二日目はいよいよ今回のハイライト双六から大天井までの鎌鎌大縦走。遭難・流血・悪魔のささやき。。。次々に起こるトラブルをオガワは乗り越えられるのか!?3日目は大天井から常念、蝶ヶ岳を経て上高地へ。もう距離感わけわかめな三日間。コレがBBG男塾筆頭アツシオガワの生き様じゃい!(文・アツシオガワ)
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DAY2
AM02:00
起床
どうやらあの世ではなさそうだ。
雷が恐ろしくてどうなることかと思ったが、いつの間にか爆睡していたようだ。
どこでも、どんなシチュエーションでも寝られる俺の睡眠ポテンシャルはメジャー級だ。
朝飯は余ったおにぎりと長ネギの味噌汁×2。
とりあえず胃袋にぶち込む。
AM 03:15
出発。
今日の行程は「大天井(おてんしょう)」まで。
クソなげぇ。
槍に到着した時点での達成感をどう消し去るかが鍵になる。
あたりはまだ真っ暗。
濃霧であっという間に全身ビチャビチャ。
視界も悪いので、道迷いしないよう注意しながら進む。
03:40
樅沢岳(もみさわだけ)到着。
当然何も見えない。
ちなみに晴れていればこんな景色。
絶景!!
でも現実はコレ。
脳内変換も追いつかないレベルのガス。
何も見えないし、ビチャビチャだしで
「あー!もー!」となりがちだが、
ここは百戦錬磨のオガワ、感情のスイッチを一旦オフることにした。
一喜一憂しない。
コレ大事。
AM04:27
ストックのストラップが切れた。
あーもー!!!
そして、追い打ちを掛けるようにプチ遭難。
GPSで現在地は分かってるんだけど、次に進む道が全く見えない。
ガスってなければ迷いようのない場所(樅沢岳と硫黄乗越の間)なんだろう。
まったく目印がない。
開けた場所に出ると次に進む方向が分からなくなる。
当てずっぽうに進んで道迷いなんてことになったら大変だ。
とりあえず、分かるところまで戻った。
この状況は「止」が吉と判断。
真っ暗な濃霧の西鎌で俺は、石にもたれかかって寝た。
むにゃむにゃ。。。
西鎌キレイだにゃぁ。。。
グピー
追い込まれたときほど取り乱さない。
無理に行動しない。
ダメなら戻る。
コレ大事。
15分ぐらいウトウトしてから目を覚ますと、若干ガスが切れ始めていた。
これなら進めそうだ。
遠くに目をこらすと、やっと進む登山道を発見!
ふぅ、危なかったぜ。
AM 05:16
左俣岳(左俣乗越)到着。
ここに来て風が強くなり、ビチャビチャに濡れた体を容赦なく冷却し始める。
バリクソ寒い。
R1持ってきててよかった。
AM 06:30
千丈乗越付近
とにかく風が強くて寒い!&顔が痛い!
ココは地獄なのか?
本当に俺は生きてるのか?
AM 07:20
槍ヶ岳山荘到着
ぐへぇ
疲れた。
案の定、槍ヶ岳での達成感がパない。
これから東鎌尾根を抜けて大天井に行こうだなんてどうかしてる。
想像するだけでゲロ吐きそうだ。
ここは少しでも体力温存のため槍の穂先はスルーが賢明。
先を急ごう。。
AM 07:50
何をしているんだオガワ!
そういうとこだぞオガワ!
コータローと歩いた北鎌尾根を懐かしむ。
うん、絶対にもう行かないぞ♡
AM 09:35
ぎゃーーーす!!
閲覧注意!!
大丈夫だろうと思った大岩が動いて転倒。
手のひらをザックリ切る。
いったーい(T_T)
だいぶ疲れてきて注意力が散漫になってきている。
今一度集中し直そう。
AM 10:08
水俣乗越(みなまたのっこし)
懐かしい。
ここから北鎌尾根に向かって下りたなー。
もう二度と行かないぞ♡(フリじゃない)
振り返れば槍も見えてるじゃない。
やっと天気が良くなってきた。
AM10:43
西鎌の核心部
鎖・ハシゴ・浮き石のデンジャーポインツ。
行く人は慎重に安全にね!
AM:11:03
ヒュッテ西岳到着
心の中の天使と悪魔が言い争いを始める。
悪魔オガワ「おい、なにも無理するこたーない。もうココでテン泊して、あした上高地に下りようぜ」
天使オガワ「ダメだよ!まだ11時だし、大天井まで頑張ろうよ!」
悪魔オガワ「目の前の槍見ながら静かなテン場でビール。最高だぜ?」
天使オガワ「ここで諦めたらBBGユーザーに笑われるよ!」
もはや、天使と悪魔が逆のような気がするが、ビールを我慢しハーゲンダッツで鋭気を養う。
にしてもヒュッテ西岳からの景色最高だね。
ココは絶対に泊まってみたい。
今年行けたらいいなー。
PM12:08
赤岩岳
大天井を目視でとらえたが、あまりの遠さと登りにハーゲンダッツをリバース寸前。
まじか。。。
コースタイムで約3時間。
行動開始からすでに10時間以上経過。
そろそろ体力も限界だ。
無理は良くない。
西岳に戻って、明日上高地に下りよう。。。
PM13:12
大天井ヒュッテ。。。
ガッデム!!
オガワ ガッデム!!
西岳に戻ってビール飲んでればどれだけ幸せだったことか。
見てみろ!この登りを!
どうかしてるぜ!
もう足は限界なんだよ!
マグオン何本打ってると思ってんだよ!
男塾という見えない十字架を背負わされた男「アツシオガワ」
悲しい男の物語はもう少し続く。
PM14:00
大天荘到着。
つ、ついたぁ😭
双六小屋を出発して約11時間。
道迷いしそうになったり、手をザックリ切ったり、濃い一日だった。。。
もう一歩も動けない。
PM17:30
夕食TIME
夕食は小屋で食べさせてもらいました。
最近はテン泊+小屋夕食がマイブーム。(コロナ前)
あたたかい美味しいごはんが食べられて、準備も片付けも不要。
コレが一番の軽量化になるなと笑
あと、テン場代がとても良心的なところが多く、昔から山小屋にもう少しお金を落とせないかなーと思っていたので、このスタイルは一石二鳥。
山小屋周辺の登山道の整備や、遭難者の救助活動など、山小屋が担う役割は非常に大きい。
さらに近年はコロナ禍で収益の減少は著しい。
僕たちが安全に楽しく登山が出来るのも山小屋のおかげと言っても過言ではない。
そんな山小屋が永続してもらえるよう、少しでも力になれたらと思う。
というわけで、ビールおかわり♡
PM18:15
寝る
今日も今日とてガッスガス。
星空も期待できないと判断し、早々に就寝。
明日もクソなげえルートが待っている!!
DAY3
AM02:00
起床
寝たのか気絶したのか分からないが、一度も起きることなく7時間爆睡。
寝付くときに風が強くてバタバタうるさかったから耳栓した。
耳栓は必需品。
目覚まし聞こえなくて寝過ごすこともあるけど笑
朝飯は、ひじきご飯と卵スープ
どちらもお湯で戻すだけなので簡単。
スープ系は、体も温まるし塩分&水分補給もできるのでオススメ。
起きがけに固形物食うのしんどいけど、スープなら飲めるよね。
AM03:55
朝飯食いながら気がついた事がある。
大天井登ってねーわ。ってこと。
ここまで頑なにピークハントしてきて、大天井だけパスするわけにはいかないよなー。
ってことで
夜明け前の真っ暗大天井に登るという謎の責任感を全うし、早々に下山。
何してんだオレ。
AM04:15
大天荘出発
小屋の明かりも付いて、そろそろみんな出発の準備し始めるころだね。
みんなも気を付けて!
AM05:20
くぅーーー
3日目にしてやっとご来光が見れた!
雲海もしゃべぇ
振り返ればズドン
これこれーー
今日は久しぶりに気持ちよく歩けそうだ。
AM 06:00
常念小屋到着
天気が良くて気分がいい。
ラブラブカッポーがきゃっきゃ言いながら写真を取り合ってるのを穏やかな気持ちで眺めていられるのも天気がいいおかげだ。
AM07:14
常念岳山頂
天気最高。
遠くには富士山、八ヶ岳の姿も確認できる。
そして、これから向かう先の稜線。
いいじゃん、いいじゃん。
天気がいいって大事。
シャッターばっかり切っちゃって、なかなか進まない。
ここまで順調にきていたが、蝶槍への登りで一気にペースダウン。
地味にしんどい。
足は重いし、ザックのショルダーからは野良犬の匂いがするし、、、
早く帰りたい。。。
お風呂入りたい。。。
AM09:40
蝶槍到着
人も少ないし、景色もいい。
はじめて訪れたけど、蝶槍最高!
天気が良くて気持ちがいいからちょっと休憩してこ。
AM10:25
蝶ヶ岳ヒュッテ到着
あーー
疲れたーー
腹減ったーー
小屋のベンチで休憩しているとマビー(まぶしい)お姉さんが近づいてきた。
ん!?
あ、あなたは!!
か、カオリさんじゃないっすか!(BBGにも何度か出演してくれてる)
カオリ「来ちゃった♡てへぺろ」
蝶ヶ岳で偶然会うなんて運命なのか!?
と、偶然を装ってみたが実際はインスタのストーリーを見たカオリさんから「明日ひとりで蝶ヶ岳いくんですけどアツシさん通るんですか?見かけたら声掛けます!」と事前に連絡をもらっていたのだった。
特に待ち合わせの時間を決めていたわけでもないので、偶然っちゃー偶然。
運命ってことでいいんじゃないでしょうか。
AM11:17
昼食
カオリさんがわざわざ昼食を差し入れてくれた。
会えるかどうかも分からなかったのに。。。🥺
シェフKAORI’s レシピ
シャウエッセン大盛り 〜北アルプスの風をそえて〜
ちゃんこうどん 〜季節のお野菜と共に〜
北アルプスの絶景を眺めながら食べるうどんは、どんな高級料理よりも美味しかったです!
ごちそうさまでした!!
そして、食べたら寝る!
これ基本。
むにゃむにゃ。。。
もう食べられないよぅ。。。
グピー(爆睡)
PM13:00
アツシさん!
アツシさん!!
おい!ゴリ!!
そろそろ下りないとまずいんじゃないですか!?
カオリさんがきつめに起こしてくれた。
はっ!!
ヤバい!!
寝過ぎた!!(ゴリって言った?)
もう13時じゃないか!!(ゴリって言ったよね?)
上高地発の最終バスにギリギリだ!!(ゴリって言ったの忘れないから!)
別れを惜しむ間もなく、カオリさんとここでアディオス。
別れ際にRK20のショルダーの匂いを嗅がせてみた。
「剣道師範代のコテと同じ匂いがするっす(カオリさんは元剣士)」と褒められた。
カオリさんも眠気が吹き飛んだようでよかった。
PM17:00
ここから先の写真・動画が見事に一枚も残っていなかった。
それもそのはず、上高地までノンストップで駆け下りたからだ。
結果的に最終のバスに乗ることが出来、無事帰路についた。
初老目前男
見事、鎌鎌大縦走コンプリート。
もう二度とやらないし、誰にもオススメしない。
ただ、この上ない達成感と充実感を得ることができた。
お疲れ、俺。
エピローグ
30代最後の思い出登山にと企画した「鎌鎌大縦走」
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今現在はコロナの影響でテン場も予約が必要だったりで長期の山行が難しくなってしまいましたが、
またいつの日か長期縦走が楽しめるアルプスに戻ってくれることを切に願っております。
ギアログは書きませんので、気になる装備等ありましたらお気軽にコメントください!
以上、アツシオガワでした。
押忍!