2017年度米バックパッカー誌「エディターズチョイス」を受賞し、つい先日行われた「OutDoor Industry Award 2017」でもゴールド受賞を果たした、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの…いや、流れる水を濾過しまくる勢いのモンスタープロダクトが今話題を呼んでいる。そのモンスターの名は「BeFree(ビーフリー)」。スイスの超老舗浄水器メーカーが放った会心の携帯浄水器だ。そんな噂の浄水器に、今「ミスター腹下し」と恐れられるユーコンカワイが沢で挑んで徹底検証である!

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KATADYN(カタダイン)「BeFree(ビーフリー)」

ファーストインパクト!

それは猛烈な衝撃だった。

 

例えばあなたの目の前に「マックシェイク」が置かれていたとしよう。

それを飲む時、あなたは「シェイクを飲むには相当な吸引力が必要だ」と認識しているので、ある程度己の持てる吸引力を総動員する覚悟を持って挑むはずだ。

でもそんな状態で飲んだマックシェイクが、水のようにしゅるるるっと喉に吸い込まれてきたらどうだろう?

そりゃあもうビックリして思わずむせてしまうこと請け合いだ。

 

僕が初めてこのカタダインの「ビーフリー」を使った時がまさにそんな衝撃だった。

長年ソーヤーミニという携帯浄水器を愛用してきた僕は、「濾過してるんだから吸引力が必要なのはしょうがないじゃない」と当たり前のように割り切って、ダイソン並みの吸引力で必死で浄水した水を飲んで来た。

男らしくダイレクトに川の水を飲む。でも結構な吸引力が必要だし腰も痛めてかなりしんどい作業。

しかしである。

この時と同じ感覚でビーフリーで水を飲んでしまうと非常に危険だ。

なんせちょっとの力でとんでもない勢いで水が出て来るから、気管に水が大侵入して「ゲホッ!グハァッ!」と溺れ死ぬところだった。

もはや「これちゃんと浄水してんのか?」と不安になってしまうほど、とんでもない濾過スピードで水が出てくる。

ダイソン並みの吸引力はもはや必要ではなく、ストレスフリーで水が飲めるのだ。

まさに「BeFree」なのである。

 

そして浄水した水を絞り出す時も、ソーヤーミニの時は溶けかけの「パピコ」の中身を絞り出すかのような根気が必要だったが、

まさにひねり出すといった感じでチョロチョロチョロ…

ビーフリーだとちょっとボトルをつまんでやるだけで、ジョバジョバ水が出てくるのだ。

言い方が不適切なのは百も承知で書くと、前者は「ジジイの放尿」で後者は「若きマスラオの放尿」といえばわかりやすいだろうか。

もうチョロチョロとひねり出す必要なんてない!勢いが違うのである!

 

携帯浄水器の世界ではソーヤーミニが「完成系」だと疑うべくもなく思っていた僕にとって、その衝撃は並じゃなかった。

そりゃあれだけの賞をダブル受賞するだけのことはある。

審査員たちも、おそらく僕と同じように一発目は思いっきりむせたに違いない。

それではそんな衝撃のビーフリーをじっくりと検証していってみよう。

 

開封である!

もうこのプロダクトに対して愛情が止まらなくなっているので、いっそ箱の状態から説明していく。

箱からして何やら凝った作りで、後貼りで貼られた「エディターズチョイス」と「ISPOアワード受賞」のシールが実に誇らしげだ。

今回OutDoor Industry Award 2017も受賞しちゃったもんだから、また追加シール貼らなきゃいけないね。

で、箱開けて真っ先に目に入るのが、ビーフリー本体よりも主張の激しい分厚い説明書。

これは各国の言葉で書かれた説明書の束なんだが、最初見た時は「一体どんだけ複雑な作りなんだ!」とビビってしまった。

ちなみにこれだけ沢山の国の言葉の説明書がありながらも日本語はカバーされてなかったみたいで、日本語の説明書を新たに作らざるを得なかった代理店さんの無念を思うと軽く切なくなりますね。

しかもその日本語説明書をよく見ると誤植があったようで、人の手によって170回を1700回に訂正してあったりして見る者を感動させます。

「きっと色々あったんだろうなあ…」なーんて想像するのもフリーなのである。

 

濾過部分である!

で、本題に戻ってこれがビーフリー本体だ。

そして浄水器にとって最も重要なフィルター部分を外すとこんな感じ。

よく見ると鯨の口の中みたいな毛細状の束が中に詰まっている。

こいつがあの驚異的な濾過スピードを可能にした「0.1ミクロンの無数の微細孔をもつホロファイバーフィルター」っていうやつ。

水に含まれる微生物を99.9%、バクテリアを99.9999%除去するって触れ込みの、もうはっきり100%って言っちゃいなよ!って言いたくなるほどの猛烈フィルター。

それは例えるならば、めちゃめちゃヤニまみれの薄汚れたヤンキー姉ちゃんでも、一旦このフィルターを通ってしまえば堀北真希のような清純な状態で排出されるようなものと言えばわかりやすいだろうか?

しかも約1000リットル分、回数にして1700回(170回じゃないよ!)も濾過が可能。

相手がどんなに大量のレディース暴走族だとしても、1700人分の堀北化が可能というスーパー浄化マシーンなのである。

 

水質テストである!

そのあまりの濾過スピードに「本当に浄水されてんのか?」と不安になった僕は、わざわざ実費で水質調査器をご購入。

少ない小遣いの中からこのためだけに買ったからには、徹底的に調査してやろうって魂胆である。

しかーし!

引きの強い私は見事にチャイナ製の粗悪品をつかまされ、その水質調査器が全く使いもんにならなかったというまさか。

過去にもネット詐欺で5,000円盗み取られたり、iPhone充電ケースが発火したり、ZIP SHOTっていう三脚買ったらTRY SHOTって商品が届いたりと、随分と中国経済に貢献しているユーコンカワイ。

悔しいから他のやつも買ったが、これまた全然使いもんにならなかったというダブルまさかが炸裂。

よくよく調べると水質調査をちゃんとやるには結構な金額がかかるようなので、結局確かめることができなたっかっす。

すいません…。

 

でも一応何かしら結果が残したくて、こーんなゴミが浮かんでるきったない水で根性テスト。

正直私物のビーフリーをこんな強烈なヤンキー姉ちゃんに突っ込みたくなかったが、数字で表現できない以上しょうがない。

ただメーカー的には「一応それなりに綺麗めな水でやってね。」って言ってるんで、よっぽどの事がない限り(ないだろうね)こんな水でやらないように。

で、こんな「ポカリ?」ってくらい淀んだ水が…

まるで南アルプスの天然水のごとくに!

数字で出せなかったのは無念だが、とりあえずその濾過パワーは感じ取っていただけたでしょうか?

今後二度と使わないであろうチャイナ製のよくわからん装置を2つも買った僕に同情するなら、ぜひ「スッゲー」と言って欲しいのです。

そしてビーフリーを買って欲しいのです。

今ご購入いただくと、抽選で2名の方にオシャレな水質調査器っぽい置物をプレゼント!

このチャンスを見逃すな!

 

ボトル部分である!

濾過力とユーコンカワイの哀れさがしっかりわかったところで、続いて見ていくのはとってもソフトで肌触りのいいボトル部分。

なんだか質感がハイドラパック社のリザーバーとかソフトボトルに似てるなーなんて思ってたらその通り。

まさにこのボトル部分はハイドラパック社のものが採用されているのだ。

耐久性抜群のハイドラパックのソフトボトルってことで、カタダインの浄水器とタッグを組んでまさに最強のコンビとなった。

堀北真希に山本耕史がくっついた的な、まさに実力派同士のビッグコラボレーションなのである。

 

そして何と言ってもボトルの口が広口なのがいい。

今までのソーヤーミニだと、いわゆるペットボトルサイズの小口に取り付けるタイプだった。

これだと本体のボトルの方で川の水を汲む時、なかなか中に水が入って行かずに苦労していたのだ。

結局シェラカップとかで水汲んでボトルに入れていた。

しかしビーフリーのように広口だと川の水も汲みやすいこと汲みやすいこと。

時短にもなって、特に行動中は非常に大きな利点なのである。

 

携行性が優れてる!

携行性ってことだけ言えばそりゃはるかにソーヤーミニのがコンパクトだが、ボトルとセットでってこと考えるとビーフリーに軍配が上がる。

ソフトボトルだから、このようにくるくるくるーってしてしまえばコンパクトに。

でもってこんな感じでポケットにでも入れておけば持ち運びも楽チンだし、いつでも出撃可能。

特にこのような沢歩きだったり、リバーツーリング時のような常に水源がある状態だと本当に便利。

喉が渇いたらサクッと取り出して、

すぐに冷えっ冷えのお水を飲めちゃうからたまらない。

見た目が法螺貝吹いてる野伏っぽく見えてしまうが、こうして行動中に積極的に即座に冷たい水が摂取できるのは非常に大きい。

ソーヤーミニ時代だと飲む度に吸引力を求められてしまうから、あらかじめ濾過した水を別のボトルに入れて飲んでたから冷え冷えのお水は楽しめなかったのだ。

もちろんトレランのソフトフラスクボトルみたいに胸元に携行してもいい。

ボトル自体の重さも実測でわずか69.5gなので携行しても全然苦ではない。

こんな軽くて柔軟な「安全」ってなかなかないですよ。

災害グッズとしてもかなり優秀なんで、一家に一台ビーフリーね。

僕は鬼嫁持ちの養子なんで、家庭内では0.1ミクロンもフリーに振る舞えないけどね。

 

使い方とお手入れである!

別に改めて書くまでもないが一応使い方を書いておこう。

1.水を汲む。

2.フタ閉める。

3.レッツチューチュー!以上!

でもってさらに簡単なのはお手入れ。

このようにボトルの裏に説明が書いてある通りシンプル。

中に綺麗な水入れてShakeして、フィルターを綺麗な水につけてSwish、以上!

中身が見えなくて「カビ生えてねえかな?」って心配になってたソーヤーミニに比べ、ちゃんと中も見える状態だから安心だ。

実に簡単。以上!

2017.10.26追記

使用してない時間が長い(1ヶ月くらい)と、次に使用した際に水の出が悪くなることがありました。

そんな場合はこのShake&Swishの作業をしてやると復活します。







 

改善要望である!

そんなパーフェクトなビーフリーに対し、無理やりにでも徹底的に改善点を探し出してやろうってのがBBGのいやらしいところ。

どうしても最初っから不安な箇所が1箇所だけある。

それがこのキャップ部分。

キャップの付け根の部分がなんだかとても頼りなく、多分長く使い続けたらちぎれるんじゃないかって感じるのです。

ここをもうちょっと強化して欲しいのと、キャップもちょっと硬くて開閉が若干スムーズではない(若干ね)から、スパッって感じで片手で開け閉めが楽にできるといいな。

2017.07.28追記

ちなみにもしキャップが破損したりした場合は、ペットボトルの蓋で蓋を閉めることが可能ってことが判明。

ただ見た目はあんま良くないし径が大きくなって飲みにくくなるんで、やっぱりここは付け根部分にあんまストレスかかんないように使うのがベターでしょう。

 

あとはもうワンサイズ小さくてコンパクトになる350mlサイズのボトルが出ると最高(この赤い線くらいのやつ)。

実は沢旅や川旅メインだった場合、常に補給できる環境だしいつでも冷たい水が飲みたいから中身は空の状態で携行していた。

なので0.6Lも容量いらないから、肩口の硬い部分をもうちょっとコンパクトにして携行性をアップしたものがあれば僕はオプションとしてそれも買うだろう。

ちなみに350mlと書いたのは、ラーメンのリフィルとかカップラーメン作るだけの必要最低量の水量だから。

ただ同じハイドラパック製の「ウルトラフラスク450ml」が互換性がありそうなので、そっちで代用可能かもしれないけどね。

2017.07.28追記

メーカーさんに確認したところ、やはりハイドラパック社の販売しているスピードフラスク、ソフトフラスクと口径が同じでネジ山も同じだから装着可能ってことです。

ただ、飲み口のネジ山の高さが多少違うから、装着するときに最後までしっかりと締めないと水が漏れる可能性があるとのことでした。

 

さらにわがままを言えば、ちょっとしたD環的なものとかつけてくれたらカラビナで携帯したり指引っ掛けて運べたりするんでいいかなーって。

それ作ってくれたらBBGアワードのユーコンカワイ賞はカタダインのものです!

また新たな勲章が!(そんなアワードはないです)

 

おまとめである!

15年くらい前のことを思い出す。

その頃僕は各地の川に出撃しては川下りをし、その川の水をそのまま飲んでは腹下りも楽しんでいた。

あれから時は経ち、今ではこんな素晴らしい携帯浄水器が登場するなんて。

過酷な労働を強いてきた我が腸に今こそ言いたい。

「Be Free.」と。

もうお前は自由なんだよ、と。

 

KATADYN(カタダイン)「BeFree(ビーフリー)」

アイテム名 ビーフリー
アイテム画像
 フィルター  0.1ミクロン ホロファイバー膜
出力  約1リットル/分
浄化能力  最大1000リットル(約1700回分)※水質による
サイズ  7×7×23.2cm
重量  65g(実測69.5g)
本体  ハイドラパック®︎製
BUY NOW

出典:スター商事 ※画像クリックでメーカーサイトへ

 

俺は腹下りを楽しみたいんだ!っていうドMの人にはオススメしないが、快適な状態で爽やかに沢旅や川旅、沢筋のトレッキングを楽しみたいって人には断然お勧めの一品。

積極的に行動中に使用したい人はビーフリー、テン場で使用する程度って人はソーヤーミニが最適かな。

 

さあ、ビーフリーを手に入れれば、もう沢筋であなたは不要な水を携帯していく必要なし!

今年の夏は目一杯美味しい沢の水を堀北真希へと変換して味わってみるがいい!

あなたの心は自由になること間違いなし!

 

レッツ!ビーフリー!

レッツ!チューチュー!

それではまたお会いしましょう。

ユーコンカワイでした。