今回も山で実際に出会った不思議な人、変わった人を短編オムニバス形式でご紹介。なんでこんなにも変わった人を引きつけてしまうんでしょうか笑 ぎゃーーーーす!!!!(文・アツシオガワ)

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車中泊

東北旅をしていた私は、山形県のとある道の駅で車中泊をしていた。

 

後ろの荷室をフラットにし、僕の車中泊には欠かすことの出来ないEXPEDのリッツカールトンマットをセットし準備完了。

 

旅も後半、疲労も溜まっていたこともあり横になると一瞬で逝った。

 

ノンレム睡眠からレム睡眠へと周期が移行するころ事件は起きた。

 

なんと、突然運転席のドアがガチャッと開き、見知らぬ男が乗り込んで来たのである。

 

うぎゃーーーーす!!!!

 

 

あまりにビックリして飛び起きた私はその不審者に向かって

 

「にゃんだてへーこのやほう!(なんだてめーこの野郎!)」

 

呂律こそ回っていなかったが、まーまーデカい声で威嚇。

 

突然怒鳴られた男もビックリして

「ふいやへん!ふいやへん!(すみません!すみません!)」

 

と、呂律が回ってない状態で平謝りしながら小走りで立ち去っていった。

 

うぉー、ビックリしたー!

 

その男は隣に停まっていた車に乗り込み走り去っていった。

 

どうやら、自分の車を間違えて乗り込んできたようだ。

 

寝ぼけていたのか酔っ払っていたのかは定かではないがマジで勘弁してくれ。

失禁するかと思ったぞ。

 

施錠せずに寝ていた私も悪かったかもしれないが、車間違えないでよ(T_T)

 

寝てるときに知らないヤツが急に入ってくることほど恐ろしいことはないので、皆さんも車中泊する際はくれぐれも施錠をお忘れなく!

 

そして、寝ぼけて他人の車に乗り込もうとしないよう十分お気を付けください!笑

 

 

無視

南アルプスのマニアックルート。

笹山ダイレクト尾根をあがり、笹山から農鳥岳への白峰南陵を北上していた。

 

平日の南ア マニアックルートということもあり、だーーれもいない。

 

誰ともすれ違わないし、誰の姿も見かけない。

そうコレが南ア。

 

この静かな山歩きが出来るのがこのエリアの魅力の一つである。

 

笹山を過ぎ、大籠岳へのルートは開けた稜線を歩くルート。

南アらしくマーキングはほとんど無く、目印になるのは小さなケルンのみであった。

 

幸い見通しがきく天候だったので迷うことはなかったが、ガスったら道迷いしそうなエリアだなーっと思いながら進んでいた。

 

すると前方からソロの男性がコチラに向かって歩いてきた。

 

こんな平日にこのルート歩くなんて

かなりの好き者だなーなんて思いつつ、すれ違うときに挨拶をした。

 

「こんにちはー」

「・・・」

 

無視…!!

こちらをチラリとも見ない圧倒的無視…!!

 

おっさんにガン無視された…。

 

南アのこんなとこ歩いてるヤツなんてほぼほぼ社会不適合者だと思うが(お前もな!)、挨拶ぐらいせーや!

 

いや、挨拶しろは少々おこがましかった。

せめて会釈とかなんでもいいからリアクションしてほしかった。

 

北アみたいにすれ違う人が多くて挨拶するのが面倒っていうシチュエーションなら無視も全然気にしない。

 

でもさー、こんなマニアックルートで久しぶりに人に合ったんだから挨拶ぐらいさ…。

いや、人に会いたくないからこのルートに来たんだろう。

 

挨拶を無視したっていいじゃないか。

 

そんな事をすれ違ってから頭の中で十数秒考えた後、何の気なしに振り返った。

 

すると、おじさんの姿が見当たらない。

 

あれ?

ほぼ一本道の開けた稜線で、さっきすれ違ったおじさんが消えた。

 

へ?

オシッコするのにルートはずれたかな?

 

気になってしばらくおじさんの姿を探すがどこにも見当たらない…。

 

そんな訳ない

この見通しがいいエリアで数十秒後に姿が見えなくなるなんてありえない…。

 

え!?

倒れた!?

 

挨拶しなかったのも意識が朦朧としていたから!?

気になってザックをその場にデポし、来た道を少し戻ってみたが誰もいない…。

 

あーー

やだなーーー

 

こわいなーーー

そういうのいらないんだよなーーー

 

あっち系の人だったのかなーーー

 

また今夜ウイスキー一気飲みして気絶する必要があるのかーー

しかも今夜はこの稜線上でビバークするんだぜー

 

周りに誰もいないんだぜー

 

おわったーー

つんだーー

 

こわすぎるーー

 

でも足あったなー

昔見た幽霊は足なかったなー

 

その夜、風の音が誰かのしゃべり声に聞こえたり、登山道ではない場所でヘッデンのような光がチラチラしたのが見えたりしたが

「その手の安い脅しには飽き飽きなんだよ!」とブチ切れて寝た。

 

あー、南ア最高。

 

 

生首

平日にも関わらず蝶ヶ岳のテン場は混んでいた。

さすがは人気のテン場だ。

 

僕の隣には若いカップルがテント泊していた。

 

PM23:00

テントの前で星の撮影をしていたオガワ。

空には薄雲がかかり、星空撮影には微妙な天気。

 

思うように星空が撮れず、あーでもない、こーでもないとカメラの設定をイジっていた。

 

すると隣のテントで寝ているカップルの男の子が

「なんか変な声しない?」と言って寝ている彼女を起こしはじめた。

 

ごめん。

あーでもない、こーでもないって声が漏れちゃってたみたい笑

 

起こされた彼女はイライラしながら

「誰かいるんでしょ、早く寝なよ」と軽くキレている。

 

ポロッと発した独り言のせいで彼氏を怖がらせ、彼女をキレさせてしまった。

 

申し訳ない。

それにしても彼氏のビビりようったらもう、可愛い♡笑

 

ビビリン(男の子)の怖がり方があまりにも可愛いので少しいたずらしたくなってしまったオガワ。

ちっちゃーな声で「疲れたぁ」とささやいてみた。

 

絶妙なワードセンス。

「疲れたぁ」は、絶妙に怖い。

 

すると間髪入れずにビビリンは

「ほらほらほら!いま疲れたーって!聞こえたでしょ!?」

 

彼女「だからー、誰かが外にいるんだってば!明日も早いんだから早く寝なよ!」

 

またまた彼女をブチ切れさせてしまった。

 

ほんと申し訳ない。

2回目はわざとやりました。

 

それにしてもビビリンが可愛すぎる♡笑

 

これ以上のいたずらは悪趣味なので一旦就寝。

2時間後に雲が切れていることを願って眠りについた。

 

AM1:00

再度星空を撮影するために起きた。

寒かったのでとりあえず寝袋に入ったまま、空の様子を伺うと雲はなく、キレイな星空が広がっていた。

 

しかし、寒い。

寝袋から出たくない。

 

めんどくさかったのでテントの出入り口から顔だけ出し、寝転がりながら星空を撮影していた。

 

すると小屋の方からひとつのヘッデンが近づいてくる。

おそらくトイレに行っていた人が戻ってきたんだろう。

 

だんだん近づいてくるヘッデン。

30秒ほどシャッターを開けているので、その間じっとテントから顔だけ出して横たわるオガワ。

 

近づくヘッデン。

微動だにしないオガワ。

 

ヘッデンの光が生首オガワを照らした瞬間

ビビリンの叫び声が寝静まる真夜中のテン場に響き渡った。

 

ぎゃーーーーす!!!!

 

おわり