狂気の祭典「辮締旋風大車輪(べんていせんぷうだいしゃりん)」も3日目に突入。
パンツがビチョ濡れになったり、ビールをぶち撒けたり、テントが倒壊しそうになったり、農鳥オヤジに怒鳴られたり、ハエの集団にたかられたりとまさに「狂気の祭典」だった二日間。
いよいよ「蝙蝠岳」で悲願の100高山制覇という感動のフィナーレとなるのか!?4日目には無事に生きて帰ることができるのか!?本物の「漢」にはなれたのか!?リアル男塾 後編「見さらせ!これが男塾魂じゃぁ!」

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DAY3

AM4:40 気温12.8度

今日は「熊ノ平」から一気に二軒小屋まで駆け抜けるロングハイク。

三日目ともなるとそれなりに疲労も蓄積されてきてはいるが、相変わらずよく寝れるので体調はすこぶる良い。

さあ、塩見方面に向けて出発。

AM5:15

あっという間に「安倍荒倉岳」に到着。

・・・。

じ、地味すぎる・・・。

三角点があるだけで、標識すらない。

あまりの地味さに若干私もキレてしまっている笑

なぜココが100高山の1つに選ばれたのか?きっとひねくれ者が決めたに違いない。

なにはともあれ、これで残り3座。

いよいよカウントダウンである。

 

AM6:05

しばらく続く下痢道&顔面藪漕ぎを抜けると

「新蛇抜山」に到着である。

急にガールな標識が現れ驚く

男塾の殺人拳法のような名前ではあるが、山頂はスーパー地味である。

 

完全に名前負けしてしまっている感は否めない。

地味でもなんでもいい、とにかくあと2座!

 

ここから「北荒川岳」への登りは顔面ハイマツ漕ぎ地獄の連続。

北アのハイマツとは比べ物にならない南アのジャンボ感。

これが一般登山道か!?ってぐらいハイマツが生い茂り、歩きにくいは、展望はないはで男塾を心ゆくまで堪能できる。

ハイマツ無限地獄から抜けるといきなり目の前に絶景が現れる。

 

AM7:05

北荒川岳に到着。

いきなり目の前に現れた巨大要塞「塩見岳」。

あ、あの巨大要塞を超えなければならないのか・・・。

想像するだけで天に召されそうである。

しかし、残すはあと1座「蝙蝠岳」で長かった100高山の旅も終わりを迎える。

蝙蝠岳へコースタイムで約4時間。

気合を入れ直して最期の戦いに向け歩みをすすめる。

ココからはハイライトで。

シェー!
え?危なくね?と思ったら左の樹林帯の中にいい道がありました。
こんな稜線上でもモリモリ育ったハイマツとのランデブー。いい加減にしてくれ・・・。
AM8:30 北俣岳分岐。パトラッシュ…疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ…パトラッシュ…

とらえたぜ!蝙蝠岳!
空港でファンにもみくちゃにされる。というネイマールごっこをして気持ちを紛らわす。

 

AM:10:05

ついに蝙蝠岳が目の前に!

栄光のビクトリーロード

やったー!終わったー!100高山完登おめでとう!俺おめでとう!ありがとう!

間違いなくホワイティ・カワイならこんな記念すべき登頂も白で覆われているはずだが、私は違う。

日頃の行いパワーで富士山までこんにちは させちゃう強運ぶり。

さあ、思う存分己撮りで記念撮影だ!

 

 

ファーックス!FAX!FAX!FAX!

これから記念すべき100高山完登の己撮りをしようって時に、三脚がポッキリ折れやがったぁぁ!!!!

 

 

ガッデム!ガッデム!ガッデム!

 

 

 

怒り狂うあまり人相まで変わってしまったようだ。

 

 

蝙蝠岳→コウモリ→バットマン→ジョーカー

これがやりたくて最後を「蝙蝠岳」にしたのである。

・・・かなりスベっている。

今こうして冷静に見るとぜんぜん面白くない・・・。

誰も山頂にいなくてよかった・・・。

今になって涙が頬をつたった・・・。

おっちゃん…燃えたよ…まっ白に…燃えつきた…まっ白な灰に…。

 

もうこれで100高山の呪縛から開放され、好きな山に登れる。

ゴリゴリのヒゲヅラしかいない南アじゃなく、キャッキャウフフ♥な北八ヶ岳にだって行ける。

もう私は自由だ!

 

PM 14:35

蝙蝠岳から二軒小屋までのスーパーロング下山は、辛すぎて記憶にない。

蝙蝠岳から下りきった直後の遺体

二軒小屋には三日間の男塾がウソのような楽園が待っていた。

なんなんだこのフカフカな芝生は!

芝生に寝転んでビール飲んでゴロゴロする。

こんな美しい場所にいると数時間前にFAX!ガッデム!と怒り狂っていた自分が恥ずかしくなる。

Take it easy

のんびり行こうぜ、俺。

 

長かった三日目が終わりを告げる。







 

DAY4

AM7:30

100高山完登と三脚が折れたことで、私の心もすっかり折れてしまい、当初は「笹山」まで登り返して下りることを計画していたが、「伝付峠」経由で「田代」まで下りることとした。

コースタイムで約6時間30分。

短くなったとは言え、長い。

長い
長い
ヒゲも長い

PM12:35 下山

長かった・・・。疲れた・・・。四日間よく歩いた。

二軒小屋で携帯が入らなかったので、奈良田行きのバスの時間を調べることができなかった。

おそらく一日3〜4本は走っているはずだ。

まあ、タイミングが合わなければ歩くかのんびり待てばいいさ。

Take it easy

どれどれ

奈良田温泉行きはと・・・12:36か・・・って、おう!?

時計を見ると12:36!!

え!?

振り返る

奈良田行きのバスらしきライトが近づいてくる!

うおー!!!!

待ち時間10秒!!!

奈良田行きのバスが来たぁ!!!

ユーコンみたいに反対のバスじゃないぞ!笑

もってる!俺もってる!!

日本の正確な交通網万歳!!

 

温泉

下山中ずっと楽しみにしていた温泉。

四日間汗だくになって歩きまくった体からは熊みたいな臭いがする・・・。

メス熊が私の匂いにつられて寄ってこなくてよかった。

早く風呂に入りたい。

 

「近くの温泉♪」Google先生に聞いてみた。

何件かヒットしたが「源泉かけ流し」に惹かれ、とある温泉宿へ。

ぼ、ぼろ・・・いや、歴史を感じる建物だ。

あれ?おかしいなー、変だなー(稲川風)。

おみやげ 全然売ってないなー。やだなー。

剥製が怖いなー。鹿さんこっち見てるなー。やだなー。

富士急ハイランドの「戦慄迷宮」に迷い込んじゃったのかなー。やだなー。

やだなー。おかしいなー。

シャワーからお湯がでないなー。こわいなー。

真水でシャンプーって四日ぶりのお風呂なのにやだなー。

「湯の花だ」って言われたけど、どう見ても南アを彷徨ったヒゲヅラ野郎どものアカにしか見えないなー。

やだなー。おかしいなー。

温泉に浮いている湯の花とのこと。どう見ても・・・。

結局最後までシャワーからお湯が出ることはなく、真水で頭も身体も洗うこととなった・・・。

待ち時間なくバスに乗れたと思ったら、この仕打ち。

私は持っていなかった・・・。

世の中はバランスで成り立っている。

 

 

エピローグ

100高山制覇に向けて生き急ぐように登りまくってきた5年間。

少しは本物の「漢」に近づけただろうか?

華やかな北アルプスからリアル男塾の南アルプスまで様々な山に登れて本当に楽しかった。

やっぱり山が好きだ。

 

 

せっかくなのでアツシオガワの好きな山、白目むいた山をご紹介。

<好きな山 BEST3>

  1. 赤牛岳
  2. 南駒ヶ岳
  3. 冬の仙丈ヶ岳

「赤牛岳」は一日で行くには難しいため、北アの山では人も少なめで絶景を眺めながらゆっくり過ごすことができるのが好き。

2015年8月 赤牛岳山頂より

「南駒ヶ岳」も静かなところがお気に入り。中央アルプスの山並みは北アルプスに負けないぐらい素晴らしい。

2013年 6月下旬 南駒ヶ岳より

冬の「仙丈ヶ岳」は南アルプスの女王にふさわしい美しさ!今でもあの感動は忘れられない。

2013年 クリスマスにユーコンと

<白目むいた山&道 BEST3>

  1. 鋸岳 第一高点〜第二高点周回コース
  2. 笹山へのダイレクト尾根
  3. 塩見岳日帰り

「鋸岳」はとにかく山自体がもろく、危険箇所にもロープ等のお助けアイテムは最小限しか設置されていないので、とにかく脱糞ポイント満載!

2017年6月 鹿の窓にて。ココから先は脱糞ポイントの連続。

「笹山」への尾根はとにかくひたすら登り。荷物が重かったにせよパンティびっちゃびちゃで失神寸前。

人がかいちゃいけない量の汗を放出し天に召される寸前

登山を初めて間もないころにチャレンジしたこともあり、塩見の日帰りは足が完全にご臨終した。

2012年8月下旬 塩見岳にて

 

さて、これから何して遊ぼうか。

まだ登ったことのない東北や北海道の山も行ってみたいし、バックカントリーもやりたいし、SUPでビキニギャルとキャッキャしたいし、やりたいこといっぱい!

山はもちろん、皆さんから色んな遊びのお誘いをお待ちしております!

以上、一号生筆頭アツシオガワでした!押忍!!

 

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