タープ。たった1枚の布でありながらその世界は奥深い。
アウトドアの世界ではモノがシンプルなほどに面白く、なおかつ自然をダイレクトで味わうことができる。しかしそんな「布一枚の快感」という世界に憧れを抱きながらも、テント慣れした人にとっては中々ハードルの高いイメージがあることも確かだろう。
そこで今回はそんな人たち向けのお気軽なタープとの付き合い方や基礎知識、そして最初の一枚にオススメの「タープ・X・デュオ・シル」を比較も交えてご紹介して行くのである。

[toc]

僕とタープの付き合い方

僕はゴリゴリのUL思考でもなければ、ガンガンの沢登ラーでもなく、ストイックなサバイバル精神むき出し男でもない。

ただ「気に入った場所の自然」を気分良く感じたいだけで、そのために必要・快適だと思えばどんな重いアイテムだって持って行きたい派だ。

そんな中でタープに関しては、積極的に使うというより、状況的に「タープのが楽しそう」だと判断したら使うようにしている。

寝るだけで言ったらそりゃテントのが快適なのは当たり前。

ただ僕の中では、タープを張ること事態が一つのエンターテイメント。

むしろタープを使う時は「タープを張ることありき」で、それを楽しみに山や川に出かけてるところもあるほどだ。

タープはストイックだと思われがちな世界だが、むしろ余裕を持って自然と対峙できる大人の遊びだと思う。

ハードスケジュールのギリギリ登山で自分自身に挑戦するのもいいが、時には余裕を持って早めに良き場所で腰を落ち着け、じっくり時間をかけて「タープを張る」というエンターテイメントを楽しみたい。

 

わざわざアルプスの奥地まで行かなくても、近所の里山でもその行為は十分「精神的な遊び」として成り立つ。

心は秘密基地を作ってた少年時代に戻り、「もっとこうしたらカッコいいかな?」「もっとこうしたら快適かな?」なんて思考錯誤しながら張るだけで時間を忘れて没頭できる。

手先が不器用でロープワークもサッパリ覚えられないが、それすら現場でアレコレ試行錯誤するのが楽しい。

そしてその試行錯誤の末に出来た「秘密基地」に泊まろうもんなら、強い充実感と共に大好きな自然の中に溶け込んでいくことができるのだ。

色んな人の価値観や状況がある中で、テント泊を選ぶもよし、山小屋泊を選ぶもよし、タープ泊を選ぶもよし。

その中で、まずは「開放感・自然一体感・精神的満足感」を味わうための1アイテムとして、皆さんもタープを始めてみてはいかがでしょうか?

最初の1枚候補

そこで、これからタープを楽しんでみようって人にオススメしたい「最初の1枚候補」をご紹介。

ここであえて「最初の」って書いたのは、きっとハマると1枚だけじゃ済まなくなるからね…。

ここではストイックに軽量化にこだわったソロ用タープは取り上げず、多少軽量じゃなくても「張り易い・二人分の居住性・汎用性の高さ」の観点からBBG的に厳選した3張を紹介します。

 

まず第一候補。

もしあなたが“お金に余裕がある”なら、もう迷うことなくこれ買っときましょう。

天下御免のHilleberg(ヒルバーグ)「TARP10 UL(タープ10 UL)」でございます。

出典:hilleberg ※画像クリックでメーカーサイトへ

もう間違いない一品です。予算と重量が許せばね。

似たサイズの他社タープに比べて倍近い値段(メーカー価格税別32,000円)、かつ200g以上重い750g(ちょっとサイズ大きいってのもある)なんです。

なのにオススメするのは、やはりその圧倒的な張り易さと生地の強靭さ、そしてかっこよさ!

張りやすさと生地の強さは非常に重要な要素なので、なんだかんだ結局こいつを「2枚目のタープ」として手に入れちゃう人も多い。

だったら最初からここ行っちゃうってのも手だろうね。

 

で、第二候補はここ数年大人気のPaaGo WORKS(パーゴワークス)「NINJA TARP(ニンジャタープ)」

出典:PaaGo WORKS ※画像クリックでメーカーサイトへ

タープって張り方も何もかもさっぱりわからないって人には、最初の1枚としてこれほどオススメできるものはないです。

とにかく張るのが超簡単で、僕も実際に手に入れて使い始めてますがサクサク色んな形でスピーディーに設営可能。

写真はパドル使ってるけど、トレッキングポールメインでタープ泊するなら余計なこと考えないで設営できる。

基本的な「タープってこういうことか」って理論的なことも学べるから、今後の応用力も身につきます。

もういろんなサイトやブログで詳しく説明とかされてるから今更ここでは書きませんが、「簡単設営重視」って人には最適な最初の1枚ですね。

 

そして第三候補が、上記の二つに比べて個人的に一番「バランスが良い」と気に入っているこちら。

LOCUS GEAR(ローカスギア)の「Tarp X Duo Sil (タープ・X・デュオ・シル)」であります。

13,800円というお手頃価格でこの広さと美しさと出来の良さ。

張りやすさではニンジャタープのが上だが、初心者でも扱いやすく、「タープを張ること自体を楽しむ」という僕にとっては絶妙な丁度良さ。

何よりスペック的なことやコスパ的なことはもちろん、ローカスギアのアイテム全般に言えることだが佇まいが美しい。

所有欲もバッチリ満たされて、まさに最初の1枚としては最適な1枚と言えるのです。

 

タープ・X・デュオ・シルの細かい部分は後述するとして、まずはこの3タープを比較してみよう。

生地強度はヒルバーグ、張りやすさはパーゴワークスだけど、コスパやデザインの良さを含めて全体的に優秀なローカスギア。

個人的にも290cm×290cmって、広くて快適で取り扱いやすくて割と丁度いいサイズ感なのです。

でけえなあって思うかもしれませんが、タープは平面サイズよりも「立体的にした時にどんなサイズになるか」ってのが重要で、一人で超快適、二人で普通に寝られるっていうサイズ感が大体この辺りのサイズになってきます。







Tarp X Duo Sil

それではそんなタープ・X・デュオ・シルをサクッと見ていきましょう。

収納時はこんな感じで長さ23cm x 幅14cmほど。

スタッフサックは同じシルナイロン製のものなので、滑りが良くシュルシュルと出し入れできます。

で、ドバンと広げると290cm×290cmの正方形。

ここからは「やや風があって、もしかしたら小雨も降るかもね」と仮定した、オーソドックスで一番簡単なタープ泊スタイルで張ってみます。

風上側の両サイドのループを直接ペグダウンし、入り口側の両サイドは内寄りに寄せてから直接ペグダウン。

あとはトレッキングポール立てて、ガイラインを2箇所ペグダウンして調整すればもう完成。

風が凌げて、雨の侵入や跳ね返りも極力抑えられます。

ついでに天井センターのループから背後にガイライン引っ張って、トレッキングポールとか木とかを使って引っ張れば中の居住性が格段にアップします。

そして前から見ると、二人が余裕で寝られるスペースと、この見た目の美しさ。

300g台のストイックなソロモデルもいいけど、せっかくテントじゃなくタープで軽くなった分は、たとえ470gだとしても居住性をアップさせる方を僕は重視したい。

ちなみにガイラインと自在は、同ローカスギアのダイニーマ・リフレクティブ・ガイラインミニ・ラインロックを3mセットでこのくらい持ってってます。

ダイニーマのラインは強度がある上に軽量で、なおかつ適度な硬さで扱いやすい。

 

で、タープ・X・デュオ・シルの生地は、耐水圧を強化したっていう約44g/平米のLocus Gear オリジナル・シルナイロン。

フチ部分はこのように三つ折りにして縫い込まれてます。

シルナイロンは生地自体に強い撥水性があるわけではなく、傘のように「パンッ」っと張った張力で雨を弾くってイメージ。

縫い目のシーム処理はされてないので気になる人は自分でシーム処理しないといけないけど、そのままでも必要十分な防水性がある。(どうせ大雨予報の時はタープ持っていかないし)

しかもシルナイロン生地が扱いやすいのは適度に伸縮性があるので、ついついテンションかけすぎても多少伸びてくれるし、風に対しても柔軟に対応してくれる。

その辺りも含めてシルナイロンのタープは最初の1枚としてオススメできるのです。

 

そしてペグダウンしたりガイラインを通すためのループは全部で17箇所。

4つのコーナーとそれぞれの辺に3カ所づつ、そしてタープのセンターに1カ所。

この数が多いほど多種多様な張り方ができるんだけど、「決まった形ばっかは嫌だけど、かといってそう多くのパターンに展開できなくていい」ってラインが17個で丁度いい。

何十通りの張り方ができるニンジャタープはなんと21箇所もあるが、実際何十通りのバリエーションは必要ないし憶えられない…。

で、ここのループ部分が一番負荷がかかる部分なんで当然補強が重要。

デュオ・シルはこのように丈夫な生地(ポリエステル基布PVC加工仕上げ)でしっかり補強されている。

そしてタープ中央のループ周囲はダイニーマクロスで補強されているので、引っ張っても強度があるし、

こんな感じでセンターポールかましちゃっても大丈夫。(さすがに尖ったのはダメよ)

この17箇所のループをどう使うかはその場の状況と気分次第だ。

 

ついでに色のことも書いておくと、タープの色にはそれなりに意味がある。

赤いタープは陽光の熱を集めてタープの下を少しだけ温めたり、逆にグリーンは完全に日陰を作って涼しくしたりの微妙な効果が。

他にも暗い色には虫が寄りやすいけど、暖色系の色には虫が寄りにくいとか。

僕の場合このアスペン・ゴールドの色が気に入っているのは、焚き火などの灯りに対するレフレクション効果があって、タープ自体がほのかに発光するってこと。

こんだけ明るけりゃ暖色系でも虫が寄って来そうなもんだけど、焚き火の煙効果で意外と快適。

まあその代わりタープについた焚き火の匂いは取れんけどね。

でもその染み付いた匂いも好きなんだけどね。

 

話は戻って、おひとり様と仮定してタイベックシルバーのシート(1m×2.5m)とSOLのエスケープライトヴィヴィを敷いてみるとこんな感じ。

一人だと快適そのもの。

こんな感じにすればもっと開放的にもできますよ。

こんな感じで高台から沢とか眺めながらボケーっとできたら最高じゃないすか?

ゆっくりコーヒーをミルで豆挽きから作って楽しむもよし、のんびり本を読むもよし、気のおけない仲間と語らうもよし…。

もちろん焚き火と酒と星空と…。

 

てな感じでいかがでしたか?

タープの魅力とタープ・X・デュオ・シルのバランスの良さは伝わったでしょうか?

ローカスギアさんのプロダクトは楽天やアマゾンでは買えないんで、直接メーカーの商品ページリンク貼っておきますね。

LOCUS GEAR(ローカスギア)「Tarp X Duo Sil (タープ・X・デュオ・シル)」

出典:locus gear

さあ、今年は少し趣を変えて、タープでじっくり自然を味わってみてはいかがでしょうか?

慣れて来て天候が良い時などは「なんだ、テントより快適で気持ちEじゃない!」ってなること請け合いですよ。

 

まあ夏場はバグネットなどの虫対策は必要だけど、そんな時は無理してタープ使わなくてテントでも良いんです。

スタイルに固執せず、その時の自分が一番楽しいと思うモノで楽しんでくださいね!

それではまたお会いしましょう!

素敵な夜を!