アスリートは睡眠を非常に重要視する。睡眠の質と量がパフォーマンスに大きく影響するからだ。
米ESPNによるとテニスのロジャー・フェデラーやNBAのレブロン・ジェームスは平均12時間の睡眠を取っているという。やはり超一流はよく寝るのである。
登山などでも翌日の「疲労回復」「集中力」「状況判断力」などは前夜にどんだけ爆睡(快眠)できるかにかかっている!みんなは山でちゃんと寝れているだろうか?疲れているのに寝れない・・・そんなアナタに山での爆睡四種の神器+1を紹介する。
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ウルトラライト インサレーティッドマット
四種の神器の1つ目がマットである。
シートゥサミットには数種類のエアマットが発売されているが、その中で今回BBGがチョイスしたのが「ウルトラライト インサレーティッドマット」(※以下ULインサ)である。
スペック
なぜULインサをチョイスしたかというと、重量とR値のバランスが3シーズン通して一番使いやすそうだったからである。
同じULシリーズのインサレーションがないバージョンのものは、レギュラーで395gと軽量なのだが、R値が0.7とウソん!?ってぐらい低いのである。
さすがにR値0.7は寒くて寝れない気がしたので、ULインサをチョイスした。
主な特徴
① エアスプラングセル
何と言っても一番の特徴はエアスプラングセルと呼ばれる凸凹した形状。
ポケットスプリング構造のマットレスと同じように圧力が分散され、爆睡確実だと言うのだ。
②サーマルインサレーションテクノロジー
Exkinプラチナムという極薄の金属層と一体化した軽くてしなやかな不織布が身体からの熱を効果的に反射してくれる。
③サーモライト
サーモライトとは独自の中空繊維が3次元かつ高密度に絡まった断熱層を形成し、優れた耐久性と保温性をもたらしてくれる中綿材のこと。身体の熱と冷えた地面の対流によるヒートロスを防いでくれる。
④マルチファンクションバルブ
膨らませるための逆止弁付きバルブと空気を抜く開放バルブ、さらに空気を抜いて硬さを調整するボタンまで付いた空前絶後の超絶天才的バルブ。
⑤40D
軽くて耐久性のある40Dのリップストップナイロンを採用しパンクに強くなっている。また表面にコーティングが施され滑りにくくなっている。
フィールドテスト
8月上旬の北アルプス烏帽子岳のテン場でテストしてきた。
セッティング
まず最初に感動したのが空気の出し入れの容易さである。
僕は今まで
ネオエアーミニポンプを使ってラクしてきた。
だって、ただでさえ空気が薄い(←大げさ)のにデッカイマット口で膨らませたらクラクラきません?
だからコイツにマットは任せておいて他の作業をするっていうのが流れだったんだけど、
いかんせんコイツの安い掃除機みたいなウィーン音(機械音)が嫌いで・・・。
で今回はULインサを膨らませるにあたって秘密兵器を用意した。
四種の神器の1つである「エアストリームポンプサック」である。
実際に中にはテン場に着くまで出すことのないシュラフや着替えなどをツメて持ってきたのだが、なんとコイツがポンプサックにトランスフォームするのである!
底にあるドッキングステーションをマットのバルブに接続させる。
まず「INFLATE」を開いてポンプサックをドッキングさせる。
そしたらサックを広げて中に軽く空気を送り込んでやる。
そんなに神経質に空気を送り込まなくても何となく入ったかなー?で大丈夫。
そしたら、クルクルして
ぶっしゃー!で空気が勢い良く注入される。
なんとこの作業を2.5回するだけでセッティングが完了するのだ!
めちゃくちゃラクだし早い!
これなら頭がクラクラすることもなく、耳障りな電子音を聞くことなく、完成させることができる。
慣れてきたら1分ぐらいでいけるんじゃないかな?
それぐらいあっという間に作業が完了するのだ!!
さらに、撤収の早さもウリのひとつ!
今度は先程のバルブの「DEFLATE」を開くと一瞬で空気を抜くことができる。
実はこの空気を抜くって作業が「ニーモ」や「サーマレスト」のバルブだと案外大変だし時間のかかる作業だったのだが、シートゥサミットの秀逸バルブは空気の抜けが本当によく、あっという間にぺしゃんこにすることができる。
撤収作業時間の短縮は個人的にかなりポイントが高い。
寝心地
寝心地もめちゃくちゃいい。
ニーモのテンサーと比べるとエアマット特有のフワフワ感が全くしない。
硬めの寝心地が好きでエアマットに抵抗がある方にも是非試していただきたい寝心地である。
テンサーもフワフワしにくくなってはいるが、比べるとその差は明らかだ。
また空気圧を微調整できるのもGood!
真ん中のボタンみたいなのを指で押すと空気が抜けるので、自分の好みの空気圧に微調整できるのも素晴らしい。
ただし、この凸凹形状ゆえ「No Good」な点もある。
それは肘を付いて寝転がったり、マットの上に座ると底づきする点である。
凹の部分はかなり地面と接近しているため、どうしても一箇所に圧力が掛かってしまうと底に付いてしまうのだ。
その点テンサーは一定の厚みと空気圧が均等にかかっているため、底づきはなく快適である。
ただ、個人的にはそんな時も先日の「いぶし銀」コーナーで紹介した「切りっぱなしZ」を敷いてしまえば解決してしまう問題ではあるので、そこまで重要な問題ではない。
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もう一つは、凹にゴミが入り込む問題もあるが、正直気にならない。
しかし冬に使った場合、雪が凹に入って溶けて水になってシュラフを濡らしてしまうという問題はなかなか厄介そうだ。
実際冬にテストしていないので、まだ何とも言えない部分ではある。
エアチェア
ULインサはエアチェアというアタッチメントを使うと極上のソファ(椅子じゃない)にトランスフォームする。
- 底部は丈夫な耐水圧2,000mmの70Dナイロン
- バックパネルとストラップアンカーは高強度のウルトラシルファブリック
- パネルやストラップ、バックルを小型にした軽量設計
- 重量約230g
ほんとだ、椅子じゃない、ソファーが出来上がった。
パンクすると地獄の夜を迎えることとなるエアマットでやるのは少々攻めてる気もするが、しっかりとした生地で覆われているので、よほど大丈夫だろう。
ふんぞり返ってみた。
腰痛もちの自分には最高の相棒となってしまった。
天気が良くて景色のいいところでふんぞり返ったらビールが何本あっても足りなくなりそうだ。
秀逸バルブのお陰で空気圧の微調整も簡単にできてすばらしい。
もたれると若干背もたれの両端に入ったポールのようなものが肩や腕に当たるのが気になった。
しかし、そんな素振りを一切見せることなく、成功者になった気分でふんぞり返るのがエアチェアの正しい座り方だ。
もちろん外で使うだけでなく、テント内でも成功者気分を味わうことができる。
腰がいたいのに身体を丸めて過ごしてたあの頃の自分にグッバイ!
エアチェア持って冴えない外界の自分から現実逃避だ!笑
230gで手に入るテン場成功者物語。プライスレス。
エアロプレミアムピロー
最後に紹介する四種の神器は「枕」。
テン泊野郎に「家の枕じゃないと寝れないの」なんて言うシャバ僧はいないと思うが、枕があれば爆睡できるのは確かだ。
エアロプレミアムピローは手のひらサイズの超コンパクト設計。
重量はレギュラーサイズで実測85.5g
この枕にも秀逸バルブが付いているので空気の出し入れが超絶簡単だ。
柔らかく起毛した表面生地は肌触りがとてもいい。
たった85gで快眠できるんなら持っていかない手はない。
+1
今まで紹介した爆睡四種の神器にプラスしておすすめしたいのが耳栓である。
明日に備えて寝るぞ!と思っても、周りのテントから聞こえてくる「いびき」「歯ぎしり」「おなら」「喘ぎ声」etc…
寝れるかーーーーっ!!!ってなる前に耳栓してみ。
朝までぐっすり寝れるよ。
特にオススメしたいのが「MOLDEX」モルデックスっていうアメリカ製の耳栓。
いろんな形や硬さがあって迷っちゃうけど、僕は「ソフティ」と「ピューラフィット」っていう二種類を愛用。
ソフティは名前通り柔らかめ、ピューラフィットは適度にしっかり感のある感じ。
どっちの耳栓もめちゃくちゃフィット感良くて、遮音性が高く、耳も全然痛くならないすぐれもの!
車中泊する時も車の音が気にならないから、社内にも常備してるお気に入り。
しかも値段が安いから無くしても痛くない!使い捨てってなってるけど、もちろん何度でも繰り返し使えます。
ただ耳ん中掃除してないと、耳栓の先っちょが黒ずんでくるから気をつけろっ!笑
まとめ
いかがだったでしょうか?爆睡四種の神器+1。
やっぱり山行って寝れないとホント次の日しんどいからね。
山で元気に動きまる為にも「よく食べて、よく寝る」
これ大事なことだよね!