ガスバーナーに比べたら実に不便な代物。しかしだからこそ味わい深く道具愛が溢れてしまうものがある。そう、それが「アルコールストーブ」の世界。今こそ不便を楽しみ、ロマンという名の聖火台に熱き炎を灯す時!そんなアルコールストーブ界から代表的な5選手を集め、それらを徹底的に比較するアルコールストーブオリンピックをここに開催するのである!

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アルコールストーブオリンピック2017

開会宣言

世界の皆さん、ようこそBBGスタジアムへ!

今日この日を迎えられて、私のハートは今まさに不完全燃焼から完全燃焼へ移行して燃えたぎっております!

まず主催者として、BBGにおけるアルコールストーブの位置付けをご説明いたします。

そもそも我々は基本的にガスバーナーが主体で、状況に応じて焚き火・ウッドストーブ・固形燃料といった感じで今までを過ごしてきました。

そう、なんとなくアルコールストーブにだけは今まで手を出さずに生きたきたのであります。

その理由は次の通りです。

  • 風に弱いんじゃね?
  • お湯湧くの遅いんじゃね?
  • 火の調整できねえから調理大変じゃね?
  • なんだかんだ燃料の重さがガスとそんなに変わらんくね?
  • アルコールがベタつかね?
  • どう考えてもガスのが便利じゃね?
  • そもそも面倒臭くね?

 

アルコールストーブ自体は確かに荷物の軽量化に繋がりますが、そのメリットを上回るデメリットのが多いと感じずにはいられなかったのであります。

しかし今回オリンピックを開催するにあたり、今日まで積極的にアルコールストーブを使ってみて思ったことがあります。

「そんなデメリットはクソだ」と!

そもそも不便を楽しむのがアウトドアの世界であり、何より大切なことはそこにロマンがあるかどうかであります!

あの工業感バリバリの「ゴォーー」っていうガスバーナーの音より、無音で炎すら見えずに「これほんと火ついてんのか?」って思っちゃうくらいの奥ゆかしさ!

ガスで急いで火を沸かすのもいいが、そんなに急いでどこに行く?

いつから山頂しか目指さないつまらない人間になった?

どうせなら湯を沸かす行為すら楽しんだ者勝ちじゃないのか?

 

そんな不便を百も承知で楽しむアルコールストーブの世界。

各国から集まった5選手の皆様、どうかしっかりと己の特性をアピールして全力でプレーしてください!

それではここに、第1回「BBGアルコールストーブオリンピック」の開幕を宣言いたします!

 

トランギア(Trangia)選手入場!

それでは各国を代表する選手たちの入場であります!

まずはスウェーデン代表選手の入場!

もはやこのアルコールストーブの世界では「レジェンド」と言っても過言ではない、王道中の王道!

トランギア選手です!

商品名はズバリ「アルコールバーナー」!まんまです!

しかしそれは彼がこの世界の先駆者であり、王道であり続けるが故の名誉あるネーミング。

半世紀以上も世界中のアルコールストーバーたちのロマンに火を灯し続けてきた、アルコールストーブ界の葛西紀明!

特徴は何と言っても火力調整ができる蓋と、残った燃料を持ち歩けるOリング付きの蓋を備えているという利便性。

そして同時出場の、この旅館の一人用鍋料理の時の土台みたいな五徳も実にいぶし銀だ!

今にも横から仲居さんが現れて「失礼します」と言ってチャッカマンで点火して行きそうな佇まい!

ノスタルジック感がたまらないが、ただ全体的に「軽くなきゃ意味ないじゃない」というアルコールストーブ界において、今ではすっかり重量級のクラスに入ってしまった所がやや不利な部分か?

しかし根強いファンも多いこのベテラン選手、今大会はどんなプレーで我々を魅了してくれるのでありましょうか?

 

バーゴ(VARGO)選手入場!

続いてはアメリカ代表選手の入場です!

軽量チタン製品に命をかけるミスター・チタニウム!

バーゴ(VARGO)選手であります!

商品名は「チタニウムトライアドマルチフューエルストーブ」!長いわ!

五徳一体型のその独特な形状がギア欲をくすぐります!

チタンで軽い上に五徳いらずとあって長年支持を集めている選手で、五徳の足部分はこのように収納可能で場所も取らない。

そして「マルチフューエル」という名の通り、アルコール燃料のみならず、本体をひっくり返せば固形燃料や燃料ジェルの使用も可能というマルチプレーヤー。

ひときわアウトロー感を漂わせるこのアメリカン野郎、果たしてどんなトリッキーなプレーを見せてくれるのでありましょうか?

 

エバニュー(EVERNEW)選手入場!

そしてここからは日本選手団の入場です。

このアルコールストーブ界は、日本のガレージブランドを軸に目覚ましい発展を遂げてきた分野でもあります。

それもあって、今大会では3選手が日本から選出されています。

まず最初に入場してきたのはこの選手!

バーゴがアメリカのチタンマニアなら、こちらは元祖チタン職人!

エバニュー(EVERNEW)選手であります!

商品名は「チタンアルコールストーブ」!これもまんまだ!

この選手の特徴はチタンならではの軽量さのみならず、中央と側面の2箇所から炎が立ち上がるというダブルバーニングっぷり。

しかもご親切に内側に目盛りまで刻まれ、実にエバニューらしい細かいこだわりも随所に光る!

そして同時出場するのは、これまた超軽量のチタンゴトク!

これがまた軽いだけじゃなく、燃焼効率・安定感・収納性・多用途性のどれをおいてもパーフェクト!

チタンならではの使い込むほどに味が出てくる感じも素晴らしい。

日本の技術の粋を極めたこの選手、どこまでの実力を見せてくれるでありましょうか?

 

フリーライト(FREELIGHT)選手入場!

ニッポンが誇る最強のガレージ選手がここで登場。

その実力は今大会優勝候補ナンバー1という呼び声高し!

各方面で大絶賛された緻密な計算と技術力の結晶!

フリーライト選手であります!

商品名は「FREVO R(フレボR ストーブ)」!それはまさにフレイムレボリューション(炎革命)!

この手作り感とアルミ缶感溢れる風貌の中に潜むとんでもない技術力。

本燃焼までのスピードは宇宙刑事ギャバン並みの速さで、一度立ち上がった美しきサイクロン状の炎はあっという間にお湯を沸騰させる!

そしてそんなとてつもない力を有しながら常軌を逸した軽量さで、同時出場の五徳もハイパーに軽い。

現時点で世界最高峰と言ってもいいニッポンの宝。

オリンピックという大舞台で、十二分にその実力を発揮できるかが注目であります!

 

リバーサイドランブラー(RiverSideRambler)選手入場!

そして最後に入場してくるのは、こちらもここ数年各方面で高い評価を得る選手。

「源流野営に適した最低限の装備」をコンセプトに、その美しいプロダクトの完成度によって一躍名を挙げたこの選手!

リバーサイドランブラー選手であります!(以下RSR)

商品名は「RSR STOVE(RSRストーブ)」

まず何より目を引くのはこのアルミ合金削り出しの美ししすぎるボディ。

こちらも高い技術力でトルネード状の高い燃焼効率を誇り、安定した火力で一気にお湯を沸騰させます!

ここまで軽量で燃焼効率もよくデザイン性も高いものは、世界でもそうお目にかかれるものではありません!

そして同時出場の五徳も、安定感もデザイン性も実に優れています!

今大会では出番はないですが、セットではこのような風防と消火用の蓋&低火力高燃費にするための火力調整蓋も付いている!

まさに源流釣行時の「必要最低限」をとてつもない高いレベルで実現したニッポンの雄。

その美しいボディで、一番美しい色のメダルをゲットすることができるのか?

注目であります!



 

エキシビジョンマッチ

五徳込み軽量対決!

今大会はアルコールストーブで一番大事であろう、「どれだけ早くお湯を沸かせられるのか?」というのがメイン競技。

しかし単純にそこだけクローズアップしてしまうと、その選手が持つ+アルファな魅力が十分に伝わらない。

そこで本戦を前に勝敗に関係ないエキシビジョンとして、「五徳込み軽量対決」「10cc燃焼時間対決」の2競技を開催いたします!

軽けりゃ良いってもんではないけど、まずは単純に「どのストーブが一番軽いのよ!」っていうシンプルな軽量対決から!

基本的に五徳がないとコッヘル乗せられないんで、本体重量ではなく五徳とセットの重量でお送りいたします!

 

第5位

トランギア選手(アルコールバーナー)!

142g!十分軽いとはいえ、やはり半世紀前の仕様では現代の軽量化の波には勝てなかった模様。

第4位

RSR選手(RSRストーブ)!

63.5g!トランギア選手から一気に半分以上の軽量化!それでも4位!

第3位

エバニュー選手(チタンアルコールストーブ)!

48.5g!RSR選手との差15g!

本体重量ではRSR選手に3g差で負けてましたが、チタンゴトクで一気に巻き返しました!

第2位

バーゴ選手(チタニウムトライアドマルチフューエルストーブ)!

わずか31g!エバニュー選手との差17.5g!

同じチタン製品でありながら、やはり「五徳一体型」の利点が生きたのか見事な勝利。

安定感も悪くなく、下が土のような状況だと足がズブッと刺さるんで意外としっかりしてます!

第1位

映えある軽量第1位は、フリーライト選手(FREVO R)!

その数値、驚異の17.5g!

2位のバーゴ選手に13.5gもの大差をつけ、圧倒的ぶっちぎりの1位であります!

 

この殺人的な軽量さは、もう手に持った瞬間に分かります。

試しに大会審査員の一人、アツシオガワに買ったばかりのFREVO Rを持たせた時は…

持った瞬間、あまりの軽さにこの表情。

ちなみに五徳抜きの本体だけだと、もはや信じられないレベルの「7g」という軽さ。

本体だけ持った時のアツシオガワは、驚きのあまり昇天寸前になっていたほど。

もはや空気レベルだ。

ただもちろんそのとてつもない軽量さ故、若干安定感にかける(現場状況がデコボコの時)ってのと、本体がアルミボディなんで衝撃に弱いっていう点。

つっても使用において全然気になる範囲じゃないし、どう考えても五徳込み17.5gのメリットは果てしない恩恵なのであります!

 

10cc燃焼時間対決!

エキシビジョンマッチ2戦目は「10cc燃焼時間対決」。

これは平等に10ccのアルコールを入れ、単純にそれが燃え尽きるまで見守るという地味な対決。

別に早く火が消えたからって燃焼効率が良いとも言い切れないし、長く灯ってれば燃費がいいって言い切れる問題じゃない。

じゃあ何のためにやるの?って言われれば、「やってみたかったからだ」と言うしかないのである。

 

ただ5選手を並べてやるので、それぞれの特徴が良く見えることでしょう。

本戦に向けてのお披露目的なエキシビジョンマッチでございます。

なぜか約1名だけ独自路線を突き進む選手が出てきますが、そこは事実をそのまま伝えるってことでやり直しは無しなのであります。

何だか後半は深夜のラジオ番組みたいでしたね。

まず、やはりフリーライト選手&RSR選手の「サイクロン使い」の二人の共演が美しかったですね。

そして火に勢いもあって早い段階で完全燃焼状態で、消えるのも早かった。これは本戦が楽しみです。

そしてエバニュー選手は一人だけちゃんと小まめに「音」を発していて、昼間に炎が見えない時でも非常にわかりやすい仕組みになってます。

最後に「ボッッ」って消えるのも何だカッコいい。

そして炎の柱もダブルバーニング効果で高く、そして美しかった。

ベテランのトランギア選手も完全燃焼に至るまでが少々時間がかかったけど、ほぼエバニューさんと同時に消えましたね。

そして、「俺は俺だ!」という独自路線を貫き通したのがバーゴ選手。

これだけ見ちゃうと「あれ?良くないんじゃないの?」なんて思ってしまうだろうが、実は彼には彼なりの利点があるのだ。それは後ほどお伝えしよう。

ちなみに彼の奥ゆかしいプレイはその後、何と「18分以上」続いた。

たった10ccで、トータル27分燃え続けたバーゴ選手。

それはそれでなんだかすごいのである。

 

 

330ml沸騰スピード決戦!

さあ、お披露目的なエキシビジョンマッチが終わったところで、いよいよ金メダルをかけた本戦です!

今回のルールは、330mlの水が沸騰(95℃)するまでにかかった時間の早さで勝敗が決します。

330mlに設定したのは、BBGが大好きなカップラーメンのリフィル(詰め替え)に必要な湯量だからっす。

さあ、今本戦に向けて再び5選手が入場してきました。

皆一様に緊張感ある良い表情をしております。

裏舞台は超絶地味↓だけど、会場の熱気はムンムンです!

これから適当な順番で各々沸騰の時間を計って、最終的に最も早く沸騰したものが金メダルです!

トランギア選手 スタート!

それではまずトップバッター!

半世紀生き抜いて来たその実力はまだまだ天井知らず!

トランギア選手、いざ沸騰チャレンジスタート!

タイムは05:36!

これがレジェンドが叩き出した世界の標準値。

このタイムを基準に他の選手たちもメダルをかけて記録更新を狙います!

エバニュー選手 スタート!

エキシビジョンの燃焼比較では最も高い炎を巻き上げていたエバニュー選手。

なんと言ってもダブルバーニング穴と、ちょうどコッヘルの底の部分でうまく炎が密集するシステムは、お湯沸かしに特化させたら相当なパワーを発揮しそうです。

安定感のあるチタン五徳とともに、いざスタート!

タイム04:24!

トランギア選手に48秒の差をつけて、見事暫定1位であります!

正直5分はかかると思っていたので、BBG審査員の二人もこの健闘っぷりに驚いております。

さあ、これはいよいよハイレベルな戦いになってきました!

RSR選手 スタート!

エキシビジョンではその美しいボディと美しいサイクロンファイヤーで、多くの観客を魅了したRSR選手。

炎の高さにおいてはエバニュー選手には及びませんでしたが、燃焼効率という面ではサイクロン式の方が理論上火力は強いはず。

さあ、その実力通りの好タイムが期待できるのか?

RSR選手、いざスタートであります!

出ましたぁ!04:04!

エバニュー選手に20秒もの差をつけて見事なフィニッシュ!

あわや4分を切ってしまうんじゃないかという高速沸騰で、会場は大盛り上がりだ!

現時点で暫定1位RSR、2位エバニュー、3位トランギア。

しかし次に控えるは今大会優勝候補筆頭のフリーライト選手!

果たしてRSR選手は1位を守り抜くのか?

それともフリーライト選手が夢の「3分台」を叩き出して完全王者となるのか?

フリーライト選手 スタート!

さあいよいよこの選手の登場です。

ここまでのエキシビジョンで、軽量部門1位、燃焼タイム1位で圧巻のプレーを見せ続けてきたフリーライト選手。

前評判通りの力で実力を見せつけるのか、それともRSR選手に王座を譲ってしまうのか?

いざ、フリーライト選手、スタートです!

キタァッッーー!

ついに夢の3分の大台に乗せて、03:55で世界新記録達成!

RSR選手との差はわずか9秒!

同じサイクロン状の炎のRSR選手と比べて、本燃焼までの時間が早かったその時間分が見事に勝因となりました。

 

しかーし!まだまだ最後のアウトローチャレンジャーが残っている。

最後までメダルの行方はわからないぞ!

バーゴ選手 スタート!

エキシビジョンの10cc燃焼対決では、他の選手が3分台で燃え尽きる中、ただ一人無人の荒野を行くが如くの驚異的な燃費力で「27分」も燃え続けてしまったバーゴ選手。

彼のトリッキーなプレーには一切の予想が立たず、この本戦でどんな結果をもたらしてくれるか楽しみです。

気分はボブスレー大会に出場するジャマイカ選手を応援するような気分。

それでは行ってみましょう、バーゴ選手、スタートです!

12:26秒!

あいかわずの「ヘイ、のんびり行こうぜボーイ。Take it easyさ!」といった落ち着き。

ある意味最もアルコールストーブらしく、そして愛おしい。

本国サイトでは完全燃焼までに30-60秒で、二人分のお湯が5-6分で湧くって書いてあったが、何か我々は彼の使用方法を間違ったんでしょうか?

日本のプロ野球でも、現役バリバリのメジャーリーガーでも起用法を間違えると全く機能しないことがある。

しかし結果が全て。

何事かトラブルだったとしても、そのままの事実を伝えるのがBBGなのであります。

2017.7.28追記

後で分かったんですが、バーゴのストーブだけ使用方法が他と違うってことが判明したんで追記しておきます。

バーゴのストーブは、容量関係なく一旦アルコールをなみなみと注ぐのがポイントのようで、その状態であれば本燃焼30-60秒、二人分のお湯が5-6分で湧くってことでした。

だからエキシビジョンでやった10cc燃費対決はあんな結果だったんですね。酷なレースに参加させていたようです…。

そして余った燃料は五徳の足を伝わせながら燃料ボトルの方に戻せるんで、ある意味経済的なのでありました。

 

ただバーゴ選手には他の選手にはないメリットが存在するのです。

本燃焼後に長いとろ火が続くというその性質が、実は炊飯にスーパー最適だったことが判明。

火力調整の難しいアルコールストーブで炊飯するのは大変なんだが(事実アツシオガワはエバニュー選手で豪快に焦げ付かせていた)、バーゴ選手にかかれば簡単。

アルコールをたっぷり入れて、30分間放置しておくだけで美味しいご飯ができてしまうのだ!

大した吹きこぼれもなく、焦げ付きなども一切なく、ただほかっておいただけで完璧なご飯が!

アメリカの製品のくせにやたらと米炊くのが上手なのである。

実際僕もこないだのイブネの時は、同じ構造の姉妹品のコンバーターストーブで完璧な炊飯をかましてみせた。

そう、お湯を沸かすだけの用途だと他の選手には及ばないが、こと調理的な観点から言えば彼は何気にとても優れたプレーヤーなのだ。

お湯沸かしの際は固形燃料、調理の時はアルコールってな感じで使い分けるのも良いだろう。

今回のような沸騰対決では異端児となってしまったが、これはこれでなんとも愛おしいアルコールバーナーなのである。



 

結果発表

と、いうことで、本戦の330ml沸騰対決の結果は以下のとおり。

  1. 金メダル フリーライト選手 03:55
  2. 銀メダル RSR選手 04:04
  3. 銅メダル エバニュー選手 04:24
  4. 4位 トランギア選手 05:36
  5. 5位 バーゴ選手 12:26

 

フリーライト選手は軽量対決含めて2冠達成で、もはやアルコールストーブ界のウサイン・ボルトと言っても過言ではない結果を叩き出しました。

正直軽さといい沸騰時間といい、今後しばらくこの記録は破られることはないんじゃないでしょうか?

さすがです!おめでとうございます!フリーライト選手!

目を閉じ、胸に手を当てて君が代を歌うFREVO R。

辛かった開発の日々が頭をよぎってかその瞳にはうっすらと光るものが…。

 

しかしアルコールストーブはロマンの世界。

数字上の結果だけでなく、人によっては「デザイン重視でRSR選手!」って人もいれば「安定感重視でエバニュー選手!」って人だったり、「それでもやっぱりトランギア選手が好きなんだ!」って人もいれば「色々と愛おしいバーゴ選手が萌える!」って人もいるだろう。

今回は結果としてフリーライト選手が金メダルを獲得したが、そんな人たちのためにしっかりした比較表をここに記載しておこう。

 

アルコールストーブ比較表

それでは各選手の比較表です。

まあこんなに長くダラダラ書かず、最初っからこれだけ出してくれれば済んだのにって話はこの際スルーで。

1位のもの赤字、2位のものはオレンジ字で書いてます。※スマホの人は横スクロールして見てね。

本戦順位 1位 2位 3位 4位 5位
メーカー名 フリーライト RSR エバニュー トランギア バーゴ
アイテム名 FREVO R RSR STOVE チタンアルコールストーブ アルコールバーナー チタニウムトライアドマルチフューエルストーブ
アイテム画像
本体素材 アルミ アルミ合金削り出し チタン 真鍮 チタン
本体サイズ φ53mm×h39mm φ55mm×h37mm φ71mm×h42mm φ75mm×H45mm φ86mm×h27mm
本体実測重量 7.5g 32.5g 35.5g 67g 31g
五徳実測重量 10g 31g 13g 52g 本体一体型
10cc燃焼時間 03:09 03:14 03:32 03:46 27:12
330ml沸騰時間 03:55 04:04 04:24 05:36 12:26
特徴 ひたすら軽い!お湯沸かすだけなら最強! 美しい!セットを買うと安定感抜群! 安定感抜群!同社コッヘルセットとの相性も良い! 初心者に最適!オプションも豊富で安価! 炊飯や餅焼きなどにもってこい!他燃料も使える!
本体価格 五徳とセット 8,000円(税別) 3,800円(税別) 2,500円(税別) 五徳一体型
五徳セット価格 5,000円(税別) 13,500円(税別)※風防や蓋も込み 5,000円(税別) 3,500円(税別) 4,600円(税別)
メーカーサイト こちら こちら こちら こちら こちら
販売店 メーカーサイトより ヤフー A A A

 

こうしてアルコールストーブ比較オリンピックは閉会した。

ガスに比べたらどう考えても不便なこの世界だが、何やらアウトドアのギアとして根本的重要要素が詰まっている世界。

ある意味「頑張って作っても大して数売れないから」と大手が手を引いた分野でもあり、そのおかげもあってかガレージブランドを中心に異常な発展を遂げてきたアルコールストーブ。

システマチックなギアに頼るのももちろん良いことだが、やはりこのような不便を楽しんでナンボのところがあるでしょ?

といいつつ、メーカーさんの努力のおかげで、もう「不便」では片付けられないほどメリットも多くなってきた。

なのでみなさんも、今こそ積極的にアルコールストーブの世界を楽しんでみてはどうだろうか?

今後の発展も楽しみであります!

 

それではまたお会いしましょう。

ユーコンカワイでした。