九重連山男塾1〜苦渋への旅立ちと失踪の未亡人〜

第3話 男塾名物「失踪軽愛染」

10座ある「くじゅう17サミッツ」の内、ようやく最初の1座目「星生山」を制圧した松尾と田沢。

無事に3つの山頂儀式も済ませ、いよいよここからは男を磨く大縦走の始まりである。

 

まずはこの想定外すぎた雪道をどうにかしなくてはならない。

しかし抜かりのない田沢は、「ふっふっふ、俺の経験値を甘く見るな。こんなこともあるかと思ってちゃんとこいつを持って来ているぜ。」と軽アイゼンを取り出した。

いつも12本爪の田沢は何気にこれが初めての軽アイゼンだったりする。

一応買ってはいたが、なかなか出番がなかったエバニューの「4本爪アイゼン(ゴムバンド式)」がようやくここで初登場なのである。

当然軽いし装着も容易で、簡易的なものではあるがあるとないとでは大違い。

田沢は「あ、意外といい感じだねこれ。」と満足げ。

気に入ったアイテムができるとすぐに名前をつけたがる彼は、その軽アイゼンに「愛染(あいぜん)恭子」という名を与えて今後も大事にしていこうと誓ったという。

 

やがて二人は星生山からの下山を終えると、そのまま次の久住山(くじゅうさん)に向けてその足を進めた。

この雰囲気が、まるで南米辺りのロングトレイルでも歩いているようでなんとも気分が良い。

目を細めてみればここをどうにかしてパタゴニアだと思い込む事は容易な作業だ。

なんせ我々は中学時代、桜木ルイの「その先の世界」が観たいがために必死で目を細めて想像力を養って来た世代である。

体力こそ衰えたが、我々世代は現代の恵まれすぎた若者にはない「その先を想像する強い信念」がある。

若い世代は、もっと一本一本の作品を大切にして欲しいのである。

 

多少話が逸れたが、それほどまでに容易に「外国感」を味わえるのがこの九重連山の良いところだ。

やがて分岐に到達し、一旦荷物をデポして空身にてピストンで久住山の山頂を目指す。

しかし田沢に関しては「中性脂肪」という名の荷物をデポすることができず、空身のくせに相変わらずペースが上がらない。

当然それを確認した松尾によってまた介護放棄され、遥か遠方の壮大な景色の中でまた「グエ…ぐえええ…」と嗚咽を漏らすことに。

登りが始まる度、毎回彼は老いや衰えと強制対峙させられて切ない気持ちに支配されるという。

そんなことは知ったこっちゃない若さ溢れる松尾鯛雄は、またしても悠々と先行してサクッと久住山単独登頂成功。

さすが100名山だけあって、ここからの眺めも実にグンバツである。

やがてその広大な景色の中からおじいちゃんが死にそうになりながら山頂到達。

ちょうど良い感じで山頂で息を引き取ったので、そのまま3つの儀式へと突入です。

 

儀式一.「山頂数字寫眞」

「2番」久住山制覇。

おじいちゃんのリアルな死にっぷりが、ちょうど良い感じで2の土台になっている。

 

儀式二.「山頂表現寫眞」

そしてそのおじいちゃんを無理やり起こしてそのまま写真を撮ればOK。

久住山(くじゅうざん)のテーマは「苦渋に満ちた表情」です。

松尾の作り苦渋顔と比べると、田沢のリアル苦渋顔はさすがと言った趣があります。

 

儀式三.「手男死相撲十番勝負」

なんとか連敗は避けたい田沢だが、取組前に若干足にきているのが気になるところ。

 

いざ「第二番 久住山場所」

始めィ!

 

クソ弱え!

異常に発達した彼のプロレスラーみたいな下半身の筋肉は一体なんのためについているのか?

しかも踏ん張る際に腕をぐるぐる回しすぎてまた四十肩を痛めている始末。

一方松尾は余裕の盤石横綱相撲である。

 

とりあえず無事に3儀式を終えた二人は、さっさと久住山の下山開始。

その時、田沢が「あれぇ?恭子、恭子がいない!」と叫んで立ちすくんでいるではないか。

なんと彼の右足の軽アイゼンがいつの間にか外れており、周囲を探せど全く見つからないのである。

買ってから1回目の使用にて、彼の軽アイゼンは100名山久住山山頂付近で突然の失踪。

田沢は「恭子ぉーーッッ!」と叫びながら必死で捜索するが、お気に入りの愛染恭子は一向に返事をしてくれない。

これぞ苦渋十七連山第4の試練「愛染恭子の失踪」である。

代償の原因にもなっているこの大快晴の青空が、彼の悲しみをより一層切ないものへと助長する。

それでも恭子への愛を諦めきれない田沢は、必死で捜索しながらの下山。

で、くまなく探したが結局荷物のデポ場所付近まで降りてきてしまい、とうとう恭子の捜索は打ち切られた。

田沢は「まさか…まさか俺が未亡人になるとは思わなかったぜ…」と呟くのが精一杯。

これが世に言う日活名作ロマンシリーズ「愛染恭子の未亡人下宿〜久住山編〜」の真相である。

 

そしてここから彼は軽アイゼンという重要なアイテムなしで、これから始まる厄介な雪道への挑戦を余儀なくされることに。

晴れたんだからしょうがないことだが、どこまでも過酷な試練が田沢を襲い続けるのである。

 

さあ、一応これで100名山の久住山も制覇して、くじゅう17サミッターの称号獲得まで残り「8座」。

そして田沢の苦渋十七連山の試練は残り「13」。

まだ2座しか終わってないのに、早くも田沢のHPとMPは真っ赤かだ。

果たしてこんな調子で彼らの悲願は無事に達成されるのだろうか?

 

そして次回、九州本土最高峰・中岳での「手男死相撲」で大波乱が巻き起こり、九重連山の空に大量の座布団が舞うことになる。

とうとう田沢が金星を得て逆襲を開始するのか、はたまた松尾が横綱の威厳を守り通すのか?

まだまだ目が離せない九重連山男塾。

次回、奴らの男が加速する。

 

九重連山男塾2へ 〜つづく〜

 

アイテム紹介

毎回記事内に登場した中で、最も男度が上がると思われるオススメのアイテムをピックアップ。

第1回目の今回はこちらの3アイテムだ。

 

まずはこちら。

EVERNEW(エバニュー )の「4本爪アイゼン(ゴムバンド式)」でございます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

エバニュー EVERNEWアイゼン4本爪アイゼンEBY-012
価格:1620円(税込、送料別) (2017/4/8時点)

別名を愛染恭子と言い、詰めの甘い主人に買われると一発目から失踪する4本爪の軽アイゼン。

色も黒いから、一度失踪すると捜索は困難を極める。

これを久住山の山頂付近で発見した方は、下記の宛先までふるって郵送してください。

BEST BUY GEAR「大バカ野郎係」まで

 

一応エバニューさんのために書いておくと、今回に関しては田沢のバンドの締めが甘かったことと、岩場でもずっと履き続けてしまったことが恭子を失踪にまで追い込んでしまったのであります。

これを使う際は「夏場にちょっとした雪渓だけをやり過ごす場合」にのみ使用するようにし、あまり長時間岩場で使用しないことをお勧めする。

メーカーさんの位置付けも多分そんな感じと思われ、今回みたいな時用にちゃんと「バックル式」のタイプのものが出てるんです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

EVERNEW(エバニュー) 4本爪アイゼンバックル式 EBY013
価格:3283円(税込、送料別) (2017/4/8時点)

何気に値段はゴムバンド式の2倍もしてしまうが、重量はほとんど変わらないので、田沢のようになりたくなければこちらを買っておいたほうがいいだろう。

特にゴムバンド式は締め付けるのにそれなりに力がいるので、女性の方にはこちらのタイプをお勧めする。

 

一方、男性の方にはこちらのタイプの軽アイゼンをお勧めしたい。

山本晋也監督の「愛染恭子の未亡人下宿」である。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】◆DVD◆愛染恭子の未亡人下宿◆【送料無料】【smtb-u】
価格:4104円(税込、送料無料) (2017/4/8時点)

残雪期などの雪が微妙に残る季節に、これを一つザックに忍ばせておくだけで安心感が違ってきます。

驚くべきはそのハイスペックな仕様。

出演者は桜金造・モト冬樹・たこ八郎・なぎら健壱・大竹まこと・コント赤信号・所ジョージ・タモリ・立川談志など信じられないほどの顔ぶれが並んでいます。

これだけスベり知らずな男たちが脇を固める愛染恭子。

これほど安全で滑らない軽アイゼンを私は他に知らない。

 

以上、男度を上げるアイテムのご紹介でした。

毎度のことながら一切の苦情は受け付けません。

このDVD持って雪道で滑落されても弊社は一切の責任を負いません。

というか絶対持っていかないように。

 

それではまた次回お会いしましょう。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ユーコンカワイ

低体温・低血圧・低収入というギアレビューにもってこいの人体サンプル。いつも顔色は土色だったり汗冷えのスペシャリストだったりするが、今日も持ち前のマゾん気を武器に山に川にと出没する。 素材がどうとかの専門的な事より、フィーリングやロマン重視のあまり役に立たないギアレビューを得意とする男である。