真冬でも動けば汗をかくびちゃ男の僕は、冬の行動着にいつも悩んでいた。ハードシェルを着ると暑い、脱ぐと寒い。あけてーしめてーあけてーしめてーあけてーしめたら暑くて登れなーい!だがついにびちゃ男ヒゲゴリラはこの冬、運命的な出会いを果たすこととなる。わがままな僕にずっと寄り添ってくれた君…もう離さない、離したくない。
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特徴&スペック
アークテリクスのインサレーション(化繊)ジャケットといえばBBGでも希子ちゃんと低血圧Mちゃんが紹介してくれた大人気のアトムシリーズがあるが、
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僕が今回紹介するのは2016年にデビューしたプロトンシリーズ。
左からARフーディ、LTフーディ、LTジャケット、LTベストと全4種類展開されている。
その中でも一番保温性の高い「プロトン AR フーディ」(以下プロトンAR)をレビューする。
LTかARかで悩んだが、厳冬期にハードシェルの代わりとして使用することを想定し、ARフーディをチョイスした。
アトムシリーズと比較すると、まず大きな違いはミッドレイヤー向きかアウター向きかという点。
アトムシリーズには保温力に定評のあるアークテリクス独自の中綿「Coreloft™(コアロフト)」が使われている。
一方、プロトンシリーズはと言うと、近年各メーカーが力を入れている動的保温カテゴリーの商品(より通気性を意識したインサレーションジャケット)で、中綿にはコアロフトを改良した「Coreloft™ Continuous(コアロフト コンティニュアス)」が採用されている。
「コアロフト コンティニュアス」はDWR(耐久性撥水)加工されたポリエステルフィラメントで構成された素材。
「コアロフト」に比べ密度を薄くし、より透湿性を意識した新開発の中綿である。
今回レビューするプロトンARには、「コアロフト コンティニュアス」がボディとアームに90g (90g/m²)、フードに65 (65g/m²)仕様されている。
表面生地はアトムシリーズで採用されている「Tyono(ティノ)」よりも耐摩耗性と耐風性・通気性のバランスを意識したソフトシェル素材の「Fortius Air(フォーティウスエアー)40」が使われている。
同社の「ガンマロックパンツ」や「ガンマLTパンツ」にも厚さ違いで使われており、耐摩耗性・ストレッチ性はお墨付き。
表面はDWR(耐久性撥水)加工されているので、少々の水気は弾いてくれる。
ポケットはチェストポケットが2箇所。
両サイドにハンドポケットが2箇所。
全てにジッパーがついているので、中身を落とす心配がない。
ジッパーと言えば、プロトンにも採用されている「No Slip Zip」という機能が変わっていて面白い。
フロント最上部より3〜3.5cmピッチで4箇所ジッパーが一時停止するようになっている。
このジッパーについては後のレビューで触れたいと思う。
袖口はフィット感のいいストレッチカフ。
ハードシェルのようなベルクロじゃないので脱ぎ着がとても楽である。
収納サイズはだいたいこんな感じ。
ポケッタブルや収納袋はないがフードにしまうことができる。
重量はMサイズで実測434g(メーカー公称値:425g)
感覚的にはパタゴニアのナノエアフーディと近い収納サイズである。
フィールドインプレッション
実際にフィールドで使ってみてどうだったのか。
テストフィールドは気温0℃の低山
気温マイナス5〜7℃ 大日ヶ岳
気温マイナス3〜10℃の甲斐駒ケ岳
気温マイナス5℃の入笠山
その他にも普段からとにかく着倒してテストした。
保温性
いきなりファジーに表現させていただくが、「ちょうどいい」という言葉がぴったりくる。
家を出てから山頂までリアルに一度も脱がずに着続けることができた。
やはり「熱くなりすぎない」ってことが着続けられるポイント。
オーバーヒートしにくい中綿は他にもあるが、抜けが良すぎて寒かったり、逆に保温性が高すぎて熱くなりすぎたりする。
しかし、プロトンARは適度な保温性と透湿性が高次元で融合している。
中綿「コアロフト コンティニュアス」の保温・透湿性能はもちろんだが、中綿のヌケを妨げず、しっかり冷たい風をシャットアウトしてくれるソフトシェル素材「Fortius Air(フォーティウスエアー)40」が特に素晴らしく感じた。
まるで温度調整をしているかのように快適温度をキープしてくれるプロトンAR恐るべし…。
透湿性
当然スタートしてすぐだったり気温が上がって来れば汗はかく。
しかし、中で熱がこもらないからフロントジッパーの開け閉めで調整でき、脱ぐ必要がない。
DWR加工してあるからなのか、汗をかいても中綿が濡れてしっとりする感覚がまるでない。
インサレーションジャケットのくせにポーラテックパワードライのベースレイヤーのように気づいたら乾いてしまっている速乾性の高さには驚かされる。
耐風性
かなり風の強かった甲斐駒ケ岳でも、結局一度もハードシェルを羽織ることなく登頂してしまった。
この時の気温はマイナス10℃。
風がかなり強く、体感温度はもっと低かったが、ベースにティートンブロスのパワーウールグリッドフーディ、ミドルにパタゴニアのR1(フード渋滞で後頭部ウザめ)。
たった二枚着込んでいるだけで行動中は全く寒さを感じなかった。
今まで通りプロトンARではなく、ハードシェルを羽織っていたら寒く感じていたことだろう。
着心地
もうハードシェルなんて着てらんねーぜ!ってぐらい着心地最高♡
全身使って登り降りする時も
小屋でまったりする時も
酔っ払って寝る時も
ずーっと着てられる着心地の良さ♡
パタゴニアのナノエアも「おばあちゃん家の布団」なんて表現されるぐらい、着心地が優しくていいんだけど、どうしても表面生地が薄くてアウターとして着るには気を使う。
その点、ソフトシェル素材のプロトンARは擦れて毛玉になることもないし、酔っ払ってお酒をこぼしたって弾いてくれるからシミになることもない。
気を使わなくても良い点も着続けられる理由だ。
サイズ感
173cm、72kg、ガッチリ体型で「M」サイズを着用。
「S」サイズと迷ったが、中に着込むことも考えて「M」サイズにした。
でもちょっと大きかったかなぁ?
LTなら迷わず「S」にしてたと思います。
要望
チェストポケット
便利なチェストポケットですが、携帯を入れていたらえらいこっちゃ状態に!
携帯が透湿の邪魔をしてか、ポケットの中がアツシ汁でべっちゃべちゃ。
この後びちゃポケットになるのを恐れて何も入れられなかったよー。
それだけよく透湿している証拠なんですが、もう少し何とかならないかなー。
せっかく使いやすい位置にあるポケットなのに〜。
ジッパー(ファスナー)
冬の時期のアウターとしての使用を想定しているのであれば、ダブルジッパーがよかったなーと。
トイレの時だったり、ハーネスつけたりする時もダブルジッパーの方が便利だと思う。
あと、冒頭にも触れた「No Slip Zip」ですが、すんごいアークらしいこだわりを感じる部分ではありますが、正直普通のジッパーのほうがいいんじゃないかと。
普通にジッパーを下ろしたい時にいちいち引っかかる。
片手で開けられるっていうメリット?もあるんだけど、普通に好きな位置で止まってるジッパーのほうがいいと思う。
下の方に下ろしとくと、いつの間にかシャーって開いちゃうし。
まとめ
久しぶりのスーパーヒットウェアに巡り合ってしまいました!
今まで動的保温系のウェアを何着か着てきたけど、抜けが良すぎて寒いか保温性が高くて熱くなりすぎるかのどちらかで、結局着たり脱いだり忙しかったのが、プロトンARはリアルに着っぱなし。
汗っかきなくせに、それが冷えて寒いというわがままBODYの持ち主にはコレ以上ない快適性を提供してくれます。
Arc’teryx(アークテリクス)「PROTON AR HOODY(プロトンARフーディ)」
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インサレーションとしてもソフトシェルとしても使える機能性に、普段街着としても着られるデザイン性の高さはさすがアークテリクス!
こんな完璧ウェア、アークパイセンのことだしお高いんでしょー?と思う人も多いと思うが、なんと税込みで35,640円!(LTフーディなら税込30,240円!)と他のメーカーと遜色ないどころか、安いんじゃ?と思える値段設定!
ソフトシェルとインサレーションを2枚買うことを思えばめちゃくちゃお買い得です。
寒い時期の行動着にお悩みのわがままBODYなアナタ!
アークパイセンがその悩みを解消してくれるかもです。
以上、びちゃ男がこの冬愛した「プロトンAR」のお話でした!
押忍!