暇人鬼ころしSがCEOを道連れに、3日間の四国遠征登山も後半に突入。いよいよ西の最高峰『石鎚山』へと向かった一行に、数々の試練が襲いかかる。順調に見えた山行に立ち込める暗雲、果たして無事に四国カルストでの朝を迎える事は出来るのか?今回も旅、山、食、キャンプの全部をいいとこ取り!後編もCHD(チャッピーハイク同好会)会長の鬼ころしSがお送りします。

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第5章 超絶ウルトラスーパーレイトハイキング

前回の続き。

初日は剣山から、高知の繁華街へと縦走を終えた我々。

翌日は西日本の最高峰『石鎚山(いしづちさん)』 へ登るべく、夜明け前に愛媛へと向かいました。

ニッポンの夜明けぜよ!

道中迎えたご来光に、期待値も急上昇。

染まり始める山肌と紅葉が美しい朝。本日は雲ひとつない秋晴れです。

#カメラ男子

「天気が良いからいっぱい動画撮ろう!」とゴープロ片手に意気込むCEO。

替えのSDカードもお持ちだそうで準備は万端。

駐車場から少し登り、登山口っぽくない登山口に到着。

修験道の山である石鎚山。ルート上には三カ所の鎖場と切れ落ちた岩場があるそうなので、気を引き締めて出発!

石鎚山の南側に位置する土小屋コースは、神社のある弥山山頂まで約2時間ほどの工程。

1つ目の鎖場は通らず、2つ目の鎖場手前の分岐でもう一つの登山道と合流して山頂を目指します。

それっぽい看板は登山口からちょっと歩いた所にドーン

さあ憧れのズッチーを制覇しに行きましょう。

鎖場までは、とても綺麗に整備された登山道。

展望の良い道が続くので、しばし景色を楽しみながらチャッピーハイクを楽しみましょう。

ここでひとつ『詩人・鬼ころしS』が心にしみる四国の絶景を情緒豊かにお送りします。

山肌にグラデーションを描くように差し込む光の筋。

目指す先には色とりどりの樹木をまとい、静かにその姿をたたえる石鎚山。

そして歩いた道を振り返れば、遠くに浮かぶ折り重なる稜線。

そんな四国屈指の絶景に囲まれ、心地よい風をお尻に感じる日本一解放的なトイレ。

・・・トイレ?

携帯トイレのブースにしてはオープンすぎるけど、何故こんな所にお便器が??

ご存知の方いたら是非教えてください!!

表参道コースとの合流地点にやって来ました。

ここには公衆トイレがあり、皆さんが一息ついているポイント。

「日本一美しい山のトイレ」を目指しているとのことで、山の中とは思えない本当に綺麗なトイレ。

それはもうずっと座っていたいくらい、私が今まで使用した登山道中のトイレの中でもトップクラスの美しさ。

ここからはいよいよ長い鎖場へと突入。

高い所は苦手ですか?安心してください。

右側には迂回路(歩きやすい階段)があるので、鎖場に自信のない方でも大丈夫ですよ。

第6章 ジゴロ、西日本最高峰へ

階段を行けば比較的安全に登れるズッチー。

しかし我々の辞書に迂回という二文字は無いのだ。

早速『ニノ鎖』の岩場に取り付く鬼ころしS。

そびえ立つ岩壁を前に意を決したように、狙いを定めた鋭いその眼差しは真剣そのもの・・・

なんて事はなく、いつも通りの私ですよ!うぇ〜い!!

テンアゲ(テンションブチアゲ)で楽しく登っちゃいましょー!

見さらせぃ!男塾名物「直進行軍」じゃ!!

岩場が大好物の私も直進行軍!!

キングコング・ニードロップ

鎖を手にしたCEOは、もはや暴走キングコング!真壁!!

 

『三の鎖』を前に新しいSDカードに差し替えGoProも準備万端!

さぁこれから始まるメインイベント!張り切って行こ

「ピピピピピピピピ・・・・」

晴天のズッチーに響き渡るGoProの警告音。

「ん?あれ?え?ウソでしょ…

なにやらブツブツ言いながら手こずるキングコング。

GoProの調子が悪いのかと思いきや…

アツシオガワ

データ満タンのSDカードを予備に持ってきちゃった…てへぺろ。

って、ズコーーーーッ!!!

ズッチーで一番撮れ高を期待できる『三の鎖』を前にしてGoProの撮影が終了するというまさか。

どんだけスカスカなんだよ!

と言いたいのをグッと飲み込む鬼殺し。

朝、登山口で「SDカードの予備も準備万端!」ってドヤ顔で言ってたのは何だったんだ・・・。

「まぁアイツとは相性が悪いだけだから。俺のせいじゃないんだよね」と、機械に文句をつけながら登るアツシオガワ。

「京都トレイルの時もはぐれたし、北鎌尾根の時も途中で言うこときかなくなってさ。素直じゃないんだよなぁ」と聞かされながら、「ただアツシさんがGoPro無くしたり、壊したりしただけじゃないですか・・・」と言いそうになるのをグッと飲み込む鬼ころしS。

かっこいい場所でそれっぽい事を言い続けるCEO

「ていうか俺はさ、恋愛もそうだけど一人の女しか愛せないから。一途なんだよ」って言い出したので「本命の女性は誰なんですか?」と尋ねたところ、返ってきた答えは「iPhone」でした。

やれやれだぜ

「あー、きっとGoProがiPhoneに焼きもち焼いちゃったんですね。」

と適当に話を合わせると「そうなんだよ。モテる男は罪深い」という結論で満足していただけました。

上司のご機嫌取り“という世渡り術を社会人経験の中で身に付けておいて良かった。

こうして毎回必ずやらかしてくれるCEOですが、今回もバッチリやらかしてくれました。

アツシオガワ

CEOだいぶ疲れが溜まってるね。

その後も適当に相槌を打ちつつ、ようやく三ノ鎖の終了点へ到着。

緊張感のある難所が続きましたが「いいよ〜。iPhoneちゃんやっぱり凄いよぉ〜。」と小声で呟きながら動画撮影を続けるアツシさんのお陰で緊張がほぐれましたね。ということにしておこう。

とは言えとっても長い鎖場なので、二人ともいつもに増して慎重に登って来ました。

下りは迂回路を使おうと満場一致で決定。。

ちなみにここの鎖、本当に大きいので輪っかの中に靴を突っ込んで登ることが出来ました。ソールの厚い登山靴よりも、軽めのシューズの方が登りやすそう!

石鎚神社のある弥山(1,974m)に到着。

しかし、真の西日本最高峰はここではなく・・・

あの向こうに見える『天狗岳(1,982m)』なんすよ!しゃベー!

どえりゃあトッキントキンでいがんどるもんで、ちゃっと登ってまわなかんがや。ほしたら行こみゃー。(訳:とても尖っていて曲がっているので、さっさと登ってしまわないといけないですね。それでは行きましょう。)

びっくりしすぎてつい名古屋弁が出てしまいました。

岩場の下りでは、三点支持のクライムダウンで慎重に・・・

あいきょー!足が短くてちっとも届かなーい!

右を見ても左を見てもキレッキレな岩場が続く。

写真じゃ伝わらないけれど、本気で高いです(震え声)

さらにどんどん細くなる尾根を進んで行くと・・・

誇らしげな祠!

西日本最高峰、天狗岳に登頂!

今日も今日とて、晴天に恵まれました!

とにかく高っけぇーーー

最高峰からは360度の絶景。石鎚神社が建つ弥山山頂の向こうには、瀬戸内海までバッチリ。

脱サラしてからというもの、旅先で憧れの頂に立つ喜びは一人で何度も味わって来ましたが、今回は喜びを分かち合える人を(強引に)連れて来て良かったなぁ。

やっぱり届かない

だから足が短いっちゅーとるがや。

あと身長が20センチ高かったらスーパーモデルになれたのになぁ。

 

さて、無事に弥山まで戻って来ました。

四国旅の無事に感謝の気持ちを込め、石鎚神社にお参り。

なんと山の上なのに御朱印がいただけますよ。

登りで使った鎖場を華麗にパスして、階段の迂回路から下山開始。

こんな風に登りと下りは「お上りさん」「お下りさん」と分かれているので、すれ違いもスムーズ。

高度感のある鎖場と違って登りやすいので、のんびりと自分のペースで登りたい方も安心ですね。

そしてここで嬉しい出会いもありました。

高知からBBGユーザーの「ONZOケンさん」

私のインスタを見て遊びに来てくださったとのこと!

アツシオガワ

ガチムチ&ヒゲ率高けぇ…。

しかも嬉しいことに石鎚山にちなんだ山ご飯をご馳走して下さるとことで、腹ペコの我々はお言葉に甘えてお呼ばれしちゃいました。

さてご飯を前にいきなり脱線しますが、日頃BBGをご覧いただいている皆さまなら誰でもご存知の基礎知識。

“必要なものとそうでない物を見極めて、荷物を軽くしましょう”

よく聞きますね。私も登山を始めてすぐに学んだことでした。

荷物が重いとバテるし、景色を楽しむ余裕も無くなる事もありました。

一般的にも、体力の消耗や天候の急変に備えて行動を早く終えるために可能な限り軽量化し、無駄を省く事が良しとされるケースが多いですね。

そんな定説をひっくり返す勢いで我々の目の前に重装備で現れた、ONZOケンさん。

「本当は山頂でやりたかったんですけどね〜」とセッティングした二台のバーナーで米を炊き、担ぎ上げた重厚なスキレットで具材を炒め鮮やかに盛り付ける。

目の前で繰り広げられる厨房ライブは、思わずここが山だということを忘れさせるほど。

クッキングツールがどんどん出てくる四次元ポケット

なんと徹底された”ムダ”を楽しむスタイルなのでしょう。

「重いな〜って思うんですけど、食べる事が好きなのでせっかくなら山でも美味しいものをと」と話しながらおこげ具合を確かめるケンさん。

石焼と掛けまして、石鎚ビビンバ

断捨離、ミニマリズム、シンプルライフ。

上司からは「ムリ・無駄・ムラ」を省けと急き立てられる。

そんなご時世だからこそ、趣味くらいはムダであることも思いっきり楽しむ生活っていいな。

そう思えた、遠征先の石鎚山での出会いでした。

ONZOケンさん、ご馳走さまでした!!

アツシオガワ

ゴ…ケンさん、ごちそうさまでした!!

第7章 四国カルストヘヴン

下山後は日本三大カルストの1つ、愛媛県と高知県にまたがる「四国カルスト」へやって来ました。

キャンプ場も併設されていて、夏にはキャンパーやバイカーが多く訪れるこの地。

バイクツーリングが大好きな私の父のオススメと聞いて、今夜はこちらでテント泊。

私の旅好きは、100%父の遺伝みたいです。笑

それにしてもこの黒い点々は・・・

モーたまらん。

牛さんが散歩中でした。

CEOの「ン゛モ゛ォォ〜〜〜〜」に反応して振り返る牛さん。仲間じゃないよ、ゴリラだよ?

アツシオガワ

はじめて見る生ゴリラにビックリしてたね。ってバカヤロ。

久々の渡辺篤夫建物探訪は、標高1,400m付近より大自然に囲まれた一軒家のご紹介。

石鎚山の土小屋登山口から車で1時間半、徒歩だとまあ18時間くらいですかね。

間取り1K。壁薄めですが日当たり良好、賃貸契約のみ(1日500円)限定1棟、お早めに。

車で30分圏内には地元のスーパーが1軒だけありますよ。炭は売ってますが薪は売ってません。薪を忘れた我々は道で拾い集めました。笑

近くの温泉は隈研吾さん設計のホテル「雲の上のホテル」に隣接する「雲の上の温泉」に。

全てがチャッピーすぎて思わずBBGという事を忘れてしまいそうですね。

さて、冷えた体を温め・・・

・・・やっぱりBBGでした。くぅーー!

もうお腹もぺっこぺこなので、ゴ…CEOにさっさと火起こしさせ、BBQスタート!

悲しみを乗り越えて、せめてもの大好物しいたけバターとせせりの塩焼きに癒してもらいましょう。

ホルモンの味噌野菜炒め

ビールをクイクイっとやれば、もう温泉のことなんてどうでも良くなって来ました。

多分星も綺麗でした。もう覚えていません。笑

多分朝日も綺麗でしたが、深い眠りから目覚める事はありませんでした。そのくらい静かなキャンプ場です。笑

稜線のテント泊も良いけれど、雪が積もるまでの微妙なシーズンにはキャンプも良いなぁ。

チャッピーキャンプのお供にはフレンチトーストをどうぞ。

さて問題。「コーヒー淹れる」とセッティングした横でなぜ我々は缶コーヒーを飲んでいるのでしょうか?

答えは「CEOがフィルターを忘れました」

ガッデム!!

アツシオガワ

うん、オレ相当疲れてるね!

「ゆで卵なら得意だから」とリカバリーを始めるCEO。

って派手にこぼしてるよ!!

アツシオガワ

ちがう!突風で倒れたの!!

奥で慌てる鬼ころしS。

しかし、写真を撮り終えるまでは起こすことも許されないBBGの壮絶な現場。

ガッデムボンバー!!!

アツシオガワ

もー!いやっ!!!

しかしひとたびこの景色に包まれれば、そんなことも忘れる心地よい開放感。

突き抜ける空の青さと心癒される緑、満天の星空はもはや天国。

下山後のスケジュールに余裕のある方。たまにはゆったりと過ぎる時間に、身を委ねてみてはいかがでしょうか。

エピローグ

長いようで短かった3日間の旅もいよいよフィナーレ。

最大の核心部は9時間以上に及んだ帰路でした。

長い工程なので、帰りは香川経由で讃岐うどんを食べて帰ろうと瀬戸内海を臨む名店へ。

定休日

ガッチャメラ!!

まさかの事態にCEOも白目。

さらにそこそこの雨

行きも帰りも雨、雨、雨。

しかし行動中は3日間ピーカンが続いたという、晴れ人間2人組の奇跡。

不敗神話、まだまだ続きそうです。

見知らぬ土地では思わぬ絶景に出会えることも

旅を終えてみて改めて気付かされる、遠征登山の醍醐味。

登山に少しの”息抜き”を、旅行には少しの”感動”をプラスで。

まあ一言で言ってしまえば「旅行も登山もグルメもキャンプも全部いいとこ取りしたーい!」というワガママから生まれたのが今回のプランニングで、いつものBBGとは違い皆様にそのままオススメ出来ちゃうくらいゆるーい内容となっております。笑

フンフンフンフンフーンフフン♪ (第九)

「山はいいね。山は人の心を癒してくれる」リリンの生み出した文化の極みだよ。と渚アツシもご満悦の様子。

山の感動と興奮をシェアできる仲間が一緒なら、ハプニングすらも笑い話になるはず。

次の連休は友人、家族、恋人、ゴリラと一緒に旅に出ませんか?

以上、鬼ころしS&CEOでした。

押忍!!