年に一度、一号生筆頭アツシオガワが同級生を無理矢理 山に連れて行くという地元が震え上がる「男塾直進行軍」が今年も開催された。嫁・子供は「パパいかないでー」と泣き叫び、親父はそんな家族を抱きしめ「いままでありがとう」と言い残し背を向ける。漢なら行かねばならぬ時がある。第四回 男塾進行軍「槍ヶ岳死闘編」いざ開幕!
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活動遍歴
今年で4回目を迎えた男塾登山部。
過去の戦歴をサクッと振り返ってみよう。
第一回「常念岳日帰り男塾 2014」
元暴走族の「ぶっこみK」(左)、不良中年の「ハーレーT」(右下)、ピアノの調律師「ガラケーO」(右)というキャラ濃いめの初期メンバー。
今も語り継がれる本格登山初めてで「常念岳日帰り」をやらされ、瀕死の状態で下山。
うどんもすすれないぐらい憔悴しきった思い出の第一回男塾。
第二回「八ヶ岳三山日帰り縦走男塾 2015」
元プロ野球選手の「スローカーブY」と美容師の「アイパーF」が新メンバーに加わり八ヶ岳(赤岳・横岳・硫黄岳)を日帰り男塾縦走。
「八ヶ岳には山ガールが沢山いるぞ!」を餌に誘うも「山熟女」しかおらず、メンバーに本気でキレられた思い出の第二回男塾。
「もう誘わないでくれ」と毎年懇願してくるも、結局山に来ちゃうダチョウ倶楽部の血を引くメンバーたち。
第三回「焼岳日帰り男塾 2016」
新メンバー「ガチャピンC」(右上)を新たに加え、7名の大所帯に。
こんだけ登ればハマるやつもいそうなもんだが、かたくなに年イチしか登らない塾生達。
前回までが男塾過ぎたため、ここらで一発チャッピーに焼岳で機嫌をとろうと計画するも予想以上にみんなの「老い」の進行が早く、チャッピーどころかゲロッピーになって下山。
DAY1
このままチャッピー登山へフェードアウトするのかと見せかけての「槍ヶ岳男塾」
今回はオーストラリアに暮らすオージーSも緊急参戦。
日本の厳しさを思いしらせるため、名峰「槍ヶ岳」でOMOTENASHIだ。
近くの無料駐車場がいっぱいで鍋平から歩く羽目になったため、実はすでに軽く消耗している塾生達。
初日は槍平小屋までの約4時間半の道のりだ。
ウォーミングアップにはちょうどいい行程だろう。
3時間経過
あれだけ威勢のよかった塾生達が早くも黙り込んでいる。
すでにびちゃ男になっている者、買ったおにぎりを車に忘れキレている者、足が攣りそうな者・・・。
初日の行程を甘く見ていた塾生達に「明日ほんとに槍ヶ岳に登れるのか?」という不安がのし掛かる。
PM12:30 槍平小屋到着
初日を槍平までにしておいてよかった。
塾生達の老いがまたさらに加速している。
初日の行程が終了した安堵感と昼メシ食った満腹感で全員撃沈。
あれだけ小屋で宴会しようって言ってたのに、みんなビール一本で寝たふりを決め込みやがった。
「最後に垂直のはしごが高度感あって脱糞ポイントだぜ!」って少々脅したのがまずかったのか、みんなビビってだんまりを決め込んだ様子。
疲労感と明日の緊張感とで全く酒を飲む気になれない塾生達。
大量のおしゃぶりするめと柿ピーがむなしく横たわる。
DAY2
AM 3:00
気温4℃、微風。
槍アタックには絶好の気象条件だ。
外に出ると満天の星空が我々を迎えてくれた。
オージーSは「ニホンノ ホシ ウツクシスギマース」と言ってウレションが止まらない様子。
ハーレーTが「昼寝しすぎてぜんぜん寝れなかったぜ」ってバテたときの言い訳を早速ぶっ込んできたがスルーしていざ出発だ!
昨日のウォーミングアップが効いたのか、早朝からみんなの動きは悪くない。
いや、むしろいいペースで登っている。
二つの光
AM 5:15
夜明け前の静寂に包まれている笠ヶ岳を背にハイクアップしているその時だった!!
先頭を歩いていた僕は、メンバーの様子を見るため振り返ると笠ヶ岳の上空に2つ並んだ光が目に入った。
ん??星にしてはやけに明るいよな?
しかも微妙に動いて…ない?
辺りを見回して星を見つけると明らかに明るさが違う!
な、なんなんだあの光は!!
じーっと見ていても微妙に動いているような気がするが確信は持てない。
もう一度あたりを見渡して星との明らかな違いを確信し、二つの光に視線を戻すと
き、消えてる…。(視線を外した時間約2秒)
一瞬で二つの光が消えてしまった…。
ゆ、UFOぉ!?UFOぉ!?
UFOに違いない!UFO以外説明が付かない!
ひとりでテンションがあがる鬼六。
興奮が抑えられない私を横目に、飛騨乗越への急登でそれどころじゃない塾生達。
「ふ、二つ並んだ光が一瞬で消えた!消えたんだYo!」
興奮気味にハーレーTとガチャピンCへ話すが「へー」とスーパー素っ気ない態度!
「UFOなんてどうでもいい」オーラがすごい…。
俺たちは槍ヶ岳で生きるか死ぬかの真っ最中なんだ!と言わんばかりのローテンション。
温度差がすげー。
くそ!動画どころか写真すら撮れなかった!これじゃただのオカルト野郎じゃないか!
しかし、後方の塾生達に話すとなんと4人も2つ並ぶ光を確認していた。
やっぱり見間違いじゃなかった!
だが、残念ながら光が消える瞬間は誰も目撃していない。
いったいあの光は何だったのか?
まさに未確認飛行物体「U・F・O」!!
「ムー」編集部の皆さん!取材お待ちしております!
山頂アタック
UFO’sハイ(俺だけ)で疲労感もそこそこに「槍ヶ岳山荘」に到着。
高所恐怖症のガチャピンCは槍ヶ岳を目の前にして5分間石像と化していた。
下界でも滑舌の悪い彼は、あわあわ言って何を言っているかさっぱり分からない状態に。
あわあわ言ってる宇宙人Cをベンチに座らせ、いったんブレイク。
気持ちを落ち着かせ、腹が決まったところでいざ槍アタック開始!
ここまでバテバテだったハーレーTが岩登りセクションに入って急に生き生きしだす。
早くインスタ映えする写真が撮りたくて仕方がないようだ。
彼の帽子には家族からの応援メッセージが書き込まれている。
なんて温かいファミリーなんだ(T_T)
美人奥さま&可愛い二人の娘ちゃん、パパがんばってるよ!インスタ映えの為に頑張ってるよ!笑
一方、ガチャピンCも最後のはしごに取り付いていた。
「はしごにひっつきすぎると登りにくいから逆に危ないぞ!」と助言しても全く耳に入っていない様子。
腹が引っかかって実に登りにくそうである。
奥さんに「結婚詐欺」とまで言わしめた体重増加が見事槍ヶ岳のはしごで足かせに。
「あうあう」言っていた宇宙語も「あっあっあっ」とスタッカートが効き気味に。
めがね、腹の出方、歯の出方…助言が耳に入らない…どこかで見覚えが…。
ゆ、ユーコンだ!ユーコンにどこか似ている!
しかもこのへっぴり腰&デカケツ!ユーコンくりそつじゃないか!
「車じゃ寝れないんだよね〜」ってほざいておきながら白馬まで4時間むかつく顔で爆睡したあのユーコンに見えてきたぞ!
くそー、小石ぐらい落としても大して怪我しないか…。
いかんいかん、ガチャピンCだった。
がんばれ!ガチャピンC!
そんなこんなでガチャピンCも無事に登頂成功!
槍ヶ岳登頂に喜ぶ塾生達。
ガチャピンCは腰が抜けてみんなとハイタッチをすることも出来ていない。
とにかくみんな無事に登頂できて何より!
そして、この快晴!北アルプスブルーが美しいのなんのって!
前日に「高妻山」に登っていたユーコンともってる感が違う。
やはり山は晴れてなんぼだ。
なんだチミは
喜びを爆発させる塾生達を横目に ものすごいブってる男が目に飛び込んできた。
は、はだか…。
な、なんだチミは!?
己に酔いすぎ…では?
この姿を後方から友人にバシャバシャ撮影させていた。
ぜってー寒いっしょ!?
B地区ビンビンでしょ!?
ん??どうやらお隣 韓国からの登山者のようだ。
日本人だったら一号生筆頭としてB地区をそぎ落としてやろうかと思ったが、
文化が違うのでしょうがない。
帰国したら「日本のアルプスは素晴らしかった」と伝えてくれ。
エンディング
17:30
塾生達はボロボロになりながらも全員無事に下山。
下山中「膝がいてー、足がいてー」ってうるさいから、ロキソニンを多めに飲ませ黙らせる作戦が功を奏した。
来年は登山部も5周年。
本当の男塾が味わえる南ア深南部あたりで追い込もうか、はたまた男塾の聖地「小太郎山」で白目にさせるか。(小太郎山男塾の記事はコチラ)
今から考えるだけでわくわくすっぞ!
とは言え、ずっと股関節の痛みが消えない自分の老いも気になるところ・・・。
追い込み職人として生涯現役宣言をしていた「歩荷鬼六」も老いには勝てないと言うことか…。
いや、60歳まで続けようと硬く誓い合ったじゃないか!
来年も再来年もロキソニンがぶ飲みして、あうあう言いながら登ろうじゃないか!
男塾はまだ終わらせない。
一号生筆頭 アツシオガワでした!
押忍!