日本のガレージメーカー『山と道』の大人気バックパック『MINI2』のレビューがBBGフレンズの「まっすー」から届きました!日帰りハイク&登山からテント泊まで、オールマイティーに使える『MINI2』の実力を徹底レポートしてくれています!
[toc]
はじめまして
はじめまして。カメラを始めてから平地の風景だけでは物足りず、山の絶景を撮るために登山を始めました、まっすーと申します。
無類のギア好きである私が実際に使っているファストパッキングのギアなどの使い勝手を皆様に少しでもお伝えできればと思い、レビューを書かせて頂くことになりました。
今回は、私の登山で一番使用率の高い『山と道』の ULザック、「MINI2」について使用感などをレビューします。
山と道のザック
『山と道』は鎌倉を拠点としている日本のU.L.HIKE&BACKPACKINGのガレージメーカーさんです。
『山と道』の商品は、経営されているご夫妻が実際の現場で何度もテスト&試作を繰り返してから商品化するため、細かいところまでユーザーのために配慮された製品が多いのが特徴です。(台湾にも取扱店舗があり、海外でも愛用者が!)
衣類なども取り扱っていますが、メインであるバックパック(ザック)は既製品とカスタムオーダーできるものがあります。
セミカスタムオーダーの製品に関しては受注期間が決まっており、さらに届くのは発注してから半年後くらいと、すぐ使えないのが難点ですが、忘れた頃に届くサプライズ的な演出になり、喜びを倍増させてくれます。
鎌倉のショップに実際の商品が置いてありますが、来店にも予約が必要で土曜日のみ。
実物を置いているショップが少ないので、実際の背負心地を試すことがなかなかできないのも難点ですが、非常に使いやすいバックパックが揃っています。
価格もわりと高価(ザック関係25,000円くらいから)でありながら、人気の商品や人気のカラーはすぐ売り切れてしまうほど。
山と道で取り扱っているザックの種類は4種類。
- MINI(25-30L)/デイハイクから1泊2日くらいまで汎用性の高いザック。8〜10kgくらいまで
- MINI2(25-35L)/MINIをよりウルトラライト・ハイキングやファストパッキングに特化したULザック。8〜10kgくらいまで
- THREE(40-45L)/MINIシリーズより一回り大きい中型ザック。10kg程度
- ONE(50-55L)/カーボンフレームが入った山と道の中で最大容量の長期縦走も可能なザック 11〜13kgくらいまで
そのうち私はMINI2とONEを持っていて使い分けています。
この2つのザックがあれば日帰り登山から2泊3日程度の縦走など、私のほぼすべての山行はカバー可能です。
重量、サイズ感
ザック自体の重さは350g(付属品を除く)で実測値 約414g(背面フレームとして4つ折りにしたスリーピングパッド、Minimalist Padの53g含む)
MINI2はフレームレスのザックですので、スリーピングパッドを4つ折りにしてフレーム代わりにしてザック自体を軽量化しています。
こういった1つの物が複数の役割を兼ねることにより、軽量化がはかれています。
素材
ザックの本体部分は30デニールのナイロン生地にシリコンとウレタンコーティングしたスカイライトと呼ばれる素材が使われています。
よくあるスタッフサックなどに使われてるようなペラペラでつるつるした素材です。
防水素材ではありませんので、別途レインカバーなどが必要です。
私は軽量化のため、レインカバーを使わず、ザック内で防水のスタッフサックを使用してます。
また、MINI2の大きな特徴であるフロントポケットは普通のメッシュより耐久性の高いハードメッシュが採用されています。
そしてボトムは耐久性がありそうな、ごわごわとした感触の素材『X-PAC VX21』が使われてます。
特徴
MINI2の特徴はなんといってもフロントの大きなメッシュポケット。
登山中、よくつかうものをガンガン収納可能です。
メッシュポケットは
- 目視しやすく、収納したモノが取り出しやすい。
- 濡れたウェアやテントなどをメインの収納部分を濡らすことなく収納できる。
というメリットがあります。
びちゃ男の私は登山中にすぐ汗だくになるので、ウェアの脱ぎ着が頻繁です。
そんな時も大きなメッシュポケットに適当にウェアを放り込めるのはとても便利です。
汗で濡れたウェアなども通気性のいいメッシュポケットに入れておけば、すぐ乾いてしまうところもお気に入りです。
この大容量メッシュのポケットはほんといい仕事してくれます!
大きなメッシュポケットは、私が使ってる自立式テントNemoのTani2Pとグラウンドシートがすっぽり収まるサイズ。
メッシュポケットの開閉操作も楽ちんです。
外から中身が丸見えなので、鼻をかんだティッシュとかは ぶちこまないほうがいいかもです。
メイン収納口は吹き出し部分が長いロールトップ構造なので、荷物の量に合わせてパッキングが可能です。
これにより日帰りから1泊から2泊くらいまでを可能にしていて、非常に汎用性の高いザックとなっています。
また、私が特に気に入っているのが、2本の500mlペットボトルが収納可能な大容量のサイドポケットです。
ゆとりのある大きさのサイドポケットなので、傘と三脚を同時に挿したりできるのでとても便利です。
またMINI2はフロントポケット両脇にループ式のコードがあるので、トレッキングポールなどの長物もサイドポケットと併用して取り付けることが可能です。
さらにさらにメッシュポケットの外側のバンジーコードも使えば、マットを追加でくくりつけたり、
さらにMINI2はオプション品も豊富で、自分なりの使い方にカスタムできるのも魅力です。
中でもザックの上に約9リットルの容量が増やせる『Stuff Pack XL』はオススメです。
荷物が増えるテント泊などの時にも『Stuff Pack XL』を取り付ければ簡単に容量をアップさせることができます。
パッキングを済ませ、最後にテントをこいつにズドン!とぶっこんで、ザックとマッスルドッキングすれば面倒なテントの撤収作業も楽々です♪
防水性と耐久性に優れたX-Pac生地を使用しているので(完全防水ではない)、濡れたレインウェアやテントなどをガンガンぶっこむことができます。
他にもクランポンやスノーペグを運ぶためのStuff Pack S/Lや
ウエストベルトに2つの収納を追加できるZip Packなどもあり
自分のスタイルに合わせて、カスタマイズできるのも汎用性が高いザックといえます。
他には細かい機能として、メッシュポケット部分内にキーフックがあったり、
ハイドレーションシステムに対応してたり、
背負い心地
肝心の背負心地ですが、パッキングした後に上部のロールトップとサイドをとしっかりとコンプレッションすることにより、体に密着して荷物がぶれないので走れるザックになります。
背中上部に吸い付いているような感じ。これがとても快適です。
このように背中にぴったり張り付くため、走ることもできます。
実際に、TJAR 2016(アルプスを縦断しながら415kmくらい走るトレイルランニングレース)でも山と道MINI2を採用している選手が数名いました。
ショルダーパッドの厚みもしっかりしていて横幅もあるため、長時間背負っていても痛くなりにくいです。
また、このザックは8kgくらいまでのパックウェイト(水、食料なども含む総重量)であれば、上半身で荷重を背負うため、ヒップベルトは要らない設計になっています。
実際、私もチェストベルトだけで快適に使っています。
一応、取り外し可能な簡易的なウエストベルトもついていますので、走る際など荷物がぶれないようにすることもできます。
パッキング例
MINI2にどれだけ物が入るのかパッキングしてみます。
無雪期1泊2日
これに水500ml×2を入れて約7〜8kgというのが、無雪期1泊2日の標準的な装備(重量)です。
積雪期1泊2日(低山)
積雪期1泊2日を想定したパッキングはこんな感じです。
一度、積雪期のテント泊もMINI2で経験しましたが、やはり軽アイゼンや冬用のダウンシュラフなどの持ち物が増えるため、このザックの最大荷重であるパックウェイト10kg以上になってしまい、背負心地がだいぶ変わりました。
具体的には約13kgの荷物を背負った際、チェストストラップへの食い込みが痛かったです。
上半身で背負うMINI2は腰に重量を分散できないので重い荷物の時はあまりオススメできません。
当然ですが、メーカーの想定パックウエイトを守るのがベターです。
MINIとの違いについて
形やサイズが似ているMINIとMINI2ですが、主な違いはメイン収納部分の素材がMINIは『70Dシリコンコーテッド・リップストップナイロン』に対して、MINI2は『30D スカイライト』。
また、フロントのポケットもMINIは『X-Pac VX07』が採用されているのに対して、MINI2は『ハードメッシュ』になっていて、比較するとMINI2の方がよりULライクなザックになっています。
が、しかし!
以外な盲点が!
なんとペラペラULライクなMINI2の方が10g重いんです!
MINI 340g、MINI2 350g
おそらくハードメッシュ部分が重量増に影響しているものと思われます。
価格と色
2018年1月現在、オンラインショップで購入できるカラーはGreen、Tan、Black、3色展開。
価格は25,500円+tax
気になった点
- 荷物が少なすぎるとザックの形がきれいじゃない。
ザックのメインの素材がペラペラ系なのでフレームの形になってしまう。MINIの方のX-Pac VX07の方がまだしっかりとした生地感のある素材なのでこうならないのかも。
- 極薄素材に気を使う
メイン部分がペラッペラの袋みたいな素材なので、ピッケル、トレッキングポールの先端など鋭利なものでひっかけないか気を使う。他にも藪漕ぎや岩場などが多い場所の登山での破損が心配。MINI2自体外付けを沢山するザックなので岩場や藪漕ぎは引っかかってしまうので向いてません。
- 修理が大変
上記に通じるところですが、いざザックが破れたりした際に、素材であるスカイライトはシリコンとウレタンをコーティングしてあるため、リペアテープが使えないので、修理が大変。直す場合は、シリコンベースの『SIL NET』という接着剤を使用します。
BUY NOW |
ウレタンベースのシームグリップだと補修できないっぽいです気をつけて下さい。私の使い方ですと今のところ特に破損などはしてません。
- サイドポケットの位置
ペットボトルを取ろうとしたときに、サイドポケットが垂直気味かつ背中の高い位置にあることもあいまって、私みたいに体が硬かったり、ユーコンさんのように四十肩だったりすると苦労します。対応策として、ちょっと面倒でもショルダーストラップを緩めて取るのが一番です。
- 背中の蒸れ
上半身でぴったり背負う機構でスリーピングパッドが入っているので、登山中は背中が蒸れます。私みたいな夏でも冬でもAlwaysびちゃ男はザックを降ろした時の背中の汗冷えが尋常じゃありません。これはオプションのMINI2用『背面ブレスパッド』というものがあり、フレームの4つ折りスリーピーングパッドと替えることで多少改善されます。
ただ欲を言えばこの背面ブレスパッド、オプションじゃなくて標準で付けて欲しいです!(笑)
『MINIオプション背面パッド』2,300円+Tax、『Stuff Pack XL』3,300円+Tax、『Zip Pack』3,000円+Tax…オプションを色々加えていくと高けぇっす…。
もうちょい安かったらうれしいなー。
まとめ
MINI2はこれらの気になった点が些細に感じるほど、とても良くできたバックパックです。
機能やオプションが豊富なので、使っていくうちに自分色に染まっていくのも愛着が湧いてGoodです。
日帰りハイキングから1泊2日のテント泊までいける非常に汎用性の高いザックですので、これから少しづつ荷物の軽量化をするためにULザックを検討している方への第一歩としても、おすすめできるザックだと思います。
MINI2の大きなメッシュポッケットや、ペラペラの生地がいかにもUL!って雰囲気でカッコいいんですよ〜(笑)
私は他にも山と道の製品を多数使っているので、また機会があればご紹介できればと思います。
以上、まっすーがお送りしました。
押忍