「アディダス」と「ニューバランス」、両メーカーともランニングシューズでは支持されているにも関わらず、トレランシューズではイマイチ知名度&人気の低い両者。メジャーブランドというだけで避けられているのか、クオリティの問題なのか。そのあたりを京都トレイル&箱根ガイリーン、近所の里山でチェックしてきました。クソおせえくせにレビューしてスミマセンm(_ _)m

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選んだ理由

  1. 履いている人が少ない。
  2. メジャーブランドを試してみたかった。
  3. 海外で評価が高い
  4. GORE-TEXじゃない

日本国内で人気のトレランシューズと言えば「inov8」「HOKA ONE ONE」「ALTRA」「SALOMON」「La SPORTIVA」「montrail」などを思い浮かべる人が多くいると思う。

実際にどのメーカーも素晴らしいシューズが多く、人気なのも納得なわけだが、BBGっていうひねくれもんサイトは「あえて」という言葉が大好物である。

そう、今回はあえてメジャーブランドの「アディダス」「ニューバランス」をチョイスした。

素直に人気シューズを取り上げればアクセス数も伸びるだろうに…。

とは言え、決して天の邪鬼精神だけで決めたわけではない。

アディダスは海外での評価も高く、僕の周りでも「いいよ!」って声が多くあったので、是非一度試してみたかったのである。

ニューバランスは見た目で選んだところが大きい笑

トレランシューズっぽくないデザインに惹かれてしまった。

④を選んだ理由は、そもそも天気の悪い日(雨が降ると分かっている日)には行かない。というのと、GORE-TEXだとムレるし、乾きが遅いという理由。

重量

アディダス「TERREX AGRAVIC(テレックス アグラビック)」317g(26.5cm)

ニューバランス「Fresh Foam Hierro v3」347.5g(26.5cm)
※日本での商品名は「FRESH FOAM HIERRO M D3」となっていましたが、本国の「Fresh Foam Hierro v3」で表記させていただきます。

最近のトレランシューズの中では重たい部類に入るが、それでも十分軽い。

グリップ対決

まずはそれぞれのアウトソールから紹介する。

アディダスは、ドイツの有名なタイヤメーカーである「Continental(コンチネンタル)」社のラバーを採用している。

日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、ドイツの高級車も採用する世界シェアTOP5に入るタイヤメーカーである。

アディダスは、2009年から今日まで長きに渡りコンチネンタル社とタッグを組んでおり、その信頼性の高さが伺える。

マウンテンバイクのタイヤををイメージしたというソールパターンは路面をがっちり捉えてくれそうである。

ラバーは柔らかめで、初めて会社のフローリングの上で履いたときには歩くたびにネチャネチャするため「糊でも付いてるのか?」って思ったほど。

対するニューバランスは、BBGの大好物 ビブラム社の「メガグリップ」。

滑らないソールの代名詞とも言えるメガグリップは、今現在多くのシューズで採用されていることから分かる通り、信頼と実績はNo.1といっても過言ではないだろう。

ソールパターンは、多方向へのグリップを意識した六角形のハニカムパターン。

では、実際にフィールドでのグリップ性能はどうだったのか?

グリップ対決は「アディダス」に軍配!

初めてコンチネンタルラバーを体験したが、このグリップ性能はヤバい。

特に下りでのグリップ力は素晴らしく、ズルっと行くのはいつもニューバランスの方だった。

左右異なるシューズを履くと性能差がよく分かる

ただし、メガグリップの性能が劣るというわけではなく、ソールパターンの差が大きいように感じる。

ニューバランスも、もう少しラグの深い矢じり型パターンであれば、結果は違っていたかもしれない。

全く滑らないということはなく、濡れた木の根や倒木などは、両シューズとも滑った。

ラグが深い分、落ち葉の上やぬかるみなどでは明らかにアディダスの方がグリップした。



クッション性対決

アディダスは、ランニングシューズでも定評のある「ブーストフォーム」がミッドソールに使われている。

下の凹凸のあるミッドソールが「ブーストフォーム」

「ブーストフォーム」の特徴は、高いクッション性と反発力。

整地されたロードを走るランニングシューズには、全面にこのブーストフォームが使われたモデルもあるが、フワフワするため、トレイルモデルは安定性を高めるためEVAとのハイブリッドになっている。

対するニューバランスは「フレッシュフォーム」というハニカム状の凹凸が付けられたミッドソール。

凸部分はつぶれにくいことで安定性を、凹部分はつぶれやすいことでクッション性を発揮できるよう足圧データを元に凹凸デザインを戦略的に配置することで、安定した着地と蹴り出しを可能にするというミッドソール。

アディダスの「ブーストフォーム」と素材こそ違うものの、クッション性と反発力に注力した素材だということは一緒である。

実際に履き比べてどうだったのか?

クッション性に関してはニューバランスに軍配。

肉厚なフレッシュフォームは、とにかくクッション性が抜群。

僕のような体重のある人間が京都トレイルや箱根外輪山のような長距離を走っても足へのダメージがほぼ無かったのは、高いクッション性のおかげだろう。

しかし、このフワフワなクッション性も一長一短。

急な下りで勢いよく体重をかけると、ぐにゃり感があり、若干安定性に欠ける。

着地の安定感で言えばアディダスのほうが優れている。

柔らかすぎない、コシのあるクッションは、体重の乗った激しい下りもブレを感じず、着地がしやすい。

ロングハイクであればニューバランスのクッション性は非常に足に優しいが、少し攻めたランではアディダスの方が地面の状況を把握しやすく、走りやすかった。

フィット&ホールド対決

まず僕の足型は「甲高・幅細め(ワイズE・ギリシャ型)」で普段26〜26.5cmの靴を着用。

ミッドソールが大きく広がった形状になっているため、一見ニューバランスの方が幅広に見えるが、実際はアディダスと同様、ワイズは若干細め。

両シューズともサイズは26.5cmで幅はジャスト。

つま先に若干の余裕がある。

アディダスはこのシューレースデザインが意外に効いていて

足先部分をしっかりフィットさせてくれる。

EVAシュータンは、はじめ「この薄さで大丈夫かな?」と思ったが、全く問題なし。

と、つま先から甲までいい感じのフィット感だったにも関わらず、残念なのがかかとのホールド感。

ヒールホールドの作り込みが甘く、かかとが浮いてしまう。

とても良くできたシューズだっただけに、この点だけが非常に残念である。

ニューバランスの方は、いい意味でルーズ。

このアッパー素材は、ちょっとムレる。

「HYPOSKIN」というフレキシブルな素材のアッパーは、締めつけ感が強すぎず、指がよく動く。

つま先のルーズな感じとは裏腹に、甲の締め付けはややきつめ と言うか低め。

若干甲高気味の僕の足だと、紐をキツめに締め長時間履くと足が痛くなってしまことがあった。

ヒールホールドの出来は素晴らしく、かかとが浮いてしまうようなことは全く無い。

もう一つ素晴らしいのが、靴下が取り付けられているようなデザインの履き口。

隙間なくピッタリフィットするので、砂や小石が入ることもなくゲイターいらず。

パックラフトで遊んだときにも履いたが、砂利が入ってくることも一切なく、快適だった。

濡れた岩には強いメガグリップだけあって、川遊びでも積極的に使えた。

ただし、苔の上は滑るので注意が必要(あたりまえか笑)。

耐久性対決

両シューズとも耐久性は高く、アッパーが破れたり、ソールが剥がれたりすることは今の所 全く無い。

ただ、ニューバランスの方は、若干アッパーの素材が緩く?伸びて?きている気がする。

一方、アディダスはと言うと、全くと言っていいほどダメージを感じない。

100km近く走ったシューズとは思えないほど、アッパーに折れぐせが付いたりヨレたりすることなく、ピンと美しいまま!

冒頭であげた人気ブランドのシューズでも、接着が甘かったり、接着の糊がはみ出していたり、すぐに破れてしまったりと、ガッカリすることが少なくない。

それに比べ、このアディダスの「TERREX AGRAVIC」は、靴としての完成度(クオリティ)がめちゃくちゃ高い。

壊れる気配が全くしない。

ということで、耐久性対決は「アディダス」に軍配。

やっぱりアディダスのような超巨大ブランドともなると、資本力が並のシューズメーカーとは桁違いだと思うんです。

莫大なデータ収集から研究開発費をかけて企画したシューズを、高度な技術を有する生産工場で形にする。

いやー、アディダスクオリティには恐れ入りました。

まとめ

メーカー アディダス ニューバランス
アイテム名 TERREX AGRAVIC Fresh Foam Hierro v3
アイテム画像
メーカー価格 15,000円+税 13,500円+税
サイズ 24.0〜32.0cm 25.0〜30.0cm
カラー コアブラック DARK GRAY
BUY NOW US New Balance

※写真クリックでメーカーHPへ
※ニューバランスはすでに国内で販売していないようなので、海外オフィシャルページへ

履いてる人が少ないという理由から選んだ両シューズでしたが、思っていた以上にいいシューズでした。

ニューバランスは圧倒的なクッション性とトレランシューズっぽくないデザイン。

アディダスは、かかとの浮きさえなければ、レースでも使えるクオリティだと思います。

若干カラーが異なるため、甲乙つけがたいですが、トレランシューズとして履くなら僕は「アディダス」を選びます。

高いグリップ性能と耐久性・靴としての完成度の高さは素晴らしいと思いました。

みなさんもスポーツ量販店で扱っているというだけで、メジャーブランドを軽視していませんか?

変な固定観念は捨ててみましょう。

そうすれば、きっと良いシューズに巡り会えると思います。

個人的には、今後アディダスは要チェックだなー。

以上、アツシオガワでした!

押忍!