冬のパタゴニア特集第3弾!これからの季節、防寒と保温に欠かせないインサレーションジャケット。王道ブランドパタゴニアからも当然多くのインサレーションジャケットが世に送り出されているわけだが、単純に「で、どれが一番温かいの?」ってのがわかりにくいのが現状。そこで今回BBGはいくつかのパタゴニアのインサレーションジャケットを手に入れ、「どれが一番温かいのか」だけに焦点を絞って、北アルプス餓鬼岳山頂(2,647m)にてひたすら寒風に晒されてチェックしてまいりました!

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パタゴニアインサレーション比較

前置き

今回は「単純にどれが一番あったかいの?」ってとこに焦点を当てるわけだけれども、インサレーション(保温・遮熱)ジャケットは、本来は単純に「これ一番あったけえ!ベストバイだ!」なんて簡単に言えるもんじゃないんです。

アウターで使うのかミッドレイヤーとして使うのか、行動中なのか停滞中なのか、どんな状況下で使うのかetc…ってな具合に、その人の使用用途に合ったものを使うのがベスト。

暖かさは大したことなくても、メイン使用が行動中のミッドレイヤーとしてなら、汗で濡れても保温力を維持する薄手の化繊が良い。

一方、休憩中やテン場などの停滞時にしか使わないっていうなら断然ダウンがベストチョイスだ。

 

っていう前置きを一発入れたところで、それらを度外視した上で「単純にどれが一番あったかいの?」だけに焦点をしぼって、ユーザーさんの購入時の参考になればと思っております。

チョイスしたのはアウターとしてもミドルレイヤーとしても使え、夏場を含めてオールシーズン使えるような、パタゴニアの代表的な4着でございます。

 

選手紹介

パタゴニア「ナノ・パフ・フーディ」

171cm73キロMサイズ着用。

パタゴニアを長年支えてきた「都合のいいジャケット」ことナノパフシリーズ。とにかく汎用性が高く、夏場のアウターから冬場のミドルまで、そして山から街まで着倒せる便利な奴。保温に重きを置いて居るというより、やはり行動時での着用が生きてくるジャケットだ。防風性と耐水性に優れ、濡れても保温力は落ちない。化繊なので、気にせず洗濯できるのも魅力の1つ。

https://youtu.be/9C76tqxgUEc

 

パタゴニア「マイクロ・パフ・フーディ」

171cm73キロでSサイズ着用。

今年最も注目が集まっているのがこのマイクロパフだ。各アウトドア賞を総ナメにし、その化繊とは思えないダウンのような軽さと暖かさと収納力は多くの人の物欲を刺激した。BBGとしても「こんな軽くて化繊?ほんとあったかいのか?」というところが気になって速攻で入手。これが本当に暖かければ「革命」だ。縫い目を最小限に抑えながらプルマフィル・インサレーションのロフトを安定させ最大限にする革新的なキルト構造にも注目だ。

 

パタゴニア「ナノ・エア・フーディ」

171cm73キロでMサイズ着用。

こちらも数年前に登場した時は業界内に戦慄が走った。まずその「おばあちゃん家の布団」のような優しい肌触りと、行動中に長く着続けられる適度な通気性。そして伸縮性にも優れており、行動中のインサレーションとして確固たる地位を築いたナノエアシリーズ。ソフトシェルとフリースとインサレーションの特質を統合したかのような、ナノパフとはまた違った汎用性の高いアイテムだ。

 

パタゴニア「ダウン・セーター」

171cm73キロでMサイズ着用。

こちらも王道中の王道。今回唯一ダウンジャケットしてピックアップの「ダウン・セーター」だ。軽量で防風性もあり、フィット感も良い。800フィルパワーのトレーサブル・ダウンを使用し、夏場のテン場使用含めてこちらも幅広く使用できる汎用性の高いアイテム。1つ持ってりゃ何かと使い倒せる使い勝手のいいダウンジャケットである。ダウンだから当然濡れには弱い。

https://youtu.be/fSBymnMVhlg

 

テスト方法

低予算主義のBBGとしては当然サーモグラフィーなんて手が出ない。

ってことでいつも通り「己の体に聞いてみるスタイル」での保温性チェック。

当然その人による個体差は出てしまうが、暑がりのアツシオガワと、冷え性のユーコンカワイが何度も着ては感想を述べあって、最終的にBBGの総評として結論を出すスタイル。

 

テスト場所は別に近所の寒いとこ行きゃいいところなんだが、そこはもちろんあえてはるばる北アルプス餓鬼岳の山頂(2,647m)にてテスト。

TMレボリューションのPV級に冷たい風が吹く中、ジャケットを取っ替え引っ替え。

この次のジャケットに着替える時に、ベースレイヤー1枚になる瞬間がもう寒いこと寒いこと。

後はひたすら10分ほど、ただただただただ寒風に晒されて立ち尽くすのみ。

いろんなポーズも取って、各ジャケットのわずかな温度差も汲み取ろうと精神集中。

完全に宇宙人とコンタクトを取ろうとしている怪しい男達だが、本人達は至って真剣に山頂をウロウロと徘徊。

他に登山者がいたら「錯乱者がいるんで救助呼んでください!」といった状況になりかねなかったが、マニアックな11月の餓鬼岳をチョイスしたんで貸切状態。

で、散々己の体温と向き合った上で、ボイスレコーダーで感想を聞き取る。

のちにこの録音が風の音でほとんど聞き取れなかったというアクシンデントはあったが、しっかり情報は入手した。

で、全部のテストが終わった段階で、ユーコンカワイによる「ダウンジャケットテスト完了の儀」が執り行われ、彼のカメラレンズ保護フィルターがバキバキに。

フレームも歪んじゃって、その修理代1万円也。

このような地味な作業&痛い出費の上に、このテストは行われていたのである。

 

またこの日以外にもできるだけ各地に持ち込んでは、あえて風の強い寒い場所で何度かテスト。

それではこれらの意見をもとに、いざテスト結果を見ていこう。







 

テスト結果

もう一度言っておくけど、これは「単純に温かいのはどれなんだい?」という単純明解なもの。

とりあえずランキングにはするけど、同時に各ウェアのベストシチュエーションも書いて行きますね。

 

第4位 パタゴニア「ナノ・パフ・フーディ」

風を通さない分あったかいけど、めちゃめちゃあったかいわけじゃない。

どうしても薄い分そんなにあったかくないし、風を通さないけど風の冷たさを感じやすい。

待っててもそこまで蓄熱されていく感じがしないから、これ単体で山頂に1時間とかはちょっと居られない。

保温着というよりやはり中間着的な使い方がベストでしょう。

<ベストシチュエーション>
防風シェル兼保温着として、山だけに限らずデイリーユースから便利に使える。山においては寒い稜線上の中間着や冷たい雨が降るような場面の中間着がベスト。

 

第3位 パタゴニア「ナノ・エア・フーディ」

あくまで風がないという条件(無風or上に何か羽織ったら)なら、単体ではナノパフよりあったかい。

ただ通気性があるから風が吹くとスースーで、ずっと立ってるととにかく風が入って来て熱が逃げていく感がある。

上に何か防風するシェルなりを着ないと、保温という意味では難しい。

あくまでも停滞時というより、行動時メイン。

<ベストシチュエーション>
寒い時期の行動中に着る「行動保温着」。抜けがいいから熱がこもらずに長い時間着ていられる。とはいえハイクアップ中は暑くて着てられない。寒い時は中間着としても優秀。ストレッチも効いて動きやすい。

 

第2位 パタゴニア「マイクロ・パフ・フーディ」

単純にナノパフの軽量版だと思ってたけど全然違う!

蓄熱性が全然違うし、風にも強くて中の熱が逃げてく感じもなし。

薄手のダウン着てる感じで、夏場ならこれ単体で防寒としてあり。冬場の中間でもあり。

とにかくこの軽さと薄さの割にあったかい!

<ベストシチュエーション>
濡れても保温力は落ちないし、オールシーズン1枚持ってるとどんな場面でも汎用性高く使える。休憩時に羽織るのも、寒い時にアウターや中間着として使っても、厳寒期は既存のダウンジャケットのブーストとしてもOK。軽いから気軽に携行できる。

 

第1位 パタゴニア「ダウン・セーター」

着た瞬間マイクロパフとあんま変わんない暖かさだけど、時間がたつとやっぱりダウンの保熱力には優位性を感じた。

めちゃくちゃ差があるわけじゃないけど安心感があって、山頂にずっといても大丈夫な感じ。

「まあやっぱダウンだよね」って感想だが、同時に浮き彫りに出たのは、化繊なのにそのダウンとほとんど差がないマイクロパフの脅威の方。

<ベストシチュエーション>
3シーズンの防寒着として安定して使用できる。スリムなフォルムは街で着ても違和感なし。安心の王道ダウンジャケット。







まとめ

今回は保温力だけに焦点を当てたが、やはり全体を通して目を引いたのがマイクロ・パフ・フーディの優秀さだ。

濡れても安心な化繊なのに、ダウン・セーターと遜色ない保温力には驚かされた。

しかも371gのダウン・セーターに比べて、その重量はわずか264g。

もはや重くて嵩張って温かくないという化繊の常識は過去のものになった感がある。

さすがは、各アウトドア賞を総なめにしただけの実力だ。

 

ただ、どうしても引いてしまうのが37,000円+税という、これまた圧倒的なお高さね。

オールシーズン、どんな場所でもかなり便利に使い倒せるってことを考えれば安いと見るべきか…?

さあ、目一杯あなたのお財布と相談するがいい!!

 

Men’s  ※スマホの人は横スクロールして見てね

アイテム名 メンズ・ナノ・パフ・フーディ メンズ・マイクロ・パフ・フーディ メンズ・ナノエア・ジャケット メンズ・ダウン・セーター
アイテム画像
素材 シェルと裏地:1.4オンス・22デニール・リサイクル・ポリエステル100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。インサレーション:ポリエステル100%(消費者から回収されたリサイクル・ポリエステル55%)の60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ。ブルーサインの認証済み シェルと裏地:0.7オンス・10デニール・パーテックス・クアンタム・リップストップ・ナイロン100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。インサレーション:ポリエステル100%の65グラム・プルマフィル シェル:メカニカル・ストレッチ織りの1.5オンス・30デニール・リップストップ・ナイロン100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。裏地:メカニカル・ストレッチ平織りの2オンス・50デニール・ナイロン100%。DWR加工済み。インサレーション:ポリエステル100%の60グラム・フルレンジ・ストレッチ・インサレーション シェル:1.4オンス・20×30デニール・リップストップ・リサイクル・ポリエステル100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。裏地:1.5オンス・22デニール・リップストップ・リサイクル・ポリエステル100%。DWR加工済み。インサレーション:800フィルパワー・トレーサブル・ダウン(強制給餌や生きたまま羽毛採取が行われたものでない鳥から供給されたことが、親農場から被服縫製工場まで追跡され保証されているグースダウン)
重量 337g 264g 352g 371g
サイズ XS / S / M / L / XL / XXL XS / S / M / L / XL / XXL XS / S / M / L / XL / XXL XS / S / M / L / XL / XXL
カラー 5色 3色 4色 7色
メーカー価格 ¥ 31,500 – ¥ 22,050+税 ¥ 37,000+税 ¥ 31,500+税 ¥ 29,500+税
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アイテム名 ウィメンズ・ナノ・パフ・フーディ ウィメンズ・マイクロ・パフ・フーディ ウィメンズ・ナノエア・ジャケット ウィメンズ・ダウン・セーター
アイテム画像
素材 シェルと裏地:1.4オンス・22デニール・リサイクル・ポリエステル100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。インサレーション:ポリエステル100%(消費者から回収されたリサイクル・ポリエステル55%)の60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ。ブルーサインの認証済み シェルと裏地:0.7オンス・10デニール・パーテックス・クアンタム・リップストップ・ナイロン100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。インサレーション:ポリエステル100%の65グラム・プルマフィル シェル:メカニカル・ストレッチ織りの1.5オンス・30デニール・リップストップ・ナイロン100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。裏地:メカニカル・ストレッチ平織りの2オンス・50デニール・ナイロン100%。DWR加工済み。インサレーション:ポリエステル100%の60グラム・フルレンジ・ストレッチ・インサレーション シェル:1.4オンス・20×30デニール・リップストップ・リサイクル・ポリエステル100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。裏地:1.5オンス・22デニール・リップストップ・リサイクル・ポリエステル100%。DWR加工済み。インサレーション:800フィルパワー・トレーサブル・ダウン(強制給餌や生きたまま羽毛採取が行われたものでない鳥から供給されたことが、親農場から被服縫製工場まで追跡され保証されているグースダウン)
重量 306g 227g 298g 346g
サイズ XS / S / M / L / XL / XXL XS / S / M / L / XL / XXL XS / S / M / L / XL / XXL XS / S / M / L / XL / XXL
カラー 5色 3色 4色 7色
メーカー価格 ¥ 31,500 – ¥ 22,050+税 ¥ 37,000+税 ¥ 31,500+税 ¥ 29,500+税
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個人的には、お金に余裕があったらやっぱりマイクロ・パフ・フーディかなあ。

これ持ってれば、ブーストとして厳冬期のダウンジャケットのランクも下げられそうだしなあ。

年中使えるってのはやっぱいいよねえ。

2017.12.7追記
それぞれの収納した時のサイズ感を知りたいという要望があったのでここに追記しておきます。結果はご覧の通りです。

ナノエアはパッカブルじゃないんで無理やりフード内に収納。間違いなく一番かさばってます。ナノパフは形がいびつで膨らみもあるんで、少々かさばり感が。ダウンセーターはもっと圧縮できる感じだけど内ポケットへのパッカブルだとこんな感じ。マイクロパフが一番形的にも嵩的にもコンパクト。そして一番軽い。

 

あと、全然話は変わるけど、パタゴニアさん。

僕は随分前からスペシャルアンバサダーに松井秀喜を指名してくれと言ってきたよね?

顔がデカイやつでもちゃんとフード被れるようにってさ。

でも、その要望は相変わらず聞いてくれないんですね。

フード被るとジッパーが閉まらないんですよ!

いい加減顔デカジャパンフィットのフード作って欲しいんです…。

こればっかりはダイエットでどうにもならん部分なんですよ…。

欧米人達は小顔でいいな!チクショウ!

 

それではまたお会いしましょう。

登山ショップに置いてあるヘルメットの9割を被れない男。

ユーコンカワイがお送りしました。