ある時は何日も掛かる旅のため、またある時は山頂でご来光を拝むため、そしてただ自然を感じたいがため、人は幕営、野営する。突き詰めていくとそれは「外で寝る」という一言に尽きる。ならばそのエッセンスだけを蒸留し、とことんまでシンプルにしたらどうなるのだろう?ORヘリウムビビィに一つのアンサーがある。気になるけれど使ったことはない、使ってみたいけれどハードル高そう。そんなイメージ先行の全天候型ビビィサックを使い倒したレビューです。(文:スナフキン)
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一人上手と呼ばないで
やあ、1億2千万人のBBGファンのみんな。
いつも一人で寝てる人、スナフキンです。押忍!
さすがのBBGでもこの絵面はギリ!爆
みんなはお山やキャンプで寝るときどんな風に寝てるかな?
ボクは今ではハンモックが多いんだけど(家でもハンモックで寝てる)
実はハンモックの魅力を知るまではずっとビビィサックで旅をしていたんだ。
今回はそんなビビィサックの中でも、雨の多い日本国内で使うならこれだ!という銘品。
アウトドアリサーチ ヘリウムビビィを紹介するよ。
ビビィサックって?
語源はビバーク(思いがけない所で野営)するサック(袋)。
つまりはどこでも就寝スペースを確保できるっていうシステムだ。
多くのビビィは設営面積も70cm×220cmもあれば十分広げられる。高さも50cmも必要ない。
そのビビィは大きく二つに分けられる。
一つはスリーピングバックカバーのように他のアウターレイヤー(テント、タープ等)を必要とするもの
もう一つはビビィ単体で雨風を凌げる防水性の高いもの。
ヘリウムビビィは後者の防水ビビィ。
スペック
少し乱暴に言うと超ミニマムなソロテント。
そんな全天候型のヘリウムビビィのスペックを見ていこう。
ヘリウムって?
ビビィに限らず幕体で気になるのは素材。
ヘリウムビビィは上側と下側で素材を分けて使われているんだ。
幕体の上部素材は防水透湿性の高いパーテックスシールド+
アウトドアリサーチでパーテックスシールド+といえば…
そう、超軽量レインウェアの先駆け、不朽の銘品「ヘリウムジャケット」と同じ素材なんだ!
(正確にはヘリウム2ジャケットと同じ)
だから名前が「ヘリウムビビィ」なんだね。
2.5レイヤー構造で表面のリップストップナイロンは30dの厚さで透湿性を重視。
それにパーテックスシールド+のメンブレンが貼ってある。
0.5レイヤーの裏面はドットがプリントされて濡れたものと接してもべたっと張り付かないようになっている。
幕体の下部は荷重がかかる事を考慮して、高い防水性と地面にダイレクトに置いて使えるしっかりとした厚みのTPUラミネートされた70dナイロン。
下部には透湿性メンブレンを使っていないのでコストをぐっと抑える役にも立っているんだね。
重さと大きさ
サイズはメーカー公称で215cm×65cm(足元は50cm)高さは50cm
なんだけど、テントのようにパリッと張れるわけではないので、横にびよーんと延びます。
それを加味した使える範囲の数字では230cm×80cm(足元70cm)、高さ45cmってところかな。
収納サイズはスタッフサックが大きめに作られているので、これの半分くらいになります。
パーツは3つに分けられていて実測値は、幕体455g、ポール57g、スタッフサック18g
メーカー公称の平均重量は510gなのでスタッフサックを抜いた数字でだいたい合ってるね。
ポールとスタッフサックは省くことも可能ではあるのでミニマムだと455gだね。
嵐が来ても平気の平左な就寝スペースがペットボトル1本分以下の重さとサイズか…
数字だけみると確かにそうなんだけど、実際の所を詳しく書くのでまだ判断しないで欲しい。
展開してみた
では構造を見てみよう。
作りはとてもシンプルで完成されている。
見た目はクラムシェルデザインと呼ばれる形。
実はORはビビィを結構リリースしてて、どれも性能はかなりのもの。
その多くはこの風雨に超強いクラムシェルデザインで共通しているんだ。
この数々の修羅場を潜り抜けブラッシュアップされてきた安心のカマボコ型ってわけさ。
クラム(あさり)っていうよりは浮き輪のクジラかモスラみたいに見えるんだな。
ある程度曲がるプラスチックの折りたたみポールをスリーブに通すと頭の部分が立ち上がる。
上部のフライはどこかに閉開できたり窓があったり…というギミックは一切なし。
口の部分にジッパーがありそこから出入りするだけのただの袋なのだ。
このあたりの潔さに、どうにも痺れちまうぜ!
口の周りのつくり
出入りと換気のためのジッパーは下あごについていて、上あごがパクパクして食べられる感じで出入りします。
ダブルファスナーで好きなところを好きな分だけ開け閉めできるよ。
クジラの頭のてっぺん(ポールスリーブ外側)にはループがついていて、
ここからガイラインを引っ張るとしっかりとポールが立ち上がって内側の空間を確保できちゃう。
そこには三角のロゴ付きホックでフライを止めておけるようになってるんだね。
下側のつくり
フライのジッパーの内側にはノーシーアムメッシュがあって虫のいる時期にはとても便利。
メッシュはフライとは逆に下あごに付いていて閉めると上あごへとつながっていく。
厚手で防水性の高い下部フロアは15cm位立ち上がっていて、例え寝ているうちに周りが水たまりになってもだいじょーぶ!
ロゴの書いてある足元は下部フロアがそのままかまぼこ型に伸びて上部フライとつながっています。
これは足元に装備や靴を入れることもあるから、厚手になっているのかしら?
そして足元に2つ、下あごに3つループがついていてペグダウンできます。
内側(室内)のつくり
さて、内側(室内)を見てみると、下部フロアにはスリーピングマットを固定できるストラップがあり面ファスナーでサイズ調整できる。
これはポール部分と中間部分の2本付いているのでしっかり固定できるよ。
冬用の厚手のダウンマットなんかでも余裕っち!
上下とも縫い目には超丁寧にシームテーピングされていて、超安心できます。
フライを締め切った中は光は通すが外は見えない。
ポールを入れたらしっかり立ち上がるので(自分の)首から上の部分は幕が被さらず快適。
っと、ここまではぶっちゃけどこのギアレビューでも読める(それでも詳しい)内容だ。
BBGはここからが勝負。
こっからは使い倒したガチの所をお届けしちゃうぜ!
実際どうなの?
んで、実際に使ってみました。
少なくとも50泊以上。
その中でビビィサック全体の抱える特性について、ヘリウムビビィはどうなのかを対比してみよう。
特性1 居住性がほどほど
ビビィサック全体として居住性を高めると重くなるし、設営の手間も増える。
逆に簡単に軽くすると、ただのスリーピングバッグカバーで居住性と対候性は悪くなる。
ヘリウムビビィはというと
寝るには十分な広さの空間が保たれる
広くて快適ではないし、狭くて顔にフライが掛かりまくる訳でもない。
着替えは下半身なら寝袋に入ったまま出来るけど、上半身は難しい。
仲間とワイワイやるのは難しいけれど、おひとり様ならそれなりに楽しめる。
悪天候ならフライを閉めてスマホいじったり、本を読むくらいは出来る。
つまり、ほどほどにすごしやすい。
この写真推してきた!!爆
調理とか上半身を着替えたり、作業をする場合は手と顔を出した物ぐさスタイルで出来るよ。
これもすごく快適ってわけでもないけど、不便ってほどでもない。
特性2 結露がほどほど
関東や内陸の乾燥したところでは分からないけれど、海が見える山や、寒い場所だと何使っても結露するよね。(多少の差はあるけど)
身も蓋もない言い方をするけど、ビビィサック全般として基本的に結露します。
しかもちょいと動けば中で寝袋と幕体が接するので、結露は寝袋に付きます。
ものによっては、翌朝起きたら水浸し、ビビィの中に水溜りができるものも珍しくない。
そうなると一晩でダウン寝袋のロフトを潰し、保温性を大きく下げて連泊不可能やね
そもそもビビィの換気、通気性能を向上させたらどうなるか。
常に風が通り外気との湿度差が無ければ幕体はドライでいられるのでは?
そりゃ、そんときは寝袋自体に結露するだけなんだな。
それを踏まえると、肝心なのは透湿性能。
ヘリウムビビィの上面に使われているパーテックスシールド+はB-1法で計測された透湿性20,000g / m2/ g/ 24hrs という能力を持っている。
さらに、下面に丈夫な70dTPUナイロンを使い分けたヘリウムビビィはどうなんやろ?
結論としてはそんなに結露しない。
砂漠のようなドライ感があるわけでもないけれど、ずぶ濡れで寝袋の保温性が著しく損なわれるってほどでもない。
上部のパーテックスシールド+のフライと寝袋自体は気になるほど結露しないけれど、フロアの部分(特に足元と腕の横のあたり)は少し結露して寝袋にも少し付く。
でも、そんなに大した量ではないから2,3泊なら言ってみれば許容量。
そして、ヘリウムビビィの内側は裏地が無いし、パーテックスシールド+は保水型のメンブレンでもないので、結露して濡れても裏返してさっと拭けば次の夜も使える。
つまり、ヘリウムビビィは「現実的に利用出来る範囲の結露」なのだ。
素材の使い分けもセンスを感じるね
全面に薄い防水透湿素材を使ったとしても、底面とサイドから幕体自体に冷気が伝わるので透湿性は発揮されにくい。
ならば、そこは耐久性があり、安価でグランドシート不要の素材でカバーするのはとても合理的なんだ。
でも、出来れば化繊か撥水ダウンの寝袋を使ってると安心だね。
ただ、3日以上連泊するにはフライを閉めた際の呼気に注意して欲しい。
呼吸に含まれる水分は結構な量になる。
寝袋の中でスマホでもいじってみると一瞬で結露するでしょ?
それが連泊の際には寝袋を徐々に濡らしていくんだ。
あと、フルクローズすると窒息するので呼気が抜けるように適度にフライは開けてね。
といっても、国内で連泊の際にはどこかで雨が降る事を前提に行動するだろう。
そうなると、タープか傘なんかの簡易的なフライを持ち運びは必須です。
でないと寝る以外の行動は無理だよ。
そもそも雨ならビビィに出入りするのにも濡れるからね。
狭いグラウンドシートでも持っていけば代用出来るかな。
ということで、連泊の際には(雨なら)タープを開口部に掛けるのでフライは開けて呼気は外に出せば問題なし。
ってことで、トータルの居住システムとして考えた場合はほどほどの許容量の結露です。
ここで少しTIPSなんだけど、寝ている間に体から排出する水分は大半は手の平、足先と口から出る。
呼吸はマスク、バラクラバを鼻と口まで覆えば湿気を少し少なく出来るね。
あと、ボクはどうしても結露で濡らしたくない時にどうしてるかっていうと…
足先にビニール袋を履いて寝ます。
少しガサガサするけど気にならないです。
皮膚の表面が濡れたらそれ以上の不感蒸泄はしないので、びちゃびちゃにはならないっす。
ただ、皮膚は濡れるので長期の旅や、重い荷物を担ぐ際には向いてないよ。
ネオプレンソックスでもいいよ。その際は血流を妨げないことに注意を。
特性3 重さがほどほど
対候性を上げ、防水対策もばっちりな複数のポールを使ったゴアテックスのビビィや寝袋カバーは1kg以上になることもある。
反対に200g台という軽量でシームシーリング済みと謳っていても、生地自体の防水性が低く、さらに居住性が低く雨の中の単体使用が不安なものもある。
ヘリウムビビィはざっと500g程度。
軽量ビビィではあるけれど、ストイックな軽さでもない。
しかし、パーテックスシールド+という信頼のおける素材は、大雨でも平気の平左な1万4千mmの防水、透湿性は2万m2/ g/ 24hrs という性能。
さらにポールで支えるので顔の部分はクリアランスが取れている。
もっというとメッシュも付いているので蚊帳を別に用意する必要もない。
かといって長旅にはタープやなんかも必要になるのは前項で分かった。
探せば顔の部分だけ覆うサイズのタープなら100g以下のもあるし、300g台のタープも今では珍しくない。
傘をちょいと置いておくだけでも十分といえば十分。
でも、現実的に考えるとヘリウムビビィが約500g、更に汎用性のあるタープで300g。
合計800gという重量は今どきのシングルレイヤーテントやシェルターでは珍しくない重さなんだな。
ウルトラライト的な思考でいくと、防水の袋なんだからドライサックと兼用するし、底面も70dTPUナイロンだからグランドシートもいらない。
設営スペースもほんとに小さいので幕営地の選択が広がる。
なので特別に軽くてコンパクト!とは胸を張れないけど
比較的重いとも言えないほどほどの軽さと大きさ。
特性4 解放感がゴイスー
ここまで紹介した特性ではビビィ泊をする理由ってのはモスラファン以外には見つからないかもしれない。
しかーし、ビビィ泊には超おすすめできる魅力があるんだ。
それは、ビックリするほど自然が近い!
しかもヘリウムビビィはフロアが70dのTPUラミネートナイロンで設営場所を選べば、グラウンドシートも省ける。
シーム処理もばっちりで雨にも対応できている。
日本で晴れた夜にカウボーイキャンプ(そのままゴロ寝)はやっかいな夜露が降るから結構難しい。
ヘリウムビビィは防水なので積極的に単体で地面にゴロンと寝転べるのだ。
しかも、カウボーイキャンプと同じくらいの開放感。
その普段着ニットがココで生活してる感が出ちゃっててダメ爆
横を向いたらむき出しの地面。
上を向いたら満点の星空、もしくは真上に伸びる木の枝のシルエット。
フライを開けていると解放感がゴイスー!
外で寝てるってのをビンビン感じられるんだよ。
なんでボクがビビィを使うかって言ったらこの解放感のためなんだな。
どこでも設営出来る
軽量なシェルターやタープ、テントでも自立式でないと結構な設営スペースが必要になる場合が多い。
人気のサイトなら早めに到着しないと設営場所も確保出来ず、仕方なく傾斜地や人通りの多い場所に設営して落ち着いて寝られない。
あるところではペグが打てない場所もあるだろう。
そしてバックパッカーなら(理由はともかく)高さを抑えたい時もある。
不意のびっくりするほどの強風や豪雨。
そんなときでもほんの少しの木陰や遮蔽物を使える。
ヘリウムビビィなら自立式だし、気軽にどこでも設営できるよ
特に横幅が70cm未満でいいというのは、ゴイスーな破壊力を持っています。
これはマジで便利なんだな。
特性5 設営開始~完了(30秒)
ごめん、少し盛りました笑
でも、最短だとマジで30秒で広げることは可能なんだよ。
しかーし!
実際にはヘリウムビビィを設営するってのは寝られる状態を作る事なので教科書(あるのか?)とおりにやると7工程くらいになるのだ。
①ビビィを広げる
このとき足元をペグダウンするならする
②ポールをスリーブに入れる
脇からスルスルと突っ込む
③足元に入れたいものがあれば入れる
水か食料か靴、もしくは濡らしたく無いものがあれば入れてもいい。
④マットをストラップで固定する
エア、インフレータブルマットならここで空気を入れる。
ストラップで固定してからでもいいし、膨らませてから固定でもいい。(ボクは前者)
⑤スリーピングバッグを入れる
寝袋のジッパーは腰の高さ以上閉めておく。
基本的にここで決まるので理想の位置に置いておこう。
⑥フロアにたるみが無いように下あごを引っ張って形を整える
フロアが伸びていないと広くもない室内が更に狭くなる。でもだいたいでいいよ。
頭側のペグダウンをするならここでしたらいいかな。
⑦ガイラインを引っ張って枕元においておく
そんなに強い力で引っ張らないので適当でいいです。
字面で見ると設営はなんて面倒くさいんだ。
これだけあると慣れてても10分は欲しいかな…。
しかーし、
ボクは基本的にバックパックを下ろしてから3分でこの状態に持っていきます。
よくある「色んなものを放っぽったカタログスペックの設営時間」じゃないよ。
服がそのままでいいなら、即眠れる状態だよ。
そのイリュージョンのタネはというと…
①むんずっ!とバックパックに手を突っ込んでビビィを掴み出す
②せいやっ!と気合と共に広げる
③ぶわーっ!とエアマットを膨らます
④ポールを入れる(ここは普通)
⑤ちょいちょいっ!とスリーピングバッグを微調整してお終いや!
ふぅ…ここまでで大体2,3分だね。
…言いたいことが山ほどあるだろう。
しかし、まずはこのハゲの話を聞いて欲しい。
この件でボクが伝えたいのは「仕込みが可能」って事なのだ。
そう、わざわざ買ったばかりの状態で勝負することはないのだよ。
エアマットをあらかじめセットしておいて、寝袋も中に入れておけばいいじゃない。
勿論2日目以降は干した後にこれをセットしておく。
基本的にビビィを使うと結露するので…ってか、装備は基本なんでも干せるときに干すよ。
雨の日なら内側をタオルで拭いたらそのままぶち込んでまいてしまえばいい。
あとペグダウンはしない。
体重で抑えられるのでペグダウンしてもしなくてもあんまり変わらない。
ペグダウンが必要な場面ってのは、ビビィ設営してどっかにお出掛けするときで、寝てる時の話じゃないんじゃないかな?
崖や狭い稜線で寝るときにペグダウンして安定させるのは(少なくともヘリウムビビィは)想定してない。
ビビィが動くほど寝相が悪い上に傾斜地なら、ペグとつないだループ部分が千切れて紐無しバンジーになるので適地を探した方がいいよ。
あと足元に荷物をしまわない
「カタログスペック215cmの大きなサイズだから190cmの大男が寝ても足元にはまだ余裕が~」的な事が、まことしやかに囁かれる昨今ではございますが、
本当にそうかな?
スリーピングバッグって足先と頭の先にも厚みがあるよ。
それもヘリウムビビィの頭側は角度が付いててその分だけ内側に下がるんだ。
だから実際に顔がある位置ってのはポールの真下近辺なんだよね。
ちなみにペラペラのバックパックだとしても足元の底にしまうのは結構手間。
逆にバックパックに全部詰めて、カバーかけるか、大きなごみ袋にいれておけば濡れないし色々取り出せるし、ガイラインもそこから引ける。
バックパックの中でも靴や水が凍るほどの外気温なら、寝袋の中にしまった方がいいかもね。
ヘリウムビビィは不便で楽しい
山の装備、旅の道具、としてヘリウムビビィを捉えた時に言えるのは
バランスが絶妙なのだ。
地面にゴロ寝のダイナミックさはありつつも、全天候型。
全天候型でありつつも、そこそこ軽量。
そこそこ軽量でありつつも、設営も簡単。
いざとなればサクッと安全な物陰に移動できる設営の汎用性。
万能では無いけれど、少しの工夫でそれなりに快適に過ごせる。
ビビィサックというかなりピーキーなスリーピングシステムにしては、そんなに困らずに眠れる性能なんだよね。
この解放感と不便さと自由度のバランスが絶妙なんだよ。
こんなあなたにベストバイ
ではアウトドアリサーチ ヘリウムビビィがおすすめな人は…
- ダイレクトに自然を感じたい!(ナチュラリスト)
- 不便を楽しんでみたい!(ステップアップ)
- 野営にも慣れてきたので少し冒険してみたい(アドベンチャー)
- 省スペースで自然へのダメージを最小限に抑えたい(エコロジー)
- 大きな声では言えないがゲリラだ(バックパッカー)
- 実は自分はダイレクト寝でお馴染みの鯉さんだと思う(鯉さん)
- カタログで見た瞬間、爆笑した(スナフキン)
- テントをデパートにするのも飽きた(スターリン)
余計なギミックも無いから幕体も軽くシンプルに済む。
それでいてノーシーアムメッシュで深刻な不快さはカット。
1本だけのシンプルなポールはビビィっていう極限のおひとり様を楽しむためのギリギリの快適性。
少し足りない、だからいい
ヘリウムビビィは、そんな気持ちにさせてくれるギアなんだ。
品名 | ヘリウムビビィ | ||
メーカー | アウトドアリサーチ | ||
写真 | |||
重さ | 本体455g、ポール57g、スタッフサック18g | ||
サイズ | 215cm×65cm×50cm | ||
参考価格 | 31,320円(税込み) | ||
BUY NOW |
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あとがきのようなもの
今回も最後まで読んでくれてありがとう!
今回もネガティブな部分も包み隠さず書きました。
ってか、ヘリウムビビィはそういう部分を強調し過ぎちゃったかもしれない。
何故ならボクはこいつを愛してるからなんだね。
欠点(というか特性)をちゃんと知ってもらっても、さらに輝く魅力があるんだよ。
それに結構、向き不向きがあるギアなので(いつものハンモックは万人向き)しっかりリスクを踏まえて挑戦して欲しいんだ。
あと、ボクがこいつを愛して止まない一番の理由ってのは、こいつがポツンと置かれている姿。
こいつのモスラのようなフォルムを見つけた人々の反応を想像してみてよ…
キャンプ場で見つかれば、親は子供たちを避難させ
お山の幕営指定地ではどれだけ人気サイトだろうが、周囲は空き地となり
公園で見つかれば死体袋と間違われ、危うくポリスストーリー…
そう、ハンモックと並ぶほど人心を惑わすギアなのだ。
実際に寝過ごして公園でモスラの繭から羽化したとき、ラジオ体操で集まっていた地域住民をドン引きさせた経験もある。(お騒がせしました)
とまあ、ある意味では諸刃の刃なヘリウムビビィ。
あなたならどんな切れ味を魅せてくれるかな?
じゃあ、またね。
テントだろうがハンモックだろうが、おひとり様のスナフキンでした。
Hike Your Own Hike!
次回からもうちょっとホーム&レス感薄めでお願いします!笑