アルファ米で15分も待てねえ!でもしっかりしたエネルギー補給したいから主食的なコメ食いてえ!そんでもって軽くて邪魔にならないやつで健康的なのががいい!そんなわがままな生き急ぎ系UL野郎どものために開発されたのが、ウルトラランチの「ビバークレーション」だ。ヒマラヤ遠征隊にも採用されたその実力とお味のほど、味にうるさいBBGがリアルに突っ込んで実食レビューしていくのである!

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ULTRA LUNCH「Bivouac Ration」

ビバークレーションとは?

日本には多くのガレージブランドが存在している。

そんな中で「食品のガレージブランド」という切り口で登場したのが、主にヴィーガン(完全菜食)フードの製造やケータリングを行っているウルトラランチさん。

アルファ米・リフィルラーメン・カレーメシなどの大手企業がひしめく「山岳主食界」に、たった一人で立ち向かう剛の者である。

そのウルトラランチさんが試行錯誤を繰り返し、去年正式販売させた主食キットが「ビバークレーション」だ。

発売以来、トレイルランナーやULハイカーを中心に噂が噂を呼んで瞬く間にヒット商品に。

去年4月にはエベレスト遠征隊にも正式採用され、その携行性と気圧の影響を受けにくい真空包装は8,000mの高地でも非常に重宝されたという。

 

そもそも「レーション」とは、軍隊などで配給される野戦時用行動食。

そこにヒントを得て、ファストパッキングにも対応する超軽量な主食キットとして世に出た「ビバークレーション」。

実際に食べてみた感想は後で書くとして、まずはその特徴(メリット)から見ていってみようじゃない。

 

メリット1. クソ速え!

とにかく速えのである。

何がって、出来上がりまでのスピードよ。

例えば主食界の重鎮ことアルファ米さんなんて、お湯を注いでから出来上がるまで15分も待たなきゃいけないじゃない。

しかしこのビバークレーションは、米がメイン食材にもかかわらず「わずか2分」という超絶的なスピードで出来上がってしまうのだ。

もはや「玄関開けたら2分でご飯」に匹敵する速さ。

アドベンチャーレーサーなど時間的な制約がありつつも、しっかりとした栄養を取らねばならない人には実にありがたいスピードだ。

 

作り方は超簡単。

200mlのお湯入れーの、

ビバークレーション投入しーの、

かき混ぜーの、

2分待ちーの、

出来上がりーの。

あらかじめ保温ボトルで熱湯を持っていった日には、バックパック下ろしてから3分くらいでもう飯が食えるってなもんよ。

とかくゆっくり飯作ってられない冬とかはほんとありがたい。

もちろん早く出来上がる分、冷めずに暖かい状態で食べる事ができるのも良いね。

 

メリット2. 軽くてかさばらねえ!

長期縦走だったり、過酷なアドベンチャーレースでは食料の重量ってのは結構バカにならないもんがある。

メシだってとにかく軽いに越した事はないのだ。

そんな中、軽さが魅力のアルファ米さんは実測「114g」。

これでも十分に軽いんだが、それに対してビバークレーションの実測重量はわずか「84g」

サイズは12cm×18cm。

しかも真空パウチパックされてるから、アルファ米に比べて圧倒的に嵩張らない

アルファ米ってケツの部分が膨らんでて意外とかさばるんで、この差はかなりデカイ。

とにかく薄くて強度もあるんで、パッキングの隙間にグイグイ入れられて携行性もグンバツだ。

隙間に押し込んでやればいろんな所に忍び込ませられる。

カチカチだから地味にパッド替わりになって、何気にバックパック内が安定しつつ荷物の保護にもなってしまうという一石二鳥さ。

この真空パウチパックが、8,000mの高所でも気圧の影響を受けない(ポテチの袋みたいにパンパンにならない)から、高所においても重宝される理由だ。

しかも賞味期限も2年と長く、長期間保存が可能で防災食としても機能する。

 

ちなみに小情報として書いておくと、ぴっちり真空パックされてるから中身を出すときにドバッとこぼれたりする。

なのでまずは切り込み口を少しだけ開けて中に空気を入れて、

わしゃわしゃとほぐしてから開封すれば内容物が溢れる事はないですよ。

メリット3.  しっかりエネルギー補給!

ここでもアルファ米と比較していくけど、今の所スピード対決は15分 vs 2分、重量対決は114g vs 84gとビバークレーションの勝利。

そんな中、1食あたりの摂取カロリーもアルファ米の387キロカロリーに対し、ビバークレーションは400キロカロリーとわずかながら勝っている。

84gという軽さで、しかもたった2分でおにぎり2個分のカロリーが摂取できるのは実にありがたいお話だ。

使われているお米は1食あたり60gのインド米乾燥フレーク。

アルファ米のような「米の食感」的なものは無いが、いわゆる雑炊やリゾットに近い食感となって、主食として十分満足のいくものとなっている。

 

メリット4.  ヴィーガン仕様!

ここ数年、アウトドア食の中で注目されているvegan(完全菜食)フード。

お肉や魚はもちろん乳製品、卵も含まないヘルシーメニューで、健康志向の高い海外のハイカー達からの支持が高い。

具材付きのアルファ米などは、中にはあまりヘルシーとは言い難いものが含まれているものもあったりで、そういう意味でもビバークレーションは体に優しい自然のものだけで作られているんですね。

veganフードとは思えないしっかりとした味付け。

選べる4食&専用容器

そんなメリットたっぷりのビバークレーション。

現時点で選べる味は4食あります。

  1. 爽やかで身体がしっかり温まる「ホッター・ザン・カレー」
  2. 日本人で良かった「海苔茶漬け」
  3. 芳醇な香りが嬉しい「ポルチーニクリーム」
  4. スパイシーな「トマトキック」

 

これらの4食はそれぞれが4食分1パックで売られており、

それとは別で4食全ての味がパックされた4味アソートパックも売られています。

まずはアソートパックで好みの味を見つけよう。

あとは専用容器として「ThePOD」も売られています。

ULハイカーにはお馴染みの便利容器「ジップロックコンテナのツイスト&ロック」に、ビバークレーションとウルトラランチのロゴが入った保温ネオプレン素材のカバーが付いたもの。

ULハイカーさんはアストロフォイルとか巻いて自作でコジーを作ったりしてるけど、面倒な人はこれ買ってもいいでしょう(アストロフォイルのが保温力あるけど)。

カバー付きの実測重量は59g。

これの何がいいかって、軽くて保温力があるのはもちろんなんだけど、液こぼれしない蓋のおかげで食べ残しもそのまま持って帰れるって事ね。

例えば1食食べきれないような女性の方でも、これで蓋しておけば朝残したやつを昼にまた食えたりするから便利だね。

ちょっと200mlのメモリが見えにくいのが難点ではあるけど、そこはもう自分でマジックとかで線引いといてあげればいいでしょう。







実食レビュー

お味の方はいかがか?

アルファ米には無いビバークレーションのメリットは十分わかった。

では肝心のお味の方はどうなのか?

ネットで事前に情報を見る限り、概ねみんな満足げなコメントを載せている。

しかしそういう情報を一旦頭から無くして、まっさらな気持ちで何度か実食してみた。

リアルレビューが身上のBBG。

感じたままを書かせてもらうと、僕もアツシオガワも「ううむ。べらぼうに美味しいってわけじゃないな。」が第一印象。

そして次に出てくる言葉は「かと言って不味いってわけじゃない。でも美味しいかって言われると自信持って美味しいとは言えない。」というのが正直な感想だ。

 

まず当然な理論として「メシの美味しさは重量に比例する」ってのがあるから、重ければ重いほど飯が美味くなるのは当たり前。

そういう考え方をすれば「この軽さでこのしっかりした味は凄いよね。山ではこのくらいガツンとした味が欲しいし。しかもヴィーガン食。そういう意味では美味しいね。」ということになる。

でもこれが下界のレストランで出されて、ヴィーガンとか全然気にしない人が食うと「ううううむ。」ということになるライン。わかる?

そういう意味では、まさに「ビバーク時のレーション」としてはかなり優秀だと言うことを先にしっかりと言っておきたい。

 

その上でまず食感としては雑炊やリゾットの雰囲気で、アルファ米のようなご飯的な噛みごたえはない。

ちょっともっさりとした食感で、少々粉っぽさが残る感じも少しだけ気になる。

 

それぞれの味を美味しかった順に感想を述べるとこんな感じ。

1.「海苔茶漬け」

塩気が良い感じであられのカリカリ感もグッド。おそらく昆布茶が旨味的にいい味出してる感じ。お茶漬けだからと舐めていたが、そこそこ食いでがあって満足できた。

2.「トマトキック」

スパイシーで力強い味付けなので山ではありがたい味だったが、辛いと苦いが先行して甘みや旨味が物足りなかった。もうあと一工夫でかなりいい線行きそうなんだが。

3.「ホッター・ザン・カレー」

重量とかヴィーガンとか差し引いて味だけってなるとどうしてもカレーメシと比べてしまうが、やっぱそこと比べちゃうと味的には物足りない。こちらももう少しコクとトロみと甘味(りんご的な)があると嬉しい。

4.「ポルチーニクリーム」

塩気が物足りなかったから、もう少しお湯の量を少なく入れればまた違った雰囲気になったかもしれない。コリアンダーシードが入ってるので、パクチーが苦手な人は合わないかも。逆に好きな人には嬉しい。

 

個人的には、お茶漬け以外は全体的に甘みというか旨味がもう一つ足りないといった印象。

お茶漬け以外はもう一工夫で化けるはず!って感じ。

例えば試しにトマトキックに顆粒の昆布だし入れてみたら旨味がアップして割と好きな味になった。

ビバークレーションはそれぞれにしっかりした味がついてるので、「何かをちょい足し」で結構自分好みの味へ持っていくことができる。

あとやっぱりお茶漬けに入っていたあられのような、噛みごたえのあるものが欲しい(自分で足してもいいけど)。

流動食気味のものは疲れてる時には食べやすくていいんだが、ある程度噛んで胃を動かしてやらないとエネルギーの効果的な吸収ができないからだ。

とは言え結構腹持ちは良い感じはした。

量的には成人男性には少し物足りない感じはあるが、食ってしばらくは腹の中にボテッと溜まってる感じがして空腹感は感じにくかった。

 

まとめ

BBGらしく少々厳しすぎる目線で書いてしまったが、コンセプトがすごく良いだけにさらなる味の追求を期待したいす。

大手に屈しないチャレンジャー精神で、アルファ米に取って代わるオンリーワンフードを目指してさらに進化して行って欲しいです!

個人的には「山でまで健康食にこだわらずにただただうまいもん食いたい派」なんで(それ言ったら元も子もねえ!)、密かにヴィーガンじゃない「味追求バージョン」の販売も期待しちゃいたいす…。

このコンセプトで味まで自信持って「マジ美味い!」となればもはや敵無しですよ。

 

まあ色々書いたけど、携行性などを含めた総合力は現時点でもかなりお勧めできます。

特に以下の人たちにとってはベストバイですよ!

  • ロングULハイカー
  • トレイルランナー
  • アドベンチャーレーサー
  • 長期縦走登山
  • 海外高所登山遠征

 

ウルトラランチ「ビバークレーション」

アイテム画像
アイテム名 ビバークレーション4味アソートパック The POD(コンテナ付)
メーカー価格 1,800円+税 1,500円+税
BUY NOW

※画像クリックでメーカーサイトへ。個別の味の4食パックはメーカーサイトより購入してください。

 

重量制限のある状況では、ここまで軽くて速くてしっかりした味で適切なカロリー補給ができる食品は他に無いでしょう。

そういう意味では、本当に今後の改良だったり味の展開だったりが楽しみな一品です。

本気で応援してるので、今後も大手に屈せず挑戦し続けて行って欲しいです!

 

最後に「ビバークレーション食ったことあるよ!」って人にアンケート。

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味の捉え方も人それぞれだから、まだ食べたことがない皆さんもまずは一度食べてみて感想をコメント入れてみてね。

 

それではまたお会いしましょう。

色々緩くなって来て、ビバーク時の寝ーションが心配になってきた男。

ユーコンカワイがお送りしました。