サコッシュへの思いを語った前編、そしてお手軽なジッパーなしタイプ7種+1をご紹介した中編を経て、今回はより山での使用に適してそうな「ジッパーありタイプ」7種+3をお送りしていきます!記事最後には今回テストした14種のサコッシュのチャート表も入れておくので、自分に合ったサコッシュ選びの参考にしてみてね!
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- ロウロウマウンテンワークス(RawLow Mountain Works)「タビチビトート(Tabitibi Tote)X-PAC edition」
- ワンダーラストイクイップメント(WANDERLUST EQUIPMENT)「カンパ・ラ・パック(Khampa-la-pack)」
- ローカスギア(LOCUS GEAR)「Nanos Dyneema X(ナノス・ダイニーマ X)」
- リッジマウンテンギア(RIDGE MOUNTAIN GEAR)「ショルダーパック(Shoulder Pack)」
- ハリヤマプロダクション(Hariyama Productions)「フロントポーチ(front pouch)Cuben」
- グラナイトギア(GRANITE GEAR)「ハイカーサッチェル(Hiker Satchel)」
- ワンダーピークス(WONDER PEAKS)「ヴィバ・ラ(Viva la)」
- アンドワンダー(and wander)「シル サコッシュ(sil sacoche)」
- アトリエブルーボトル(atelier Bluebottle)「ハイカーズサコッシュ-02(Hiker’s SACOCHE-02)」
- アクシーズクイン(AXESQUIN)「ユミハリ(小)」
- まとめ
ロウロウマウンテンワークス(RawLow Mountain Works)「タビチビトート(Tabitibi Tote)X-PAC edition」
まずはやっぱコレでしょう。
今サコッシュ界で最も注目度が高く、ここんところメディア露出も増えて気になってる人も多いだろう「タビチビトート」。
今回はその人気のタビチビトートの中でも、最もタフで山向きと思われるX-PAC editionをピックアップ!
スタンダードバージョンは絶妙な配色と素材感でオシャレさが際立ったものだが、このブラックのX-PAC editionは無骨で実にカッコよく、見るからに「タフそう」ってな印象。
生地は210DのX-PAC VX21が使用され、防水性もあってとにかくタフ!
重量自体は実測で「95g」と、14種の中ではヘビー級だ。
というのもこのサコッシュには「多少重量アップしても便利に行こうぜ!」っていう意思がガンガンで、とにかくいろんなギミックが施されているのだ。
まず容量的なところから行くと、“通常の状態だと”例のこんなもんセットが丸っと入ってジャストって感じ。
入り口はボタンで留めるタイプで、取っ手もあるからアクセスは簡単。
で、さっきあえて“通常の状態だと”って強調したのは、このタビチビトートは容量を段階的に増やすことができるから。
まずケツの部分をバリッと開いてやると、
2cmほどだったマチが、ズギャーッン!と14cmにまでガッパリ広がるのだ!
こうなると、一眼レフカメラすらすっぽりと入ってしまうようなビッグ容量となる。
そしてマチが一気に広がったことで、その名の通り「トートバッグ型」に変化し、なんと自立してしまうのであります。
この辺りが通常のサコッシュとは大きく違う点で、テント内の荷物整理もしかり、山小屋から大量のビール持って帰ってきたり、クックウェア一式入れて景色いいとこまで移動するとか、色んな用途で使えるんです。
しかもこの状態でもまだ第二形態。
第三形態では、中に折込まれていた天マチをビョーン!と飛び出させるとさらに容量アップ!
まさに「倍率ドン、さらに倍!」と言った容量ダービー状態。
この部分の生地はDyneema Grid Stopで撥水性と強靭性があり、止水ジッパーなので雨の日の行動中も安心。
しかもこっからの第四形態もある。
この天マチをジッパー閉じた状態で落とし込んでやると、内部に隔壁ができて上下2室構えに!
1室でペットボトル入れてると中身が結露で濡れてしまうもんだが、これならそんな必要もないし水分補給もサクッとできる。
サコッシュに多機能を求めないに人は合わないだろうが、こういう容量ギミックって山に限らず街使用でも何かと便利だろう。
ショルダー部分は1.5cmのナイロンテープで、本体側に調整具がついてるタイプ(個人的にはこのタイプが一番調整しやすいと思ってる)。
長さ調整は容易なので、絞れば足上げになんら影響はない。
本体下部が斜めに切れてるから、手を振っても当たって邪魔にならないのもグッド。
全体的に「面白くて実用的」「こりゃ結構山でハードに使えるね」ってのが印象。
難点らしい難点といえば、唯一ふたの取っ手が常時僕のB地区をサワサワと刺激してきたくらいなもの。
まあ「これが良い」って人はそれでいいが、気になる人はサイズ調整するか、取っ手を中に入れてボタンで留めておくのがいいだろう。
え?こんな情報いらんかった?
このサコッシュはシンプル志向の人ってより、ギミックを楽しむ人や旅志向の人にピッタリ。
X-PAC editionはハードな山使用にも耐えれるし、使用用途は広い。
このX-PAC editionは現在は取扱販売店で購入可能で(完売が多いけど)、今後はロウロウのサイトでも買えるようになるらしいですよ!
RawLow Mountain Works「タビチビトートX-PAC edition」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山と街と旅で使いたい
- 軽量さより便利さと拡張性が欲しい
- かっこよくてオシャレなやつがいい
- 色んな用途で使いたい
重量 | 95g(実測値) |
サイズ | 幅27cm×高19.5cm |
素材 | X-PAC VX21(210デニールナイロン) |
カラー | ブラック(他色はお問合せを) |
税別価格 | 7,500円 |
BUY NOW | ロウロウマウンテンワークス |
以下ノーマルバージョン。
重量 | 120g(公称値) |
サイズ | 幅27cm×高19.5cm |
素材 | 撥水加工軽量1000デニール85%セルスパンナイロン x 15%ポリエステル |
カラー | Turquoise Blue、Forest Green、Candy apple、Red Amber、Brown Oatmeal |
税別価格 | 6,500円 |
BUY NOW | ロウロウマウンテンワークス |
他にもハイブリッドキューベンファイバーやパラフィン加工のコットンキャンバス仕様もあるんで、サイトの方をチェックして自分に合うものをチョイスしてみてね。
ワンダーラストイクイップメント(WANDERLUST EQUIPMENT)「カンパ・ラ・パック(Khampa-la-pack)」
お次はこちら。
サコッシュ界では「革命」と言われたとか言われてねえとかの、革新的サコッシュ「カンパラパック」だ。
これに関しては思いっきり私物で、以前長々とレビュー書いたんでここでは細かくは書かない。
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簡単に特徴を書いておくと、とにかくフィット感がピカイチ。
体の流線に沿うような立体縫製がされてるから、ばたつきもなければ邪魔さもない。
それでいて、登山はもちろん、沢から雪山まで耐えうるタフさと、シンプルゆえの利便性の良さと軽量さ。
ジッパー付きタイプなのに、実測「46.5g」と14種中6位の軽さ。
容量的にも、こんなもんセットがガッパリ入る余裕さ。
入れる物が多くても少なくてもフィット感に与える影響は少なく快適。
止水ジッパーなのにあまり硬さは感じず、開閉もスムーズ。
ショルダー部分には少しクッション性のあるメッシュが配され、コードは超強靭なダイニーマスペクトラ。
両サイド調整可能で、片側はバックルが外れるので腰がけも可能。
他のサコッシュの前かがみ写真と比べてもらえばわかるだろうが、体に沿うから一番足上げへの影響がない。
今回他のをたくさん使った上でも、改めて「やっぱ自分にはこれええなあ」と実感。
僕の使用(登山・源流釣り・雪山ハイク)スタイルにはバッチリ当てはまるサコッシュだ。
ちょっとハード目な使用を検討してる人には、やはりお勧めできる逸品っす。
WANDERLUST EQUIPMENT「カンパ・ラ・パック」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山、沢、雪山まで
- シンプルでタフなものがいい
- 少々の雨でもへっちゃらなものがいい
- 開閉がスムーズなジッパータイプが欲しい
重量 | 46.5g(実測値) |
サイズ | 幅28cm×高21cm×D10cm |
素材 | 210D Dyneema Grid Stop orX-PAC VX07、orX-PAC VX21 |
カラー | カラバリ多数、サイトを確認してみて |
税別価格 | 5,900円 |
BUY NOW | ワンダーラストイクイップメント |
ローカスギア(LOCUS GEAR)「Nanos Dyneema X(ナノス・ダイニーマ X)」
続きましては、日本が誇るガレージブランドの雄ローカスギアの大型サコッシュ。
どっちかといえばサコッシュってよりもショルダーバッグって言った方がいい「ナノス・ダイニーマX」です。
サイズ感から先に言っておくと、これは他のに比べてかなり大判で幅が実測31.5cmもある。
ちょっとした日帰り低山や釣行なら、これ単体で事が済んでしまいそうなほどだ。
素材は210DのDyneema X Grid Stopで、防水性があってタフ仕様。(通常タイプはPU コーテッド リップストップ ナイロン 70Dと軽量)
タフ仕様で大判ってことで、実測「92g」とロウロウに次ぐ重量。
これもやはり利便性重視で、コンセプト的に山&「旅先」での単体使用を想定して作られているから。
サイズ的にも旅ガイド本なども入る大きさ(BE-PALがすっぽり入るサイズ)で、iPadなどの持ち運びにも便利。
なので容量的にはとても余裕があり、こんなもんセットなんて余裕で飲み込んでしまう。
フロントメッシュポケットもマーモットのやつ同様、地図やスマホが入る小さめポケットと、コンデジなどが入る大き目ポケットがあって便利。
メッシュ自体はそこまで強度がない感じのものだから、あまり尖ったものは入れないほうがいいだろう。
裏側にも仕切りのない大きめポケットがあり、ここに大きめに広げた地図入れたり、それこそ旅先ではガイド本なんて入れとくのにいい感じ。
底のマチも6.5cmほどもあり、こちらも荷物によるけど自立が可能だ。
ジッパー部分はおそらくあえて止水ジッパーにしてなくて、開閉のしやすさの方を重視している感じ。
ショルダーは2cm幅の柔らかめで肌触りのいいベルトが使用されてる。
長さ調整に関しては、頻繁に調整ってよりもちょうどいい位置であらかじめ固定しておくって感じなのでスムーズさはない。
なのでサイズ感も相まって、多少登りの際は足上げに影響は出てくる。
また、横幅が広いが故に腕振りの際に若干腕が本体をかすめることにはなる。
この辺りを考えると、BBスタイルよりはかなり山向きであるが、やはり横移動系のロングハイクや旅先での使用が圧倒的に便利。
防水性と強靭さを考慮すると、釣行時のバッグとしてもかなり役立つ感じ。
もちろんあらかじめショルダーを短めに設定して行けば、通常登山でもそこまでのストレスは感じないだろう。
街での使用も便利だし、ある意味、最も使用範囲の広いサコッシュなのかもしれない。
ローカスギア「ナノス・ダイニーマ X」
〜こんな人にオススメ〜
- 軽山から街、そして旅先での使用が多い
- 単体ショルダーバッグで気軽なサイズ感のものが欲しい
- タフさとカジュアルさを併せ持つものがいい
- 頻繁に出し入れするものが多い
重量 | 92g(実測値) |
サイズ | 幅27.5cm×高23cm×マチ4.5cm |
素材 | 210D ダイニーマ® X グリッドストップ |
カラー | ブラック |
税別価格 | 5,000円 |
BUY NOW | ローカスギア |
リッジマウンテンギア(RIDGE MOUNTAIN GEAR)「ショルダーパック(Shoulder Pack)」
続きましては、山や街でのシンプルなライフスタイルを提案する小さなメーカー「リッジマウンテンギア」のこちら!
スタイリッシュかつタフな仕様の「ショルダーパック」であります。
スリムでカチッとして余計なものがない感じが、単純に「おお、カッコいい!」と思えるグッドデザイン。
サイズもちょうどいい必要最低限さで、堅牢性を持たせたままシンプルにまとめられている。
今回のやつはX-Pac VX07素材で、他に140d Dyneema Gridstopのものもラインナップ。
両素材共に防水性と堅牢さを兼ね備えたULを代表する素材だ。
重量は実測「53.5g」と14個中9位。ジッパーありタイプでは3番目の軽さだ。
サイズは幅25.5cm×高18.5cm×マチ5.5cmと、カンパラパックと似たようなサイズだがこっちはかなりスリム仕様。
こんなもんセットで言えば、ミニ三脚とサングラス以外のもの入れてジャストって感じ。
マチが深めの5.5cmでありながら、中に物を入れても膨らまない仕様になってるから常にスタイリッシュなスリムさをキープする。
本体が膨らまないことで体への密着感は高まり、邪魔に感じることもない。
本体内部には小さなループが2つ縫い込まれており、片方はキーフックになっている。
開閉ジッパーは止水ジッパーで、他のサコッシュの止水ジッパーに比べてやや硬めな印象。
ダブルジッパーになってるから自由な位置で開閉できるのはいい感じ。
ショルダーは2.5cmのナイロンテープで、調整具は本体側についていて調整がしやすい。
ナイロンテープの端には小さなループが設置されてるので、ここにミニカラビナなどで温度計とかの小物系をぶら下げることもできる。
長さ調整に関しては、コードが平形なのでたまにグネッてるとつっかえたり、滑りが悪くて引っかかることもあって若干スムーズじゃない(若干ね)。
サイズが小さく横型なので、足上げの際はほとんど気にならない。
本体がスリムをキープするんで、それなりに体にフィットするし邪魔さも感じない。
素材のタフさとスリムで絶妙なサイズ感など、総合的にかなり山で使いやすいという印象を受けた。
防水性も高いので、源流釣行にも雪山でもガンガン使えそう!
なんせ持ってて所有欲満たしてくれるデザイン性がグッドっす。
RIDGE MOUNTAIN GEAR「ショルダーパック」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山、源流釣り、雪山、街での使用
- あまり嵩張るサコッシュは嫌だ
- シンプルなものが好き
- そこまで多くのものをサコッシュには入れない
重量 | 53.5g(実測値) |
サイズ | 幅25.5cm×高18.5cm×マチ5.5cm |
素材 | X-Pac VX07 or 140d Dyneema Gridstop |
カラー | 各色あり、サイトを確認してください |
税別価格 | 7,500円 |
BUY NOW | リッジマウンテンギア |
ハリヤマプロダクション(Hariyama Productions)「フロントポーチ(front pouch)Cuben」
さあ、お次はハリヤマプロダクションのこの特徴的なアイデアサコッシュ。
フロントから地図が丸見え状態の、「フロントポーチ-cuben-」である!
超軽量高級素材キューベンファイバーを使って、見事なアイデアでサコッシュ界に新風を吹かせたこのサコッシュ。
素材自体の防水性と高い引き裂き強度で、ハードな山使用としても安心。
それでいてシンプルな中に可愛らしさもあって、女性からの指示も高い。
重量も実測「37g」とジッパーありタイプでは圧倒的トップの軽さで、14種全体でもBBスタイルと並ぶ同率2位!
この軽さだけでも選ぶ基準としては十分で、バックパックに忍ばせてテン場のみの利用でも全く負担にならない。
容量に関しては、こんなもんセットのミニ三脚とサングラスが入らない感じの必要十分さ。
幅22cm×高24cmと他のものに比べたら「縦型」になるわけだが、ほぼ正方形に近い縦型なので荷物が取り出しにくいことはない。
ちなみにキューベン自体はほとんど透湿性はないんで、あまり水気のあるものを入れると結露の原因になるから入れないほうがいいだろう。
そして内部はこのように2層に分かれていて、
フロント側に地図を入れてやれば、いちいち取り出さずに即座に確認できるのが素晴らしい。
もちろんここに地図を入れるのも、モチベーション維持のためにグラビアアイドルのセクシー水着写真を入れるのも本人の自由。
ただもちろん外部からは丸見えなんで、地図以外で何を入れるかは常識とセンスが問われるところだろう。
素材自体が防水性あってタフなんで、泳ぎ系じゃない沢登りの時に遡行図なんて入れとくのも便利だろうね。
ちなみにここのサイズ感的には、山と高原地図が初期折りの状態でギリギリ入る感じ。
ただこれだと内部で地図がはみ出してメイン室の荷物が取りにくいんで、やっぱ自分で地図折って調節してやる必要があります。
ちなみにこんな感じでスマホ入れて操作もできちゃうよ。
あとキューベンなんで、裏側もセクシーに透け気味っす。
だからあまり恥ずかしいものは入れないように!
フロントジッパーは止水ジッパーで、ちょいと開閉は硬めではある。
ジッパーの持ち手部分もちっちゃいんで、細引きとかで持ち手作ってやるとグローブしてても扱いやすいだろう。
ショルダーは2.5cmの柔らかナイロンテープで、調整具は右側にのみついてるから基本左掛けとなる。
調整自体はスムーズで、バックルも片方外せるから腰巻にも対応。
絞り込めば足上げ時にも邪魔にならないが、縦型タイプが故に結構絞り込んでやったほうがいいだろう。
ただ個人的にはTシャツの時、絞りすぎると袋がチクビを刺激してくるから、そのあたりの細かいサイズ調整は必要でした。(どんだけ敏感なんだ?)
全体的にはやはりこの軽さとタフさでフィールドを選ばないって点と、地図の見やすさがグンバツで便利。
これの横型とか出たらもっと足上げもスムーズでさらに山向きになるかなーっては思ったけど、十分に使い勝手はいい。
ちなみに、このフロントポーチは、次回単体記事で水原バタコさんが再度紹介してくれます!乞うご期待!
Hariyama Productions「フロントポーチ」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山、雪山、街での使用
- ジッパー付きでとにかく軽いのがいい
- タフなのにシャレた感じのものがいい
- ちょくちょく地図を確認したい
重量 | 37g(実測値) |
サイズ | 幅22cm×高24cm |
素材 | Cuben Fiber Fabric 1.43 oz / sqyd |
カラー | olive drab、white |
税別価格 | 7,000円 |
BUY NOW | ハリヤマプロダクション |
※現在在庫切れの状態ですが、11月には再販の予定だそうですよ!
グラナイトギア(GRANITE GEAR)「ハイカーサッチェル(Hiker Satchel)」
お次は日本ブランドが大勢を占めるサコッシュ界において、海外ブランドとして早々にサコッシュを導入したグラナイトギアから。
サコッシュじゃなくてサッチェルっていう名称(海外じゃサコッシュは通らないだろうでね)の「ハイカーサッチェル」だ。
14種の中では最もサイズ的にはミニマムな感じで、ほんと必要最低限な小物入れに絞った感じ。
逆に言えばそれが個性であり、他のサコッシュが容量的にオーバースペックに感じる人にはありがたい設定。
素材は30Dのシルナイロンコーデュラで、柔らかくテロンテロン(スタッフサックで良くある素材)。
重量的にはミニマムサイズなのに実測「63g」とちょい重くて、14個中10位。
後述するが、これはひとえに留め具とショルダー部分が重いからで、競争の激しい日本サコッシュ市場ではややマイナスポイント。
容量としては、こんなもんセットのミニ三脚とサングラス以外がジャストで収まる感じ。
小物だけ入れたい人にとっては、サイズ的にはむしろいい感じの小ささだ。
なお、今回のは現行品ではなく、現在は内部に仕切りが設けられてさらに整理しやすくなっている。
そして内側にはちゃんとキーフックもついていて、
フロントポケットには、山と高原地図が横向きでちょっきり入る感じ。
これも現在はアップデートされて、開口部に小さなベルクロが設置されてるから簡単に留めることが可能。
ジッパーは通常のものなので開閉はスムーズ。
ちなみにこのジッパー部分、狙ってるのか偶然なのか、重みで弓なりにたわむんです。
で、結果的に体に沿うような感じになってフィット感が良くなるんですよ。
ショルダー部分は2cm幅のちょっと厚手のウェービングテープ。
これと本体をつなぐ留め具が内容量に対して無駄にオーバースペックに感じるから、ここは自分でこの部分を細引きにでも変更する方がいいだろう。
長さ調整はこのタイプのやつなんで、こまめな調整は厳しい。
最初っからちょうどいいところにセットしておいて固定って感じになる。
本体サイズが小さいこともあって、足上げはとてもスムーズ。
行動時はちょっとした小物入れで、テン場や移動時がメインと想定してる人には使い勝手が良さそうだ。
実際にこれは低血圧Mちゃんの私物なんだが、彼女は登ってる最中は使用せず、バスなどの移動時などでこいつを有効に使っていた。
タフさには欠けるが、サコッシュにそこまで多くを求めてないってなライト志向の人にはちょうどいい選択肢だろう。
グラナイトギア「ハイカーサッチェル」
〜こんな人にオススメ〜
- 移動時とテン場をメインで使いたい
- 行動中にはちょっとしたものだけ入れたい
- 他のサコッシュは大きすぎる
- カラーリングを楽しみたい
重量 | 63g(実測値) | ||
サイズ | 幅20cm×高17.5cm×マチ4cm | ||
素材 | 30Dシルナイロンコーデュラ | ||
カラー | 5色展開、サイトを確認してください | ||
税別価格 | 4,000円 | ||
BUY NOW |
ワンダーピークス(WONDER PEAKS)「ヴィバ・ラ(Viva la)」
前回のジッパーなしフィットポケットに続いて、二度目の登場となるワンダーピークス。
こちらは一転、強度と利便性を突き詰めたガッシリ仕様の「Viva la」である。
サコッシュていうよりは、チェストバッグって言った方が良い感じのガッチリさ。
こちらはグラナイトギアのやつと違って、がっつり物を胸元に入れときたいって人にオススメの仕様。
生地的には防水と強度に優れるX-PacかDyneemaかで選べる(今回は X-Pacバージョン)。
重量はやはり大きめ容量+複雑な作りってのもあって実測「90.5g」と14個中12位。
サコッシュ的な感覚だと重めの方だが、チェストバッグとして考えれば軽い分野に入る(パーゴワークスのSWING-Mで120g)。
容量はこんなもんセットがメイン室に全て入って、フロントポケットにはまだ余裕あり。
こっちが止水ジッパーで防水性の高いメイン室で、
こっちが大容量のフロントポケット。
フロントポケットは開口部がワンタッチロールタイプ。
メイン室にはあまり使わない物を入れておき、フロントはカメラなど頻繁に出し入れする物を入れておく場所ってコンセプト。
ただこのフロントのバックルを閉じる作業に関しては若干もたつくんで、出し入れがものすごくスピーディーってわけじゃない。
考え方としては「雨を防いで物も落ちない割にスピーディー」って捉えた方が良いだろう。
そして容量が多いから当然厚みもそれなりにあるわけだが、このようにショルダーストラップが真横でなく背面側に設置してあるから、
良い具合に体にフィットして、荷物の膨らみは体側に影響を与えない。
背面側はクッション性と通気性と伸縮性を考慮したメッシュ素材が使われている。
これが夏場に汗びちゃ男になった時どんだけ汗臭くなるかは未知数だけどね。
ショルダーは1.5cm幅の柔らか目のナイロンテープで、調整は両サイドどちらでもできる仕様。
バックルで切り離すことができるから、腰巻でも使用可能。
形状的に、この腰巻スタイルはかなり出し入れがしやすくて良い感じ。
容量は多くても高さがあるわけじゃないから足上げはスムーズ。
ただ、どうしても前側に嵩は出てしまうから、角度のある岩壁を登るような時はザックインするか腰巻にして後ろに回すのが良いだろう。
全体的に、サコッシュとしてのちょっとした使用ってよりかは、デジカメやサングラスとか色んなものを出撃させたい人向き。
もしくはちょっとしたもの+軽いけどかさばるもの(ウィンドシェルとかだったり)を入れたい人向けかな。
生地がタフで防水性も高いから、冬山なんかはオーバーグローブとかゴーグルとか入れるように持ってってもアリかもです。
これもハリヤマの次に、アツシオガワが改めて個別レビュー書きます!次次回を待て!
ワンダーピークス「Viva la」
〜こんな人にオススメ〜
- 登山、雪山、街での使用
- とにかく色んなものをたくさん入れたい
- 頻度によって使い分けれる隔室が欲しい
- 腰巻時の便利さも追い求めたい
重量 | 90.5g(実測値) |
サイズ | 幅26cm×高18cm×D4.5cm |
素材 | X-Pac or CORDURA or Dyneema |
カラー | 7色展開、サイトを確認してください |
税別価格 | 6,300円 |
BUY NOW | ワンダーピークス |
っという感じで、実際に使った「ジッパーなしタイプ」7種をご紹介しました。
以下+3は今回用意できなかった分ですが、どれも人気、知名度的に外せないものなので掲載させていただきます。
アンドワンダー(and wander)「シル サコッシュ(sil sacoche)」
出典:and wander
これもサコッシュを語る上では外せない代表作ですね。
白馬三山の時にコシノジュンコ先生が持ってたのがそうです。
今回用意することができなかったけど、実用さとオシャレさを高いレベルで求める人にはいいんじゃないでしょうか?
一度チェックしてみてはどうでしょう?ちょっとお値段お高めですけど…。
アトリエブルーボトル(atelier Bluebottle)「ハイカーズサコッシュ-02(Hiker’s SACOCHE-02)」
出典:atelier Bluebottle
こちらも人気の高いアイテムで、元かばんデザイナーの夫婦二人が一つ一つ丁寧に作ってる質の高い一品。
ってことで今回は数的な問題などもあって手に入れられなかったですが、デザイン性も使い勝手も評価が高いんで是非チェックしてみよう!
アクシーズクイン(AXESQUIN)「ユミハリ(小)」
出典:axesquin
こちらはグラナイトギアのものよりさらにミニマムで、より体へのフィット感を重視したサコッシュ(というか追加チェストポケットって言った方が良いかな)。
地図、スマホ、財布程度のものを入れたいって人には便利そう。
まとめ
はああああああ、やっと終わったあ….。
現物テスト14種+その他4種の計18種類。
半年前までサコッシュに1mmも興味を持ってなかった男がお送りしたサコッシュ大特集、いかがでしたでしょうか?
サコッシュだけでここまでテストして語り尽くした奴はそうはおるまい(撮影すらほとんど己撮りという孤独作業)。
ちょっとは今のサコッシュ界の全体像と、個別の細かい仕様&使用感を感じていただけたでしょうか?
購入の参考になってたら嬉しいっす!
で、さらにこの実際にテストした14種を改めてチャート表に起こしてみました。
上に行くほど登山向きで、左に行くほど高価格。
あとは自分にはどんな容量が必要かを考慮しながら選んでみてください。
さあ、あなたのスタイルに合う「ベストバイサコッシュ」はどれだ!
最初っからこの表だけ出しときゃよかったんじゃね…..?
まあいいや、もう長々と書いちゃったし。
さあ、自分にぴったりなサコッシュは見つかったでしょうか?
不明点があれば、僕で分かる範囲ならお答えするんでコメント入れといてくださいね。
それではみなさん、また山でお会いしましょう。
敏感ビーチクカワイでした。