九重連山男塾4〜極楽浄土と激闘大相撲〜

全力の吹っ飛び相撲や壮絶下痢下山など、死闘に次ぐ死闘が繰り広げられる九重連山男塾。
続々と犠牲者を出したものの、王大人(ワンターレン)の勝手な活躍もあって命を取り留める男たち。やがて二人は厳しい初日の修行を終え、ついに憧れの桃源郷「坊ガツル」に到達した。
その極楽でしっかりと英気を養った二人は、翌日、朝日に照らされながら手男死相撲史に刻まれる大一番を繰り広げることになるのである。



第10話 男塾名物「星降坊我都琉」

地獄のような肥溜め下山。

そこで下痢まみれとなって死亡してしまった田沢慎一郎。

しかし次の瞬間、目覚めた彼の目の前にはこのような素敵すぎる光景が広がっていた。

田沢は朦朧とする意識の中、この光景を見て「あれ?そうか、俺、肥溜めに落ちて死んだんだっけか。そっかそっか。ここが極楽浄土ってやつかぁ。」と己の死を受け入れた。

なんせここは無料でどこにテント張ってもOKで、ロケーションも最高で、その上トイレもあって炊事場まであるという極楽浄土。

田沢は「うふふふふふふ、あ、きれいなお花畑〜」と言いながら、その広大な極楽浄土をフラフラと彷徨う。

このように、ここは誰もが極楽と勘違いしてしまうほど素晴らしい場所。

こここそ、七難八苦を乗り越えてきた真の塾生のみが到達できるという桃源郷「坊ガツル」

1000年前に李苦渋によって発見され、羅武沙阿留条約の登録湿地として多くの武芸者達を癒してきた聖地となのである。(参考資料:太公望書林刊「世界の湿地帯と男の失血体」より)

 

きっとシーズンの連休時などはテント避難村と化すであろうこの場所も、本日は職権乱用の月曜日につきほぼ独占状態。

そんなこんなで、夢だった桃源郷にて最高のテント設営に成功。

そして二人は、その極楽浄土の先にある「究極の極楽」に向けて移動を開始。

実はこの先の法華院温泉山荘では、温泉という名の「超聖水」が待ち受けているのである。

ここまでの激しすぎる大縦走によって、すっかり足が大きく腫れてしまった田沢も興奮を隠しきれない様子だ。

かつて李苦渋の弟子である「慈四列呑(じよんれのん)」はここでこのような詩文を残している。

『癒魔神』

“想像してごらん 天国はあるんだと
ほら、簡単でしょう?
九重に地獄なんて無いし
僕たちの前には ただ温泉があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって…

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな温泉に入って
きっと世界は一つになるんだ”

 

想像できるだろうか?

あの過酷な大縦走を経て、疲れ果てて体も冷えて限界ギリギリ状態で突っ込んで行った温泉の壮絶な気持ち良さを!

五臓六腑に駆け巡る黄金の麦酒の喜びの賛美歌を!

そしてその後で、家にサンダル忘れたからまた濡れた靴下とグチャグチャの靴を履く羽目になった田沢の無念を!!

 

極楽の世界でも油断は禁物。

これが苦渋十七連山12番目の試練「天国から地獄」なのである。

 

やがてテン場に戻った二人はやっとのんびりメシタイム。

このような草原風の場所で松尾がスパゲティを茹でると、なぜかたちまちモンゴルの呪術師に人生を占ってもらってるような気分になるから不思議である。

その後ドルジ松尾は故郷ウランバートルを想いながら静かに馬乳酒を飲んだ。

田沢も何度も意識を持って行かれそうになりながらも、明日を生きるために必死で餅を食らう。

 

やがて時は経ち、坊ガツルに夜の帳が下りる。

青く広かった空は次第にその色を濃紺に染め上げていき、そのまま舞台は壮大な星屑のステージへと変貌。

スポットライトが坊ガツルを照らし、舞台上のテントはひときわ美しく光り輝く。

そして幾千もの星たちのオーケストラは、美しくも大胆で壮大なシンフォニーを奏で続けた。

という、素敵な夜をバッチリ大満喫した松尾。

もちろんこの時、すでに限界を超えて我慢できなかった田沢は一切この星空を見ることなく泥のように眠っていた。

 

そんな彼のテントの頭上には、煌々と「死兆星」が光り輝いていたという。







 

第11話 男塾名物「船上大相撲」

やがて夜が明け、再び二人はモーニング急登タイムに突入。

坊ガツルからのピストンで7番目「大船山」と8番目「北大船山」を朝飯がわりに平らげてやるのである。

実は昨日までは縦走路だったから多少のアップダウンで済んだが、本日は普通にビッグな山を二つ登るという感覚。

残りは4座だが、そのガッツリ度は昨日よりはるかにヘビーだ。

もちろん朝日が昇る前のこの段階で、田沢が早くも廃人顔になっていることは言うまでもない。

ドラクエのようにひと晩寝れば都合よくHP・MPが全回復なんて現実にはありえない。

特に四十を超えてからと言うもの、朝起きてもHPはオレンジ色までしか回復しないばかりか節々がすごく痛い。

で、そんな状態で、起き抜けからいきなりこのような「カチカチツルツルキュートー」という名のボス戦に突入させられるのだ。

片足愛染恭子の田沢には本日も厳しい試練。

それでも昨日まで激戦場だった九重連山の1〜6の山々が、美しい姿で大鐘音のエールを叫んで二人を応援してくれている。

男塾は基本的に一度戦った相手は次回の大会から蘇生して仲間になるシステムなので、まさに昨日の敵は今日の友。

やがて美しく朝日が昇り、今日の修行の始まりを告げる銅鑼の音が九重道場に響き渡る。

はるか遠方には見目麗しき双耳峰「由布岳」のお姿も。

そして眼下に見下ろすは、米窪や段原(だんばる)の火口跡。

いよいよその絶景度に歯止めがかからなくなって来た九重連山。

さすがは九重の東の盟主と言われる300名山からの眺め。

そして今、くじゅう17サミッツ7番目であるその「大船山(だいせんざん)」に到達なのである。

綺麗めな写真をポンポンとお送りしてあっという間に着いた感があるが、朝っぱらからかなりしんどい道のりだった。

さあ、それはそれとして、本日も張り切って奉納の儀式を始めよう。

 

儀式一.「山頂数字寫眞」

2日目の1発目、「7番」大船山。

2日目ともなるとだんだんこの作業が「仕事」みたいに思えて来て、淡々と撮影作業は続く。

二人はほとんど打ち合わせもせずに無言でこのシンクロポーズを決められたほど、この不毛なお仕事に慣れてしまったのだ。

 

儀式二.「山頂表現寫眞」

大船山(だいせんざん)のテーマは、「大船に乗って未来へと漕ぎ出すBBG丸」である。

船役の田沢がやたら切ない顔をしているのは、松尾の重量で腹に岩が食い込んでいるからである。

結構しんどい態勢のようだが、荒ぶる波濤をかき分けてBBG丸が勢いよく大海へと飛び出して行く様子が上手に再現されている。

 

儀式三.「手男死相撲十番勝負」

もうすでに横綱松尾山の勝ち越しは決まっているが、まだまだ彼らの奉納相撲は終わらない。

松尾は全勝優勝を、田沢はせめてもの1勝をかけて挑む二日目の初戦。

 

それでは「第七番 大船山場所」。

いざ、始めィ!

 

昨日のFlyAwayのこともあり、田沢は背後の岩ばっかり気にして取組前から勝敗は決まっていた。

今の田沢なら、バッファローマンに「俺の超人強度は1000万パワーだ!」と言われた時のウォーズマンの気持ちが痛いほど分かることだろう。

差が圧倒的すぎるのである。

しかし次の北大船山で、そのウォーズマン田沢はいつもの2倍のジャンプと3倍の回転で光の矢と化す。

ついに田沢が松尾に一矢報いる時がやってくるのである。

 

で、その北大船山はそこからわりかし近い場所にある。

道中の出来事はサクッと割愛して早速行ってみよう。

 

儀式一.「山頂数字寫眞」

くじゅう17サミッツ「8番」北大船山。

テレフォンショッキングなみの美しいシンクロが決まった。

 

儀式二.「山頂表現寫眞」

名前が「北大船山(きただいせんざん)」ではさすがになす術がない。

ということで、とうとう単純に乗り手と船が逆転しただけのやっつけ仕事となった。

今までで一番アングルも雑で、いよいよ彼らの行き当たりばったりの企画も限界に近い。

しかしそれもまた試練なのである。

 

儀式三.「手男死相撲十番勝負」

そしてついにやってきましたこの一番。

この手男死相撲十番勝負の中で、最大の「大相撲」となった歴史的一戦。

ここまではあっけなさすぎる敗北姿をさらし続けてきた松尾が、ついに1200万パワーの光の矢となって一矢報いる時。

観客も大興奮となった大相撲。

 

さあ、待った無しの「第八番 北大船山場所」。

いざ、始めィ!

 

惜しい!

僅差で田沢無念の黒星。

しかしこの見応えある大相撲に対し、観客からは惜しみない拍手が田沢に送られた。

とは言え、これで田沢はまさかの8連敗で情けなさMAXである。

 

で、そんな弱り切った田沢に対し、本日も苦渋十七連山の試練が「おはよう」の挨拶がわりに追い打ちをかける。

悔しさいっぱいに花道を出た後、田沢が何気なくトレッキングポールを突き刺した場所がまたしても「岩と岩の狭間」。

で、昨日に引き続き、聞き覚えのある擬音「バキッ」って音が。

 

しばし田沢はプルプル震えながら「う…うそだろう…」と言って動かなかったが、やがてゆっくりとトレッキングポールを持ち上げた。

そこには「二日連続ポッキリポール」という信じがたい光景が展開していたのである。

昨日折ったのとは別の、もう一本の方が美しく折れている。

しばしこのポーズのままフリーズする田沢。

 

これぞ苦渋十七連山の試練第13番「1万円ポッキリ2〜延長料金7000円〜」の悲劇。

「ボッタクリ奉納パブ・KUJU」は、まだまだ田沢から快晴の代償をぼったくろうと本日も意気盛んに営業中なのである。

 

やがて8連敗&ぼったくられ男は、ヘロヘロになりがら坊ガツルに帰ってきた。

失ったものはしょうがない。

とりあえずさっさとテント撤収して、荷物まとめて気を取り直そう。

こんだけ快晴なら、テントも乾いて撤収も楽チンだ。

なんて思っていた田沢の目に飛び込んできたのがこちら。

苦渋十七連山の試練第14番。

「田沢のテントのとこだけずっと日陰だったである。

右側のしっかり乾いた松尾のテントに比べ、左の日陰エリアで倒壊して霜にまみれる田沢テント。

もちろん全く乾いてないどころか、積もった霜が徐々に太陽で溶け出してびちゃびちゃである。

田沢はがっくりと膝をつき、「なぜ…俺のところだけ…」とうなだれる。

もはややることなすことダメな本厄の厄年男。それが田沢慎一郎。

とりあえず彼の場合、これだけ晴れてるのにまだ命があるだけ良しとしておかなければならないのである。

 

さあ、九重連山による田沢殺しもいよいよ最終段階に突入。

彼が乗り越えるべき苦渋十七連山の試練は残すところ「3」

そしてくじゅう17サミッターの称号獲得まで、残りわずか「2座」

 

次回、いよいよ九重連山男塾最終章。

九重の空に彼らの根性が羽ばたいた時、

黒き邪悪の影が、静かにあの男(T)のもとに忍び寄るのである。

 

九重連山5へ 〜つづく〜

 

アイテム紹介

今回は、田沢のようにやることなすことダメな本厄のアルピニストたちにオススメするこの一品。

お祓いセット「榊玉串(さかきたまぐし)」です。

 

本厄だから本当は大人しくしてなきゃいけないけど、それでもどうしても山に行きたいというハイカーの必需品。

これを常時ザックのピッケルホルダーに装着しておけば、一歩一歩歩くたびに左右に揺れて常にお祓い効果が得られます。

しかも田沢のように不意にトレッキングポールが折れた時は、このお祓い棒をポール代わりに使うことも可能。

手押し相撲などで足を負傷しても添え木として使用できるし、自分の厄のせいで仲間が雪崩に巻き込まれた時はゾンデ棒としても活躍します。

 

とにかく本厄の人のマストアイテム。

これを持っていくことはエチケットとも言えますね。

 

それではまたお会いしましょう。

 

 

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ユーコンカワイ

低体温・低血圧・低収入というギアレビューにもってこいの人体サンプル。いつも顔色は土色だったり汗冷えのスペシャリストだったりするが、今日も持ち前のマゾん気を武器に山に川にと出没する。 素材がどうとかの専門的な事より、フィーリングやロマン重視のあまり役に立たないギアレビューを得意とする男である。