「そうだ、京都行こう。」と何処かで聞いた事のあるセリフで始まった、”京都一周トレイル”。歩みを進めるごとに風情を変える町並みを楽しむ、まさに京都ならではの山歩き!まだ見ぬ京都の魅力に出会うべく、無謀にもトレラン初心者のぽっちゃり系コンビが走って旅する3日間。今回は京都へ月1で訪れ、第二の故郷と勝手に思いこんだあげく自称「歩く京都ガイド本」を名乗る神社仏閣マニアの私・鬼ころしSがご案内いたします。

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はじめに

京都市街を囲む山々を巡る「京都一周トレイル」をご存知でしょうか?

観光だけでは回る事の出来ない、京都の魅力に出会えるトレッキングコース!

主要コースは伏見稲荷〜比叡山〜鞍馬〜嵐山〜苔寺の約75kmを結び、途中では世界文化遺産を含む名所旧跡や神社仏閣を眺めることが出来るというこのトレイル。

内容は、基本的に4つのコースがあります。

  • 東山コース:24.6km  伏見稲荷〜将軍塚〜蹴上〜大文字山〜北白川〜比叡山
  • 北山東部コース:17.9km  比叡山〜大原〜静原〜鞍馬〜貴船〜二ノ瀬
  • 北山西部コース:19.3km  二ノ瀬〜氷室〜京見峠〜沢ノ池〜高雄〜清滝
  • 西山コース:10.7km  清滝〜保津峡〜奥嵯峨〜嵐山〜苔寺〜上桂

上記の他に、新しく増設された2つのコースも。

  • 東山コース伏見・深草ルート:9.5km  伏見桃山〜伏見稲荷奥社
  • 京北コース:41.6km  細野〜奥又の滝〜常照皇寺〜細野

コースごとに地図が販売されているので、まずは行きたいコースの地図を購入。

関西の書店やアウトドアショップで手に入るので、事前に購入して妄想を膨らませましょう。

スタート地点の伏見稲荷の売店でも販売されているので、遠方の方は現地でゲットすることも可能です!

ちなみに我々は通販でゲットしましたが、取り扱いが”郵便局振込”のみなのでご注意くださいまし。

詳しくはコチラをご覧ください。

始まりの伏見稲荷 〜女学生の森〜

長いトレイルを3日間に分割して計画を立てた我々は、1日目は伏見稲荷大社から大文字山を経て銀閣寺をゴールとした。

東山コースのスタートは、言わずと知れた”千本鳥居”の景観で有名な、日本三大稲荷の「伏見稲荷大社」の最寄駅である京阪伏見稲荷駅。

ここから始まる京都一周トレイル、駅には記念すべき「東山コース1番」の看板があります。

・・・あるはず。

なんと早くも京都らしい景色に完全に浮かれポンチとなった我々は、看板を完全にスルーしてしまった模様。

【09:10】

看板探しは忘れても、お清めは忘れずに!

柄杓1杯分のお水で一連の手順を終えるのが、正しい手水のお作法です。

それでは、いざ京都一周トレイル出発!

お見苦しいムッチリ系のナマ腕ナマ足、失礼つかまつります。

ぽっちゃりーずの基本スペック「汗っかきの暑がり」という事を念頭に置いていただけたら、泣いて喜びます。

さすがは春爛漫の4月上旬、日本らしい景色が楽しめる良い季節!実に様々なお国の方々が入り乱れる境内。

千本鳥居は大渋滞なので、我々も景色を楽しみつつのんびり歩きましょう。

今回のファッションチェック♪京都の景観に溶け込むべく、朱色のウインドシェルを着てみました。

ああっ、浮かれポンチ丸出しって言わないで〜。

2-1【09:54】

伏見稲荷の奥社まで来ると、初めて京都一周トレイルの看板を発見!(1番を見落とし、もう2番・・・ガクッ。)

番号は地図と連動していて、今自分がどのポイントにいるのかが一目で分かる便利な看板。

迷った時は大事な指差し確認。これから3日間、この看板を探しながら案内に沿って進んで行きます。

本当に千本あるのか数えてみたくなる鳥居。進んでも進んでも永遠に鳥居。とにかく圧巻の一言!

日本人に道を譲ると「サンキュー」と言われてしまう、南米ギャング体型アツシオガワ。

安心して下さい、日本語は勉強して来てますよ。

ガブリエル・アツシ

カルロス・オガワ・ガブリエル・アツシデース。ガブチャンッテヨンデクダサーイ。ニホンダイスキデース。

3-1【10:17】

このポイントにある売店で、京都トレイルの地図が販売されています。手ぶらの方はここで地図ゲットだぜ!

なんとなく膀胱のキャパに不安を覚えトイレを探すと、この地点からトレイルコースを外れて5分ほど歩いた先にありました。

実際の地図。3-1付近のトイレは地図には表記が無いけれど、手前に沢山トイレがあったのね・・・

山道に入ってしまうと、しばらくトイレが無い!なんて事もありますが、トレイルの地図にはトイレポイントも詳しく表記があるのでご利用は計画的に。

ここまで来ると神社の石畳が途切れ途切れになり、観光客もまばらになるのでようやくラン開始。

街中や神社周辺を走る際には、特にアップダウンはないのでマイペースで気持ちよく走って行きましょう。

ぽっちゃりーずの体感的には初夏の陽気で、すでに2人とも半袖・・・

4【10:37】

伏見稲荷の境内を出て車道へ。さらにメインの道を外れて、脇の階段を下る。

見落として通り過ぎる私に「ヒア!ヒア!」と指差すペルー人に、不本意ながら「ソーリー」と伝え後を追う事に。

凄い悪人顔だけど、もしかしてこの先は港でこのまま人身売買の船に乗せられて売られちゃうのかな?

5【10:38】

行き先は港ではなく泉涌寺だった。稲荷山の山頂は通らず、案内に従い橋を渡ると・・・

なんと突然住宅街に放り出されてしまった。

このような風景の変化を楽しめるのも、京都一周トレイルの醍醐味!

ご近所さんと時々会話を交わしながら走る。地元の方々の理解は深い様子で、挨拶をしたり「こっちだよ〜」と声を掛けていただく事も。

6【10:41】

住宅街を外れ、階段を上がると泉涌寺へ。

ここ「泉涌寺(せんにゅうじ)」には”絶世の美女”と言われる楊貴妃観音像があり、美人になれる!良縁がある!という何とも嬉しいご利益のあるお寺。

女性ランナー、女性ハイカーの皆さま、ぜひ寄り道してお参りしていきましょう♪

「これ以上美人になっちゃったらどうしよう〜♡」と隣でヒゲ面のおじさんが何か言ってる気がするけれど、聞こえないフリを決め込むことにした。

まだ先は長いから、無駄な体力は消費しないようにしなくっちゃね。

しかしここでアツシオガワの真髄を垣間見る事に。

Googleマップを開き、「これでルートミスしてもすぐ分かるから大丈夫」と頼もしい発言に一気にイメージアップ!

やっぱり敏腕CEO、ガジェットの使いこなしっぷりが流石ですね!

散々ゴリラ扱いして、ごめんなちゃい。

アツシオガワ

説明しよう。ヤマレコやYAMAPなどにUPされている山行記録のトラックログ(GPX)をダウンロードしてグーグルマップに表示させているのであーる。

お寺の前の緩やかな下り坂を気持ちよく走りながら、住宅街へ抜け・・・あれ?住宅街??

現在地のドットが盛大にお散歩中。

開始1時間にして、早くも1回目のコースアウト。

どうやら曲がらなければいけない箇所を気持ちよくランスルーしてしまった模様。

「ほらね、さっき言った通り。ルートミスしてもすぐ分かったでしょ?」となぜか自信満々のアツシオガワ。

9-1【10:54】

なんとか別ルートで修正し、看板を発見。そして通るはずだったルートを確認してみると・・・

まさかのめちゃくちゃ良さげな雰囲気だ。

道に迷った時に限って通るはずだったコースが絶景、という京都一周トレイルあるある。

“看板が見つからない時は、早めの修正” これを肝に命じた二人であった。

この先は森の中を抜ける予定なので、私達のような多汗症の人はここの自動販売機ポイントで給水を。

このようにルート上には自動販売機があるので、山の中でなければ水分補給は心配ないかと!

ちなみにルート上にはコンビニが1軒もありませんので、行動食は1日分持っておくことをオススメします。

9-2【10:58】

住宅街の中での看板探しは結構見つけづらい。四つ角に来たら、まずは電信柱の裏や住宅の脇など色々な所にかくれんぼしている看板を探す。

紙の地図を見ながら行くのも楽しいけれど、これも宝探しをしているような感覚でワクワク!

軽快に走って行くと、この角のお宅のマダムに「元気ね〜若いわね〜」と褒められ有頂天のアツシオガワ。

しかし美人祈願といいこの凄まじい内股具合といい、なんだか様子が・・・?いや、きっと気のせいだろうな。

11【11:00】

住宅街に突如現れるこの階段が「京女鳥部の森」への入り口。

京都女子大学に隣接する国有林の中がトレイルコースになっていて、その広さなんと13ヘクタールとのこと!

余談ですが私の母の出身校はここ、京都女子大学。京都が大好きな母親、私も大きくなってからはよく連れ回されたな〜。

私が京都を第二の故郷と言うのにはそんな理由もあり、ご縁を感じながらお邪魔します。

アップダウンの少ない森の中は、よく整備されていて気持ちよく走れる。

「生まれ変わったら京女生になって、鳥の声を聞きながら毎朝この道をスキップするの♪」とウキウキなアツシオガワの様子に、私の疑問がだんだんと確信に変わっていく。

13【11:12】

「汗ばむわぁ〜」と汗がにじみ、黒光り具合にもより一層の磨きがかかる。

ひと走り終えたというより、ひと仕事終えたような感じが否めないけれど・・・

このガチムチ体型といい、やっぱりそっちの人なんだろうな。聞きたい事は沢山あるけれど、京都一周トレイルが無事に終わるまで今は胸にしまっておこうと決めた。

アツシオガワ

ケミストリーをスルーすな!

友情の清水山 〜アツコとの出会い〜

森を抜けた先は国道1号。急に難解になる地図を必死に解読して、国道づたいに進み側道を渡る。

15-2【11:16】

さらに迷わせポイント登場。この図にある「地下道」をくぐるはずがちっとも見つけられず、辺りを軽く徘徊するハメに。

諦めて看板の所まで引き返し・・・振り返ると奴がいた!なんとも存在感の薄い地下道だった。

少し引き返さないと見つけにくい、要注意ポイント。

「ちょっと焼けたかな?シミになっちゃう〜。帰ったら美白ケアしなくちゃ。」と鏡を覗き込むガチムチボディの人。

噂には聞いていたけれど、やっぱりオネエ系の人は本当に美意識が高いんだなぁ。私も見習わなくちゃ!

16-1【11:21】

鬼の石段登りが見えた瞬間、「頼むからそっちじゃないと言ってくれよ・・・」と願いながら看板を見る・・・

もちろん看板は非情にも階段を指していた。えぇ、登りますとも。。

ここからは東山ドライブウェイに並走する形で山を越えるので、暑い時には大事な給水ポイント。

17【11:24】

ここからが清水山に登って行く本格的なトレイルの始まり。

低山とはいえ、長い行程の一部なので気合いとお尻を引き締めて行きましょう。

「鬼ころしちゃんもグミ食べる?」とコラーゲンたっぷりのグミを持ち歩く女子力の高さ。

どうやら長時間一緒に走ったことですっかり心を許し、普段は隠している”アツコちゃん”の部分が出てきてしまった模様。

「見て見てこの汗。すっごく気持ちE♡」と嬉しそうに見せてくれるヒゲ面のアツコちゃんがなんだかとっても可愛く見えてきた。

「見て見て、私も!」とすかさずスプラッシュ返しをお見舞いすると、「お揃いね♪」と笑顔になるアツコちゃん。

私が女子校に通っていた高校時代、部活で仲間とよく一緒に汗を流したなぁ。

体を動かすことが大好き同士、とってもいいお友達になれそうね。私たち!

「うふふ。捕まえてごらんなさい〜」と逃げるアツコちゃんを「あはは。こいつぅ〜」と追う鬼ころしS。

いかにも楽しげに見えますが、そこは三十路&アラフォーのビール腹コンビ。少し走るだけで息切れと心臓への負担が凄い。

18-1【11:36】

右に登れば”清水山三角点”と表記があるけれど、トレイルのルートではないようなので今回はパスして進みます。だって息切れが・・・

19【11:45】

分岐にやって来るたび、頼りになるのは看板の地図。ルートはいくつもあるようですが、ここでは将軍塚方面へ向かうのがトレイルのコース。

もはや説明不要であろう世界文化遺産「清水寺」へ行くルートもあるので、清水の舞台へと寄り道するのも良さそうですね!

大きい決断や買い物をする時、人は”清水の舞台から飛び降りる”なんて表現をしたりしますが、最近私は「仕事を辞め無職になる」という清水のステージをダイブして来ました。

次のダイブは、願わくば婚約とか結婚とか結納でありますように。

東山山頂公園に到着。ここにはトイレと自販機、水場があるのでちょっと一息ついて行きましょう。

アツコちゃんは男女どちらのトイレに入るのかな?とハラハラしながら見守るも、「汗かいちゃったからぁ〜」とトイレには用がない様子でポカリをがぶ飲みしているだけだった。

22【12:00】

ここ青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)は、毎年春と秋に幻想的な青い光のライトアップが行われるとっても綺麗なお寺。

都会のイルミネーションにはもう見飽きたぜ!という紳士淑女のしっぽりデートにもおすすめスポット。

以前、私もカメラを持って鑑賞しに来ましたよ♪ えぇ、1人でしたが何か・・・。泣いてなんかないからね!

もちろん日中に訪れても見事な庭園を楽しめるので、お庭がお好きな方は是非お立ち寄りを。

トレイルはそのまま「将軍塚青龍殿」の大舞台の下へ。この青龍殿の舞台は、先ほども触れた有名な「清水寺」の舞台の、なんと4倍以上の広さ!

隣接する庭園は桜と紅葉の名所で、こちらも私オススメの絶景寄り道ポイント。

以前は車で来た所だけれど、まさか自分の足で走って来ることになるとは・・・人生何が起こるか分からないものですな。

25【12:10】

京都一周トレイルでは結構な頻度で現れる、1本道の看板。

道しるべとしての必要は無いけれど、”一定の間隔で見つかる”ということに対しての安心感は大きい。

逆に一定の間隔で見つからない場合はコースアウトしている可能性が高いので、現在地を確認してみた方が良いのかもしれませんね。

こんな1本道ならば、道迷いを気にすることもなく本能のままにウキウキランRUN!

さて、このツーショットでお気付きの方もいらっしゃいますかね。

2人がBBGきっての足太ムッチリ体型だという事に・・・ではなく、2人の今日の服装にご注目下さいまし。

初のロングトレイルという事で、我々がタッグを組むにあたり着ているのはCEO自らがデザイン&手作業でプリントしてくれたオリジナルTシャツ。

クソおせーくせに『BORN TO RUN』笑

「速乾生地で格好いいデザインのTシャツって、なかなか見つからないよね〜」という話から生まれたこのプロダクツ。

サンバのリズムこそ刻んでいないものの、この体型そして服装のせいで外国人に間違えられっぱなしですが、バディ感全開で走りましょう。

アツシオガワ

BBGぽっちゃりRUNチーム『ROAM FREE(ロームフリー)』を結成!ROAM=放浪する。ぶらつく。
そう、RUN 3、食う(呑む)・観る・遊ぶ 7の超ゆるゆるランニングチームにみんなも入らないか!募集方法考えてません!セルフ挙手で勝手に入部して下さい笑(コメントくれたら嬉しいす)

迷いそうだけれどトレイルの看板が設置されていない箇所には、たまにこんな手書きの案内もあります。

思わず足を止めるバイオハザードなフォントの看板・・・これ、夜中に一人で見たら漏らしちゃうかも〜。

そんなおどろおどろしい雰囲気とはかけ離れた、可愛らしい雰囲気のお寺の裏に出ました。

26【12:21】と思いきやすぐに学校に突き当たる。

完全に怪しい二人組がいかにも健全な学校の周りをうろついてますが、通報されませんように・・・と願いながら粟田神社前へ。

カープ女子や相撲女子などの〇〇女子が次々に生まれていることは皆さまご存知でしょうが、ここ粟田神社はなんと「刀女子」の聖地だそう!

末社には刀剣の神様が祀られていて、悪縁を切り良縁結びにご利益があるとのこと。刀女子でなくともお参りしてみたい神社ですね。

粟田神社の前を過ぎると、三条通りという大通りに出ました。

朝食以降は行動食だけで腹ペコの我々、この辺りでサラッと食べられるお昼ご飯を探すことに。

Googleを開いて「近くの蕎麦屋」と話しかけるサイバーなCEO。

音声認識の結果「スコットアンドソフィア」???

何度尋ねても懸命にスコットとソフィアを探そうとしてくれるアツシオガワのiPhone。

やっぱり南米ペルー製のiPhoneじゃ、日本語を音声認識出来ないのかな?

アツシオガワ

説明しよう。音声入力もキーボードが英数字になっていると英語として入力されてしまうのであーる。

iPhoneに頼ることを諦めて顔を上げた瞬間、なんと目の前にソフィアでもスコットでもなく蕎麦屋が見つかった。

「そんなギャグみたいな話あるの?」と喜びを通り越して困惑の色が隠せない我々。

なんだか営業しているのかどうかも分からないほど味わい深い、凄くドープな店構え・・・

しかし辺りを見回しても他には蕎麦屋らしきものは無さそうだったので、おそるおそる足を踏み入れてみる。

「みふき亭」という丼・麺のお店、お昼どきという事もあって外からは想像がつかないほど賑わう店内にホッと一息。

しかもどのメニューも、お財布に優しいワンコイン前後。京都の街中というのに、なんと良心的な!

疲れていてもサラッと入るざる蕎麦(500円)を注文しました。火照った体に冷たくて美味しい!

「うどんと蕎麦は飲み物だから〜♪」とアツコちゃんはプラス100円の大盛りをオーダー。

よく食べる女の子って、同性から見ても魅力的よねぇ。私、ビールの飲みっぷりなら負けないわよ!

静寂の大文字 〜開脚の頂〜

30-1【12:56】

お腹を満たしたらトレイル再開。大通りを渡って、蹴上インクラインの側道を歩きトンネルへ。

観光客も一気に増えてきたので、食後の我々は外国人に混じって歩いて行きます。なんという違和感の無さよ。

インクラインの下をくぐるこの捻れたトンネル、その名も「ねじりまんぽ」。

上を通る鉄道の重さへの耐久性を高めるために、こんな風に斜めに積み上げられているそう。

桜の名所である蹴上インクラインは、世界最長の傾斜鉄道跡。(なんと全長は582m!)

我々もしばしお花見気分。南禅寺もすぐ近くなので、時間に余裕がある方は是非寄り道を♪

4月頭だと言うのに、早くも緑の混じり始めた桜並木。

大人になると散りゆく桜すらも美しく感じられるものだなぁ、と川を流れて行く花びらを眺めながらしみじみ。

そんな私の心の平穏をぶち壊す謎の音が・・・

静かな京都の町並みに「パン!パン!」と迷惑な音を響かせながら登って行くアツシオガワだった。

地味にキツイ舗装路の急登に対して「セルフ尻ムチ」が炸裂しているようだけど、私の心の静寂を返してよ〜。

たまに現れる看板のない分岐では、道を間違えないように紙の地図を広げて確認。

恥ずかしながら、私は地図をクルクル回さないと読めないスカスカスポンジ女。

33-1【13:10】

「京のお伊勢さん」と言われる日向大神宮を通るルートと、そうでないルートの分岐。

日向大神宮は、伊勢神宮と同じ天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られていて、隠れた紅葉の名所としても人気の神社です!

ここではお参りを兼ねて、神社の方へ向かいます。神社の参道って、空気が澄んでいて気持ちが穏やかにな・・・

「オラオラオラオラオラ!!」またもや静寂を切り裂いて、アツシオガワのオラオララッシュが炸裂している。

私の心の静寂を返して・・・(泣)

登った先には神社があるので、残りの工程もケガなく終えられるようにお参りしました。

33-2【13:16】

先へ進むと天の岩戸の周辺では、可愛いお花が出迎えてくれます。

「可愛いけど、私の可愛さとは比べ物にならないわね」って対抗心を燃やしてるみたいだけれど、そんなヒゲ面と比べちゃお花に失礼だよアツコちゃん・・・。

これが「天の岩戸」ここをくぐると、厄払いや開運のご利益があるとのこと。

今年のBBGとは切っても切れない永遠のテーマ「厄」もちろん三十路女前厄の私、しっかりくぐらせて頂きます!

人間とは単純な生き物である。

厄を払った瞬間から「なんだか体が軽いわ!」と軽快な足どりで大文字山に向かってダッシュする鬼ころしS。

「なんだか私も軽くなったような気がする!」と同じく軽快なキノコダッシュを見せるアツコちゃん。

39【13:29】

気持ちよく登っているうちに景色が開けて、青空も見えてくる。

「もうそろそろ山頂じゃない?」と言ってるけど、このパターンってもしかして・・・

「あっ、全然まだだった。テヘペロ」出ました山頂詐欺!小屋小屋詐欺、八合目詐欺に続くお得意の詐欺シリーズ。

減点ばかりの暑苦しいゴリラの時はさすがにイラっとしたけれど、可愛いアツコちゃんのペロリなら不思議と許せちゃうよね。

45【14:10】

トレイルのコース上には清水山に続き、ここ大文字山の三角点も含まれていません。

しかしそこはBBG、「大文字の山頂で盛大に”大”を決めるぜ!」と単純な理由で山頂を目指すことに。

ぐだぐだ。

全くもって気の合わないぽっちゃり2人組。今のところ唯一の共通点は「しいたけが好物」と言ったところか。

場所を変え決まった私の美しい「大」!

ちょっとアツコちゃんってば、足の開きが足りないけど恥ずかしがってんじゃないわよ〜。

京都の夏を代表する行事のひとつである「大文字の送り火」は、ここで行われるんですね。

ご先祖の霊をお送りする、精霊送りの意味を持つお盆の行事。夏が終わり、秋の始まりを告げる大文字の送り火。

夏の夜空に浮かぶ炎を眺めながら季節の移り変わりを感じる、私の大好きな京都の風景のひとつです。

過ちの銀閣寺 〜女としての道〜

さて、気持ち良い青空が広がる大文字の斜面を、本日のゴールの銀閣寺に向けて下って行きましょう。

ここ大文字さんからも京都の街並みが一望でき、景色を楽しんでいるハイカーも沢山。

黒く焦げているこの部分は、大文字の「大」の足の部分かな〜と想像しながら下っていきます。

アツコちゃんも送り火で焦げちゃったのかな?黒さに磨きがかかった模様。

しかしこの時まだ我々は気付いていなかった・・・派手にコースアウトしている事に。

銀閣寺に向けて下山していると段々と足元が悪くなり、ロープのある箇所も出てきて「なんかここおかしくね?」とざわつく2人。

GPSで確認するとやはり盛大にコースを外れている。

山頂自体がトレイルのコースには含まれていなかったため、山頂に行った後は送り火の斜面側ではなく「45」の看板まで戻らなければいけなかった模様・・・ガクッ。

登り返して戻るよりは、もうそのまま下山してトレイルコースに合流した方が良いと判断。

倒木だらけの悪路にも「道がいくつかある時は、あえて苦しい道を選ぶのよ。私はそうやって生きてきた」と人生観を語り出すアツコオガワ。

やっぱり人とは違う生き方をして来たのだろう、言葉の重みを感じる。けど今はただ道を間違えただけ・・・ううん、なんでもない。

48【15:00】

下山すると住宅街、看板を見つけようやくコースに戻って来ることが出来た。

「ほら戻って来れたでしょ。道というのは誰かに決められるものじゃなく、自分で切り開くものなのよ。お分かり?」と得意そうに言ってるけれど、ただ道に迷っただけじゃ・・・?

いや、相手はオネエ系とはいえ一応CEOである。言いかけてまた、(私は大人だから。)とグッと飲み込む事にした。

日本の道百選にも選ばれているこの小径の名前は「哲学の道」。

その昔、京都の哲学者が思索にふけりながらここを歩いたんだとか。ここも春は桜の名所、沢山の観光客が思い思いに散策しています。

コースは途中から合流して、半分だけ哲学の道を歩けば本日の我々のゴールである銀閣寺はもう目と鼻の先!

51【15:10】

「銀閣寺前」到着! 1日目の工程はこれで終了、お疲れ様でした〜!

お疲れということは、毎度のお楽しみ。例のアレの時間がやって参りました・・・

プシュ・・・?違う!これはタマゴサンド!!

走ったせいで色気より飲み気よりも食い気に走る鬼ころしS。

哲学の道の途中にある喫茶店「くろがねや」で、お花見気分を味わって帰ります。

店員さんが、黒く焼け焦げて一層ペルー感が強まるアツシオガワに「エッグサンド、オーケー」と一生懸命英語で話しかけているのがなんだか微笑ましいですね。

安心してください、帰化してますよ。

ちゃっかりプシュっともしてきました。こちらでは瓶ビールと缶ビールが選べたので、両方頂きましたよ♪

モリオも一緒にお花見しましょ。

明日は比叡山越えが待っている京都一周トレイル、体育会系女学生2人の運命やいかに!

次回「北山編」に続く!

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1日目東山編DATA

09:30 伏見稲荷駅START
10:41 泉涌寺
12:00 青蓮院門跡
12:20 みふき亭(昼食)
13:10 日向大神宮
14:15 大文字山
15:10 銀閣寺前GOAL

Total Time 5:41’30
Distance 19.06km