今回のBBGは先日行った金沢から富山までの自転車旅のレポート!山の天気が不安定なら開き直ってこんな旅もアリなんじゃないでしょうか?道があれば楽しめる自転車は登山以外の趣味としてもピッタリですよ〜。(文・コータロー)
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リスケの夏
本来であれば北アルプスの予定であった。
ところが先日の台風の影響で天気が不安定…。
狙った日は夜から雨&爆風予報。
こりゃダメだ…。
この夏、何度目かわからない中止を決め
私の夏山シーズンは終わった…。
ここまで天気に翻弄された夏はいつぶりだろう?
「山より道具が好き」
そう公言してきた私。
だが、ここまで山に行けないと
さすがにストレスが溜まってしまった。
とは言え、天気が悪くてはどうにもならない。
だが、旅はしたい。
ここは開き直って違う趣味に逃げる事にした。
金沢 to 富山
そんなこんなで思い付いたのは金沢から自転車で富山へ向かう旅だ。
ちょうど友人が富山のギャラリーで写真展をしている。
行ったことが無い金沢をスタート地にすれば色々と楽しめそうである。
ずっと行ってみたかった千里浜なぎさドライブウェイも走れるコース。
台風に追われる感じになるが、何とか天気は持ちそうだ。
距離は100km未満。
何度も経験している距離だ。
次の日は仕事なので、日帰り弾丸旅。
21時台の新幹線に乗れば問題なく東京に帰れるだろう。(甘い!笑)
まずは4時起きで東京駅へ。
最寄り駅で忘れ物&輪行準備に手間取ってしまい、マジで間に合わないかと思った。
毎度毎度同じ失敗をしているような気がする。
とにかく新幹線に自転車を積み込んだら一安心。
この日は朝食を買う余裕も無かった。
車内販売でコーヒーとサンドイッチでも買えばいいや。
そう思っていたのだが…。
「この電車には車内販売も自販機もございません」
という非情のアナウンス…!!
飯どころか水も飲めないデスレースの開幕である。
バカを搭載した新幹線は凄まじいスピードで目的地へと走り出した。
長野駅からは美しい山並みが見えた。
台風が接近しているとは思えないほどの快晴である。
予報では正午辺りから風が強くなるらしい。
午前中でどこまで進めるかが今日のポイントだ。
新潟を過ぎると日本海が見えた。
金沢行きの車両は山も海も見える右側の座席がオススメ。
もうすぐ金沢だ。
東京から金沢まで約3時間。
そのうち2時間は寝ていて記憶が無い。
改めて新幹線は速くて楽だと感心してしまった。
到着。
夏休み中だからか、学生のカップルが多い。
金沢駅の看板の前でツーショットを撮っている。
おじさんは離れた場所で順番を待ち、無事撮影終了。
駅を出たら自転車を組み立て。
今回はSURLYというメーカーのクロスチェックという車体を持って来た。
ロング&ベストセラーの1台で、乗っている人もめちゃくちゃ多い。
太いタイヤが履けたり、色々とカスタムがしやすかったりと、日常の足としてはピッタリの一台。
私も通勤やら買い物やらで一番乗っている車体だ。
だから超汚い笑
おー!!
これがよく見る門か…!!
とりあえず記念撮影だけしておきました。
早朝の便で来たからか、観光客もまだほとんどいない。
とりあえずゆっくり朝食を…。
なんて時間はないので、とりあえずいつものご当地セブン探しw
「福井梅」というのを発見!
関東だと紀州南高梅なんです。
味は…梅です笑
それではいざ富山に向かって漕ぎ出します!
見ず知らずの土地を自転車で漕ぎ出す瞬間はいつも感動する。
まずは海岸線に出て千里浜ドライブウェイへと向かう。
富山駅前の道路は海までスコーンと抜けていて気持ちが良い!!
路側帯のスペースも十分なので自転車も安心して走れる。
道路が赤っぽいのは錆?
潮風の影響なんでしょうか。
石川県庁の前を通過。
デカくて立派な建物でした。
金沢周辺の歩道には地下道もありました。
とりあえず通っておきます。
目指すは金沢港方面。
この日は最高気温37.5度。
少しの間でも直射日光を避けられたのはありがたかった。
金沢港近くの道路を走っていると見た事がないチェーン店を発見!
と言うドカベンのオマージュなのか何なのかわからない店である…!!
どうやら石川県にしか無いローカルチェーンのようだ。
気になる…。
入ってみる事にした。
店内の様子を見ると、イートインもできるお弁当屋さんという印象だった。
おでんが美味しそうだったんだけど、まだ煮込み中との事。
種に車麩があったので食べてみたかったんだけど…残念…!!
そんなこんなで手巻き寿司を2本購入。
山芋入りの辛子明太子味なんて珍しい!!
シャキシャキ美味しく頂きました。
しばらく北上していると遠くに立山連峰らしきシルエットが…!!
実は立山に行こうとしていた私。
夕方から天気が崩れるとは言え、良い眺め…。
あと1日早く行っておけば…。
自分の日程チョイスの悪さを責めてタラレバが止まらない…。
そんなBADモードで進んでいると視線の先に…!
管理人大好物のローカル線の登場である…!!
北陸鉄道 浅野川線と言うらしいです。
路線距離6.8km。
駅数は12駅。
ちょうど走り出すタイミングが見れました。
車両の前部には雪かき用の大きなスノープラウ。
この辺り、冬は寒いんだろうなぁ…。
内灘駅を通過。
1日の平均乗降者数は2747人。
何とも可愛らしい駅である。
地図を見るとこの辺りから海岸線を走れるサイクリングロードがあるらしい。
たぶん入り口はあの辺りだな…!!
しかしどうだろう…。
道が無い…!!
実はこの数分前から、明らかに観光客であろう女性2人組が私の後ろを電動チャリでついて来ていた。
サイクリングロードどこかなぁ?
あ、あのヒゲのガチ勢っぽい奴について行けばいいんじゃない?
つーか、あいつ無駄にデカすぎw
きっとそんな会話をしていたに違いない。
ここで道を間違えたのが判明したらせっかくの期待を裏切ってしまう。
なぁに、案ずる事なかれ。
ここは海岸線。
道に砂が堆積する事など日常茶飯事である。
きっとこの砂丘の先にサイクリングロードが続いているのだ。
無い…。
そこには…。
どこまでも続く海岸線があった…。
間違えた…!!
完全に間違えた…!!
早くあの2人が来る前に逃げなければ…!!
だが、程なくして到着した2人組。
すれ違った時の
「あれっ…?」
みたいな何とも言えない空気感は忘れられない…。
きっと今頃、あのヒゲ全然使えねぇ!!
と、悪態をつかれているだろう。
恥ずかしさのあまりバキバキに漕いでいると小高い丘の上に出た。
なんだ、ここの方が雰囲気がいいじゃないか!!
このまま千里浜なぎさドライブウェイまで行けるのかな?
そんな事を思っていると、まさかの自転車道の看板を発見…!!
そうか!一本道を間違えていたのか…!!
そのまま道案内に従いながら進んで行く。
するとこんな感じの道に出る。
車はもちろん、サイクリングしている人も皆無なので走りやすいのなんの。
このサイクリングロードは
「のと里山海道」にほぼ並行して走っている。
だから高速道路の路側帯を走っているような、何とも貴重な体験ができるのですw
のと里山海道はなんと無料!
素晴らしい!
無料までは求めないけど、高速料金がもう少し安くなれば地方がもっと活性化すると思うんだけどなぁ…。
移住する人も増えそうだし、何でやらないんだろう…?
そんな日本の不思議を考えながらひたすら漕ぎ続ける。
水門を通り過ぎる。
台風が来てるとは思えないほど波も穏やか。
釣りのスポットになってるのかな?
釣り人が何人か糸を垂らしていました。
進んでいると電光掲示板に
「なぎさドライブウェイ通行できません」
の文字が。
ええ、そのままの意味である笑
この日、台風の接近により千里浜なぎさドライブウェイは通行止めになっていたのだ。
だが、バカはこう思う
「ああ、のと里山海道から直接行けないって事ね」
と、ポジティブ変換しながらひたすら漕いでいた笑
「あー、ほらほら。今浜ICで降りないとダメなんだ。けっこう間違える人が多いんだろうなー。バカだなー。」
一番のバカはコイツ。
何の疑いもしないまま、バカはぐるぐるとペダルを回す。
あまり眺望が無かったサイクリングロードも徐々に景色が良くなって来た。
日本海を眺めながら貸し切りの道を走れるなんて最高だ。
漕ぎながら自然と笑顔になってしまう。
なんて油断してると、やばいやばいやばい!!
こんな風に砂が堆積した場所に突っ込む事になる。
角田浜で転んで以来、基本的に自転車は砂浜とは相性が悪いのを知った。
こう言う場所は無理せず押して歩くべし。
エメラルドグリーンの海と自転車に取り付けたバッグ達がピッタリ。
「かわいい!かわいいよ!」
と、アホほどシャッターを押すアホ。
自己満足を楽しめる人生は幸せだと思う笑
「白って200色あんねん」
ではないが、海の色も200色以上ありそうである。
今年は色々な海に行っているが、やはりどこも色は違う気がする。
そんな事を考えていると葡萄のモニュメントを発見。
すかさず「かわいいよ!」モードになって撮影を開始。
振り返るとカップルが二組ほど並んでいて赤面する。
ちゃんと並べる日本人は本当に素晴らしい笑
かほく市にある
テラス、足湯、レストラン、ドッグランと、バラエティ豊かな道の駅だ。
足洗い場もあるのでビーチで砂が付いても安心。
この辺りはルビーロマンと言う葡萄が有名なんでしょうか?
お土産のお菓子はルビーロマンづくし。
今日は本当に暑い…。
全身が熱を持っているので迷わずアイスを購入。
食べてるそばから溶け出すアイス。
この辺りから風が強くなってきた。
台風が迫って来ているようだ。
余談ですがかほく市は繊維産業が盛んみたいです。
アウトドア関連の素材なんかも作っているのかな?
風が強くなってきたが防風林の中のサイクリングロードは快適そのもの。
ほとんど風の影響も無く進む事ができた。
そしてついに…!!
長年憧れた千里浜なぎさドライブウェイに到着…!!
が…、どこか様子がおかしい…。
ここで初めてアホは事態を把握する。
通行止めじゃねぇか…!!
そもそも通行止めとかあるの…!?
しばらく看板の前で立ち尽くしてしまった…。
何かの間違いであって欲しい…。
いいですか…?
金沢に来るのに片道¥14,000円くらいかかるんです…!!
お金…無いんです…!!
BBGはいつもギリギリなんです…!!
実はこの日は波が高くなっていて、ドライブウェイも波に侵食されていた。
つまり、物理的に走れなかったのだ。
こればかりは仕方がない…。
変なタイミングで来た俺が悪いよね笑
落ち込んでコーラを飲んでいると、こんな看板を発見。
千里浜なぎさドライブウェイがある宝達志水町(ほうだつしみずちょう)は
オムライスの生みの親、北橋茂男氏(大阪・北極星の創始者)の出身地なんだそうです。
街のHPに詳しく掲載されているのですが、なんとも心温まるストーリーなので是非読んでみて下さい。
気持ちを切り替えて漕ぎ出す。
一目で民宿とわかる民宿を発見!!笑
こういうの好きだなぁ。
寒い地域ではお馴染みのコンビニ入り口。
実はここの駐車場でしばらくボーッとしてしまった。
千里浜なぎさドライブウェイを走れなかった事はやはりショックだったようだ笑
山にハマる前はバイクでツーリングをするのが趣味だった私。
バイク雑誌で見た千里浜なぎさドライブウェイは本当に憧れの場所だった。
当時は北陸新幹線も金沢まで開通しておらず、石川はとても遠い場所のように感じていた。
愛車にまたがり、ノーヘルでビーチをぶっ飛ばす。(ダメです笑)
そんな映画で見たような情景を思い浮かべるだけでヤングコータローはゾクゾクしていたのである。
嗚呼…、憧れの千里浜なぎさドライブウェイ。
またいつか…。
ショボーン状態の私は東海・北陸に展開しているドラッグストアチェーン
「ゲンキー」に入店。
何か元気になりそうな物でも食おう…。
ところが入店したら店内の照明がめちゃくちゃ暗い…!!
ゲンキー元気ない!!笑
いや、節電は良い事です笑
某大手スーパーに勤めている友人の話では電気料金の値上げで億単位の損失が出ているんだそう。
どこもかしこも大変なのである。
ゲンキーも元気出して!
「いつでもスマイルしようね!」
そんな森七菜の笑顔に癒されたのも束の間。
これは口の中の水分略奪系のパンだった。
一人駐車場でむせる。
少し涙が滲む。
俺は…俺は何でこんな事をしてるんだ…。
来年40歳。
灼熱の駐車場で1人でパンを食いながらむせる。
そんな未来をヤングコータローは想像できただろうか笑
「元気出せよ」
ロードサイドのほっこり系カボチャアートが微笑む。
どれも似ているようで絶妙に似ていない笑
個人的には作画崩壊したピカチュウが好きだった。
突然やってきたヒゲの大男がウヘウヘ笑いながら写真撮影。
住民の方はさぞ恐怖だったろう。
さて、ここからは山越えである。
目指すは富山県氷見市。
今回乗っている自転車はギアが付いていないシングルスピードなので少し不安だ。
見せてやるよ…!
多摩ニュータウン仕込みの脚力を…!!
今回の旅で感動したのは田んぼ一面に広がる稲である。
稲の収穫は9月中旬〜10月中らしい。
一番良い時期に見れたのかもしれない。
金色の野に降り立つヒゲも思わず笑顔。
その瞬間からとんでもない向かい風が…!!
風で帽子のツバがブチ上がり、空気抵抗が凄い…!!
ターバンを巻いた中東感が凄い…!!
世田谷の経堂にあるハラルフードショップ旨いから行ってみて…!!
そしてこの暑さである。
さっき駐車場でボーッとしたのは軽い熱中症の兆候だったのだろうか?
やがて道は登り坂に。
斜度はそこまでキツくないのでシングルでも何とかなった。
とは言え、向かい風と暑さでヘロヘロである。
買ったばかりの冷たい水も、あっという間にぬるま湯に変わる。
不思議なもんで、ぬるま湯を飲んでも水を飲んだ気にならないんですよね笑
この道は自販機も全然無い。
あー、ちょっとヤバいかもな〜。
なんて思いながら進んでいると…。
「神子の里」と言う農産物の直売所があった。
日陰もあるし自販機もある。
助かった〜。
日焼け止めを塗っていてもガッツリ焼けていて驚いた。
日焼けは疲れますね…。
冗談抜きに日傘さしながら走りたいと思いました笑
トイレで顔を洗って帽子も水で濡らす。
リフレッシュしてから再スタートだ。
おー!氷見まであと20km!
あと1時間もすれば着くかな。
この辺りから下りなので気分も楽になった。
メダカ屋さん発見。
メダカも色んな種類がいるらしくて、一匹10万円くらいするのもいるらしいですよね。
なが〜い下り坂を気持ち良く進む。
効きの悪いブレーキを握りながら
「やっぱりディスクブレーキの車体も欲しいな…」
そんな物欲でムラムラしながら下る。笑
途中の池には水草がびっしり。
多摩川では似たような外来種が話題になってたけど、コイツは違うよね…?
あれは一度生えると駆除が大変らしい。
なんの話?笑
そんなこんなで石川県から山を越えて富山県氷見市に到着!!
氷見漁港からは立山連峰がめちゃくちゃ綺麗に見えました!!
だいぶ長くなってしまったので今日はここまで!
それではまた来週!
押忍!!