えるのは、60分→120分で大幅な光量ダウンは各社見られず、ジワジワ光量が落ちているように見受けられた。

次のテスト項目『照射時間テスト』のグラフを見ていただくと分かりやすいが、照射開始から30分以内にドーンっと光量が落ちます。

コレも各社ほぼ共通。

照射時間テスト

テスト方法は、明るさ(ルクス)を測定する機械に向けて4.5m先から照射し、15分間隔で3時間測定しました。

測定機器の特性上、ビーム力の強い機種がいいスコアになってます。

Amazonで購入したこの機械にどこまで信憑性があるかが不明なので、細かな数値は出しません。

あくまで参考程度にしてください。

このグラフで何が言いたいかと言うと、マイルストーンの「MS-B6」「MS-B7」以外、各社最初の15分で照射力が半減してしまったということ。

分かっていた事ですが、照射開始からたった15分で光量が半減するのはさすがにガッカリっすよね。

一番落ちたのが『SILVA SCOUT XT』で約77%DOWN。

次に『レッドレンザー MH5』で約60%DOWN。

逆にマイルストーンの2機種は約30%のDOWNにとどめたところは素晴らしいと思います。

もう一つ各社共通して言えるのが、30〜45分で光量が安定するということ。

この安定期に入った光量を各社公表していただきたいと思います。

できれば60分、120分時のルーメンもSPEC表に記載してくれると我々ユーザーも納得して購入できるんじゃないでしょうか。

BEST BUY

なにに重きを置いてジャッジするかが非常に難しくはありますが、明るさだけでなく操作方法やバッテリー(電池)、フィット感、重量、などなど、トータルしてBEST BUYを決めさせていただきました。

今回のヘッドランプ比較のBEST BUYは

ドルルルルゥゥ….ダン!

PETZL『ACTICK CORE』です!

品名 アクティック コア
メーカー ペツル
写真
価格 8,000円+tax
BUY NOW

*画像クリックでメーカーHPへ

明るさ&見やすさ(歩きやすさ)はTOPクラス。

15分から135分までほぼ明るさが変わらない安定力。

ディミング(調光)機能などない、弱→中→強→切のシンプルな操作感。

そして、なんと言ってもバッテリーの『CORE(コア)』が素晴らしいということ。

品名 コア
メーカー ペツル
写真
価格 3,600円+tax
BUY NOW

*画像クリックでメーカーHPへ

どうしても乾電池だと残量が分からないので、新品に交換したり、予備電池を持って行く必要があったりと何かと不便ですが、COREなら充電式なので残量を気にすることもなく、常にフル充電の状態で使用できます。

また、バッテリーに直接USBを接続して充電できるので、今やみんなの必須装備となったモバイルバッテリーで充電できるのも大きなメリットです。

ただしiPhoneユーザーの方は、マイクロUSBのケーブルをお忘れなく!

Lightningケーブルは使えませんのでご注意を。

LightningとマイクロUSBケーブル2本持って行くのがめんどくさいなーっていう人は、コチラの商品がオススメ!

これ一本でLightningもマイクロUSBにも対応!

特に接続部分の頭を変える必要もないので楽です!

TMEでも扱ってますので是非 <(_ _)>

 

リチウム式充電池も充電できるという点では同じなんですが、充電器を持って行く必要がないCOREはやはりよく考えられてるなーと感心させられました。

ペツルはCOREと単4電池、どちらも使用可能なところもゴイスーです。

唯一ペツルで残念なのがロック機能がないこと。

COREに物理スイッチ(ON/OFF)を付けてくれたら最高なのになー。

他のオススメ機種

BEST BUYには『ACTICK CORE』を選ばせていただきましたが、他にもオススメの機種がいくつかありますのでご紹介します。

まず、BDの『SPOT325』

品名 SPOT325
メーカー ブラックダイヤモンド
写真
価格 4,400円+tax
BUY NOW

*画像クリックでメーカーHPへ

ビーム性能(カタログスペック83m)が素晴らしく、レッドレンザーMH5の絞ったビームには劣りますが、スペック上では上の『ACTICK CORE(90m)』や『STORM375(100m)』よりも優れているように感じました。

また、ディミング機能、電池残量インジケーター、ロック機能、高い防水性能など欲しい機能全部盛りです。

特に『CORE』に魅力を感じなければ、4,400円+税とコスパのいい『SPOT325』はオススメです。

サブにオススメなのがマイルストーンの『MS-G2』

品名 MS-G2
メーカー マイルストーン
写真
価格 4,800円+tax
BUY NOW

*画像クリックでメーカーHPへ

照射距離が短く、正直山歩きにはあまりオススメではありませんが、手元を照らすのにザックのショルダーに付けたり、テントでのランタンとして使うのにオススメです。

自転車やRUNのセーフティーライトにも使えそうですね。

照射時間も他の機種に比べ短いので、あくまでサブ的な使い方になってしまいますが、充電式で軽くてコンパクトなので、使い方を工夫すれば何かと重宝する機種だと思います。

まとめ

いかがだったでしょうかヘッドランプ比較。

日帰りでも泊まりでも登山をするなら必須装備になっているヘッドランプ。

コータローも言ってますが、非常用の道具でもあるヘッドランプはある程度いいものを使ってもらいたいと僕も思います。

店頭やHPだけでは実際の明るさや見やすさ、使用感が分かりにくいのがヘッドランプです。

今回のテストが皆さんの購入の参考になれば幸いです。

以上、アツシオガワでした!

みなさん、安全登山を!

押忍!