レインウェア アンダー200gカテゴリーで今シーズンの大本命と言っても過言ではないのがTHE NORTH FACEから登場した「オプティミストジャケット」。わがままBODY達の為に「軽いのに全部盛り」で応えてくれたノースフェイスの本気ウェアをアツシオガワと鬼ころしSがレビューします。今回も物欲スイッチつんつんするんで覚悟してくださいね。文・アツシオガワ
[toc]
素材
オプティミストジャケットのメンブレンは、日本のハイパーマテリアル製造機「東レ」が開発した防水透湿素材「エントラント®」をベースにノースフェイス(ゴールドウィン)が特別チューニングした「6D HYVENT® Flyweight(3層)」という素材が使用されている。
そのスペックはなんと、耐水圧20,000mm、透湿性40,000g/m2-24h(B-1法)というハイパースペック!
とにかくドライ感にこだわったジャケットになっています。
肌面には特殊な「7Dナイロントリコット」を採用しているため、汗をかいても張り付きにくくなっている。
シーム処理もご覧の通り丁寧で美しい。
ストレッチ性も高く、しなやかなので、まるでウィンドシェルを羽織っている感覚です。
パックサイズ
パッカブル使用ではなく、付属のスタッフサックに収納するタイプ。
スタッフサックはジャケットが収納できるギリギリの大きさ。
最後はギュッギュッと押し込む感じ。
個人的にはもう少し余裕のあるスタックサックの方が収納が早くて楽だし、生地も傷めなくて済むかなーと思う。
重量
スタッフサック4グラム、本体183グラム、Lサイズでトータル187グラム。
アークテリクスのスコーミッシュフーディ(ウィンドシェル)が155グラムなのを考えると、3レイヤーのレインウェアが183グラムというのはとんでもない軽さだ!
防水性・耐水性
雨の日の渓流釣り
土っ砂降りの低山
5月上旬の燕岳
いずれも雨の中テストを行った。
耐水は問題なし。
レインあるあるの「あれ?染みてきてる?ん?汗か?」ってやつも、釣行時にしっかりテスト済み。
汗を全くかかない状況(釣行時)で長時間雨に打たれたが、全く染みてくることはなかった。
撥水力に関しては、去年も行ったレインウェアのテスト同様、結構早い段階で表面生地に染み込んでしまった。
[kanren postid=”5560″]
撥水スプレーの比較テスト時にも記述したが、環境問題の観点から昔のような強力な撥水剤を使用できなくなってしまったので、現状は致し方ないのかもしれない。
[kanren postid=”6868″]
各社メンブレンの開発競争が激化しているが、是非撥水力が持続する表面生地の開発にも力を入れていただきたい。
どれだけ透湿性に優れたメンブレンでも、表面生地が保水した状態では性能を発揮できないからね!
透湿性&ベンチレーション
北アルプス3大急登のひとつ「合戦尾根」で登り始めから途中の合戦小屋まで着っぱなし。
透湿性の高さを実感することができた。
もちろん運動量が上がってくると暑くはなるが、生地の透湿性とベンチレーションとのコンビネーションで不快なムレは感じなかった。
むしろ止まると寒いほど。
生地が薄いので、表面が保水して風に吹かれると結構寒い。
トレランやファストパッキングなど、動き続けるスピード重視向けのアイテムなので、保温性まで欲張ってはいけない。
とにかく暑がりな私。そんな私でも脱ぎ着をせず着続けられたのはGoodでした!
ところで皆さん、透湿性の検査方法ってメーカーによってバラバラなの知ってました?
JIS-A1、JIS-B1、RETなど検査方法が違う数字を各社公表してるんですよ。
検査方法が異なるのに数字を比較するのはナンセンスですよね(同じ検査方法で比較するのはアリ)。
今後 透湿性の数字はあくまで目安として捉えたほうがいいかもしれないです…。
じゃあ、購入する時にユーザーは何を基準に比較したらいいの!?もー!!
って愚痴はとりあえず置いといて、「山と道」さんがめちゃくちゃタメになるレインウェアの実験をされてますので興味のある方は是非!
透湿性の数値は参考程度にしておいて、僕が最近注目しているのがベンチレーション。
ベンチレーションは嘘つきません。
効果的に機能すれば透湿性云々なんてチンケなこと気にしなくなります。
で、このオプティミストジャケットのベンチレーションが最高!って話し。
フロントに設けられた大きなベンチレーションポケットがムレを効率よく吐き出してくれます。
わかりやすく裏返すとこんな感じ。
黒い部分がメッシュになっています。
これだけ大きなベンチレーションなら当然排出されるムレもゴイゴイスーな訳です。
ベンチレーションは、風がないと効果を感じにくいかも。風のある日やトレランなどで走っている時でしたら効果バツグンだと思います!
ウエストハーネスにも干渉しない点もGood!
右ポケットには、貴重品を落とさないためのセキュリティポケットが設けられている。
これで貴重品を落とす心配もなく、思い切ってベンチレーションをフルオープンにできますね!
メッシュポケットは汗をかくと濡れてしまうので入れておけるものは限られるなーと。引っかかりそうなものも注意が必要ですね。
個人的には脇の下のベンチレーションより断然フロント派。
一人で脇下のベンチレーション開け閉めできます?
まーまーしんどくないです?
バックパック背負ってたらなおさら難易度上がるし、頑張って開閉しようとすると背中や脇腹ツルし。
ああ!もう!ってなって結局開けっ放しだったり、閉めっぱなしなんてことに皆さんもなってません?
その点、フロントベンチは開け閉め楽々♪
進行方向からダイレクトに風が抜けるから、中のムレもシュワー♪
脇下ベンチより効果を実感できます!
ただ、雨が強い時はフロントベンチ全開にするとまーまー濡れるんで注意が必要です。
着心地
トレランやファストパッキングを意識したアイテムなので、風の抵抗や腕振りなども考えてシュっとした細身のデザイン。
上の写真は、ベースレイヤーにティートンの「アフトンJK」を中に着た状態。
レインジャケットってアームがダボッとしたデザインが多い中、アームもボディもタイト目のシルエットでカッコいい。
ストレッチが効いているので、下に着込んでも突っ張らず、レインとは思えない着心地の良さである。
個人的にはもう少しだけ着丈(背中側)が長いと安心感あるかなー。
ウインドシェルとハードシェル(レイン)の中間のような着心地で、ゴワバリが苦手なわがままBODYの私でもストレスなく着られました。インポートによくある袖が長いとか首が長いとか地味なストレスも無くて良かったです。
フードデザイン
ベンチレーションの次にお気に入りなのがフード。
顔周りにユルめのゴムが設けられていて、それらが優しく包み込んでくれて、フィット感が最高なんす!
風が強いときなどは片手で調整できるドローコードで、しっかりフィットさせることも可能。
頭を動かしてもハードシェルのようにガサガサうるさくないし、突っ張らないからほんと快適。
襟は顎下までで低めの設定。
フード周りのゴムのフィット感が良かったので、ズレないですし強風だったり走ったりするにはバタバタしなくて良いです。ツバもないしヘルメット被れないなぁと思ったんですけど、フードの上にメット被ったら大丈夫でした笑
その他特徴
止水ジッパーは硬すぎることなく開け閉めもスムーズ。
ジッパータブも軽量化のために省かれていないのがGood!
袖口の調整は一般的なベルクロタイプではなく、珍しいボタンタイプ。
シャーリングのゴムが入っているので、この2箇所で十分!
ベルクロよりボタンのほうが使い勝手いいかも!
裾もワンタッチで絞れます。
いやー、これだけ軽いと細かい部分省かれてもおかしくないのに、全部入り!素晴らしいっす!
まとめ
※画像クリックでメーカーHPへ
※画像クリックでメーカーHPへ
いかがだったでしょうか、ノースフェイスの新作「オプティミストジャケット」。
軽量・コンパクト設計で見た目もスタイリッシュ!もちろん機能面も抜かりなし!
登山にRUNに釣りに、さらには街でも着たい!っていうわがままな自分にぴったりの万能レインウェアです。
オプティミストシリーズには他にも「ジップハイ」と「アノラック」タイプがあり、どれもカッコよくて迷ってしまうので注意が必要です。
ウィンドシェル、レインウェアの購入を考えている方にはぜひ一度手にとって頂きたいアイテムです。
以上、アツシオガワでした。
押忍!