清涼な滝をバックに偶然撮影されたフライングヒューマノイド。ここは鈴鹿山脈神崎川本流の天狗滝。林道を1時間、沢を3時間半登りつめた者が辿り着ける男の歓楽街で、この滝つぼに遭遇すると、人は喜びのあまり奇声を発して次々と身投げをして「歓落GUY」と化すのである。そんな野郎だらけで行った恒例行事「男だらけの水泳大会」の模様を軽〜くプレイバックだ!
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鈴鹿神崎川本流沢登り
歓落GUYまでの道のりは遠い。
まずご入店までの道が何気に長く、地味で長い林道歩きを強いられて男度を試される。
正直この林道歩きはただただ退屈なだけなんだが、ここで帰ってしまうような男は歓落GUYになる資格はない。
実は僕はここに来るのは今回で2度目で、何気にこの沢は我が沢童貞が喪失された記念すべき場所だったりする。
もちろん沢は一見さん(初心者単独行)お断りなので、その時は屈強な男どもにサポートしてもらいながら無事にロストチェリーを果たした。
そして今回もその2年前と同様のメンバー&ご新規さん含めた9名の野郎達。
中には普通に小学生低学年男子もいたりするが、なんせ周りを固める男どもが最強。
なんと現役消防士が4名もおり、レスキュー体制はいつだって超盤石。
この消防四天王に、沢屋1名、源流釣り師1名が加わり、小学生二人と中年のマゾ一匹を全力ガードするのである。
そんなこれ以上ないサポート体制の中、いざご入店!
なにやら「水上移動する親子」という名の合成写真に見えるが、実際はいきなり5mほどの高さからのダイブをかましての壮絶スタートだ。
そして「ごめんくださーい」と叫びながら、その敷居が高すぎる店内へと侵入して行く。
というか、2年前に比べてやたらと水量が少ない。
最近アルプスに行っても真っ白だから、それならってんで景色関係ない沢に来てみたら大渇水。
2年前は飛び込んだりウォータースライダーできたところがすっかりなくなってた。
おそるべし本厄の力。
以前はロープを渡して苦労して渡った渡渉ポイントも普通に歩いて渡れるレベル。
例年になく安全となったこのポイントを、今消防四天王に完全護衛された小学生が渡って来る光景。
そして小学生じゃ絶対来れない場所でも、消防四天王パワーで難なく突破していく9歳児。
もはや皇族の子レベルのVIP待遇。
なにやら沢登りというより「消防士さんと行く!夏休み消防訓練体験会」の一コマのようだ。
何気に41歳の僕もここの岩が登れずに、やさしい消防士さん達に引き上げてもらいました。
その後は「イモリと戯れる」という小学生らしい微笑ましい一コマを経て、
「すぐ下が滝の岩壁と戯れる」という小学生らしからぬ微笑ましくないヘツり展開に。
素敵な夏休みの思い出になったね。
一方、おっさんも元気に頑張ってリポビタンDのCM撮影に挑み、
肉体疲労時のマゾ補給とばかりにヘツリにヘツリまくり、
そして爽やかに泳ぎに泳ぐまくる。
この恍惚の表情からもわかるように、渇水とは言えやっぱり泳ぎ系の沢は最高に気持ちE。
水に浮くバックパックとライフジャケットがあれば、小学生時代に水泳でひたすら「赤帽」を貫き通した僕ですら全力で楽しむ事ができるのである。
ただし僕は四十肩で右肩が回らないため、絵面は溺れてる人に見えてしまう。
「笑いながら溺れる人」という、竹中直人でも真似できない高等プレイである。
そうして泳ぎ進んで岩壁をよじ登って行くと、
今度は絶叫のダイブスポットが登場!
早速現役消防士が「出動!」と叫んで、火照った体の消火活動へ。
僕も2年前も飛び込んだとはいえ、やっぱり高所恐怖症なのでビビってしまう。しかも渇水気味で浅そうだから尚更だ。
しかしそんな怯みまくる41歳の横を、平然と9歳児が飛び込んで行く。
これに対し「大人をなめるなよ!」とばかりに、腰を引かせに引かせた本厄男も「ほおおお!」とダイブ。
カ・イ・カ・ン。
やはり夏の神崎川は飛び込んでなんぼだ。
そしてここがまさに歓落GUYの入り口。
そこからすぐのところに最終目的地である「天狗滝」、別名「鈴鹿の夏の歓楽街(勝手に命名)」があるのです。
高さ5mほどの滝&深い深い淵、そして「さあ!飛びやがれ」と言わんばかりのジャンプ台。
男にとってこれ以上の歓楽街があるだろうか?(ススキノや錦や中洲は別格とする)
普段、暗く汚い海や池で潜水訓練させられている消防士たちも、嬉々としてその清純なべっぴんさんめがけてダイブして行く。
もはや現場は生身の人間による「鳥人間コンテスト会場」に。
渓谷に「わー!」「きゃー!」というおっさんたちの茶色い歓声がこだまする。
子供達も負けじとバンバン飛び込んで行く。
素敵すぎる夏の風景。
飛ぶ阿呆に見る阿呆、同じ阿保なら飛ばにゃ損。
これぞ「歓落GUY」。
普段は大真面目に任務を果たす消防士さんも、この時ばかりは岩壁によじ登ってから「不二子ちゃんに襲いかかるルパン三世」のような豪快なダイブを見せつける。
沢は問答無用に人を子供に還してしまうのである。
そして散々水で遊べば信じられないほどに腹が減る。
岩棚の上で、やっぱ沢といえばソーメンランチだ。
沢の水でキリリと冷やしていただくソーメンは最高!
っと思いきや、僕が率先して作ってしまったため茹ですぎてソーメンが「どろっどろ」に。
もはやそのソーメンは原型を留めるのがやっとで、歯ごたえゼロという老人に優しい仕様になってしまった。
そんなソーメンでも美味しくいただけたのは沢で腹減ってるおかげである!(みなさん、すいませんでした…)
腹も満たされ、散々歓落GUYで遊んだら元来たルートを戻ります。
帰りは流されるだけのところも多く、これはこれで楽しいんです。
と言いながら、僕はしっかりと右膝を強打、というか猛打し、何気にマゾい帰路となりました。
そんな痛みに耐え、名物の「三角木馬滑り」の難所を乗り越え、
あとはひたすらダイブ!
&スライド!
&ダイブ!
&スライド!
&ダイブ!
&破壊!
ここまで遊び尽くせばもうお開きでいいでしょう。
いい加減お家に帰らないと。母ちゃんが晩飯作って待ってるぞ。
大人も子供も、アホほど笑い、そして楽しんだ充実の沢遊び。
約1名膝の負傷で足を引きずっている初老の男がいるが、気持ちだけはいつまでたっても少年だ。
ひぐらしが鳴き、アブが乱舞する中、男たちは帰路に着いた。
ちなみに僕は別れ際、車からみんなに「バイバーイ!またよろしくお願いしまーす。」と言いながらバックで看板の柱に激突しました。
膝にも車にも傷がついちゃったけど、それもこれも夏の思い出なのである。
なんだかんだと「渇水&途中降雨&ドロドロメン&膝猛打&車激突」といつも通りやることはやってる感じだが、総じて無条件に楽しい1日だった。
これ書いてる今現在、信じられないほどの全身筋肉痛に見舞われてるが、そんなことは知ったこっちゃない。
短い夏。
まだまだ遊ぶ気、もとい仕事する気は満々です。
天気はパッとしない日が続きますが、みなさんも残りの夏、これでもかと全力で遊びましょう。
人生には締め切りがあるんですよ。
それではまたお会いしましょう。
ソーメンカワイでした。
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