MADE IN 南アルプス!!TJARでその存在を知った方も多いであろうblooperbackpacks!極限のレースに挑む男達の為に作られたバックパックの性能はいかがなものか!?コアな山屋からも大注目のブルーパーバックパックスを一般登山者目線で徹底レビュー!今回も長いですがよろしくお願い致します!(文・コータロー)

[toc]

blooper backpacksを知っていますか?

今年も大変な盛り上がりを見せたTJAR

とりわけ「無補給」を掲げ、達成した望月将悟選手には感動した方も多かったと思います。僕もその一人。

 

そして僕がいつも気になるのはやはり選手たちのギア。

特にバックパックです。

 

2016年の前大会で初めてその存在を知ったblooper backpacks(以下bbp)

当時はHPもなく、情報もほとんどありませんでした。

探し当てるのに苦労した記憶があります。

その辺のエピソードは「off the grid」のレポートにも記載しているので省略致します。

[kanren postid=”20106″]

 

デザイナーの植田さんは南アルプスのすぐそばに工房を構え、南アルプスで得たフィードバックを基にバックパックを製作しています。

今年のTJAR出場者の約1/3がbbpのザックを使用していたそうです。

その方たちのフィードバックも製作には生かされているはずです。

 

今回は何と『Miyama20』『Mizunara30』『Mizunara40』と3モデルを貸して頂きました。

BBGのinstagramでもストーリーズに投稿した途端に、かなり反響があったみたいです。

短い期間でしたので、結果として最良の状態でテストで出来たかは少し疑問が残ります。

ただ、フラッグシップモデルとも言えるMiyama20はしっかりとテストが出来ました。

 

まだまだ情報も少なく、山でも見かけないbbp。

日本のトップ選手が使用し、結果も出ているバックパック。

実際のところ、その使い心地はどうなんでしょう?

 

輝かしい戦歴の先入観は一度置いておきましょう。

エクストリームな体力とバキバキに山力のあるユーザーさんの意見も一度置いておきましょう。

大注目のbbpを一般登山者の目線からレビューさせて頂きました。

Mizunara30&40

はじめに謝罪しておきます。

妙高の回でも触れましたが、私とCEOのガチムチコンビ。

Mizunaraに関しては二人ともサイズが合っていませんでした笑

私はウエストベルを固定すると拷問になるレベル。

30Lクラスの高い位置で背負えるバックパックです。

正直、ハイク程度であればウエストベルトは必要無いフィット感です。

 

ですが、やはりきちんとした状態で使用できなかったのは残念です。

完全に私の腹が悪いんです。すいません。

CEOはショルダーの間隔(肩幅)がイマイチ合っていなかったそうです。

さすがゴ….で、ございます。

一日目はともかく、二日目の中盤辺りから少し痛そうにしていました。

 

bbpは基本的にオーダーメイドのバックパック。

人の体格は千差万別。

お借りした物ですのでこれに関しては仕方ありません。

この2モデルに関しては背負い心地以外の仕様面、機能面をご参考にして頂ければ幸いです。

Mizunara30

僕が使わせて頂いた『Mizunara30』

こちらはファストパッキングなんかに最適な容量&オプション機能が満載です。

腰の上で気持ち良く背負えるザックでした。

背面パッドは無いのでEVERNEWのFPマットを入れてあります。

今回は色々と余計な物も入れたので水も含めてトータル7kg前半位の重量でした。

空身ですとメーカー公表値約350gとなります。

 

開口部は巾着タイプ

極細のドローコードが目を引きます。

bbpの特徴の一つに各部ドローコードの細さがあります。

他のUL系のザックに比べてもコード類は総じて細めの物を使用しています。

もちろん軽量化を狙っての事だと思われます。

 

注目はこちら、メインの巾着部分に極細のコードを使用するのは珍しいです。

スムーズに締まります

MYOGで自作のバックパックを作る方、そうしたザックやUL系のザックに慣れている方はあまり驚かない部分かもしれません。

しかし、そういったザックを見慣れていない方、普段は大手メーカーのザックを使用している方は開閉時に少し気を使うかもしれません。

強く引っ張ったら切れてしまいそうですもんね。

色まで同じ

たまたまなのですが同じ素材の物と思われるコードを所有していました。

細さは1.18mm

非常に細いです。

 

商品のタグやパッケージを捨てないで取っておく貧乏性の私。

パッケージにはスペックが記載されていました。

右上をご覧ください

耐荷重は約45kgだそうです。

テン泊装備を背負った桐谷美玲くらいなら問題なくぶら下がれる強度です。

 

ちなみに私はシェルターのガイラインとして使用しています。

爆風の稜線のテン場でも耐えてくれたのはいい思い出です。

 

絞った吹き流し部分をクルクルまとめてパチリと留めればパッキング完了です。

ハイクでしたらココにはマットなんかも固定できますね。

バックルも肉抜きされた軽量な物をチョイスしています。

確認し忘れたのですがDuraflex社の物だと思われます。

最近、軽量なザックやウエストバックでよく見るタイプのバックルです。

軽快な使用感のバックルの下にはbbpのブランドタグ。

主張するタグが苦手な私にはこのくらい控えめなタグがストライク。

フォントもセンスが良くいい雰囲気です。

タグはここだけ。最高です。

バックパックに限らずなのですが、タグで判別するのではなく、造形で「あそこのバックパックだ!」

と、思わせるくらいのオリジナリティが必要だと思っています。

「~っぽいよね」と、言われるのは使用者もデザイナーさんも複雑な気持ちになると思うのです。

bbpは一目でわかるオリジナリティがあり、とても素敵だと思います。

 

センターにはジップがあり、中の荷物にアクセスできます。

このセンタージップは非常に使いやすかったです。

あえて言うならば、あと5cm開いてくれると奥の物にも手が届きやすいと感じました。

使いやすい。でもあと少し開くと嬉しい。

行動食や防寒着、レインウェア、救急キットにヘッドライト。

すぐに取り出したい物はセンタージップ側に寄せてパッキングするとかなりスムーズだと思います。

TJARの選手達はザック内の荷物の位置も相当考えているはず。

このセンタージップを最大限生かせるパッキングがしてあるはずです。

センタージップは「無し」も選択可能です。

 

センタージップの左右には70Dのリップストップナイロンのポケットが配置されています。

オプションなので写真の生地以外にメッシュや140dのダイニーマ生地にもできます。

もちろんいらない人は「無し」も選択可能。

個人的にはこのポケットはあったほうがいいと思いました。

純粋に容量が増やせるのはもちろん、バンジーコードと合わせて使う事でトレッキングポール等の固定ができます。

僕はウインドシェルと行動食を入れていました。

実はこのポケットはサイドまで繋がっていてペットボトルなんかも固定できます。

気になったのはこのポケットの深さ。

少し浅い気がしたんです。

もちろん軽量化の為にもこのくらいのポケットで機能面に問題はありません。

物が落ちたりはしないんですが、あと5cm高くするだけで安心感と使いやすさが増す気がします。

 

こちらはショルダーのボトルポケット。

取り出しは非常にスムーズで本当に良く出来ています。

こちらは後ほどMiyama20の項目で詳しくレビューします。

こちらもオプションなので「無し」も選択可能。

パッキングで荷物を詰め過ぎると私みたいに上部に長くなるので注意が必要です。

幾度となく木に引っ掛かりました笑

下は悪いパッキング例です笑

結果的には僕の腹のせいでウエストストラップを使えませんでしたが、ハイク程度でしたら必要性も感じない位の安定感。

僕はショルダーが合っていたので二日間背負っても肩は痛くなりませんでした。

しっかりとサイズを合わせて、パッキングも最適な状態にすれば非常にバランスが良いバックパックだと思います。

上の人みたいにパッキングするとさすがにバランス悪いです笑

Mizunara30まとめ

軽量でコンパクトなギアが揃っている方でしたら、一泊二日のファストパッキングなんかも余裕の容量。

20Lクラスのザックでファストパッキングをした事がある方でしたら、より長く、より遠くへ行ける容量です。

ランもハイクも、汎用性があって軽量な装備でオールラウンドに使うならbbpの中ではMizunara30がベストだと感じました。

Mizunara40

Mizunara30をサイズアップしたのがこちら。サイズ感を参考にしてみて下さい。

メーカー公表値は500g

CEOが背負っていたMizunara40は超シンプル仕様。

メイン荷室はフレーム無しの一気室にバンジーコードのみ!

見よ!この男塾仕様を!

このド直球のシンプルな感じは好き嫌い分かれそうな感じがありますが

UL系メーカーのザックにも超シンプルなザックってありますよね。

何となく自分の技量を試されているような玄人向けのバックパック。

そんな男気満点のバックパック、僕は大好きです。

とにかく軽量化重視の方やクライミングザックとして利用する方なんかは食指が動きそうです。

実は反対側の側面にはジッパーがあるので中の物はそこから取り出す事も可能です。

もちろん必要ない人はオーダー時に選択が出来ます。

シンプル過ぎるバックパックって使いづらい。

そんな人でもフロントにボトルポケットがあるとなると話は別です。

結局、行動中は水の出し入れが一番多くなります。水の取り出しやすさは使いやすさ。

高めの位置で取り出しやすく、揺れも少ないです。

 

行動食はサコッシュに入れて、水はボトルポケットに。

この組み合わせで行動中の補給は完結してしまうのでボトルポケットは本当に便利。

ザックが下せない岩場なんかでは本当に重宝します。

気になったのはサイドのジップ(背中側の色が少し違う所)

Mizunara30と同じですが、あと少し長いほうが荷物を取り出しやすいと思いました。

 

かなり背中側に寄って付けてあるので、今のジップの長さだとガバッと開けるのがちょっと大変。

荷物がパンパンに詰まっていると特にそれを感じるみたいでした。

アツシオガワ

今回の山行中、ほとんどサイドジップを開けることはなかった。個人的にはこの位置のサイドジップは不要に感じた。中の荷物へのアクセスはセンタージップがBESTだと思う。

もう一点はバンジーコードの細さ。

細いゴムなので固定力がイマイチなんですね。ウインドシェルくらいしか挟めないのは少しもったいない。

40Lクラスの大きさになると、コンプレッションと荷物の固定を考えるともう少し太い物でもいいのかと思いました。

自分で好みのコードに付け替えるのもいいと思います。3mmか4mmの細引きに変更するのもいいなと思いました。

アツシオガワ

コータローと同意見。ウケのない状態で細くて間隔の広いバンジーでは、挟めるモノが限られてしまう。試しにロールマットを付けてみたが、上手く固定できなかった。

 

とにかく軽量でシンプルなバックパックを求めている人はこの形がオススメです。

ボトルポケットがあるので見た目以上に使い勝手は良好です。

岩場メインの方はX-pacで仕上げるのも良いかもしれません。

Mizunara40まとめ

こちらの容量は40Lありますので縦走登山向き、ガチャ類を入れてのクライミング向きのバックパックかと思います。

前述のMiyama30みたいにフロントポケットを付けてカスタマイズする事も、もちろん可能です。

容量は40Lあるので夏の長期縦走から雪山まで。

長期山行を視野に入れているならこちらの容量がオススメです。

Miyama20

妙高では使えなかったMiyama20は持ち帰らせて頂き、各部詳細とフィールドテストに使わせて頂きました。

bbpのフラッグシップモデルとも呼べるMiyama20はどんなバックパックなんでしょう?

こちらはしっかりとテストできたのでレビューも詳細にさせて頂きます。

全体像

Mizunara30&40に比べて明らかにボトムが急激に上がったスタイルの『Miyama20』

高い位置に配置された外ポケットも特徴的です。

オリジナリティあふれる見た目

サイドから見ると、よりボトムの上がり具合がわかると思います。

これにより荷重は自然と上に行き、身体の上部で背負えるようになります。

ザックの薄さにも注目して下さい。

ボトムがグイッと上がってます

背面にフレームやパッドはありません。

FPマットはカットしないと入りません。

OMMのDUOマットが収まるサイズ感です。

背面はシンプルです

横にある翼の様な物はウエストポケットです。

後述しますが非常に使いやすく、オプションで追加するのをオススメします。

ウエストポケットの裏側にはパッドが付いています。

やわらか素材です

本体の重量は実測370g。

20Lのザックで色々とポケットも付いてこの重量は非常に軽量な部類に入ります。

370gなり

ショルダーハーネスの幅は広めの約7cm

このくらいの幅が僕は好みです。

走っても安定していました。

幅は約7cm

厚みは約13mmといったところでしょうか。

十分な厚みで荷重を分散させます。

どちらかというと柔らかめの質感のショルダーです。

厚みは約13mm

ショルダーの幅や長さ、厚みは工房やイベントに行けば植田さんのアドバイスを聞くことが出来ます。

まずは自分がどんなショルダーが好きなのかを理解すると、オーダーがしやすいかと思います。

チェストストラップにはホイッスルが付属しています。

細めのチェストストラップが苦手な私はこのテープ幅も好きな感じでした。

チェストは固定式

軽量化の為だとは思うのですがチェストストラップの位置が調整出来ません。

ここは個人差がある所なので、こだわる方はやはり直接、工房に行くのをオススメ致します。

着用感

178cm、83kgが着用。

ランナー体型でも何でもない男で参考にならず、すいません。

こうしてみるとザックの薄さに目が行きます。

荷重が上に来ているのを背負っていても実感出来ました。

身体に吸い付くようなフィッティングは非常に気持ちが良いです。

背負い方に少しコツがあるように感じたのでそちらは後述します。

ボトルポケット

高めの位置にあるボトルポケット。

こちらも非常に使い勝手が良かったです。

なんと言ってもスムーズに開閉する開口部。

 

細めのゴムを引っ張れば、非常に軽い力で閉じる事ができます。

もちろん走ったりしても緩んでくる事はありませんでした。

ボトルを取り出す時もスルッと取り出せます。

この使用感は本当に気持ちが良かったです。

色々と試行錯誤して作られたんだと思うボトルポケット。

とてもシンプルな造りなのですが、巻き込むようにボトルを包むので揺れも非常に少ないです。

550mlのペットボトル使用

細めのゴムに小さなNifcoのコードロック

一見、頼りなくも見えるのですが、使ってみると必要十分であると気が付きます。

ボトルポケットはサイズに少し余裕があるのでサイクルボトルを入れることも可能です。

Answer4のボトルでもお馴染みの、スペシャライズド社のピュリストボトル等は問題なく装着可能です。

幅がしっかりあるので出し入れしやすい

今回お借りしたザックにはサイドのウエストポケットとボトルポケットがセットになったタイプが付いていました。

こちらはオプションで「ウエストポケットのみ」「ベルトのみ」も選べます。

Mizunara30&40でも選択可能です。

 

私としてはウエストポケットやウエスト&ボトルポケットをお付けするのをオススメします。

特にMiyama20は荷室が20Lと限られているので、削れない水やギアの収納場所として重宝するからです。

ポケットの素材が柔らかいからか、片手で簡単に出し入れが可能です。

腕がつるような事もありませんでした笑

こちらも長めのゴムを引けばいとも簡単に閉じられます。

難点はゴムが細いので少し掴みにく事でしょうか。

軽い力で簡単に閉じます

水に限らず、行動食やウインドシェル等を入れても良いと思います。

トレッキングポールなんかもガッチリと固定したい方にはお勧めです。

しっかりと固定出来ます。

シンプルに見えて意外に奥が深いボトルポケット。

水は一番頻繁に出し入れする物なので、ストレスなく給水したいですよね。

軽い力と最低限のアクションで開閉できるのは素晴らしいと思いました。

ウエストポケット

次はウエストポケットです。

これは本当に良く出来ていて思わず唸ってしまいました。

極端なくらい斜めです。

まず目に付くのは極端なほど傾斜をつけた開口部です。

ここまで傾斜のあるジッパーをつけたウエストポケットは僕の知る限り存在しません。

KarrimorのAR10のウエストポケット、こちらがわりと傾斜の付いたジッパーでしたがbbpほどではありません。

開閉のスムーズさを考え抜いた末の仕様なんだと思います。

人間は手を後ろに引こうとすると肘が上がります。

人間のその動きに追従するにはジッパーは並行ではダメなんです。

スムーズで自然な開閉

本当にわずかな事なんですが、それだけで使いやすさに大きな差が生まれます。

そのわずかな部分まで考えられるかが、デザイナーさんの技量なんだと思います。

 

小さなウエストポケットかと思いきや、大容量の収納力です。

ジェルだけではなく、エナジーバー等の固形物も余裕で収納できます。

こんなに入ります

その秘密は立体的に作られたこの形。

ポケットと言うよりは小型のウエストバックが左右に付いているイメージです。

もはや小型のウエストバック

さすがに入れまくると落ちやすくなりますが、使い心地は非常に快適。

コンデジくらいなら余裕で入ります。

ジッパーエンドにも注目して頂きたいんです。

ジッパーの頭が見える位にお腹側に巻き込んでいます。

グイッと内側に

普通はここまでジッパー部分がお腹側に巻き込んで来る事はまずありません。

この造りも開閉のしやすさに一役買っています。

こんなの見た事ないです

前から見るとその巻き込み具合がよくわかります。

手よりも前にジッパーエンドが出るので無理に体をひねること無く開閉が可能です。

左に寄せたバックルにも注目して下さい。

僕はシートベルト型と言っていますが、この位置のウエストベルトはかなりクイックに脱着が可能です。

これならほとんど片手で操作できるんです。慣れると本当に楽です。

現行のバックパックではTrailbumのStedyなんかもシートベルト型。

極限に挑む挑戦者達の為に、随所にほんの少しでもストレスを軽減する為の工夫が施されています。

センタージップ

Mizunara30&40ではあと「5cm!」と言っていたジッパー部分。

Miyama20はそんなおじさんのワガママも軽々クリア!

見て下さいこのパッカーン具合!

パッカーン!

Mizunaraとジッパーの長さは変わらないと思うのですが、最上部までジッパーが開くので生地のつっぱりがありません。

これだけ広く開いてくれると本当にパッキングがしやすい!

大き目のスタッフサックもスッポリ収まります。

センタージップがあるバックパックはあまり使ったことが無かったんですが

慣れてくると底に入れてある物も簡単に取り出せるので非常に快適です。

外ポケット

このMiyamaの外ポケットはメッシュ仕様。

一番深い場所で約24cm

ポケットの上にバンジーコードがあるのはMizunara30&40と同じです。

お客様、こちらのメッシュポケットは凄いんですよ…。

真ん中にプリーツがあるんですが

こいつが思いのほか広がります。

それっ!

開口部がかなり広くなり、容量も大幅にアップ!

ソロ用のシェルターなんかは余裕で収納出来ます。

完全に広げるとここまで広がるんです。

メインの荷室は20Lなんですが、このポケットも合わせると実質25Lくらいの収納力があります。

これだけ収納力があると非常に助かります。

メッシュなので雨で濡れたレインウェアやシェルターなんかも気にせず放り込めるのがいいですね。

僕がメッシュポケット好きなのもありますが、外ポケットを付ける方はメッシュがオススメです笑

背負い方のコツ

Mizunara30&40のショルダースタビライザーはノーマルなテープタイプの物なんですが、Miyama20はバキバキに尖がってます。

なんとドローコード!紐です!

上部にある二本の紐がスタビライザー

軽量化もここまで来るあたり、さすが極限のレース、TJARの経験者。

上部を少し巻き込みながらコンプレッションしていきます。

あんまりザックの上まで荷物を入れ過ぎないのがコツです

スタビライザーを引いた所です。

こうすることでザックの上部が肩に覆いかぶさるような感じになります。

横から見るとこんな感じ。

ザックの上部を巻き込む感じでコンプレッション。

ここまで巻き込めなくても問題はないのでご安心を。

ザックの上部がショルダーハーネスに乗っているのがおわかり頂けるでしょうか?

ここまでザックを寄せると、もはや「背負う」ではなく「着る」感覚になります。

 

ノールックでやるには少し慣れが必要です。

どこだどこだ〜

スタビライザーの紐は細くて見つけにくいので、スタビライザーのプラスチックパーツを触りましょう。

すぐにドローコードが掴めます。

私はコレが一番確実で早いやり方でした。

 

コードを見つけたら後は引くだけ。通常のザックと変わりません。

肩の上部に覆いかぶさる感じがおわかり頂けますでしょうか?

この状態になったら完璧です。

走ろうが飛ぼうがザックは背中にくっついています。

慣れないうちはきっと下のようになります。

荷物が多すぎてもなりやすいです。

このコードが…。

ズレてしまうんですね。

ダリーンとなってしまいます。

コレはいけません。

下はその状態で背負った写真です。

正直この状態でも背負い心地は悪くないんです笑

ですが完璧な状態に比べるとやはり背負い心地は劣ります。

なかなか慣れるまではクセのあるバックパックだとは思います。

僕は以下の方法でベストなフィッティングを手に入れました。

 

普通のバックパックはスタート時、スタビライザーをある程度緩めた状態で背負うと思いますが

Miyama20は逆です、ある程度締めた状態で背負います。

もうこのくらい、ある程度形を作っておきます。

後は背負って締め直す感じです。

慣れるまではちょっと大変かもしれません。

でも大丈夫、一回山に行けば慣れます。

 

この背負い心地はクセになります。本当に試してみてほしいです。

フィールドテスト

今回Miyama20は二人でテストをさせて頂きました。

もう一人のテスターはコイツ、兄のすけさんです笑

なんと、すけは今年のハセツネ(71.5km)に出場していたんです。

直前までザックが決まらずにいたのでテストをお願いしました。

装備はこんな感じです。

色々あってなんのこっちゃわかんないんですけど

左真ん中にあるアニメのパッケージに「ガッツギア」って書いてあるゼリーで爆笑しました。

「無補給で行くで!」と、調子の良い事を言っていましたが今年のハセツネは暑かったんですって。

早々に補給をしておりました笑

結果はヘロヘロになりながらも見事に完走。

長男としてのガッツギアを見せつけてくれました。

ナイスガッツ兄貴!笑

 

さて、私はどうしましょう。

と、いう事で兄が果たせなかった無補給にチャレンジする事に致しました。

とは言え30kmで勘弁してください笑

兄弟で100kmテストとさせて頂きます。

日帰りですが私はテント泊装備をパッキング。

行動食もろもろはこんな感じです。

水は一本750mlのボトルです。

全てパッキングした状態での重量を量ります。

結果は6.72kg

まぁまぁな重さになりました。

テストの場所は関東の皆さんにはお馴染みの丹沢です。

渋沢駅からスタートして神奈川県最高峰の蛭ヶ岳をピストンします。

もちろん登山口までのバスは使いません。

正確に言うとBBGユーザーの皆さんが使わせてくれません笑

早朝の渋沢駅をスタートです。

さすがに眠そうです。

不機嫌そうに見えますが、年間を通しても機嫌が悪い日はあまりありません。

登山口の大倉までは3kmほどロードになります。

山の方は雲一つない快晴です。

最高の山日和ですね。

朝日が眩しいなぁ

ロードですが、なかなかの坂道を進みます。

バスに乗ってたらこんな事も気が付きませんよね。

ほどなくして丹沢の入り口、大倉へと到着しました。

まずは通称「バカ尾根」を登って塔ノ岳を目指します。

1200mガッツリ登らされるいつ来てもキツイコース。

「塔ノ岳に登れればどんな山でも登れる」

そんな無責任な事を言うおっちゃんの言葉を信じて、20代の頃、塔ノ岳には本当によく登りに来ました。

年々、尾根が痩せてきている気がします。

そのうちここも崩れそう。

山頂独り占め

まさかこんな最高の天気の日に、関東屈指の人気コースで山頂を独り占めできるとは思いませんでした。

 

ハイクアップ中の水分補給と行動食の補給は非常にスムーズでした。

左のウエストポケットにコンデジを入れていたのですがとても取り出しやすかったです。

倒木が凄いのなんの

直前に台風が通過した影響でトレイルは荒れていました。

ぬかるんだ地面でなかなか走らせてくれません。

ここも独り占め

丹沢山でも絶景を独り占めさせて頂きました。

何だかすいません。

良い日だなぁ。

その後も死後の世界のような絶景の中をバンバン進んで行きます。

汗をかきやすい僕ですが、小雨も降って来てバッチリクールダウン。

ちょっと寒い気がしましたが気のせいでしょう。

 

小雨程度ならX-pacと止水ジップで問題なく凌げます。

改めてX-pacは安心感がある生地だと思いました。

ボトムが上がっているので岩場の通過でもザックを擦る事はありませんでした。

さあ、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳に到着です。

雄大な富士山をバックにBBG手ぬぐいをドヤ顔で掲げます。

ラーメンを食べようとしたんですが気が変わったのでやめました。

けして雨が強くなってきたからでは無いです。気が変わっただけです。

 

休憩中もセンタージップからサッと物を取り出せるので楽でした。

メッシュポケットに入れた荷物も非常に取り出しやすかったです。

何となく急いでいるところです。

けして雷が鳴っているのを聞いたからではありません。

良いトレイルだなぁ。

 

上の写真はスタビライザーが横になってしまっています。

やはり疲れてきたり、急いでいるとフィッティングが甘くなってしまっていました。

塔ノ岳に戻って来ました。

水は750mlが一本残っています。

行動食は殆ど食べました。

サイドのボトルポケットの水は想像以上に揺れなかったです。

最後の最後に素敵な景色が見れました。

遅いよ。

帰りも渋沢駅までのロードをトボトボ。

そんな中、ふと目に付いたラーメン屋。

あれ!?ここ、若旦那の店の味噌使ってるラーメン屋じゃないですか!?

こんなにデカデカと加藤兵太郎商店の名前が…。

凄いぞ若旦那。

無補給失敗。

あと少しだったんだけどなー!

「まるひで」渋沢店さん

皆さんも丹沢にお越しの際は是非どうぞ。

バリクソ旨いです!!

すっかり暗くなってしまいましたが駅に到着!

一日背負って歩いたり走ったりしましたが、肩が痛くなるような事はありませんでした。

Miyama20の二人の意見まとめ

ココがいいね!

  • 身体に吸い付くようなフィット感
  • 使いやすい各種ポケット
  • ガバッと開くセンタージップ
  • 大容量メッシュポケットはオススメ
  • 何と言っても自分好みにカスタムできる

ココがもうちょい!

  • フィッティングに慣れが必要
  • 長期使用時の各種コードの耐久性
  • 良くも悪くも上級者向けのバックパック

 

なんと言ってもMiyama20のフィット感には感動しました。

今まで背負った20Lクラスのザックの中ではトップクラスの背負い心地でした。

走っても揺れが少ないのは、薄型の構造の恩恵もあるのかもしれません。

各種ポケットも非常に使いやすく仕上がっています。

 

注意点はやはり少しフィッテングにコツがいる事でしょうか。ただこれは慣れます。

容量も少なく、オーバーナイトの装備をパッキングするには経験とコツがいると思います。

 

各種パーツもかなりレーシーな仕様になっているのでギリギリまで重量を削りたい方

自分の好みや好きなフィッティングを理解されている方

豊富なフィードバックを参考に自分の目標にチャレンジしたい方には是非、候補に入れて頂きたいザックです。

まとめ

今回ご紹介した3モデル、工房やイベントにてセミオーダーで作れば、恐らくフィット感は申し分ないかと思います。

今までどのザックも合わなかった方は是非、候補に入れてみて下さい。

 

問題はどんなザックにするか?

自分はどんな山行をしたいのか?

どんなスタイルで行きたいのか?

当たり前なのですが、最低限それが明確になっていた方がオーダーがスムーズかと思います。

 

普段使っているザックのココが嫌だ。

ココがこうだったらもっと良いのに。

 

今回の記事でbbpのザックにビビッときた方は、是非その部分をメモしたりして明確にしておくといいかも知れません。

 

そして作るのであれば是非、工房やポップアップショップで植田さんにお会いして作って頂きたいんです。

すいません、けしてオンラインでのオーダーを否定しているわけではないんです。

 

ガレージメーカーの良さって何でしょう?

僕はその一つはデザイナーさんとの距離の近さだと思っています。

 

大きなメーカーのバックパックのデザイナーさんと会う機会はなかなか無いと思います。顔も知りません。

ましてや自分の意見を聞いてカスタムしてくれるなんて、スポンサー契約でもしていなければ不可能だと思います。

 

でも、ガレージメーカーのデザイナーさんなら会える機会があるんです。

ましてやbbpは自分の意見を伝えられて相談も出来ます。

僕が欲しいのはMiyama20

せっかく世界に一つだけの自分専用のバックパックを作るんです。

是非とも工房やイベントに足を運んで頂きたいんです。

絶対にそのほうが納得したザックができるはずです。

 

特に何か自分の大きな目標に挑戦する方、その挑戦の相棒としてbbpを使おうと思っている方こそ、足を運んで頂きたいんです。

オーダーだけではない、素晴らしいエピソードやアドバイスが聞けるはずです。

 

納期は余裕を持って半年くらいは見ておいたほうが良いかもしれません。

Mizunara30をオーダーしたサキちゃんは、ちょうど三ヶ月で納品されたそうです。

 

ちなみに12/8㈯、12/9㈰に名古屋のMOOSEさんでエキシビジョンが開かれるそうです。

詳しくはコチラ

是非、最高の相棒を植田さんと作り上げて下さい!!

今回も長文をお読み頂きましてありがとうございました!

以上、フレディ・マーキュリー・コータローがお送りしました。

押忍!