mikikurota Elemental 1 シェルター ファーストインプレッション

軽さと居住性を考えるとモノポールテントって最強かも…。と考えるBBG。そんなとんがりテントを「これでもか!」ってこだわり抜いて作った注目の新ブランド「mikikurota」。建築家が設計した本気テントは物欲刺激スイッチを「これでもか!」って攻めてきますので、十分注意して御覧ください。



mikikurota

僕はかねがね「建築家がテントを設計したらいいもの作るだろうなー」と思っていた。

固定観念みたいなものを無視して、面白い形や構造で作られる独創的なデザインのテントは魅力的に違いないと。

僕の弟が建築関係の仕事をしていることもあり、一度図面でも引かせてみよっかなー?

なんて思っている矢先、ハングアウトの取材で出会ってしまった「mikikurota(ミキクロタ)」というブランド。

HangOut 2017 突撃取材記 前編!

2017.10.22

設計事務所を営む山好きなご夫婦が手掛けたテント達に我々は釘付けになってしまっていた。

BBGはボイスメモを使って取材の記録を録っているのだが、この時の取材音源を聞き直すとユーコンがいつもの蓄膿気味の鼻声で「まいっただー(まいったなー)まいっただー」と連呼している。

このキューベンファイバーモノポールテントに出会い、興奮したユーコンは「まいっただー」が止まらなくなっていた。

かく言う私も興奮して「海外のOD賞狙えますよ!一緒に目指しましょう!」と全く関係ないのに便乗しようとする始末。

それぐらい今回紹介する「Elemental 1」というモノポールテントにBBGは心を奪われたのであった。

「まいっただー念仏」を唱えながらテントの周りをグルグル回っていると、ご主人の三木さん(奥さん旧姓クロタさん)が「よかったらBBGで使ってみてください。」と声をかけてくれた。

ありがたやー、ありがたやー。

ということで、サンプル品をお借りして早速テストさせていただくことに!

セット内容と重量

左のメッシュインナー(約300g)は別売り

わずか28cm×10cmという細長い筒状に収まっている(右)のが今回ご紹介する「Elemental 1」

スタッフサックもキューベンファイバーで、なぁんとその重量 わずか265g!!265gっすよ!265g!

ツエルトやタープをも凌ぐ軽さなのである!

本体の他にダイニーマのガイラインやラインロック、リペアシートも付属する。

生地が若干厚めのブラックVer.もある。それでもわずか305g!出典:mikikurota

これだけコンパクトだとバックパックの外ポケットにも楽々収納でき、撤収作業がとても素早く簡単に行える。

大きめのバックパックなら雨蓋にも入りそうな勢いである。

出典:mikikurota

 

セットアップ

設営方法もいたってシンプル。

まず四隅をペグダウンする。

ポールをセットする。

そしたら前後の2箇所をペグダウン。

たったこれだけで完成である。

ホームページでは6箇所全部ペグダウンしてからポールをセットして立ち上げているが、僕的には前後の二箇所を最後にした方がキレイに張ることが出来た。

不器用な僕でも簡単に美しく設営できるのには、ある特殊システムがこのシェルターには存在するからなのである。

それは、6箇所のペグダウンをまずバンジーコード(ゴム)を使って行うというもの。

バンジーコードとガイラインの二種類がセットされている。

バンジーコードを使用することにより、張力が均一になり簡単に美しく張れるってワケ。

ペグダウンポジションが決まれば、あとはガイラインを使って締めるだけ。

強風にあおられると緩みやすいガイライン(ラインロック)もバンジーコードがサスペンション代わりとなってゆるみを軽減してくれる。

このシステムのお陰で設営にコツのいるモノポールテントが誰でも簡単に美しく張れちゃうんです。

んー美しい!

居住空間

1人で寝るには余裕の広さ。

風の吹き込み対策にメッシュインナーを使ったが、それでも広々とした空間が確保されていた。(インナーは発売前)

三木さんはご夫婦で寝ているそう。

当然狭くはなるが男女であれば2人寝ることも可能な広さだ。

「人の動きにフィットするテント」というコンセプトで設計されており

  1. 座る(料理をしたり、本を読んだり)
  2. 手をのばす(物を置いたり取ったり)
  3. 横になる

この3つの動きを無駄なくスムーズに行えるよう考えられている空間は、生活動線を考える設計士さんならでは。

居住空間を確保するため支柱を中心からズラした構造にするため1/10の模型を70個以上も作って試作とテストを繰り返し、ようやく絶妙なバランスを探しだしたという建築家魂を感じるテントなのである。

この支柱ポジションのおかげでA型にしなくてもポールが邪魔に感じにくくなっている。







素材

Elemental 1から放たれるオーラには「キューベンファイバー」素材が影響していると言ってもいいかもしれない。

なんとシリアルナンバー入り!かっこいい!

薄くて軽いにも関わらず、高い防水性と強靱な引き裂き強度を持ち、水分を含まないため雨や結露で濡れても本体の重量アップになりにくいという特徴がキューベンにはある。

テントには申し分のない素材に感じるが「通気性・透湿性」がないというデメリットも存在する。

「通気性・透湿性」がないということは、結露問題が発生する。

mikikurotaもHPで「結露はします」としっかり表記している。(こういうとこ大事)

ただ、キューベンに限らずどんな素材でも条件が整えば結露はおきる。

では実際に使用してみてどれくらい結露したのか?

11月の「立山」と「餓鬼岳」(両日とも雪上)でテストしたが、実はほとんど結露しなかった。

僕は寒い時期でもテントを密閉するのが嫌いで(息苦しい&結露対策)、ある程度空気の通り道を作って通気性を確保して寝たため、結露はほぼおきなかった。

とは言え、強風の時はなるべく風が入り込まないようにしたい。

そんな時の結露対策に活躍してくれるのがベンチレーションである。

外側のファスナーを開けて換気するのだが、

 

内側からコードを引っ張ることによりチタン製のバーが立ち上がり、換気口の調整が出来るシステム。

このギミック感がたまんねー。

内側から調整できるだけでなく、ファスナーの開け閉めもできたらもっとよかったなーと。

また、キューベンファイバーは使い込むことによるシワの影響で約5%ほど縮むそう。(他のメーカーではこのことに触れられていない。)

しかし、mikikurotaはこの縮みを予め考慮して大きさとカッティングパターンを決めている。

経年変化まで見越したデザインはさすがである。

しかし、この「縮み」は決してネガではない。

経年変化により徐々にシェイプされ美しいカーブを描くのだ。

左が新品。右が経年変化による縮みとシェイプされた模型。出典:mikikurota

洋服や木材と一緒で「Elemental 1」もなじんでくるとさらにカッコよくなるのである。

耐風性

モノポールテントで一番不安なのが耐風性である。

一般的なテントと違い自重で押さえつけることができないので、強風時は「いつ突風にめくり上げられるか」ハラハラする。

しかもポールががっちり固定されているわけでもないので、強風にあおられるとぐわんぐわん揺れ「いつ倒壊するか」不安でおちおち寝られない(ユーコン体験談)。

そんな経験を三木さんもしたらしく、考案されたのが「サミットループ」というシステム。

この聖帝十字陵のてっぺんにある4ヶ所のループから地面に向かってペグダウンすることにより支柱(ポール)ががっちり固定され、耐風性を高めることができるのだ。

実際に風の強かった「餓鬼岳」でもこのサミットループを2ヶ所ペグダウンするだけで安心感が全然違った。

ただし、雪上の場合サミットループのテンションをかけ過ぎると支柱のポールが雪にめり込んでしまい、がっちり固定することが難しい場合もある。

しかし、下からあおられるような強風に対する安心感は半端ない。

接着技術

ファスナー部分とガイラインループの取付箇所以外、すべてボンディング(接着)技術を駆使して作られている。

30種類以上の接着剤を試し、接着強度と耐候性のテストを繰り返し行われた「Elemental 1」は防水性と軽量化が高い次元で実現されいる。

その他特徴

出入り口開けておくときに束ねておく部品がよくあるトグルボタンではなく、マグネット式になっている。

マグネットのサビがちょっと気になるかなー。

冬場のかじかんだ手で操作するときにもマグネットなら楽々。

また、ポールを2本使ったA型にしなくても、フルオープンが可能なシステムも面白い。

暑い時期はガバッと開けたいもんね!

コレは入り口の上部にペグダウンするループが付いており、ここにガイラインを通すことでテンションが掛かりフルオープンにすることができる。

いやー細かいとこだけど、ほんとよく出来てます。

要望

ハッキリ言って、テントの機能性に関する要望はほとんどありませんが・・・

  1. キューベン以外の素材が選べると嬉しい。
    軽さにこだわった場合やっぱりキューベンって最強な訳ですが、どうしてもお値段が高くなってしまうのと、素材上 風のばたつき音がシルナイロン系に比べると大きく若干気になってしまう。また、撤収時も雑に収納しようとするとキレイに入らないのできちんと畳んで収納しなきゃいけないところが、悪天候の時なんかは煩わしいかも。
    シルナイロン系の素材でも販売してもらえると、もう少し手の出しやすい価格帯になるのかなーと。
  2. 2本のポールを使ったA型にも対応してほしい。
    トレッキングポールを使用する場合、1本しか使わないのってもったいないというか無駄な気がするので、A型で室内を広く使いたい。
    ※三木さんが「発注時に要望があればA型にできるようディテールを追加して対応も考えます。」とのこと!いーねっ!

まとめ

いかがだったでしょうか、mikikurotaの「Elemental 1」。

山好きの建築家が本気で作ったテントってやっぱすげーっすわ!

今回は悪天候時(暴風雨など)でのテストはできなかったので耐候性についてはハッキリ申し上げることはできませんが、このディテールの高さなら、ちょっとやそっとの雨風ならへっちゃらでしょう。

ユーコンでも安心して寝れるはずです。

なかなかポンっと買える値段ではありませんが、所有欲含め値段以上の価値は十分にあるテントだと思います。

建築家が作ったモノポールテント PRICELESS!

mikikurota(ミキクロタ)「Elemental 1(エレメンタル1)」

mikikurotaホームページはコチラ

 

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ABOUTこの記事をかいた人

アツシオガワ

1979年愛知県生まれ。 30を過ぎてから山の世界に魅了され、生き急ぐように日本100高山を制覇。 ULブームの中、あえて荷物をがっつり担ぐスタイルを好む。 ギア好きが高じてユーコンカワイと「BBG」を立ち上げ、体を張って「山・川」の魅力「ギアの大切さ」を発信し続ける。 歩荷鬼六の異名を持ち「国際山岳追い込みガイドS級」の資格を有する。 特技:アルプスマッサージ