槍ヶ岳北鎌尾根。数年の登山経験がある者なら誰もが知る、憧れのバリエーションルート。しかし、そのルートは名乗りを上げた上級者のみが挑む事を許される修羅の国。今、そこに挑もうとするアラフォーの男が二人。アツシオガワ&コータロー!百戦錬磨のアツシオガワが震え、強靭メンタルのコータローが精神崩壊。BBGが誇るパワー系の二人が全てを出し尽くした二泊三日の地獄の黙示録!二度と行きたくないです!(文・コータロー)

[toc]

プロローグ

僕には数年前から憧れのルートがあった。

槍ヶ岳の北鎌尾根だ。

先人達の軌跡を辿るクラシックルート。

いわゆるバリエーションルートだ。

 

ただ、長年ソロ山行がメインの自分でも、さすがにバリエーションルートにソロはありえないと思っていた。

 

初めてアツシさんに会った箱根外輪山。

[kanren postid=”19095″]

思い切って北鎌尾根に行ってみたいと提案してみた。

 

「おっ!いいですね!夏に行きましょうか!」

軽い二つ返事に嬉しくなったが

その時は当然わからなかった、こんな想像以上の地獄が待っていたなんて。

 

注:今回の山行は一般登山道ではないバリエーションルートになります。

注:いつもみたいにBBGテイストで書かせて頂きますが本当に危険でした。

注:ルート上、写真を撮っている場所は比較的安全な場所ですが危険です。

注:写真に写っていない&撮れていない場所に危険地帯はあり、その数は膨大です。

 

注意:二人とも本当に死ぬかと思いましたよ!!

長い長いアプローチ

AM5:20 上高地

僕は深夜バスで東京から、車で来たアツシさんは先に到着していた。

久しぶりの再会を喜ぶのもつかの間、さっそく長いアプローチを歩き出す。

今日のルートは上高地からまずは水俣乗越へ。

そこからバリエーションルートに入り北鎌沢出合へ。

北鎌沢出合までの天気とタイム、体力に余裕があったら、そのまま右俣の沢を詰めて

「北鎌のコル」で幕営する計画だ。

可愛らしい短パンで登場のCEO

お互いの近況もほどほどに、道中はギアの話がメイン。

やれアレは良いだのアレはダメだの…

ギア好きにはたまらない内容で時間を忘れる。

その恰好、海でも行くんすか?笑

AM7:50 横尾

横尾まではノンストップ。

のんびり歩いて良いウォーミングアップができた。

最高の天気!

今日は本当に天気が良い。

予報では午後から崩れる可能性があるとのこと。

少し不安なので先を急ぐ。

最近は大きくても30Lのザックで山に行っていた僕は久しぶりに40Lクラスのザック。

普段は使わないサコッシュもカメラやら、なんやらでパンパン。

髭もスーパーマリオ風に剃って気合いは充分だ。

素人なのか玄人なのか謎の風貌

横尾から先は本格的な登山道。

ビーチにいそうなんだけど、メットにロープにヌンチャク、マニア受けするバックパックを背負ったお兄さん。

素人なのか玄人なのか非常に困惑する見た目だ。

美しい沢沿いをどんどん進む

AM9:20 槍沢ロッジ

僕は暑さに耐えられず頭から水を被る。

ビーチボーイは微動だにせず女性登山者にいやらしい目線を送る。

今にもバナナボートに誘いそうな勢いだ。

その異様な存在感は本当に浮いていました笑

AM10:00 ババ平キャンプ場

槍沢ルートの景色はいつ来ても本当に素晴らしい。

空の青、溢れる緑に白い雲のコントラスト。

これぞ夏山!といった景色に心が躍る。

沢からの旨い水にDQNもアガる。

シャベー!!うめぇ!!おめーも飲めよ!!

この水場はババ平の少し先にあるんですけど本当に美味しいですよ。

今回、色んな所で水を汲みましたがココが一番でした。

帰りも楽しみにしてたくらい笑

黒すぎませんか?笑

ほどなくして大曲から水俣乗越に取りつく

いきなりのガンガン急登に汗が噴き出す。

ここ、あまり通った人は多くないかもしれませんがとてもキツイです。

あんなにハイテンションだったビーチボーイもショボーン。

びっちゃびちゃのぐっちゃぐちゃ。

バギーズもびちゃびちゃ

この人のびちゃおっぷりはやはり、ハンパではない。

自分も汗っかきだが可愛く思うレベルだ。

塩分(ミネラル)が不足してよく足がつるそうです笑

ビーチボーイの悲劇

AM11:30 水俣乗越に到着

マジでキツかったよ…。

しばし長めの休憩をすることに。

これからのハードルートを想像しながら行動食を食べる。

疲れてなかなか喉を通らないけど、無理してでも食べないと。

隣で騒いでいるビーチボーイを見ながらエナジーバーを口に詰めこむ。

「あっつー!!マジあつい!!」

いや、わかるけども…。

バケツから水かぶったんすか?笑

Tシャツに色移ってますよ….。

かわいそうに

「え!?あ、ホントだー!!なんだよ!!」

「えー!!何これー!!?」

「うわー!!ここもだー!!」

「えーー!マジかーー!!」

お気に入りのTシャツがダメになりイラつくビーチボーイ。

ひとしきり騒いで昇天してしまった。

これからバリエーションルートに突入するのに実に不安なバディである。

しっかりしないと。

ここからが本番だ。

いざ、バリエーションルートへ

ここからはバリエーションルート。

いよいよだ。

どうしても写真だと伝わらないのだが

かなりの斜度の下りだ。

しかもザレザレ。

やばばばばーー!!

もうグリップとか歩き方とかフォアフットとかベアフットとかの話では無いのだ。

雪崩のように地面全体が動いてしまうので一度ザレたら滑るように下るしかない。

こんなのどうしようもない。

 

ここが序盤の核心だと言っている人がいたが僕も同感だ。

フィックスロープがあったがダルダルなので使わない方がいいと思います。

50mほど落ちる様に下ると横の樹林帯に巻き道がある。

ホッとするがここも結局ザレた道である。

巻き道でも全く気が抜けないのが北鎌なのだ。

一度、派手に転倒してしまいました笑

下って来た道

その後もザレた道を進むと雪渓に突き当たる。

アイゼンがあれば進めるが何だか嫌な雰囲気。

滑ったらホールインワンしそうな大きい穴が口を開けていた。

かなり急坂です

落石もかなりあるので雪渓の左脇を進むことにした。

しばらくするとケルンが。

北鎌尾根では何度かケルンを見つけた。

 

道標が一切ないバリエーションルートはその冒険要素が大きな魅力の一つだと思う。

でも正直、人の痕跡を感じられるとホッとした。

先輩達、ありがとうございます。

藪漕ぎビーチボーイ

藪をかき分けながら進むと広い河原に出た。

「アメリカっぽいですねー」なんて行ったこともないのにテキトーに言った僕に

「ホントだねー、これでアメリカ行かなくて済むね」と、テキトーに答えてくれるバディ。

二人とも、まだ体力も気力も余裕がある。

ひたすらこんな道を進む。

この日は台風が過ぎた後という事もあり、いたる所で水の音がする。

おそらく通常よりは水量は多かったはずだ。

ちなみに、この河原も浮石だらけである。

デカい岩でさえ場所によっては「ゴゴッ」と音を立てて動くのには驚いた。

本当にどこを歩くにも気が抜けない。

歩きにくい道と蒸し暑さが容赦なく体力を奪う。

北鎌沢出合

AM13:50 北鎌沢出合に到着

しばし休憩

ほぼ予定していた時間に到着した。

大きなトラブルも無く順調だ。

目の前には北鎌の稜線へ続く「北鎌沢右俣」が見える。

上に伸びるのが北鎌沢右俣

これも写真だと伝わりにくいがかなりの傾斜である。

僕は涸沢から見上げる北穂高までの道を思い出した。

道なりに登った先の大きく凹んでいるところが「北鎌のコル」ビバークができるポイントだ。

 

色々な方の山行記録を見ると、だいたい2時間半もあれば登れそうだ。

今の時期は日も長いし、今日は天気も大丈夫そう。

少し休憩してから出発という事になった。

比較用にスマホを置いた。わからんね笑

北鎌沢出合にも幕営できるポイントが数ヶ所ある。

上の写真の場所は大きなテントも張れそう。

ここはツェルト等じゃないと厳しい

ただ、やはり狭い場所が多く

小さめのテントやツェルトを張るのがベターな場所のほうが多い。

幕営ポイントには焚き火の跡がちらほらあった。

なんだか北アルプスとは思えない自由度だ。

 

しばらくブラブラしてふとCEOに目をやると…

汗拭いてる笑

いそいそと生着替え中。

さすがにビーチボーイスタイルでは無理と判断したのでしょう。ロングパンツを履きます。

さよならビーチボーイ。君と過ごした夏を忘れない。

アツシオガワ

ここでテント張るつもりだったからビーチボーイだったの!

僕もアクションカム付きのヘルメットを装着。

このアクションカム、3回撮影したらバッテリーが切れました。

さすがBBGの備品。ジリ貧である。

アツシオガワ

充電し忘れたの!



突入!北鎌沢右俣!

さあ、準備も気合も整った。

いざ、「北鎌のコル」へ!

浮き石ゴロゴロの急登を登って行く。

あっという間に標高は高くなり、スタート地点がずいぶん遠くに見える。

キツいけど、このペースならそんなに時間はかからないだろう。

この時はそう思ってたんです。

 

「ガラガラーン!!」

「いってぇ!!」

写真を撮るまでは立たない!

浮き石に足をとられ倒れ込むCEO!本気で痛そうだ。

しかし、チラチラ僕を見ながら写真を撮り終わるまで立ち上がろうとしないプロ根性。

これがBBGの仕事の流儀。

スガシカオのテーマソングが僕の脳内に流れた。

水量は豊富でした

さほど登っていないのだが、沢の本流から離れそうだったので

ここで明日の分も含めて水を汲んでいく。

結果的にはもっと上部で全然汲めたんですけどね笑

アツシオガワ

ビビって早めに汲みすぎた!

キンキンに冷えた沢の水

ハイドレーションに2L

写真のエバニューの容器に2L

一気に4kg増えたザックが肩に食い込む。

さすが歩荷鬼六。凄いペースだ。

その後も浮き石、岩、ザレザレのルートを四足歩行で進む。

場所によっては草を掴み、ほとんど沢登りだ。

いやー、ツライですよね笑

重い荷物を背負っての岩登りは本当にキツい。

アツシオガワ

初日は北鎌沢出合までだと思って「テント持ってやるよ」ってカッコつけた自分を責めました。

足下が濡れている所も多いので慎重に進む。

「赤岩の滝」と言うらしい

ここは何故か地面の色が違った。

しっとりしてるし傾斜も強いしでおっかなかった。

ゆっくり、確実に

地面が濡れてるのがわかりますかね?

何かの拍子にツルッと行ってしまいそうな嫌な雰囲気。

だいぶ登ってるのになかなか進まない。

そら、口も開きますね。

蒸し暑いし体力も消耗してきた。

上に進むに従って岩も大きくなり

クライミング的な感じで乗り越えなければいけない箇所も増えてくる。

登攀レベル的にはさほど難しくはないが、疲れているのと、重い荷物が足を引っ張る。

そして何度も言うが、ザレています。

北鎌尾根の山行記録で右俣のこの区間はサクッと書いている方が多いんです。

みんな余裕だったのかな?

 

僕らはかなりの難易度と危険度を感じました。

どのルートでもそうですし当然ですが、山行記録サイトやブログ、SNSはやっぱり参考程度に見るのが大事ですよね。

僕とアツシさんのデータによるとけっこう盛って書いている方が多い気がするのです。

もちろんその方と一緒に登っていないので数字の信憑性もわかりません。

とはいえ膨大な素晴らしいデータの数々。

楽しく、事故無く、山を楽しむ為にも「たいしたことはない」「難しくない」のワードは参考程度にさせて頂きましょう。

危険個所は写真に写っていない場所にあるものです。

アツシオガワ

みんな!危険&ハードルートの「サクッと登ってきました」アピール、もうやめよ!「白目むいた」「脱糞した」って素直に書こ!

ちなみに僕とアツシさんはが感じた北鎌尾根は

かなりの体力が必要、歴代一位の危険度、もう行きたくない。

BBGユーザーにオススメもしない。

ただ、少しだけ見て欲しい景色があった。

 

そんな感じです。

感想はまた後編で。

 

大きな岩を掴んだらいとも簡単にゴロンと落ちる事もあった。

掴む前には必ず確認しなければならないのが疲れと共にストレスになってくる。

掴んでは登る、ある程度の腕力は必要

それでも二人で声を掛けながら、ミスしても笑いながら登れたのはよかった。

二人とも笑わないコンビだとゲンナリしそう笑

今回、ホントに笑いは精神安定剤だと思いました。

バディは明るい人がオススメです。

僕たちの失敗

なかなかの高度感

上部には分岐がある。

基本的に分岐は右へ

しかし、最後の分岐だけは左(というか真ん中の岩陵帯)を行かないと行けない。

 

間違って右へ行ってしまうと事故が多発している、

通称「クライマーズホイホイ」という危険ルートに入ってしまう。

と、いう情報はもちろん知っていた。

自分なりに入念に調べたつもりだ。

 

しかし、いざその場に行ってみるとわからなくなるのだ。

やはり現場に行くまで山はわからない。

コルは目の前だし恐らくココなのか!?

 

結果的に、我々は最後の分岐の一つ前で左に行ってしまった。

余裕が無く、写真が少なくてすいません。

最初は今まで通りの道である。

何も考えないで進む。

 

その後、ザレザレ度がアップしてくる。

気が付くと土と草付きの斜面に替わる。

ここで引き返しておけばよかったのだ。

ただ、ここが判断が鈍る所なのだが、踏み跡もあるし

登ろうとすれば絶妙に登れてしまうのだ。

 

ところがどうだろう、そのまま進んで

気が付くと超厄介な場所に行き着いてしまう。

そうなったらもう遅い。

 

振り向けば凄い傾斜。

下るほうが危険度が高いんじゃないか?

 

落ち着け、コルはあそこに見えてるじゃないか。

アツシさんと相談する。

やはり下るのはヤバそうだ。登ろう!

 

この判断が正解だったのかは今でもわからないんです。

今回は登れましたが、結果オーライだった気もします。

 

ただザレザレの崖を下るのも危険すぎました。

登るのか、下るのか、どちらかに腹を決めて行くしかない状況だったんです。

 

まさか左側の斜面にもこんなヤバイ場所があるとは思わなかったんです。

写真では伝わりにくいがとんでもない傾斜の崖だ。

しかも地面は全てボロボロ。

 

大きな石も、木の根も、太めの草も、少し力を入れればスルッと抜けてしまう。

確実なホールドが一切無い。

 

まるで豆腐の上に乗ってるみたいだ。

少しでも力を入れれば崩れてしまう。

 

足はハの字にしながら登らないと体重が分散されず、ズリズリと滑り落ちてしまう。

その時、僕が右足をのせた岩がスコーンっと抜けた。

ウソでしょ!?

踏み抜いてしまった僕はバランスを崩して滑る!

「やべっ!」

 

すかさず後ろにいたアツシさんが僕を地面に押さえ付けながらキャッチ!

「ザザーッ!!」という土や石の流れる音が山に響く。

 

「あっぶねー!!すいませんでしたー!!」と僕。

「大丈夫大丈夫!集中して行こう!」すかさず声を掛けてくれるアツシさん。

 

一人で登ってたらどうなっていたか…

この瞬間、アツシさんは僕の命の恩人になりました。

もう岐阜に足向けて寝られません。ありがとうございました。

 

とにかく集中。

ゆっくり、ソフトに、確実に!

ネガティブな事は一切考えない。

そんな考えさえ浮かばない位、集中していたと思う。

 

パンツがずり落ちてきたのも気にしない。

いや、それはずっと気になってた笑

 

パンツ上げたら滑落するかなぁ?とか

サイズ間違えたかなぁ?とか笑

こんな時でもギアが気になる自分が悲しかった。

岩をつまみ、草を掴み、足場を掘りながら進む。

それの繰り返し、確実に、確実に。

 

2歩進んでは止まる状態。

二人とも体力はほとんど残っていなかった。

 

なんとか安定した場所に上がれた!

振り返るとアツシさんが登れなくて苦戦している!

 

それもそのはず、僕が登った後なのでホールドはさらに減っているのだ!(すいませんでした笑)

え!?なんか様子がおかしいぞ!?

 

ちょっとヤバくないか!?このままじゃ落ちる!?

 

手を差し出して引き上げたい!でも僕の足場も安定していない!ザックがなければバランスが取れるか!?

 

見上げた先にあるほんの少しのテラスに急いでザックを置きに行き、走ってアツシさんの所へ戻る!

 

すぐに手を伸ばしてアツシさんの手を掴む!

思いっきり引き寄せる!

 

その時、映画みたいな凄いタイミングでアツシさんの足場が崩れ落ちた!

引き上げると同時に二人で斜面に倒れ込んだ。

 

「あっぶねーー!!!!」二人で叫んだ。

次の瞬間には何故か二人とも笑ってしまった。

人はヤバすぎる状況だと笑ってしまうのかな?笑

 

「いやー、ファイト一発でしたね」と、僕。

「いやー、ホントに出たね。ファイト一発!」と、アツシさん。

「今回、ファイト一発風なシーンとかあるかもね」午前中にそんな事を二人で話していたのだ。

 

結局、僕らは「北鎌のコル」から50m程左にズレた場所に出ました。

 

二人ともヘロヘロになりながら稜線を少し戻り「北鎌のコル」に到着。

この時の心からホッとした安心感は言葉に出来なかったです。

 

この日は僕達以外は誰もいなかった。

ダラダラとテントを張り始める。

 

先住民の襲撃

テントを張っていると凄まじい虫の襲撃が!

ざっと30匹はいる。

突然のガチムチコンビの来訪に虫達のテンションが凄い。

 

もー、やめてよー!

俺達は疲れてんだよー!

 

ビッグダディ風の男が必死に平手打ちするがまったくもって効果はない。

虫たちは江角マキコばりに突っかかってくる。

何の虫かはわからないが(たぶんブヨ)刺してくるのだ。

刺された所は赤くなり

その後、一週間ずっと痒かった。

 

恐るべし江角一族。

さすがミスターの息子、一茂の家にスプレーで落書きするだけの事はある。

凄まじい戦闘能力の高さはSECOMさえ無力だ。

何とかテントは設営したがグッタリである。

体力だけが取り柄だったけどもう無理です。

 

ほっかむりをして耳の穴に入って来る虫を防ぐ。

なんて使えるんだBBGオリジナルTENUGUI!!(買ったほうがいいよ!)

ホントに助かった!ありがとうモリオ!!

 

テントの中に虫が入ると厄介なので日没まではメシでも食って我慢する事にした。

僕が調理をスタートした瞬間

突然、テントの向こう側からドスの効いた声で罵声が聞こえてきた。

ビックリして目を向けるとそこには黒ずくめの男が!

殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺

「オラオラァ!!人間様ナメんじゃねぇぞ!!」

「フハハハハ!!めっちゃ死んでる!!」

 

あ…アツシさん!?ダメだ!!

そっち(ダークサイド)に行っちゃダメだ!!

いくら一茂がやられたからって…!!

「めっちゃ減ってるー!!フハハハハ!!」

「おい!これスゲーいいぞ!コータローもやりなよ!!」

 

北鎌…なんて恐ろしい場所なんだ…。

優しく頼れるCEOはダークサイドに染まってしまった。

フォースをあんな事に使うなんて…!!

 

さよなら…さよならCEO…。

「おー!!めちゃめちゃ死んでる!!アツシさん、これいいっすねー!!」

「だろー!!フハハハハハ!!」

 

夕暮れの北鎌コルにこだまする

地獄を見た男達の高笑い。

そう、生きることは戦い。

 

正気に戻ったCEOがこんなの用意してくれてました!

先日の朝日、雪倉岳で持って行ったシリーズですね!

杉田エース株式会社の「IZAMESHI」シリーズ。

災害時を想定した長期保存可能(これは3年!凄い!)な食品。

パッケージには重量まで記載されているのでパッキング時にも計算しやすい。

こちらはしょうが焼きです!!

クッカーが小さいから大変だけど二人分をグツグツ。

あっという間に食べたから画像は残っておりません笑

まさかこんなバリエーションルートで肉が食えるとは…

CEOありがとうございました。

アツシオガワ

もうちょっと美味しいの想像してた笑

食ったらすぐ寝る。

後述しますが今回の寝床は

ビッグアグネスの『タイガーウォールUL2 EX』 !!

後編にもうちょっとわかりやすい写真載せます…。

こちらのテント、気になってた人も多いのでは!?

ガチムチ二人が枕を並べても余裕の広さでした!

タイガーウォールのガチムチ肉弾戦レビューは今しばらくお待ち下さい!!

 

この日は夜から雨が降り出した。

隣で爆音で鳴り響くイビキと雨の音。

明日はどんな困難が僕を待ち受けているんだろう。

雨は止むのかな?このイビキはおさまるのかな?

 

早く家に帰りたい…。

そう思いながら僕は瞳を閉じた…。

初夜…♡

次回、待ち構える北鎌の稜線!

鬼のトラバースにルートミス!

またしても迎えた生命の危機!

どうなるガチムチBBGコンビ!

後編に続く!!