超久しぶりに新規ライター加入です!OMM BIKE記事でお馴染みのマツモト軍曹!!先日行った乗鞍スカイラインのヒルクライムの様子を記事にしてくれました!!一緒に行かなくてよかった〜笑(本文・マツモト軍曹)
自己紹介
皆さん、こんにちは!
OMM BIKEなどの記事で、最近ちょくちょく出没しております『軍曹』ことマツモトです。

普段は記事に登場するだけの私が、自分で記事を書くなんて無理無理!
……と思っていたのですが、齢50を迎えて、孫も生まれ
見事「リアルおじいちゃん」の仲間入りを果たしたタイミングで……
何を血迷ったのか
「僕にも記事を書かせてください!」
とヘンシューチョーにLINEをしてしまいました。
……ええ、お察しの通りです。
今、あまりの筆の進まなさに激しく後悔しております(笑)。

でも、ずっと憧れだったBBGに自分の記事を残せるなんて、冥途の土産にはもってこい。
シロートの初挑戦ゆえ、どうか太平洋のように寛大な心でお付き合いいただければ幸いです。
乗鞍岳ヒルクライム
さて、今回私が挑んできたのは「乗鞍岳」。
北アルプスの南部、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる剣ヶ峰(標高3,026m)を主峰とする名峰です。
もちろん麓から己の足で登るハードなルートもあるにはあるんですが、メジャーなのはバスやタクシーに課金して、標高2,702mの「畳平」まで一気にワープする方法。
おかげで木曽駒ケ岳と並び、日本一お手軽に行ける3000m峰として有名ですよね。
しかし! 今回のメインディッシュはあくまでその畳平まで続く道。
そう、ヒルクライマーの聖地とも言われる【乗鞍スカイライン】です!
(※岐阜県側が乗鞍スカイラインで、長野県側は乗鞍エコーライン)
- 「夏は暑すぎて自転車ムリー!」とか言ってる軟弱野郎に登れんのか?
- 近所の雨沢峠すらまともに登りきれない俺に登れんのか?
- っていうか、そもそもロードバイクですらない俺に登れんのか!?
そんな悩み(言い訳)を抱える全国の同志たちへ、軍曹が身体を張ったリアルガチレビューをお届けします。
絶望のルート計画と、ウォシュレットの歓び
乗鞍スカイラインにはマイカー規制があり、その規制ゲートがあるのは「平湯峠」です。
以前はこの平湯峠にも数十台停められる駐車場があったのですが、現在は工事ヤードとなっており駐車不可。
そのため今回は、登山バスの発着所でもある
「ほおのき平駐車場」を利用しました。
ここの駐車場、なんと無料で利用できるうえに、水洗トイレ(しかもウォシュレット付き! お尻に優しい!)も完備。
前乗りで車中泊をするおじさん達にも安心のホスピタリティです。
ただ、ここで一つ大きな問題が。
ルートの標高差と距離です。
- 平湯峠スタートの場合: 標高差 約1,000m / 距離15㎞弱(平均勾配7%)
- ほおのき平駐車場スタートの場合: 標高差 約1,500m / 距離20㎞弱(平均勾配7.4%)
……おわかりいただけただろうか。
駐車場が変わるだけで、標高差は1.5倍、距離も1.3倍強に跳ね上がるのだ。
この絶望的な事実を前に、軟弱野郎の私は「少しでも平湯峠に近い駐車場はないか…」と血眼になってGoogleマップを徘徊しました。
五色ケ原あたりが目に付きましたが、公式に駐車OKのアナウンスもなく、実際に行ってみるとバリケード付きの工事ヤード状態。
国道158号線の分岐手前やゲート手前の路肩にも数台停められそうなスペースはありましたが、不確定要素が多すぎて精神衛生上よろしくありません。
結論。素直にほおのき平駐車場に停めましょう。
ウォシュレットもありますし。
ちなみにスカイラインの規制ゲートは夜間閉鎖されます。
この日は朝6時開門予定でした。
(※今年は無いですが、ご来光バスが走る時は時間が早まったり、時期によって変動するので必ずオフィシャルサイトで確認を!)
そして始まる『押し歩き』の快進撃
6時の開門時間にドンピシャで合わせるため、朝5時にほおのき平駐車場を出発。
ぼちぼちペダルを回し……いや、早々に伝家の宝刀「押し歩き」を交えながら、ようやく乗鞍スカイラインへの分岐に到着しました。

ここからさらに勾配がキツくなります。 先の長さを考え、足の温存を最優先にした私は
この分岐から「全く漕がずに押し歩きに徹する」という英断(敗北宣言)を下しました。
バスの出発前とはいえ、分岐以降のルートでも4、5台の車に追い抜かれたので、自転車を押す時も左側通行を心がけましょう。
イヤホンとかをつけてなければ、車のエンジン音で確実に気づけるはずです。

そして、ようやく規制ゲートへ到着!
ほうのき平駐車場付近の気温表示は20℃だったというのに、すでに全身汗べちゃお気味。
しかし、到着と同時にゲートが開門するという、まるでドラマのような神タイミング!
「おお!今日の俺は持ってるな!」と鼻息も荒くなります。

タイミングが良すぎたため、大した休憩も取らず、先行する2名のサイクリストに続いて勢いよくスタートを切ってしまいました。
ゲート前のおじさんの「頑張って!」という優しい声援に、思わず無駄な力が入ります。
しかし……この「ノーモア・ブレイク(休憩なし)作戦」が、後々恐ろしい悲劇を引き起こすことになるとは、この時の軍曹は知る由もなかったのです……。
神ガードマンの励ましと、怪しい雲行き
最近の地球はおかしいですからね、ゲリラ豪雨なんてしょっちゅうです。
乗鞍スカイラインも例に漏れず、近年は土砂崩れで何度か通行止めになっていました。
現在は復旧が進んで通行可能ですが、所々で片側交互通行の区間が残っています。

そこに立っているガードマンさんたちが、これまた全員めちゃくちゃイイ人!
すれ違いざまの「お気をつけて〜」という温かい言葉に勇気をもらいまくった結果、本来ならソクタイ(即退避・即押し歩き)したい激坂区間だったのに、見栄を張って思わずペダルを回しちゃいました。

スタートから30分ほどで「夫婦松展望駐車場」に到着。
しかし、現在は工事ヤード化しており立入禁止、トイレも閉鎖中です。

この時点での天気は……うーん、実に微妙。
出発直前までスマホで天気予報とにらめっこしていましたが、「あ、これ今回は天気外したかも……」と一気に弱気モード突入です。
白馬に舞い降りた伝説の攣り師、降臨
気を取り直し、一番軽いギア(インナーロー)に入れて、キツいながらも調子よく登っていきます。
「フッ、一番軽いギアさえ使っていれば足も残るし、意外と俺イケてんじゃね!?」
……なんて余裕をかましていた、その時でした。 ピキッ。

……やべえ!! 普段から釣りは一切しないが、『攣り(つり)師』である私は即座に理解しました。
「マグネシウムが足りてねえ!!」

白馬で両足が激攣りし、カクカクとした見事なロボットダンスを披露したあの惨劇の二の舞はごめんです。

だが今回は一味違う! 秘密兵器『マグオン』をちゃんとポケットに忍ばせているのだ! すかさず口へ速攻注入!!
ふぅ、これで一安心……と思いきや。 ほんの少し進んだところで、両足に限界突破(MAX)の違和感が炸裂!
たまらず自転車から跳び降りました。
「あぅーーーーーーーー!!クックックゥーーーーーーーー!!」
チャリを降りた瞬間、直立不動!!
出ました、ここに【白馬に舞い降りた伝説の攣り師】堂々の再降臨。

声にもならない嗚咽を漏らしながら、痛すぎて座ることもできず、ただただ道路の脇で直立不動で立ち尽くす50歳。
いててててて! マジで足曲がらねえ!!
休憩したくても膝が折れないから座れねえ!!
これ、直らなかったら俺どうやって山から下りるの!?

頭の中で様々な感情がぐるぐると渦巻きますが、この時の私にできたのはハンドルを固く握りしめ、まるで昔からそこに佇んでいるオブジェのように立ち尽くすことだけでした。
(BBGマニアとしてはここは是非とも己撮りをしたかったのですが1ミリも余裕なかったです……)
絶望の押し歩き修行と、すまし顔のビクトリーロード
永遠とも思える地獄の時間を経て、ようやくなんとか足が動くように。
しかし、とてもじゃないがペダルを漕ぐことは不可能。
一度でもペダルを踏み込んだら、あの悪夢が1秒で巻き戻ってくるのが手に取るように分かります。
……押し歩きしかねぇ。

幸い、二足歩行なら騙し騙し行けそうです。しかし現在地はまだゲートから半分程度。先は恐ろしいほど長い……。
「最悪、キツかったら押し歩きで行けばいいや〜」という甘すぎる事前計画の、見事なまでの『最悪パターン』にはまり込みました。
唯一の救いは朝5時に出発したこと。目標タイムをゲートから2時間半〜3時間に設定していたため、ここから全区間を押し歩いたとしても、9時前には畳平に着ける計算です。
すると、自らの両足を山の神に奉納したおかげでしょうか。

どんよりしていた天候がみるみる回復! ふと視線を上げると、雲の合間から美しい「白山」がドーンと浮かび上がっているではありませんか!
テンション上がりまくりです! しかし、そんな『浮かれポンチ』な気分とは裏腹に、自分の足はピクリとも漕ぐことを拒絶しています。
ただひたすら押し歩きの修行道を、トボトボと歩を進めるおじさん。
後ろから追い抜いていくバスやタクシーから容赦ない視線が降り注ぎますが、当然目を合わせるメンタルなど残ってはいません。

ですが、そんな絶望状態の私を、雲上の絶景ワインディングロードが優しく包み込んでくれました。
まさにここでしか体感できない天空のプロムナード。
自転車を持っている人には心からお勧めしたい!
(ただし両足が攣っても一切の責任は持ちませんが)


そしてついに……北アルプスが誇るオールスター「槍穂高連峰」が姿を現しました!!
自分の愛車と、バックにそびえる槍穂!
ありえない大絶景にウハウハが止まりません!

写真だけ見れば「過酷なヒルクライムを乗り越えた勇者へのご褒美」のように見えますが
その実態は「ただ単純に帰り道がだるいから自転車を持ってきただけのおじさん」です。
ここまで来れば畳平はもう目と鼻の先。
ありがたいことに足も落ち着き、ゆっくりであれば漕げるまでに回復してきました。

絶景のビクトリーロードを「さも麓からノンストップで漕ぎ切りましたよ」というドヤ顔(すまし顔)で進み、ついに畳平へゴール!!
ああ、よかった……本当に良かった……畳平までずっと押して歩くことにならなくて。
(周りの観光客の方々には、ゴツいMTBで坂を攻略してきた英雄に映っていたことでしょう)

途中マジでどうなるかと思いましたが、無事にゴール!!
到着時刻も8時40分と、奇跡的に当初の予定通りのナイスヒルクライム!(←おい!)
エクストラステージ / お手軽お気軽 乗鞍登山
しかし、今回はここでは終わりません!ここからはエクストラステージ!
畳平に常設されているサイクルラックに愛車をデポし、乗鞍岳登山へ出発です。
ちなみに到着時の畳平の気温は10℃。火照った体には最高の気温でした。


実は、乗鞍岳に登ること自体が今回初めて。
バスでサクッと山頂に行くのは自分的に物足りない気がする。
かといってクマの目撃情報が多数寄せられる乗鞍岳を、麓からトボトボ歩いて登る勇気もない……。
そこで閃いたのが「大好きな自転車(ヒルクライム)と掛け合わせる」というハイブリッド作戦でした。
これなら物足りなさはゼロ(実際、ヒルクライム中にエクトプラズム放出寸前まで追い込まれましたし)
しかも万が一クマに出会ってしまっても「チャリの下りスピードなら逃げ切れるだろ!」という完璧なロジックです。
もちろん熊鈴もちゃんと装着していきましたが、幸いクマの影すら見られませんでした。

まずは乗鞍本宮にご挨拶。
ルートは大黒岳→富士見岳→剣ヶ峰をチョイス。
時間が早かったおかげで大黒岳は人もまばらで、槍穂高の絶景を心ゆくまで堪能できました。

しかし、富士見岳から剣ヶ峰への道中は一転して観光地さながらの大賑わい!
普段あまり山を登らない方も多く混ざっているため全体的にペースはスローですし、「登り優先」などの登山マナーもかなりフワッとしています。
ここは時間と心にたっぷりと余裕を持って進みましょう。

ちなみに、今回のトップスはMHW(マウンテンハードウェア)の「サンブロッカーフーディー」。

ベースになるフードジャケットを探していたところ、アウトレットで偶然見つけて即買いした一品。
生地が少し厚めなので真夏の低山には向きませんが、夏のアルプスや春・秋、さらには冬の低山まで幅広く活躍してくれそうです。
ヒルクライム区間はさすがに激熱でしたが、畳平からは快適そのもの。
ただ、風が強い場面では手が冷たくなったので、サムホールが無いのが唯一の惜しいポイントでしょうか。
まあ、好きなメーカーのロゴが入っているだけでご飯が3杯食べられるタチなので、これからもガンガン使い倒していきます!

肩の小屋で早めの昼食を済ませ、いよいよ最高峰の剣ヶ峰へ!

頂上小屋を経由して山頂へ向かうと、なにやら人だかりが。見ると、頂上付近にライチョウが3羽もいました!

しかしそこから列がまったく進まない……。
山頂での記念撮影待ちの大渋滞が発生していたため、サクッと回避。
山頂神社でお参りをして無事に山バッジを購入しました。並ぶのはさすがにダルいので証拠写真だけ撮って早々に下山開始です。


御嶽山や白山のような、いかにも火山らしいダイナミックなロケーション。
この異世界感がサクッと楽しめるのは人気があるのも大いに納得ですね。

肩の小屋まで下りてしまえば、あとは整備された遊歩道のみ。
サクサクと歩を進め、時期が終わりかけているお花畑を横目に見つつ、畳平へ無事帰還!

……クゥーーーーーー! 足がっ!! 最後のほんの少しの登り階段で、悪夢の「攣り」が再降臨……しかけましたが、なんとか大事に至らずに済みました(笑)。
KONAおじさんとの出会いと、極上の50分間
デポしておいた愛車を回収し、帰る準備をしていると、 「僕も昔、KONAに乗ってたんだよねー!」とダンディなおじさんに話しかけられ意気投合!
「特別理由はないけど、なんか好きなんだよねー」「安くて良いブランドだよね」
など、やっぱり趣味の合う人との会話は最高に盛り上がります。
「フルリジットでイカしたカスタムだねー」という最高のお褒めの言葉にデレデレと鼻の下を伸ばしながらお別れしました。
(ちなみに、畳平を見渡してもMTBで登ってきていたのは私1人だけでした笑)
最後に記念写真をパシャリと撮り、いざ「ほおのき平」へ向けてダウンヒルスタート!

いや〜〜〜〜、この下りの爽快感はマジで癖になりますね!!
あんなに苦しんで押し歩いた過酷な道のりが、下りならわずか50分ほどで駐車場へ到着。
途中で両足が攣って直立不動になるなど色々とありましたが、終わってみれば予定通り完璧にこなせました!

皆さん、いかがだったでしょうか? こんなヘタレな私でも無事に完走(完歩?)できましたので、「自分には無理かな…」と思わずにぜひチャレンジしてみてほしいと思います。
山好き・チャリ好きには本当にお勧めです!
次は長野(松本)側からの「乗鞍エコーライン」にも挑戦してみたいですね。
エコーラインに行く時はBBGBCのメンバーもぜひ巻き込んで、みんなで一緒に(足が攣って)逝きたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました!
また記事を書く機会が訪れるかは神のみぞ知るですが、その時はぜひお付き合いください。
ではまた!
