ザレザレ斜面に浮石地獄。ボロボロの急斜面を登った先は吸血虫軍団の巣。アプローチだけで早くもボロボロになった一日目。二日目はいよいよ北鎌尾根から槍の穂先を目指す!満身創痍のBBGファイト一発コンビが挑む北鎌尾根男塾、後編!俺たちは見たんだ、槍ヶ岳の本当の姿を…!!(文・コータロー)
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騒やかな朝
朝4時頃に起床。
夜中に降った雨は朝には上がり、朝日が顔を見せてくれた。
今日も天気が良さそうだ。
身支度を整え、撤収準備をする。
今日は昨日よりも行動時間は短い予定だ。
それだけでも気持ちに少し余裕があった。
昨日のうちに北鎌のコルまで上がったのは正解だったと思う。
準備の間も昨日の虫たちが騒々しい。
北鎌のコルに泊まる方は虫対策をしっかりとして下さい。
AM5:20スタート
さあ、いよいよ尾根歩きだ。
しばらくは樹林帯を進む。
まー、ワイルドにモリモリ繁ってます。
完全に埋まってしまいます笑
掻き分けながら進むのがダルいのなんの。
振り返れば進んできた尾根が朝日に照らされていた。
なかなかのリッジだ。
日が昇ると一気に気温が上がる。
稜線上だが暑くてすぐにウインドシェルを脱いだ。
風はほぼ無風。今日は暑さとの戦いにもなりそうだ。
早速、こんないやらしい場所に遭遇。
起きてからまだ一時間くらいなのにハードな朝である。
ハイマツが邪魔なんすよ笑
こんな不安定な状態でも植物をかき分けながら進んでいく。
跳ね返って来た枝がバシバシと身体を叩く。
ウンザリしながら稜線に出ると、遥か遠くに槍?前穂?が見えた。(写真、中央やや左)
遠いな…。二人ともちょっとテンションが下がる。
そんな僕たちの目の前にはドカーンとピラミダルな「独標」がそびえ立つ。
想像よりも遥かに大きい。
やはりアルプスはどこもサイズが規格外だ。
稜線上には所々にツェルト程度なら張れるスペースがある。
小ピークごとにどこかしら張れる場所がある印象でした。
ビバークポイントが自分で決められるのもバリエーションルートの魅力だ。
気に入った場所で景色を独り占めできるなんて、混むのが当たり前の北アルプスでは考えられない。
進行方向右、千丈沢側を向けば天気も良いのでこんな景色が。
北鎌尾根は水晶岳~鷲羽岳や裏銀座の山々など
僕が大好きな山域を常に右側に眺めながら歩けて嬉しかった。
今まで見た事が無い角度から眺める山は、違う山みたいに見えるから面白い。
槍と靴下とアツシ
稜線に出てからもしばらくの間、足元はハイマツがモリモリである。
足でかき分けながら歩くと太い枝がバシバシと当たってくる。
後でパンツをめくり上げてみると足から出血していた。
昨晩の雨で濡れたハイマツは突き進む僕たちのパンツをびしょびしょにした。
CEOは靴まで濡れてしまったみたいだ。
もう靴下までびっちゃびちゃ。
結局、二日目もびちゃ男。
AM7:10 独標手前
CEOは休憩中、靴下を絞り始めました。
ダバダバと水が流れる。
さぞ不快だったでしょう笑
予報だと雨だったのに今日もいい天気。
「コータローとは天気の相性良いなぁ!」とCEO。
確かに箱根の時も最初は曇り予報だったっけ。
「じゃあ、天気の相性が悪かったのは誰なんすか?」と、僕。
「ユーコンさん!!」と、即答するCEO笑
いざ、岩の稜線へ
さあ、靴下もドライになったので進みましょう。
ここからは独標のトラバースルートへ。
実はカメラを引くと、こんな場所なんです。
この辺りの踏み跡は明瞭なんですが、少しづつ色んな場所の踏み跡が目に付くように。
どれを選ぶかは自分次第。ペンキや道標はありません。
独標は場所によっては直登する人もいるらしい。
ザレた道のトラバース。
落石の巣みたいな場所だ。
基本的に北鎌のトラバースルートはこんなところばかりだった。
意外だったのは花が沢山咲いていた事だ。
北鎌は一面グレーの岩だらけの世界だと思っていたんです。
よく見れば花達は色んな所で断崖絶壁にへばりつくように健気に咲いていました。
お花を撮影してくれたのはBBG乙女部、アツコオガワさんです。
この場所は有名な「コの字岩」と呼ばれている箇所。
ザックがひっかかりやすい場所なので注意が必要。
高度感はありますが足場はしっかりしています。
ただこの場所はデカい僕には狭すぎた笑
その後も慎重にトラバースして行く。
このルートはヒヤヒヤした。
岩がもろく、掴むとグラグラしたり、薄い岩がポキッと折れたり。
右サイドはもちろん断崖絶壁。
ただ高度感も徐々に麻痺してくるから不思議です。
ここを少し進むとロープがかかったチムニーがある。
ロープこそあるが、やはり一般登山道ではなかなか遭遇しない登りにくさだ。
僕はけっこう力まかせに登ってしまった。
技術がないからパワーでカバー笑
下の写真はチムニーから出てきたところ。
こういう場所は比較的岩が安定しているので前述した岩がボロボロ崩れる心配は少なかった。
千丈沢側に巻いている時は、日陰になるので直射日光が当たらないのも嬉しい。
長時間の直射日光は疲れますよね。
結果的に独標を通り過ぎてから稜線に出た。
独標のピークは特にこだわっていなかったのでスルーして先に進む。
本当の槍ヶ岳
AM8:40 独標の少し先
ザレザレの斜面を登りきった稜線上には最高の景色が広がっていました。
黒光りするゴリ…ではなくドカーン!と、そびえる槍ヶ岳!!
小槍の存在感が際立つ。
絶景を前にしばし撮影会。
ここからの景色は本当に素晴らしかった。
ゴジラの背中と表現した人の気持ちがわかる。
「ここからの景色が本当の槍ヶ岳の姿かもね」と、CEO。
確かに僕もそう思った。
荒々しい稜線の延長にある槍ヶ岳は本当に美しく、神々しい。
その圧倒的な存在感には恐ろしささえ感じてしまう。
北鎌尾根は非常に危険なルート。
誰にでも勧められるわけではありません。
でも、ここからの景色はBBGユーザーの皆さんにも見て欲しいと思ってしまいました。
この景色が見れて本当に良かった。
たぶんここからの景色は一生忘れないと思います。
たぶん笑
その後も稜線沿いを進む。
トラバースルートに比べるといくらか歩きやすい稜線。
常に絶景を眺めながらの空中散歩だ。
ギザギザの稜線を進みながら
「俺、北鎌尾根に来たんだなぁ」と
今更ながら感動してしまう。
数々のドラマを生み、山の偉人達が愛したルート。
進んでいると、こんな落とし物があった。
フィルムケースだ。
最近落としたのかもしれないし、ずいぶん昔の物なのかもしれない。
北鎌尾根には時代を感じる落とし物がたまにある。
スチール製のコーラの缶を見つけた時には思わず「懐かしい!」と、声を上げてしまった。
稜線上を進むのが難しそうな所は迷わず巻いていく。
僕らはクライマーではない。
この山行で「安全第一」は二人の合い言葉だ。
一般的な「巻き道」は少し楽だったり安全なルートを指すと思う。
しかし、北鎌尾根ではちょっと違う。
一見すると楽そうに見えた巻き道だが、進んだ先に突然、難易度が高いセクションが現れたりするのだ。
むしろ稜線上のほうが安全だったのでは?という巻き道も沢山あった。
だからあくまで「一つのルート」と考えておいたほうがいいです。
選んだ先に何が待っているかはわからないんです。
その場での判断を常に求められます。
そういう場所は突然現れるので写真にも残せていない。
何度も言いますが写真に写っていない場所に膨大な数の危険個所があります。
AM9:37
なおも二人で相談しながら進む。
ここはP14の手前辺りだと思う。
始めはトラバースして進んでいたのだが途中で進めなくなってしまった。
話し合い、来た道を戻り(これがまた怖い)、もう一度考える。
二人で出した答えは直登だった。
ここはチャレンジしないと進めない場所だった。
基部はまだ安定しているのだが
中盤からザレザレのボロボロだ。
昨日の悪夢が脳裏をチラつく中、なんとか登りきった。
その先には進みやすいルートが待っていてくれた。
一番怖かったのは登った先が進めない事だ。
あんなザレた斜面を戻るのは絶対に嫌だった。
しばらく稜線を進んだところで1ヶ所クライムダウンが難しい場所に行き着く。
少し高度を下げそうだったがトラバースルートを進んだ。
このルートもおっかなかった笑
岩は脆いし足場は狭い。
つま先だけの歩行は軽肥満にはキツい笑
AM10:24 P15トラバース途中
雲が少し増えてきたが天上沢側は相変わらず素晴らしい景色で和ませてくれた。
その後もトラバースルートを進んだのだが
1ヶ所ザレザレの滑り台みたいな場所をトラバースするハメになった。
下の写真のもう少し先だったと記憶している。
まずは僕が大丈夫そうな所に突入。
すると蟻地獄のようにズルズルと足をとられる!ヤバいヤバい!!
「クソっ!なっ…なんぼのもんじゃーい!!」
ジャリジャリガラガラ言わせながらダッシュで斜面を駆け上がる!
「どうじゃー!!」ドヤ顔でCEOのほうを振り返る。
「おい、コータロー…どーすんだよ。俺のルートなくなっちゃったよ…」
そう、82kgの巨体がダッシュで進んだ道は見事に荒れ、危険度が増していた。
とはいえ幅はさほどない
CEOならなんとかなるはずだ。
「なにビビってんすか、大丈夫っすよ。早く早くー。」
ゆっくりと歩き出したCEO 。
しかしどうだろう、斜面の途中で見事に足をとられて止まってしまった!
「クッ…!!」思わず声がもれるCEO!!
なんかよくわからないけどヤバそう!!
アレしかない!!
腕をガッチリ掴んで
「ファイトー!!」
「いっぱーつ!!」
北鎌に今日もこだまする、燃える男のスローガン。
「お前、マジでいい加減にしろよ」
と、CEO から強めの言葉を頂く。
きっと「サンキュー!おいしいおいしい!」って意味なんだろうな。
大正製薬さん、スポンサー契約お待ちしております!
そんなすったもんだがありながら
気が付けば槍は随分と近くなっていた。
凄い迫力とラスボス感だ。
小槍の存在感が凄い。
小槍って、ちょっとチ〇ポみたいだなぁ、と思ったけど
「お前、マジでいい加減にしろよ」
って言われそうだから自分の心に留めておいた。
我ながらバディに対する気遣いがハンパない。やさしい。
AM11:24 北鎌平に到着。
少し休んでから最終決戦に挑む。
この辺りにも良い感じにテントを張れそうな場所があった。
少し巻きながら基部に向かって登り返して行く。
今までとは違い、デカイ岩がゴロゴロしている。
大股での登りがHPをガツンと減らす。
ちょっとガスが出てきた。
それでもこの辺りまで来ると頂上にいる人が見えるのだ。
あそこまで登るのはキツそうだと容易に想像出来る。
PM12:40 槍の基部
体力が無くなってきた。
腹も減った。
緊張のせいか水を飲んでも喉がすぐに乾く。
行動時間の割に疲れている自分が情けなかった。
「祠の真裏から出る」というのがCEOの思い描くラストシーンだ。
そのルートを探すため、頂上直下をウロウロする。
CEOズンズン進んでるけど、このルート合ってるのかなぁ?
なんか岩の感じがおかしい…イヤな予感がする…。
コータロー「アツシさーん!このルート違くないっすかー!?」
アツシ「………。」
ほう、無視ですか。そうですか。
アツシ「…うーん、やっぱり違うみたいだなぁ」
そらみたことか!!
だから言ったんですよー!最後の最後でこんなおっかない道をトラバースしながら戻るなんてカンベンして下さいよ~!!勝手にズンズン進むからこんな事になるんですよー!!
と、事前に危険を察知し
そこそこ安全な場所で待機していた僕は思った。
戻ってくるアツシさん怖そうだった~笑
絶対やだよあんなとこ戻ってくるの笑
頂上直下、右にイージールートがあるって言ったのコータローじゃん!怖かったよ〜!
と、言うことで祠のサイドから出るルートに向かいます。
その途中に有名なレリーフがありました。
1972年に登った先輩達からのメッセージ。
僕たちが生まれる前に登った先輩達からの激励に身が引き締まる。
berg heil(ベルクハイル)はドイツ語で「山バンザイ!!」みたいな意味なんだそう。
さあ、いよいよラストが迫る。
最後の難所、頂上直下のチムニーに向かう。
実際に見るとなかなか手強そうだ。
さて、どう登るのが正解なんだ?
ちょっとボルダリングをかじった程度の我々には考える時間が必要であった。
まずはCEOが突入!
最初はホールドがしっかりある。
問題は中盤からだ。
「うーん、どうすっかなぁ?」
次のムーブを決めかねるCEO!
「あっ、ヤべっ!固まっちゃったよ!」
へ!?なんか落ちそう!大丈夫っすか!?
急いで真下に行って最悪の事態に備える!
その時、グイグイっと動き出したCEO。
そこからは右の壁に取りつき岩壁の上へ。
ホッとしたー。さすがです。
写真だとそんなに難しそうに見えないかもしれない。
でも、実際に取りついてみると、やはり中盤からがいやらしい。
上の岩がせり出しているので圧迫感も凄かった。
なんとか力まかせに登れましたが、なかなかおっかない場所でした。
どこを掴んだらいいのか、一瞬わからなくなるんです。
そこで「あ、落ちたらどうしよう」って思い始めてしまう。
不安定な状態で次のホールドに手を伸ばす勇気が必要でした。
ちょっと詳しい事はよくわかんないんですけどパワーで登りました笑
ただ、岩が濡れてたりしたら全然登れる気がしないです。
安全の為にロープ使う方もいらっしゃるみたいですね。
「おい!北鎌から登ってくるぞ!!」
「わー!凄いわー!!」
見上げると頂上の皆さんが声援を送ってくれていた。
「もう少しだぞー!!」
「頑張れよー!!」
まさかこんなに大声援を頂けるとは思っていなかった!
一歩ずつ登って行くアツシさんを見送る。
やっとここまで来たんだ。
実はこの時、登って行くアツシさんを見ながらちょっとウルッときてしまった。
ずっと来たかったルート、持ってる力を全部出した感覚、二人で乗り越えた達成感、暖かい声援。
色んな事が重なって純粋に感動してしまったんだと思う。
山に登ってこんな感情になったのは初めてだった。
そんな感動も一瞬。
頂上で明るいマダムに熱烈に握手を求められているアツシさんを見て爆笑してしまった笑
さあ、僕も行こう。
凄いな…。
俺、北鎌尾根登れたんだ…。
ちょっと信じられないな…。
一歩一歩、噛み締めるように登る。
「おめでとう!!」
「兄ちゃん達、すげーなぁ!!」
頂上ではもう一度、皆さんに盛大な拍手をして頂きました。
本当にありがとうございました。
アツシさんともガッチリと握手をして抱き合って喜び合う。
自分でもこんなに感情が爆発したのは久しぶりだったと思います。
2018年8月1日13時15分
アツシオガワとコータローは北鎌尾根から槍ヶ岳に登頂しました。
写真を撮って頂き、ありがとうございました。
いささか右寄りですが最高の写真です笑
頂上は少し雲が多かったけど時おり青空を見せてくれました。
予報とは裏腹に、天気が良かった今回の山行は本当にラッキーだった。
話し掛けてきて下さったこちらのご夫妻は昔、貧乏沢から入って北鎌尾根を通り槍ヶ岳に登ったんだそう。
行程を聞いて健脚っぷりにビックリしてしまった。
先輩、カッコいいっす。
この日は槍ヶ岳のテン場に泊まることにした。
お腹すいた…なんか食べたい…。
頂上から眺める槍ヶ岳山荘は相変わらず凄い人だ。
槍ヶ岳山荘でカレーを注文。
大好きなコーラも一緒だ。
無言で米とルーを口にかきこみ、コーラで流し込んだ。
その味は「うまい」だけでは全然足りなかった。
何かもっと違う言葉が必要だったんですが、学の無い自分には思い当たりませんでした。
本当に幸せな時間でした。
お向かいさんも同じみたいです。
大好きなうどんと生ビール。
言葉になりません。
標高3000mでこんなに美味しい食事が食べられる。
改めて日本の山小屋文化は素晴らしいと思いました。
ごちそうさまでした。おいしかったです。
食堂を出て、しばらくテラスでのんびりした。
僕はこの場所から見下ろす、吸い込まれるような景色も大好きだ。
「あそこヤバかったよね」「あそこも死ぬかと思った」
二人で数時間前の冒険を改めて振り返る。
ザワザワと賑やかな人混みが今は心地いい。
さあ!こちらが
ビッグアグネスタイガーウォールUL2 EX!!
設営はフレームに引っ掛けてフライ被せるだけ。超簡単。超短時間。
疲れてる時にこの設営の楽さはホントありがたかったです。
二人で設営したらホントに一瞬でした。
両サイドにある広めの前室も使いやすかった。
CEOによる詳細レビューは今しばらくお待ちください。
ゴリ…CEOはお疲れみたいで少し寝るそうです。
この人は1分でレム睡眠に突入するビックリ人間。
のび太もガクブル。
テン場にイビキのシャウトが鳴り響く。
ジャイアン・オガワの槍ヶ岳リサイタル。
会場はこちら、4番テン場でございます。
ジャイアン・コータローの『槍ヶ岳LIVE 2018〜魂の叫び』も 開演(寝始めて)2分後には絶叫の渦だったぜ!
全然眠くない僕はメール返したり、本読んだり、BBG読んだり笑
昨日みたいに江角一族(ブヨ、前編参照)がいないから快適そのものだ。
やっぱり早めにテン場に着いてのんびりするのは良いですね。
テン場は大喰岳側。
19時でもこの明るさだ。
雲とのバランスが素晴らしい。
綺麗な日没はハードな1日の素晴らしいエンディングだった。
二人でシーフードヌードルを食べて20時には就寝。
やっぱり俺はシーフード派だなぁ。
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3日目ダイジェスト
長くなってきたので3日目はダイジェストで!
AM5:00 日の出
最高の夜明け、富士山も見えた。
風が強かった。
もうひと眠り。爽やかさゼロ笑
テン場で一緒だったBBG読者のSさん。ギア好きの匂いがプンプンしてました笑
撮影ありがとうございました!
さあ撤収!
テント内のポケットに入ったままだったサングラスを豪快に槍ヶ岳の空へFLY!ガッツリ傷が入ったが、北鎌尾根の死闘で入った傷ということにして、後生に伝えていこう。
ブルース・バギーズ・ブラザーズ
青すぎるぞ空
本日も快晴なり
さらば槍ヶ岳
湧き水!汲む!飲む!
うまし!!
間違えてザレた道に行っちゃった
身体が危険を求めてるのでしょうか
河原で休憩
ケツズレ発生(股ズレのケツバージョン)
シャーベットを食べるアツ子ちゃん
ランチは徳澤
徳澤のカレーは少しフルーティー!うまい!
「徳澤が似合わない」と、罵声を浴びせられる。
徳澤でBBGのんびりイベントなんていかがでしょうか?笑
ケツがもう限界
休憩するたびにオペ室(トイレ)へ急行するドクター兼 患者のコータロー。彼の限界は近い。
ふわふわ君
ジブリ感
着いたぜ上高地!
あかんだな行きの混雑っぷりよ
来世は爽やかになりたい
どこでも寝る。一瞬で寝る。
平湯温泉に寄って行きました。
鬼殺し推薦!BBG公認!みんなのテンホウ!必食!
豚バラ味噌ラーメンと餃子でこの長旅を終えました。
北鎌尾根を終えて
北鎌尾根から槍ヶ岳に登って数週間。
何だか燃え尽き症候群みたいになっている。
CEOも同じみたいだ。
もう二度と行くつもりは無いけど、いつかまた行きたくなるのかな?
そんな時はお互いに殴り合って止めようとCEOと約束しています笑
行っておいてアレなんですけど、正直あそこはあまりオススメできません。
楽しむには危険すぎました。
生涯忘れないであろう絶景は見れましたが、完全にハイリスクハイリターンでした。
でも、いつか行く誰かの為に、少しだけアドバイス、というか僕らが忘れない為にも覚え書きです。
- 絶対にソロでは行かないで下さい。これはホント、約束して下さい。事故はソロの方がほとんどなんです。僕もソロで行ってたらどうなっていたかわかりません。
- ソロで行くと危険度は何倍も上がります。倍じゃないです。数倍です。
- 危険箇所の通過時間、幕営スペース等を考えると2~3人で行くのがベストな気がします。
- 日が短い秋は、より上級者向けだと思います。沢の水も枯れるそうです。
- 体力に自信がある人でも超キツイです。もう一度言います、超キツいです。
- 体力以上に大事なのはメンタル。
- 絶対に登って帰るんだという根性、気合い、闘魂。
- 厳しい場面でも「俺なら登れる」という根拠のない自信も大事な気がします。
- 人によりますが水は3~4Lあれば安心。
- 荷物は1gでも軽く。1cmでもコンパクトに。
- 北鎌沢右股の上部は左斜面も超危険!
- 草付きのボロボロ斜面はルートミスしています。すぐに戻って下さい。
- 北鎌のコルはブヨだらけです。
- 北鎌のコルはツェルト、ソロテントならギリ3張り、2人用テントなら2張り位のスペース。
- 北鎌のコルの槍ヶ岳方面50m先にツェルトなら張れるスペース有ります。
- ビバークポイントに広めのトイレスペースはありません。スコップ必須。
- ハイマツで濡れる場合があるので撥水力の強いパンツはオススメ。
- 薄手のパンツではなくソフトシェルみたいなパンツが良いと思います。
- ショートパンツで行くと血まみれになると思います笑
- ルートミスしても戻れない可能性があります。
- ガスってきたり悪天候でルートが見えなくなると行動不能になる可能性が非常に高いです。
- 緊急ビバークの可能性も含めて予備日を設けて下さい。
- 稜線上はdocomo繋がります。auはアンテナ1本程度、もしくは圏外でした。
- ネットや本には載っていない危険箇所が膨大にあります。
- 手袋は絶対にあったほうが良いです。
- 水分補給はハイドレーションの使用を強くオススメします。小さいスタンスに立っている時でも飲めて最高に便利でした。
- ロープは使いませんでしたが持っていると精神的に安心です。
- ルート上にエスケープルートはありません。進む、戻る、助けを呼ぶ、以外は出来ません。
- 進めても戻れない。登れても降りれない。そんな場所ばかりです。もし、撤退する場合も命懸けです。ホントです。
他にも色々あるとは思いますが、僕が主に感じた注意点はこのあたりだと思いました。
ホントは感想ではカッコつけた事を言いたいんですけど、やっぱり余裕無かったですし、失敗もしました。
僕は素直なんで本音をちゃんと言いますと、超キツかったし怖かったです笑
ただ、やはり達成感は自分の人生の中でも間違い無く1、2を争うと思います。
何はともあれ北鎌尾根側から見た最高にカッコ良い槍ヶ岳、頂上に着いた時の感動は一生忘れないです。
結局、行ってよかったの?と聞かれたら
「もちろん!!」と、答えます!!
前、後編と2回にわたり長々とお付き合い下さいましてありがとうございました!
初めての山行記事で読みにくい部分があったかと思います、お許し下さい。
秋はキャンプしたり、ちょっとのんびりしたいなぁ。
たぶんCEOもそう思ってるんじゃないかな笑
チャッピーな記事が増えても責めないであげて下さい笑
これから迎える秋山シーズンも事故なく楽しみましょう!
ありがとうございました!
押忍!